My life as a cat
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2007年06月23日(土) 色づきはじめた景色

先週にやっとマーヴと電話で話せるようになってからは、初めて恋人を持った高校生のように電話を握りどおしで過ごした。毎日一緒にいられた頃のように、"What else?"ともう話題が思いつかなくなるまで一日のことを話し尽くしてからぐっすり眠れる夜をやっと取り戻した。昨日には最高裁へのアピールも受理されてもう一度チャンスがうまれた。

マーヴが夢の中に会いにきたことが妙に不吉で、一日中吐き続けた3ヶ月前が遠い昔のように思えるほど、いろんなことが回復した。

ふと、空が青いことに気付いた。帰国してからこんな青い空を見たことはなかったように思うけれど、それは単に自分の心が曇っていて本当の色が見えなかっただけなのかもしれない。やっとやっと目の前にある景色が色づきはじめた。


2007年06月13日(水) 日本の血滅亡

子宮の病気が疑わしく精密検査を受けた結果、とりあえず今は大丈夫だけど、将来怪しいでしょうということだった。症状が出たときにはもうかなりまずい状態ということが多い病気らしいから、とりあえずは怪しげということを偶然、早期発見できたことは非常にラッキー。手術を受けるか、もう少し様子を見てみるかは自分で考えてくださいと言われた。と言われてもね、とセカンド・オピニオンを聞くべく、別の医者を訪ねてみようと思っている。

不妊主婦同盟を作っているという同僚も子宮の病気が発見され、あちこちの病院を駆け回っていて、ランチ時の話題はもっぱらそんなことになってしまう。が、「こんなことになってしまったから、子宮摘出なんてことになる前に早く子供を産んでしまいたいのだと旦那に釘刺しといたわっ」と強い口調で言うのでおや?と思い聞き返すと、どうやら原因は不妊とか言う以前にまず旦那の帰りが遅くて。。。云々らしい。いやぁ。。。聞きたくなかった。

通勤電車の中では女子高生が脚を広げ、「おめぇが言ったんだろっ!」などと罵倒し、美容院では写真の切り抜きを握りしめてきた男子学生が「この辺を短く、ここは残して。。」などと細かく指定する。子宮の病気も不妊も性別の曖昧な人々も増えて、日本の血滅亡の危機かも。


2007年06月06日(水) そのスマイルが欲しかった

忙しい通勤途中、急に温かいものが飲みたくなって職場の隣のビルのカフェに駆け込んだ。何にしようかとざっとメニューを眺めていると、"Hello,how can I help you?"という声がして、咄嗟に"Can I have a,,,,,,"と答えて、あれ?と顔をあげると、インド系の顔をした(でもアメリカ人)店員が立っていた。普通に英語で話しかけてくるのかぁ。このビルは外資企業の自社ビルのようで歩いてる人の半分が外国人なものの、日本で普通に英語で通す外国人店員というのもあまり見たことがなかった。彼はさっさと作ってくれたカフェ・モカを手渡し、"Thank you. Have a nice day."と言いながらわたしの目を見てにっこり笑った。その瞬間なぜだかスカッと心が浄化されたような気持になった。わたしはこれが好きなんだ。東京中のカフェやコンビニの店員が、きっちりマニュアル通りの言葉で挨拶し、お辞儀をして丁寧に両手で手渡してくれるのはもちろん悪い気がしない。しかし、礼儀正しくても彼らは絶対客の目を見たりすることはない。それならロボットでも変わらない。どこか血の通わないようなサービスを真剣に成し遂げているのもほんの少し息苦しい。挨拶にマニュアルがあるのは世界中どこを探しても日本だけではないか。どこまで”統一”好きなのかと呆れつつも、統一しないと収集つかないほど病的にはみだしてしまう人が多いことは確かだ、と納得する。健全ならば"Thank you"の一言と目を見てスマイルするだけ。それで十分です。


2007年06月02日(土) 泣けたっ

ちょっとした体の不具合が見つかって、検査の為に病院通いをするようになった。虚弱だった子供の頃に行き過ぎてしまった反動なのか、大人になってから「病院」という存在自体が逃げたくなるように怖い。母ももう子供の頃にように一緒に付き添ってくれることもない。ひとりで心細く病院へ行って、家に戻るとマーヴから手紙が届いていた。
「君は健康だと思う。大丈夫だよ。それにどんな病気を抱えていても僕は君を愛すると思う。」
と書かれていた。家族以外の他人に”絶対”に近いくらいの愛情を信じてしまってもいいのかもしれないと気持ちが緩んで、妙に泣けた。

(写真:母の白い紫陽花)


Michelina |MAIL