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30分前に起きて、シャワーを浴び、ヴェトナミーズコーヒーを入れてこの日記を書いている。今日は大晦日。何をしよう。
日本にいれば、家族は各自の部屋の大掃除をし、昼から食料品を買い込み、夕方に既に空き家になってしまったけれど立派な大黒柱のある昔造りの祖父の家に親戚家族と集まる。食べて、飲んで、レコード大賞、紅白、行く年来る年などを見て過ごしていた。友達と夜中に初詣に出かけることもあった。
こちらは今日は普通に会社も動いていて明日だけお休みになるようだ。ということで静かな部屋で一人パソコンに向かっている。変な気分。とりあえず部屋の掃除でもしていつもより少し手の込んだ夕飯でも作ることにしよう。でも手の込んだ夕飯ってなんだろう?
大晦日の喧騒も感じないのに、とりわけやることもないのに、とりあえず形だけは大晦日らしいことをしてみようと思うわたしは密かに日本が恋しいのかな。
皆様良いお年をお迎えください。
そして新年が皆様にとって充実した年でありますように。
年の瀬だというのに日本人のわたしは寒くなければその気になれない。本当に今年がもうすぐ終わるのだろうか。そう感じたところで特にやることもないけれど。今年はお正月にお雑煮でも食べようかな。でもやっぱり暑いとお雑煮はね、、、。
暑かったのでスワンボン・ビーチへ行ったけれど波が荒くて泳げそうにないので波打ち際を散歩することにした。海の無いところで育ったマーティンは本当に楽しそうで「僕は今すごいリッチなヨーロピアンの気分だ」などと言っていた。彼は歩きながら釣り糸にかかったけれどそのまま浜辺に捨てられ、波打ち際に横たわっている小さな魚達を一尾づつつまみあげ、まだ呼吸をしているか確認しては海へ返していた。わたしはそれを見てほんの少し胸が熱くなった。どんなに小さな命でも無意味に息絶えることはない。
真夏がやってきた。暑い。昼間なんてほんの5分くらい外にでただけで皮膚が赤くなってしまう。こうなったら海に行って泳ぐしかないと日が傾きかける頃またコテスロービーチに向かった。ビーチにでている人々は泳いで騒いで走り回って、みんな自然と融合し、人生を楽しんでいる。わたしも早く海に入りたくて白い砂の上を走って行ってそのまま突っ込んだ。その瞬間はなんとも言えないくらい気持ち良い。
そろそろ帰ろうとビーチに上がると目を見開いてしまうくらいスタイルの良いインドネシアとどこかのハーフといった感じの女の子がわたしの前を歩いていた。色は浅黒くて痩せすぎでもなく健康的で中背。彼女が目の前を通ると寝そべっている男性陣はみんな溜息をついている。わたしも思わず溜息。パースでは水着の似合う女性ほど眩しいものはない。
外もやっと夏らしくなってきたことだしとコテスロー・ビーチに出かけた。でもやはり今年は冷夏。海辺は涼しくて日陰で昼寝でもしたい気分だった。人々はピクニックを楽しみ、子供達は泳ぎまわり、ビーチバレーを楽しむ人達、日焼けしたくて浜辺に寝そべる女性達、みんな夏のクリスマスを満喫している。わたし達はよたよたと散歩をして日陰でヒューマンウオッチングを楽しんだ。マーティンがふと「前に来たとき日本人の男がビデオカメラで女の人達を追って撮影してた」などと言ってグエッヘッヘと不気味な声で笑っていた。ホントこの人は変人を見るのが好きらしい。それにしても海外にきてまでこういうことをするのはやめようよ、日本のヘンタイ。
(写真:その後はNorth Bridgeでディナーした)
日本では今日が一番盛り上がる日だけれど、こちらは明日、あさってが休日となる。とはいうもののみんな今日は昼過ぎに仕事をさっさと切り上げて帰ってくる。わたしの家の周りにも沢山車が停まっていて夕方からパーティがはじまりそう。普段は静かなこの住宅地がこんな喧騒に包まれるて心もはやる。
去年のクリスマスはマレーシア人で仏教徒のヴェジタリアンの女の子とシェアして住んでいて、彼女とわたしと香港からの女の子、そして彼女のお父さんと4人でヴェジタリアン料理を作って食べた。その時にわたしは初めて擬似肉を食べ、「これ本当に肉じゃないの??」ととても驚いたのだった。その後彼女達が通っていた仏教のテンプルを訪れた。そこで頂いた食事も完全なヴェジタリアンだったのだが色とりどりでとても美味しかった。そして何よりもテンプルの人達は温かくそこは静かで穏やかで平和でこの世の悪事が全て嘘のように感じられた。そこで食事をご馳走になった御礼に細々した内職を手伝った。
今日はマーティンも早く帰ってきて夕飯を作ると言って張り切ってアメリカにいるお姉さんに電話をしてレシピを聞いている。何が出てくるんだろう。明日とあさっては普通のマーケットは閉まってしまうので食料を買いに行かなければ。
みなさん楽しいクリスマスを!
