My life as a cat
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2006年04月30日(日) Sunday roast

日中はぽかぽかと暖かくて、家の庭にどこかからふと現れては1メートルくらい離れた場所で喉を鳴らしていく、グレイの小さくて弱々しい体つきの猫、トロイ(ここの住人にそう呼ばれている)とかくれんぼをして時間が過ぎていく。日曜はこの家のオーナーのステファンも庭仕事をしていて、いつもより騒々しい。

お昼過ぎにひと仕事終えたステファンに誘われて、テクテクと歩いてランチをしにいった。目の前でたっぷりと盛られたロースト・ビーフを食べる彼を見て、何故わたしを誘ったのか解って少し切なくなった。イギリス人のサンデー・ローストは家族の絆を深めるものとされているのに、彼には家族がいないからだ。ちゃんとした会社でいいポジションについてお金の運用のプロフェッショナルなのだから自身がお金に困ることなどない。それでも本人の興味は全くそんなところにない。もう一度あたたかい家族を持つことだけを夢見ているような感じだ。そして別れの辛さをきっとよく覚えているのだろう。ダディと呼びたくなるほどわたしを心配してくれて面倒を見てくれる。

なぜか「使っちゃう人と使われちゃう人」の話題になって「女が男を使うのはまだマシで、男が女を使い始めたら世界の終わりだと思う」などと発言したら「エェーー!?」と息をのんでいた。彼がプライベートな時間はいつもよれたシャツで裸足で歩き回って、全くお金などと縁がなさそうな出で立ちをしているのは、お金に寄って来られたことがあったからではないかなどと深読みした。

そこで別れてわたしは公園へ。芝生に寝転んで午後を過ごした。


2006年04月26日(水) みんなが違う

「韓国人や日本人の場合、信頼できる友達が連れて来る人は"いい人"だけど、ここは違う。みんなが違う意見や考え方を持っているから例え信頼できる友達が連れて来る人でも"いい人"だとは限らない」と先日グレッグが言っていたけれど、シェア・ハウスに移ってからそれを実感している。幸いシェア・メイトとは和気藹々やっているのだけれど、かといって彼らの友達とも仲良くなれるとは限らない。紳士なウガンダ人、テッドのフランス語を喋る黒人の友達は慣れ慣れしく誘ってくるし、愛想の悪いブラジル人、ラファエルの友達は案外気のいい人だったりする。

しかし、お国柄というのは確かにある。例えばわたしがボーイフレンドと別れたばかりだと言ったらイギリス紳士二人は"Are you ok?"と心配そうに訊ねてきたのに対して、一方陽気で軟派なブラジル人達は"I am available!"などと言って肩に手を置いてくるといった具合(笑)。そして日本人というのは日本人同士仲良くするのが当たり前という結束が強くて、彼らとよりもどちらかというとイギリス人と空気が合うわたしは"ちょっと変わった人"と一歩置かれてしまっているように思う。


2006年04月25日(火) 必要なもの

ほろ酔いで家に帰ると、顔つきのおかしいジェイミーがタバコを吸いながら待っていた。わたしの住処は"ついでに"寄れる街の中心にあるから、電話を持っていないわたしとコンタクトを取りたい人はみんなここへ来てしまう。彼は家族経営の会社で、兄弟の末っ子としてただひとりプロフェッションを持たず、"ビジネスマン"などという呼ばれ方で"OL"と変わり無い仕事をこなしている。お金持ちだけれどお金の使い方を知らず、頭はいいけれどきちんとした教育を受けていない。

わたしを見つけるとつかつかと近寄ってきて、必要な物はないか?おなかは空いていないか?と虚ろな目で訊ねながら吸殻を地面に投げ捨てる。お酒とタバコだけではない、なにかやらかしていると思った。心優しい彼を何がこんな風にしているのか。「そこに吸殻捨てないでよ」と言うと拾って誰かが育てているハーブの中に投げ捨てた。彼の無教養はたまにわたしを苛立たせる。何も必要ないと言うと悲しそうな表情をしてそこに立ち尽していた。疲れていたので部屋にあげる気にもならず、悪いけど今日は帰ってくれないかと言った。オーケーと言ってされた力ないハグとキスの香りがあまりにも苦々しくて、部屋に戻って涙が出てきた。心配してくれる人がいることを涙がでるほど有り難く思っているのに、感謝の気持ちの伝え方が解らない。今のわたしに必要なのはきっと健やかで元気な人だけだ。


