My life as a cat DiaryINDEX|past|will
今日読んでいた本に出てきたアメリカの「苦汁工場」。華やかなブティックの裏側で奴隷のように働かされる不法滞在のアジア人女性達のお話。95年に監禁状態で低賃金の週84時間労働などでタイ人女性達を働かせていたタイ人経営者が逮捕された。白人達が経営するブティックが直接手を下すわけではない。下請けのタイ人経営者に「任せる」だけなので何かあってもブティック側は罪に問われない、そして低コストで洋服を量産できるということで成り立っている。わたしのような先進国の人間の暮らしはあらゆることで貧困への搾取の上に成り立っている。
先週、二人して歩けなくなるまで飲んでしまったナエちゃんと健全にランチだけする約束をし、イタリアンレストランに集合。パスタ、シーザーサラダを食べてアイスコーヒーを飲んでいた。が、途中から会社員であり主婦でもあり華奢な体からは想像もつかないくらいの酒豪であるサキちゃんも合流し、彼女の「あれ?飲まないの?」という一声で風向きが変わってしまった。向かいのボトルショップでホワイトワインを購入、法律無視のこちらの日系企業、アメリカほどじゃないにしろ訴訟が好きなここの人達、アジア系の子供をここで育てること、チェコスロヴァキアの共産主義時代の悲惨さなど、、、などお堅いトピックについて可笑しく話し合った。
イタリアを旅行している妹からポストカードが届いた。フィレンツェのドゥオーモの写真とすらっと伸びたきれいな文字。あまり好きじゃなかったパスタも食べてみたら結構美味しいとのこと。
久々のDVD鑑賞。"マーサの幸せレシピ"というドイツ映画。こ洒落たフレンチレストランのシェフで、都会のシングルライフを送る孤独なドイツ人のマーサ。がある日突然の姉の死によって面倒を見ることになった姪と、レストランに現れた人生を楽しむことをモットーとする陽気な新入りのイタリア人シェフの出現によって少しずつ気持ちをほどかれていく。見た後に心にほんのり明かりが灯されるようなストーリーも滑らかな落ち着く色合いのヴィジュアルもなかなかよかった。ワインが飲みたくなるような映画だ。
何気なしにつけている昼間のテレビから流れてくる滅茶苦茶オージーの料理番組。強いアクセントの指の太い男がズシズシと料理している。まずはハーブポテト。オージーアクセントだと"Baking"は"バイキン"となる。「ローズマリーとポテトをバイキンペーパーで包んで、塩を振ってそれからよく湿らせた新聞紙で包んでオーブンで40分バイク(Bake)するとね、WOW!! Beautiful!!(←自分のやっていることにいちいち感嘆する)....」てな具合に進んでいく。そして出来上がったハーブポテトは....至って普通のハーブポテトだった。それから2つ目は卵も砂糖も使わないヘルシーケーキ。が、ドライフルーツがあまりにもぎっしりですごく甘そう。で、また分量が何人家族で食べるんだと聞きたくなるような量。オージーの料理のレシピは分量の単位がgじゃなくてkgだったりmlじゃなくてℓだったりすることが多い。小麦粉1kg、ミルク1ℓなんて具合に。これを見るとちょっと食欲が失せてしまう。案外ヘルシーな食材、そして無駄の無い作り方をしているのだからもうちょっと油やバター、砂糖を控えめにしてみたらどうでしょう?しかしこの男はいい加減なところがチャーミングで好き。ことあるごとに「本来はここで**するんだけどね、面倒だからやめとくよ。」と言って省いてしまう。
メル・ギブソンの"The Patriot"がテレビでやっていた。アメリカがイギリスからの独立をかけて戦うお話。メル・ギブソン扮するマーティンは7人の子供を持つアメリカの志願兵。戦争はひたすら悲しい。弱い物からあらゆるものを取り上げ破壊していく。良き父であるマーティンが殺された子供達の為にも勇敢に戦う姿に心を打たれたけれど、マーティンに打ち負かされた男達もまた良き父親だったのではないだろうか。映画ではアメリカの勝利を凛々しく描いていたけれど、わたしはそこには何の感動も無かった。戦争に勝つことは嬉しいだろうか。本当の勝利は何よりも戦争に加担しない国にあるのではないだろうか。
夜に出かけるマーティンとの散歩の途中の橋の上にブローフィッシュと呼ばれる小さなフグのような体調10cmくらいの魚が沢山死んでいる。橋の上で釣りをしている人が食べることができないこの魚がかかると足で踏み潰したりして放置するのだ。彼はそこを通るとき必ず立ち止まり、まだカラカラに乾いていない魚を手で拾い上げて水の中に戻す。大抵はもう死んでしまっているけれどコンクリートの上で干からびるより元々の彼らの住処に帰ったほうがいい。
ナエちゃんとベトナミーズ・レストランへ。ワインを持ち込み、生春巻きやクリスピーヌードルをつまみにちびちび。もともと愛想のないウエイトレスは、日本人の女2人なんていう客にはマーティンと来るときよりも明らかに酷い。しかし白人男二人なんていうと、身をくねくねして笑顔満天大サービス。単に好みなのか永住権が欲しいのか。。。。