隣の家の一人暮らしの女性が入院して手術を受けることになり庭の花に水をあげるのを頼まれた。彼女の庭はうちから見えないところにあるので、初めて入って驚いた。すごい数の植物。こう緑が沢山あると乾燥した西オーストラリアというより東南アジアのような湿度を感じてしまう。うちの前はどう見ても乾燥地帯ウエスタン・オーストラリアなのに。水をあげ忘れて花を枯らすと大変なので念入りに見回して水をあげた。庭には野鳥が遊びに来るから彼らの飲み水も忘れないでと言われていた。いいなぁ、鳥のさえずりを聞きながらこのお庭で朝食でも摂っているのかな。うちはミケがいるので鳥はもちろん以前はよくいたトカゲすら寄り付かなくなった。それにしてもここはヴィラなので4軒が同じ敷地内にあるので隣の家の様子はなんとなくわかる。"つつぬけ"ではなく"なんとなく"というのが大事。一人暮らしの人には最適だろう。
昼下がりに家でまったりと本を読んでいると隣の家の警報機がけたたましく鳴り出した。泥棒?急いで隣の家を見に行った。ブラインドの隙間から部屋の中を覗いてみるが動く物は何もない。とりあえずポリスに通報し彼らの到着を待った。10分経っても警報機は鳴り止まない。20分くらい経ってポリスはまだなの?と思っていたら電話がなった。ポリスからだった。「隣の家の電話番号知ってる?」「知りません」ってポリスが市民の電話番号調べられるようなデータベースは無いの??それから5分後。警報機に書いてあった電話番号のセキュリティサービスセンターからも電話が来た。「住所確認していい?」はぁ?どうなってるんだ。警報機は鳴り続きミケは恐がっておどおどしている。そして40分くらい鳴り続けた後、連絡を受けたのか隣の家のお姉さんが帰ってきてアラームを解除した。様子からは泥棒ではなくて何かアラームにハプニングがあっただけのようだった。そしてお姉さんはまたどこかに出かけていった。そして遂にポリスは来なかった。何てやる気の無い人達!と思っていたらまた電話が鳴った。ポリスからだ。「あのさぁ家が見つからないの。もう一回住所教えて」ってもう遅いよ!アラーム鳴り始めから1時間経ちやっとポリスのご登場。外から家を眺めて「何にもないようだ。一応隣の家の人に警報鳴った事教えてあげてね」と言ってお帰りになった。
この街のポリスが好きなのはスピード違反を捕まえて罰金を取ることだけなのかしら。本当に泥棒に寛容。多いから捕まえる気が失せるのはわかるけど、そこを捕まえないからまた増えるんじゃないのかなぁ。
2003年12月09日(火) |
Eco-Banana |
こちらのマーケットで最近よくバナナの皮の一部に赤いワックスがついているものを目にする。Pacific Coast Eco-Bananaと言うらしい。
R esponsible
E nvironment
D evelopment
T aste good
I mportant nutrition
P roduced in Australia
でRed-Tipになるらしい。いいことづくめではないか。今度からバナナはこれと決めよう。
Eco-Banana
そういえばわたしがいない間に木製の洗濯バサミが買ってあった。これがプラスチック製より弱々しくて使いにくい。とマーティンに言うと「なんで!エコを気にする君の為に買ったのに!」と怒っていた(余った木の切れ端で作ったようなものなのでエコ製品だと思ったようだ)。そうだったのか。思いもよらぬところに気遣いされるので本当に驚いてしまう。
2003年12月08日(月) |
アジア系ドライバーは最悪? |
車に乗って出かける途中、カーブのところに停車している車のせいで足止めを食らった。どうもアジア系の女の子がオージー男性の乗る車に後ろから衝突したようだった。「またアジアンドライバーだよ」とマーティンは呆れ顔をする。