2006年04月24日(月) 夫婦のかたち

夕方のスーパーマーケットで、つい最近リッチ・ガイと結婚して豪邸に住んでいるという噂の友達にばったりと会って、お宅拝見させてもらうことになった。「今の家はアパートだから前の大きな家より掃除が楽」なんて言っていたのだが、とんでもない。雑誌から飛び出したようなモダンで大きくお洒落な家。彼女は謙遜などしない正直な人だから面倒がなくて付き合いやすい。旦那さんにもらったダイヤの指輪などを「これは高い」などと言いながら普通に見せてくれる。「すごいね!」と言ったら「うん、すごいでしょ。」ってな感じ。

が、この後彼女より一回り以上年上のオージーの旦那さんが帰宅してわたしは少しずつ面食らうことになる。玄関まで彼女がきちんと迎えにあがると鞄をおろしてハグをする。そして夕飯は何かと訪ねる。夕飯を作っている間もポテトの茹で具合などをたまに見に来ては手伝ってゆく。文章で書くと至って普通のようだが、違うのだ。まるで「夫婦のマニュアル」というものでもあるかのようにピッタリ・キッカリそれが行われているように見えるのだ。わたしがカップをテーブルに直に置くとコースターの上に置き直されたりする。あるべき物があるべき所にないことは許されないのだそうで彼女は従うのみだということ。また太ってしまったら離婚されそうなどとも言ってタブレットのようなものも飲んでいた。彼女はとにかくリッチ・ガイが好きらしいのでそれもこれもきっと幸せなのに違いない。

ワインを頂いてぐったりしてしまったところでスペア・ルームに泊めてもらうことにした。心地良いベッドに入って、これといってリッチではなかったが、自由奔放を黙認してくれた過去のボーイフレンド達を少し懐かしく思った。


2006年04月23日(日) Brazilian night

夕方にテレビの前でぼんやりしているところを、若い若いブラジリアン・シェアメイトのホセに誘われて、彼の友達がバースデーパーティから雪崩れ込んだというコテスロービーチホテルのクラブへ。いつも若者が溢れんばかりにビールを片手に踊っているのをマーティンとビーチから眺めていただけで、中へ入ったことはなかった。ホセは日系2.5世というのか、ポルトガル語しか喋れない日本人の母親と中国人の父親から生れたから、顔だけみたら普通の日本人なのに、全く日本語は喋らないし、また日本人や日本文化などというものに殆ど興味がなさそう。高校の同じクラスの男の子と一緒にいるような錯覚に陥るのに、大和魂などというものは全く無い。ブラジリアンは嫌なことも面倒なこともみんな踊って忘れちゃうんだ、 so let's dance! という。空腹に一杯ワインを流し込んでボーっとしてきたところをフロアーに引きずり込まれ、振り回されるように揺すぶられ、完全にアルコールが体全体に満遍なく行き渡ったような感覚。

帰りの電車で爆睡して、ホセに引きずられるようにしてなんとか家に帰った。ダンスは好きだけど、若者って見てるだけで体力を奪われちゃう感じ。おばちゃんはぐったりよぉぉぉ。


2006年04月22日(土) 引越し

二週間お世話になったケンウィックのケビンの家からシティへ引越すことになった。朝早くケビンの友達のカイルが手伝いにやってきてくれた。なぜケビンではなくその友達が??という感じだけれど、単純にカイルはわたしが大好きなのだ。付き合いたいと言われているけれど、若くて純真な彼を傷つけずに断るにはどうしたらいいのだろうと悩んで、あやふやなままでいる。