久々に空がどんよりとしていた。朝から体がだるくて家にステイして宮部みゆきの「火車」という長編ミステリー小説に熱中しながらイギリスのお菓子の本に載っていたレシピでレモンケーキを焼いた。卵を節約したいので必要な量の半分は豆乳にしてみたけれどまったく支障なくうまく行った。隣人のダイアナはキャリアウーマンという感じのニュージーランド人で毎日キリッと化粧をして通勤しているのだけれど今日はなぜか家に居た。ちょうどケーキが焼きあがって切り分けている時に姿を見かけたので2切ればかり持っていった。するとワオ!と言って喜んでくれた。
食物連鎖が目に見えると感動してしまう。果物や野菜の皮、パスタの茹で汁、残ったお茶などの有機ゴミは出来るだけ堆肥しようと庭のほんの小さな土のスペースに穴を掘って入れ、干した草や枯葉と混ぜて土を被せていた。そこを観察していると面白い。アリンコ達は毎日毎日せっせと働いている。そこから小さな有機ゴミのかけらをどこかに運んでいる。干した草なども大分土に帰った。今日はボーっとしながら蕎麦の茹で汁(冷めた汁)をそこに勢いよく流してしまい、アリンコ達が溺れてしまった。驚いたようですごく足早に逃げていった。ごめん。君達には明日もあさっても働いてもらわなければ。
先日、朝の寒さに耐えかねて秋の服を買いに走った。こういう中途半端な季節のものを探したがこちらの人は元気でかなり寒くなるまでは半袖で過ごすので薄手の長袖など殆ど売っていない。探している途中で春、夏、初秋と日本ならば3シーズン(=こちらでは殆ど1年中)はけそうな綺麗な柄のスカートを見つけたのでそれをまず購入。その店を出て、それに合いそうなトップを見つけて購入。あまり買い物好きではないわたしは「やっと終った〜。さっさと帰ろう」と思っていた。が、問題発生。スカートに染みのようなものがついているのを発見してしまった。その店は暗かったので見えなかった。すぐに引き返して抗議すると、同じ店がもう一件あるからそこから取り寄せるから明日来てと言われた。
先日8年ぶりに再会した友達とランチをしながらチビチビとワインを飲んだ。人懐こさと明るさでもう友達も出来て楽しくやっているようだ。都会じゃなきゃ暮らせないんじゃないかというイメージとは裏腹に「こんな健康的な生活もいいかなって思うようになった」と言うので安心した。彼女にわたしがどう変わったかを言わせると面白い。「肌が綺麗になったね」とか「ふわふわした感じが取れて少し落ち着いた」などと言われて、ニキビに悩まされたり、自由奔放に振る舞い周囲を慄かせていた過去のことを思い出した。自分はすっかり忘れてしまった自分が起こした行動でもある人にはすごいインパクトを与えていたりする。彼女にそんな思い出話をされて、「そんなことしたっけ〜?」と可笑しくなってしまった。
早朝から陶芸教室へ。金曜の夜はだいたい飲んでいるので土曜の朝の陶芸教室はいつも二日酔いで無心で粘土を捏ねている。今日は煮物を入れる鉢を2つも作れた。終ってからわたしがみんなで食べようと持参した手作りの豆乳のブランマンジェを先生の作った器に盛り付けていると、レストランを経営している奥さんがさっと庭でミントの葉をつんできて乗せてくれた。食べ物商売をやってる人は見た目にもこだわるんだな。でもやっぱりそれはすごく大事。口に入れれば美味しくても見た目が悪ければ美味しさ半減だ。紺色の器とブランマンジェの柔らかな白とミントの緑がとても綺麗。
先日作ったジェノバペーストがまだ余っていたので沢山作って冷凍保存できるピッツァを作ることにした。ガバガバっと材料を仕込みもりもりこねる。こね終わったら次は発酵!夜の発酵は寝ているミケの背中に生地を入れたボールが当るように置く。そして上からブランキットをかける。ミケはエライ!ちゃんと今日も職務をまっとうした。
日本に春一番が吹いたとの情報と共にこちらにも秋の風が吹いた。晴れた日中はちょっとだけひんやりした風がノースリーブの肩に気持ちよく当たる。ミケも庭でぐっすり眠りこけていて呼んでも返事もしない。わたしも口に入れるもの全てが美味しくて、もりもり食べて、夜は川べりの鳥達に余ったパンを持って長々散歩し、疲れ果てて朝までぐっすり眠っている。
日本から梅も咲いて春がそこまで来ているとのメールが届いた。日本の春、桜、、、飛んで帰りたい気持ちでいっぱいになるのに、どこかで日本に帰るのを恐がっている自分がいる。早い世間の流れもあっさり忘れられて捨てられていくもの達もメディアの洗脳も動機の歪みすぎた犯罪も、キレやすい人々も。。。自分はそんな中で普通に育って暮らしてきたのに、一度そこを離れて外側から見てみたらそこへ帰っていくことが恐くなってしまった。が、こちらにずっと居られない理由や事情もあり5月には日本に帰る。わたしはどこの国にも受け入れられないような気分になる。
Michelina
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