そう、ここではアジアンドライバーの悪評は高い。お金で色んなことが解決できてしまうインドネシアの人々は免許を買い、ルールも知らずに運転してしまう。そして中国人はルールを無視する国民性である。そこにお金で免許は買えない、運転にも几帳面な日本人を一括りにアジアンと言わないで欲しい。
欧米人はルールをきっかり守る気はあるが運転が雑。わたしは運転に関しては日本人が1番うまいと思っている。
2003年12月07日(日) |
Margaret River |
パースから約300km南へ、マーガレット・リバーへ初夏の小旅行。綺麗に朝焼けに染まるパースシティのビル群に背を向けて出発。
ひたすら南へ一本道を下っていく。道路の脇には一面牧場が広がっていて牛や羊が草を食べている。以前だったらのどかでいいなぁと心地よく感じていた風景も今ではこれから殺される家畜を見るだけの痛い風景にしか見えない。
新しい住宅地もすごい勢いで切り開かれている。モデルハウスが立ち並び、"Land Sale"の看板の嵐。これからWAはすごい勢いで人が増えるだろうと言われているがこんな水の無いところで人口が増えてどうするんだろう。
3時間くらいで小さな町に着き、少し散歩した。パースは初夏だけれどこちらは春という感じで半袖ではちょっと肌寒い。ヘンプ・ショップを見つけたので覗いてみると綺麗な麻のスカーフや小物が置いてあった。50代くらいの女性店員によれば、オーストラリアでも木を沢山切り刻んで紙を作っていることが問題になっているからそれを代用できるヘンプの栽培や販売はどんどん許可されるようになるのではないかということだった。特にWAの海辺の気候はヘンプ栽培には最適なのだそう。
そしてマーガレットリバーの醍醐味、ワイナリーでのランチ。一面広がる葡萄畑を見渡せるテラスに座り、ワインを飲んで寛いだ。この世のどこかで戦争をしてるなんて信じられないくらい静かで平和。マーティンはしきりにこれが理想の生活なんだと言っていた。本当にすごく優雅でお金持ちになった気分。
午後からはビューリーへ。ここはまたワイナリーとは全く違った雰囲気で沢山人がいてガンガンビールを飲んで騒いでいる。
ブッシュの中を移動していると「ととなりのトトロ」の風景を思い出す。こんな風に人があまり通らない森ではトトロのような面白い生物(スピリット?)が夜になったらのっそり出てきてピョンピョン飛び跳ねて遊んでいるような気がしてならない。ここは夜行性の野生動物が多いから夜の森は暗くても愉快な宴が繰り広げられているのかもしれない。
家路に向かう道すがらバセルトンというところで浜から沖に向かって推定500mくらい伸びているジェッティを散歩した。錆びれた木で出来たジェッティの上を小さな小さな電車が走っている。「千と千尋の神隠し」に出てきたあの千尋がスピリットと電車に乗って出かけるシーンはここを描いたものらしい。釣り人の頭上からカモメがその餌を狙って飛んでいた。
2003年12月04日(木) |
ここはやっぱり肥満大国 |
ここへ来て初めて住んだところは大きな大学の近くで、わたしがバスで行けるところといったらシティばかりだった。だからあまり太っている人を見かけなくて「オーストラリアでは歩けばデブに当たる」なんてイメージばかりだと思っていた。でも今思えばそれもそのはず。大学のキャンバス内を歩いているのは生粋のオージーよりも海外からの留学生のほうが多いくらいだし、シティを歩く人も外国人かあるいはそこそこのいい会社の勤め人が多いから生粋のローカルオージーとすれ違っていないのだった。