引越しは簡単。一、二週間だけステイするつもりできたのだからスーツケースひとつしかない。カイルとランチを摂る間にも彼のアプローチは続く。送ってもらったお礼だと会計はわたしがさっさと済ませてしまうと、いいんだ、僕が払うなどと頑固に言い張った挙句に"I can take care of you"などと言われてしまった。22歳の学生が? 経済力ないじゃん、と一瞬思ったが、学生でも女性一人くらい養えてしまうほど暮らしがイージーなのがパースだ。不可能ではないな。しかし今日こそきちんと断ろうと切り出した。落胆の表情を見せたもののまだチャンスはあると思っているようだ。困ったものだ。

部屋に戻ってスーツケースを広げたものの面倒になってしまって、すぐ近くに住んでいる友達のマークに電話をかけると、ちょうど夕飯を作ってるから食べにおいでと言ってくれた。一年ぶりの再会をし、近況をわーーーっと話すと、フランスで出会ったって言われたらロマンティックな感じだけど、フランスで別れたって、、、、と笑われた。過剰に親身になってくれるわけでもなく、かといって軽薄に聞き流すわけではない、いつもただ穏やかに話を聞いてくれる彼の空気は居心地がいい。みんなでゴロゴロと寝転んでDVDを観て、起き上がっては甘いコーヒーを飲んで、チョコレートやケーキをつまんで夜が更けていった。


2006年04月18日(火) Almost transparent blue

仕事帰りのグレッグと待ち合わせ。初めて見る仕事着はノーネクタイでカジュアル。パフュームもほんのり香った。無臭のアジア人のパフュームの香りは浮いていて嫌だけれど、白人がつけるとなんともセクシーな匂いがする。うわぁ、ステキ!と楽しくなった。

カフェで喋っていたらお腹がすいてきたので移動。レストラン?それとも何か作る?と相談しながらドライブして、結局彼の家へ。独身男のキッチンからは漁っても漁ってもなぁ〜んにも出てこない。結局作れるものといったら卵焼きしか思い浮かばなくって世界一美味しい母親の卵焼きを思い出しながら作ってみた。その間にグレッグは野菜を茹でた。あまりにもヘルシーで少食な夕飯。食べたりないと言いながらも、グレッグはタマゴヤキは美味しいね、と言ってくれた。

ぐだぐだと赤ワインを飲みながらベッドに横になって、それでも寝付けずに窓の外をのぞいてみると満天の星空が見えた。シティからたった15分のこの場所でこんな星空が見えるパースは素晴らしい。夜空に吸い込まれるようにその世界に没頭して、もうどこへも行きたくないのだと思ってしまった。

それでも朝が来てみんなどこかへ出かけなければいけない。テキパキと身支度を整える彼に手をひかれようやくヨタヨタと立ち上がった。また今日も哀しいくらい自由な一日が始まる。朝焼けの中で青いシャツを着た彼の目は一際青く澄んで見えた。青はわたしのファイバリットカラーなのに、朝に青いものを見るとなぜかいつも泣きたくなってしまう。それでも彼はステイブルな姿勢を一寸足りとも崩さずに大きなビルに足早に吸い込まれていった。


2006年04月14日(金) Mandurah

ケビンに誘われ、彼の友達と総勢15人くらいでわんさかとパースから車で1時間のマンジュラへでかけた。人懐っこい中国系マレーシア人のシルビーに、そんな靴ではダメ、これを履いてとか、帽子は?などと言われて初めてこれはただのドライブではない、釣りに行くのだと知った。シルビーはバンビのような愛らしい目と絹のような肌、グラマラスな体を持っているにもかかわらず、たっぷりとしたシャツにハーフパンツ、学生らしい大きなリュックに色んな物を詰め込んで背負っている。どう考えても普段女らしい恰好をしているとは思えない。中国人ってこういうもったいない人多いなぁ。

ビューティフル!!なマンジュラの町に到着し、みんなせっせと釣り道具を用意し始めた。わたしは少し離れて少し気持ちが悪くなりながら遠目に見ていた。ブロウフィッシュ(フグのような毒を持った魚)がかかるとみんな堤防の上にぽんと放り投げて見棄てる。わたしは苦しそうにバタバタとしながら干からびていくそれをどうしても見ていられなかった。あぁマーティンがいたら、と思った。彼はいつも散歩の途中、橋の上で立ち止まっては、捨てられたブロウフィッシュを一尾ずつ眺めて、まだ呼吸をしているものは水に帰してくれた。彼のような体の大きな男が小さな魚を思いやる姿にいつも少し胸が熱くなった。わたしは立ち上がってブロウフィッシュを水に帰した。政府はこの魚は欲しくないんだよ、などと理屈を言われたけれど、わたしの感情がどうしても止まらなかった。

