あなたに綺麗な傷をあげる
生涯、忘れられないように


誰もいない部屋。
2007年08月29日(水)

夜になると思い出す。
小さな生き物の気配に、どれだけ救われていたか。
触れないでいるゲージ。
被せてもらったショール。
手を、付けなきゃ。次の休みに、華がいる時に。





落ち込んでいるかと言われれば、それほどでもないと答えられる。
笑って冗談を言っている自分に少し驚く。
あたし、大丈夫かも。

でも、不意に思い出す。
小さな小さな体温。

あたしは必死に華に縋り付いて、それを胸の中に留めようと足掻く。










華。ねぇ、華。
あたしはたぶん大丈夫だよ。
あの子がいなくなって、思い出すだけで、目頭が熱くなるけど。

あなたが長生きしてくれるんだよね。
一緒に覚えててくれるんだよね。





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そんな優しい約束に、どれだけ救われているか。
あなたは知ってるのかな。




さよなら、ばいばい。
2007年08月25日(土)

今日の昼過ぎ、14時頃。
8年間、あたしの生活を見続けてきた相棒が亡くなりました。
小さな小さなシマリスです。
片手で充分に座れてしまう、なつこくて、ちょっと間抜けで、
食い意地の張った可愛い奴でした。


彼女と出会ったのは18歳の9月初旬。
夏生まれという時期外れのシマリスは、父親が連れてきました。
初めて与えられた個人のパソコンと一緒に。

その頃のあたしは情緒不安定で、
原因も分からずに、泣き暮らしていました。
高校に行っても1時限目で帰り、
食事も睡眠もろくにとってなかったのです。
そんな時にあたしが欲したのは、一つでした。

「あたしがいなければ生きていけない存在が欲しい。
 あたしのことを唯一だと思ってくれる存在が欲しい。」

父親がシマリスを買って帰ってきたのは、次の日の夜でした。

あれから8年。
寿命だと言われればその通りだけれど、
してあげられることは、もっとたくさんあったんじゃないかと、
あたしがもっと早くに気付いていればと、
痙攣しながらも立ち上がろうとする彼女に触れながら、
泣きながら、そう思いました。





昨夜から様子のおかしかった彼女は、今朝方からぐったりとし、
昼前に激しい痙攣を起こし、
14時頃に、目を離した間に、息を引き取りました。

華がそれに早く気付いてくれたおかげで、
あたしはまだ温かくて柔らかい彼女に触れることが出来ました。


今日で良かった。自分が休みで、一緒にいる時間で良かった。
『れん』は親孝行な子だね。
いちごを独りで悲しませなかったよ。


そう、華が繰り返してくれて。
あたしはただ、声を上げて泣くだけで、どうしようもなくて。

泣き腫らしたあたしと、体調の悪い華とで、
あたしの仕事場近くの川まで行きました。
川沿いの小高い山にある公園。
その中腹にある、大きな紅葉の木の下。
青々とした木々が生い茂り、柔らかな土があり、
秋になれば美しい紅葉を見せてくれる木に見下ろされて。
彼女は静かに眠っています。

享年8歳。
ちょうどこの時期に生まれたので、丸8年。

あたしの人生の波乱を共に生きてくれた子でした。
社会人になっての独り暮らし。
実家での確執。
結婚から離婚までの二年とちょっと。
そして、この街に引っ越してきて、もうすぐ二年。

華と出会って、恋をして、
先の見えない人生に飛び込む時も、いつも一緒でした。



きっとこの先の人生、
あたしは子供を産むこともないだろうし、
別の人生を選んでも、
きっと体質的に産めないだろうから。

『れん』があたしにとって、最初で最後の我が子です。
可愛い可愛い、あたしの親友です。





8年間、ありがとう。
最後に何もしてあげられなくて、ごめんね。
大好きでした。
本当に君がいてくれて、良かった。

最後のお別れを、華のいる今日を選んでくれて。
君は最高のパートナーだったよ。

さよなら。
ばいばい。
また、いつかね。










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平穏無事というべきか。
2007年08月20日(月)

昨日のお休みはゆっくりしたはずなのに、
翌日の仕事でグデグデ。
いつものことだけどね。
華と一緒のお休みは、次の日に響いて仕方ない。

体力を付けないといけませんね。
夏バテも治まってきたことだし。





あたしと華は相変わらずで、
でも、喧嘩は少なくなってきて、
お互いに気を遣ってる部分が増えてきたように思う。

密接度は変わらないけれど、
親しき仲にも礼儀ありとも言うことですし。

あたしは。
あたしはあんまり変わらないかな。

我が儘と、甘ったれを全開で。
加虐心やら庇護欲やらをそそりつつ。
そんなあたしは、二年前と何ら進歩はない。





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思い返せば、いろいろあったなぁ、と思うけど。
これからも多難な日々は続くのでしょう。



そろそろ浮気したい願望が芽生えているけど、我慢。
イイコでいなくちゃねぇ。
少なくとも、あなたの前では可愛い子希望。




眠れない季節。
2007年08月10日(金)

暑いせいじゃない。
エアコンで喉が痛くなるせいじゃない。
独りぼっちだからじゃない。

夏の昼間は好きなのに、
夏の夜は嫌い。


目を覚ますと、徐々に視界を閉ざされる。
暗闇が、じわじわと染みこんできて、
何も見えなくなる。
そんな夢を繰り返し、繰り返し。




ずっと昼間だったらいい。
ずっとあなたが自由ならいい。
誰かの呼吸が聞こえる、
そんな時間が続けばいい。




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物理的損傷。
2007年08月08日(水)

仕事場で右肩を痛めた。
筋が弱いのは昔からで、寝違えると二日は起きあがれないほど。
今回は肩を軽くヤっただけで済んだ。
痛い思いはしてるとは言え、ラッキーだったのかも。

でも、明日はせっかくの休みなのに、無茶が出来ない。

楽しいことを指折りに数えていても、
あたしの身体は言うことを聞いてくれない。
弱いなぁ、と思う。
元気なのに、痛いんだ。



少しだけマシなことと言えば。
物理的な痛みがあるから、考え事をせずに済む。



夏の良く晴れた空が好きです。
じりじりと焦げるように痛いけど。
あの色が好きです。

あなたのことが好きです。
考えが甘くていつも失敗して、プライドが高いけど。
そんなあなたも好きです。




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何事もなければいい。
2007年08月02日(木)

月末締めと、月初の処理と。
いろいろと重なって、負担が一気に降ってきて。
数日オツカレ状態でした。
イライライライラ、と沸点辺りでグツグツ。
今日も今日で、かなり痛かったけど、
我慢、我慢。大人なんだから。子供じゃないんだから。





いいえ、あたしは子供ですけど。





でも、華の前でだけだもの。
仕事中には仕事場の顔。取り繕ったおふざけ顔も。
全部、全部偽物だもの。
本物のあたしなんて、本当は一人しかいない。





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恵まれていると思うから、まだまだ甘ったれで。
何一つ、分からないまま。

あたしは華に甘えて生きる。
数年先にはもっと恵まれていると思うから。
今はそれをほんのり夢見て。



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