ところがローカルオージーが車で乗りつけるような近所のマーケットで買い物を済ませるようになるといかにデブが多いかということに気付く。わたしの目で執った怪しい統計によると4割が誰もが認める健康を心配してしまうほど太った人、3割が太り気味だけど健康を害すほどでもなくダイエットすれば問題なさそうな人、あとの3割は正常だけれどこれは子供が大半を占める。国民の6割以上が肥満というのは本当だったのかと改めて驚いた。ランチタイムはマクドナルドやハングリージャックスに駆け込み、休日はBBQで昼からビール、コーク。食後のアイスクリーム。買い物もすごい。何人家族なの?と聞きたくなるほどカートに山盛り買っている。しかもオージーの呆れちゃうところは自分でダイエットして痩せようという人よりもさっさと手術してしまう人が多い。先日知人も「明日手術するの。だから本当は今日は食べちゃいけないんだけどね」と言いながら手を休めることなくクラッカーを食べていた。
日本には既に痩せてるのに更にギツギツと病的に減量に挑む女性達が沢山いてかなりおかしいと思うのだが、すごく太っているのに危機感のうすいここの人々もかなりおかしい。足して2で割ればきっとちょうどいいのだ。
(写真:Swan River)
わたしは小銭を貯めておいた缶カラを開けて、この小銭が沢山貯まったら、、、と考えていた。そこにマーティンが来て「君はどうやってセーブするかを考えるけど僕はどうやって沢山稼ぐかしか考えないんだよね」と言った。そういわれてみれば「うまい金儲け」の話を書いた本を書くのは男性でどうやってセーブするかと書くのは女性だ。男はドリーマーで女はリアリスト、確かにそうかもしれない。
(写真:Scarborough Beach)
2003年12月02日(火) |
I feel the Earth move |
まだ初夏のマイルドな陽気が続いている。午後から銀行へお遣い。自転車に乗って鼻歌を歌いながらスイスイと坂道を下る。動物園の前は観光客で賑わっている。あぁ真夏がすぐそこまで来ている。銀行に行き、さっさと用事を済ませ、カフェに入った。こちらは普通に"アイスコーヒー"とオーダーするとミルクやアイスクリームがこんもり乗せられてきてしまう。普通のブラックアイスコーヒーが飲みたくて、「ロングブラックにアイスを入れただけのコーヒー作れる?」と聞いてみた。すると「え??」と言われ、もう一度聞きなおされ、そのうちキッチンから二人も人が出てきて計五人でわたしを凝視している。「ロングブラックにアイスを入れてその透明なグラスに入れて、、、」と説明すると"OK"と言って、「ストロング?レギュラー」「アイスクリームは?」などと聞かれて、やっとのことで希望の品が来た。
こんな気候の日のオープンカフェは気持ちいい。キャロル・キングの"I feel the earth move"が軽やかに流れる店内から、木漏れ日の射す通りを自転車に乗った若者がビューンと飛ばしていくのが見える。また鼻歌をうたいアイスコーヒーを飲み干した。
この頃ミケはすっかり外で遊ぶことを覚えてしまった。わたし達の家はヴィラといって1つの敷地に4軒家が建っているうちの一軒で、右隣には若いカップル、左隣にはうちの母と同い年くらいだろう女性、左斜めには若い銀行勤めの男性が住んでいる。いずれもオージー。左隣の女性は庭に花を沢山植えてあるのでわたしはミケがそれを壊したらと思いかなり不安だったが彼女はいつも枯葉避けのネットをハンモックのようにして寝ているか、家の前の低い塀の上に座ってるだけだで今のところ苦情はでていない。ラッキーなのはお隣さん達はみんな猫好きなこと。銀行勤めの男性は左右の足の長さが違うようで、どうしても歩く時に引きずるので彼が仕事から帰ってくると向こうのほうから音がする。するとミケが塀の上に行き待つ。いかにもあなたの帰りを待ちわびてましたという顔で。そのくせ彼がわざわざ持っていた荷物を地面に置いて彼女に触ろうとするとすっと身を交わして逃げてしまう。男女の恋の駆け引きみたいだ。左隣の女性もいつもミケを可愛いね、可愛いねと言ってくれる。ここは家が日本ほど密集していないせいかペットにまつわるいざこざはあまり聞かないがそれでも運が悪ければそういう隣人にも巡りあうだろう。それが今引越しを思いとどまる一つの理由でもある。