車の中へ戻って寝ていた。もう釣りなど二度と着いてくるまいと決めた。


2006年04月13日(木) イースターホリデー

イースターホリデーに入り開放感に満ち溢れたグレッグから電話がきて2度目のデートに出かけた。今日は彼がつい最近購入したばかりの家へ招いてくれた。モダンなタウンハウスに大きな家具がぽんぽんと置いてあるだけで、まだ人間の温もりがない。どうしたら温かい雰囲気になるかと一緒に考えてあげた。きっとそこであたたかい暮らしをすればいいだけなのだ。ワインを開けて買い込んできた夕飯を摂って調合してきたゼラニウムとベンゾインのアロマオイルでハンドマッサージをしてあげた。練習し始めてからもう半年経つのにまだハンドマッサージしかできないし、手つきも悪い。それでもその行為自体に人はリラックスしてくれるようだ。身の周りのことを沢山喋って夜が更けていった。

グレッグが作ってくれた朝食を摂って外に出るとひんやりした空気の向こうに泣きたくなってしまうほど澄んだ青空が広がっていた。仕事も私生活も充分満ち足りている彼はわたしには媚びていない。一方何もかもが不安定なわたしは頼りなげな感情を彼に重くのしかけている。甘くされればされるほど、もやもやと不安に包まれていく。帰り道のハイウェイを爽快にとばしながら、あなたの夢はなに?と聞いてみると、はっきりとした口調で明確な答えが返ってきた。この人は強く強くしっかり自分を支えて生きているのだと気後れした。わたしはどこへ向かっているのだろう。


2006年04月12日(水) キングスパークのピクニック

ナエちゃんとキングスパークへピクニックへでかけた。午前のパースのきりりとした空気と緩やかな喧騒が好き。シティを一望できる場所でレジャーシートに寝転んで小さな悩みや最近心に浮かんだことなどを話し合う。今更ながら、右も左もわからない南半球の小さな町で同じ文化の中に生まれ育った理解者を得られたことに感謝。どこへ流れていってもこの大きな青い空の下での出来事はきっと忘れないだろうと思った。


2006年04月11日(火) ファッティな幸福

火曜は半額になるワッフルを目当てにナエちゃんと旦那さんのデニス、ケビンとジェラーレに集合。ナエちゃんとわたしはレギュラーサイズのワッフルにクランベリーのジェラートを乗せたのを半分ずっこに、ケビンはホリデーの計画ばかりで、デニスは彼の顔の半分くらいある大きなアイスクリームに夢中。脂肪分の多い暮らしに少しげんなりとしながらも、この緩やかな時間の流れから抜け出せなくなってしまうのがパースという町だ。複雑な暮らしなどなんの意味があったのかと思ってしまう。


2006年04月10日(月) 一歩だけ

思い切って前へ一歩を踏み出す気持ちでデートに出かけてみた。夕方に家でピックアップしてもらい、スビアコへ向かった。マーティンのオンボロ車の汚れて曇った車窓から虹を見た道を、今は静かな車で穏やかな人と走っている。カフェでワインを飲んでケーキをつついて、ジェラートを食べながら夜道を散歩して、サウスパースでシティを見渡しながら、沢山話して沢山笑った。見た目もいいし、頭もいいし、話題豊富だし、センスもいいし、かといってさほど派手さはなく休日は日曜大工を楽しんでいるような人だ。それでもわたしは比べると不可だらけのマーティンとの日々ばかり思い出してしまって大好きだったジェッティも少しくすんで見えてしまう。不可だらけなだけにお互いに懸命だったから愛しかったのだろう。パースにはマーティンの思い出しかなくて、今はどこへ行っても心細くなって落胆してしまう。今日のデートは楽しくて相手もそう言ってくれた。こうやって少しずつ他の人に慣れて、思い出は思い出として大切にしまっていくしかないのだ。

