My life as a cat
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2006年09月29日(金) ごちそうさま

韓国人のインがわたしの大好物、ビビンパを御馳走すると言って家に招いてくれた。パティシエになるべく料理を基礎から勉強しているだけある。みごとな手際の良さでずんずん野菜のナムルが出来上がっていく。そしてごはんが炊けるのと同時にワカメスープも全て揃った。さすが!

日本留学やイギリス留学、そしてそこから出かけた旅の楽しい思い出を聞きながらモリモリと食べて赤ワインと飲み込む。流暢な日本語で丁寧に話しては嬉しそうに笑う目尻の微かな皺に勤勉さが刻まれているようだった。

「あなたもベジタリアンでよかった。わたしもお肉は触れないから、たまにお肉好きの人を招くと野菜だけで満足してないんじゃないかって心配になっちゃうの。」と言って食欲旺盛なわたしを歓迎してくれた。


2006年09月23日(土) ハンサムと太った女

ある金曜の夕方、雑多な事情からある高級レストランにいた。予約の状況に準じて食材を仕入れるその店に、突然パリッとスーツを着込んだハンサムな男とその男の倍は横幅のある太った女が「通りすがりなのだけれど、いいかな?」と言って駆け込んできた。男はメニューも見ずにとりあえずと言って前菜とワインをオーダーして、それから食後のコーヒーを飲み終えるまでテーブルに胸を置いているかのように窮屈そうに座っている女の手をずっと握り締めて、二人はずっとにこやかに会話していた。

こちらでは「ハンサムと太った女」なんてよく見る組み合わせだから別に珍しくもなんともないけれど、見た目もよく、羽振りもよく、もてそうな男が、ここまで太った女にメロメロになっている理由はなんなのだろうとふと思って、この話を周囲の人間に話してみると国民性の出た面白い回答が得られた。

欧米暮らしが長くて日本人的感覚を忘れかけてるAちゃんは、
「その男はある日泥酔いして間違えてその女と寝ちゃったんだ。そうしたらあまりにもの肉感の気持ち良さにはまっちゃたんだ。」
と言い、29歳の至って普通のオージーのフィリップは、
「その男はすごくいい奴に違いない。でも俺はそんなに優しくないからデブはお断りだな。」
といい、シェアハウスのオーナーでイギリス人の中年ステファンは、
「その女は金持ちに違いない」
などといい、もうわたしはずっと噴出しまくりだったけれど、最後の最後にこちらでまだ半年、大和撫子な日本人Bちゃんから、
「きっとその女の人はすごく性格がいいんでしょうね。」
という回答が得られた。日本人ならやっぱりこれでしょう?


2006年09月14日(木) 続・リサの恋 

リサと午前の清々しい匂いが立ち込めるロンドン・コートで朝食を。このところの話題はもっぱら彼女が最近気になっているミラネーゼの男の子のこと。彼女のようなよく勉強が出来る人は複雑に考え過ぎてしまっていらない問題ばかりつくりあげているのではないだろうか。先週末に遊んだ帰りに彼女からキスをしたら相手は無反応でそれ以来電話もくれない云々。。。どうしたらいいと思う?とわたしに聞くのは間違ってる。もちろん、電話してみれば?と答えるしかない。だってそれ以外に何も思いつかない。しかし、それ以前に女からキスをされてしまうような空気をつくりあげて反応も示さないなんて嫌なヤツっとわたしだったら醒めてしまうなっ。はっきりしない男は不誠実。意地の悪い男より嫌い。

「ねぇ、でもわたし彼と行ったナイト・クラブでセキュリティのお兄さんに言い寄られたのよ。わたしもそう悪い女じゃないってところを見せられたかな?」
などと無邪気に話すのが面白くて、
「そうとも言えるけど、誰にでも言い寄らせちゃう簡単そうな女だとも思われかねないよ。」
とからかうようにつっこみをいれると”Oh!! Shit! Ah,,,,,,maybe,,,, you are right”と心底悔しがっているような顔をしていた。まぁ、本当は単にそんな素直なところが彼女の魅力でたくさんのガイから声がかかるのだろうけど。

あまりにも繊細でむず痒い展開の彼女の恋愛話に軽い頭痛を覚えて別れて、感情表現だけは犬のようにシンプルにしてくれるマイ・ボーイ・フレンドと午後を過ごした。人間の感情は複雑なだけに表現はできるだけシンプルにしないとなかなか伝わりにくいのかもしれない。


2006年09月03日(日) 南豪土産

ちょっと長めの南オーストラリアへのビジネス・トリップからワインを携えて帰ってきたアレックスとサウス・パースでピクニック。まだまだ風が冷たいものの晴天で気持ちがいい。シティからサウスにスワン・リバーを渡ったこっち岸のほうが本来のわたしの居場所のようでほっとする。

リン・シード入りのクラッカーに長ネギ入りクリーム・チーズのディップ、ベジタリアン・サモサにフレッシュ・モッツァレラ・チーズをつまみに彼がステイしていた周辺のワイナリーで生れたシャルドネイをゴクリ、ゴクリ。葡萄の木と青い空と教会、それ以外に何も無い写真を見ながら、広大な地でワインに浸った静かな暮らしぶりを聞く。ジャーマンが最初に踏み込んでいったこの地でいかに人々がワイン好きかということや、夜が退屈で随分とワインに詳しくなってしまったことなど。これからも職業柄、どこに派遣されても街外れのワイナリーの中などに住むことになるのだろうからそれくらいの楽しみを持っていなきゃ淋しいものね。

アレックスは帰ってきたばかりで明日からまたダーウィン行き。次回パースに戻ってくる頃にはワイルド・フラワーが咲き乱れてキリリと冷えた白ワインが美味しい季節でしょう。


Michelina |MAIL