ほんのりと甘くてほろりと苦い静かな余韻に包まれて眠りに着いた。


2006年04月07日(金) また旅立ち

目を覚ますと外は見事な秋晴れ。向かいの山頂までくっきりと見渡せる。空気はきりりと冷たい。キャンベラには刻々と厳しい冬が迫ってきているようだ。

昨日はマーティンと日本食レストランへ行き、石狩鍋やお寿司をつまみに赤ワインを飲みながら沢山話した。もう悲しいとか寂しいとかそんな感情も枯れてしまって、ただただ会話の節々に散りばめられたもう一緒の未来はないという事実に不思議な気持ちになった。

ミケはいたずらっ子みたいな顔をして植木の陰に隠れてブートに荷物を積むわたし達を覗いていた。またね、いつか一緒に暮らせる場所を見つけて迎えに来るからねと言ったものの、内心もう二度と会えないような気がした。

シャトルバス乗り場でハグをして別れた。シドニー行きのバスがゆっくりとキャンベラ・シティのセンターの朝の小さな渋滞を抜けて行く。やがて空の青と乾いた大地の褐色とそこに力強く根を張る木々の緑の気が遠くなるような単調な景色の中に入り、黙々と北東へ進む。もう二度とこんな切ない別れは味わいたくないと思った。隣の席に座っている初老のオージー女性が楽しそうに日本で英語を教える娘を訪ねていった思い出話をしているのをぼんやり聞いていた。昼にシドニーに到着。そのまま国内線でパースへ飛んだ。

真っ赤な夕陽がもう少しで完全に消えてしまう寸前のパースが見えてきた。あぁ、1年ぶりにやっとここへ帰ってきたという感動と共に、キャンベラから来てみると大きな都市に思えて少し心細くなった。空港には友達夫婦が迎えに来てくれた。東南アジアのような活気漂うフードコートで冷たいコピとナシゴレンの夕飯を摂って、ケンウィックにある旦那さんの親戚のケビンの家へ送ってくれた。広い庭にはハーブや果物が栽培されている。そして楽しそうにそれを見せてくれる彼はとても素朴な青年に見えてひとまず安心した。しばらくここにお世話になります。


2006年04月04日(火) 無類の声フェチ

マーティンの会社へ電話をかけると、マーティンがでた。マーティンはマーティンでもわたしのよく知るマーティンではなく、とろけてしまいそうなくら素敵な声を出すマーティン。マーティンは席を外していると言われたので、言付けを頼んで受話器を置いた。

帰宅したマーティンに、電話に出たマーティンはどんな感じの人なのかと聞いてみた。う〜ん、トールでシンなダッチ・ガイ。あぁ!あの!例の家族思いの素敵なお父さんだね。そうか、きっと見た目も素敵なのに違いないと満足して床に入った。

以前働いた会社の同僚は、まだ見ぬ業者の男性を声から判断して、期待を胸に打ち合わせなどに出向いては、想像と大きく違ったと落胆して帰社した。わたしは自分に置き換えて考えてみた。わたしは声の素敵な人の見た目が悪くてもさほど落胆しない。だが、逆はまずい。素敵な見た目の人が甲高く大きな声など出したら気持ちも一揆に萎んでしまう。彼女のことを「声フェチ」と呼んでいたが、自分こそが無類の声フェチだったのだ。

マーティンは「よし、僕も素敵な声で電話にでる」などと言っていたが、なにせ彼の電話の出方は可笑しい。フルネームを名乗るのだ。わたしは友達と一緒に住んでいる人のフルネームを知らないが、わたしの友達はみんな彼のフルネームを知っている(笑)。


2006年04月01日(土) 無限大の空

Becky: I love the sky. It's so limitless.
Gilbert: It is big. It's very big.
Becky: Big doesn't even sum it up, right. That, that word "Big" is so small. You'd have to get those really giant words to describe the sky.

映画「ギルバート・グレイプ」のワンシーン。オーストラリアの空を見上げる度に思い出してはうんうんと頷いたものだ。こんな空の下ではわたしの悩み事などばかばかしくなってしまうほど"micro"だ。人生なんて、愉快に笑い飛ばした者勝ちねっ。









Michelina |MAIL