あなたに綺麗な傷をあげる
生涯、忘れられないように


泣きそうな気配を押し殺した。
2006年12月30日(土)


11時に華の仕事が終わった。
朝の7時からなんて、あたしには無理だ。
途中、仕事場の打ち上げがあって抜けたらしいけど。



寄らなくてもいいと言ったけど、寄ってくれた。
あたしの声が小さくなっていったから。



あたしは。
本当は。
今、仕事場が繁忙期で、他のお店に手伝いに行ってて。
嫌いな人がいるわけじゃないし。
嫌なことがあるわけじゃないのに。
ただ馴染みのない空気に耐えられなくて。

オンナノコの日の情緒不安定も手伝って、ちょっと泣きそうになった。

情けない、あたし。
まだ引き摺ってるの、人が怖いという、意味のない強迫観念。



キモチワルイ。
頭が痛い。
何かを握り潰したくなるけど、握り潰すのは自分の内側しかない。
むやみに笑って誤魔化していると、息が苦しくなる。



泣く、と思った。
目頭が熱くなった。



でも、あなたが。
あなたの手が、あたしの頬を包んで、上を向かせてくれた。
それだけのこと。
涙は、出なかった。






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もう少し頑張ろう。
あたしよりもきっと、華の方が大変なんだ。

でも、息が、できなくなる。


苦しい。
早く、呼吸のできるところへ、いかなくちゃ。



でも、華のいない部屋。
一人の部屋。
酸素はあるのに、苦しいままだ。




何もないことが平和だと?
2006年12月29日(金)


華の仕事が忙しくて、朝のお遊びもなくて。
もちろん、あたしも仕事だから、会える時間もなくて。



年越しは一緒にいられない。
華は元旦の仕事が早いから、きっと寝てしまう。
あたしも元旦から仕事だけど、開店時間が遅いから、ゆっくりと時計の針を追えるけど。

でも。

一人きりの年越しなんて。

考えてみれば、生まれて初めてかもしれない。

子供の頃は家に誰かがいた。
学生の頃は友達と夜明かしをした。
恋人が出来れば、恋人と。
結婚してからは、普通に寝ていたけれど。

去年は、いろんなゴタゴタがあったけど、華と一緒だった。

今年、初めて、一人。





さあ、どうしよう、あたし。





何事もなく寝てしまおうかな。




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そんな時だから、余計に叶わないかもね。



今年もあと、僅か。

華と一緒にいた一年が終わる。
会えない日が一週間もなかった。
五分だけでも、会えていた。

来年はどんな年になるだろう。
とりあえず、波乱だけは逃れられない一生だけれど。




やっぱり喧嘩したね。
2006年12月25日(月)


いつものことだけれど。
ぶつかると言うほどのものじゃないけど。
いつだって、あたしが責めるんだけど。




風邪気味だという華が、デートをキャンセルしてきた。
とは言っても、外に出ることがなくなっただけで、二人で部屋にいるということ。
お寿司を買って、チキンとサラダを買って。
コンビニでケーキを買って。
何度目だろう、クリスマスなランチをする。



でも、ね。
お昼まで寝ていて。
ごはんを食べた後も寝ていて。

風邪気味のあなただから、あたしは、おねだりなんかしない。
でも、もう一週間も触ってもらってない。
少し忘れかけてる。
あなたがくれる、心地良いもの。



女同士は複雑。
恋愛の好きが、友情の好きに変わるのだって容易いと思う。
それは、あたしが本当の意味ではバイセクシャルでないせいなんだけど。
あたしは両刀ではなく、博愛主義。
好きの定義が広いだけ。
自分の心と身体が気持ちよくなる相手が好き。
社会的な享楽主義ということ。



だから、さ。
あなたがあたしを抱いてくれないのなら。
あなたはあたしの恋人じゃなくなっちゃう。
好き、なんだけどさ。
好きに変わりはないんだけど。



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ひどいね、あたし。
一週間だよ。たったの一週間。
そんなんで忘れちゃうなんて。





責めるなんてお門違い。
あなたが泣くコトなんて、ないんだよ。





ごめんね。クリスマスなのに。
あたし、いつも、あなたを泣かしてばっかりだ。







毎日の贈り物。
2006年12月23日(土)


華はこの時期、とても忙しい。
朝は7時からで、夜は9時まで。
残業はちゃんと付くと言っても、何日も続けば心配になる。
なのに、華ったら元気そうで。



クリスマスが近くなったと実感してから、毎日、贈り物を持ってくる。
真っ赤な傘を貰った。
ちょっと高級なお肉を貰った。
陶器の蛙の灰皿を貰った。
ケーキ二つと煙草を三箱も貰った。
毎日、毎日、あたしは貢がれている。



お返しはどうすればいいのかな。



返せる物なんて、あたしにはないのに。
タイ一つだけで、こんなに貰っていいのかな。



でも、嬉しいんだ。



イブは一緒に過ごせないし。
クリスマスだからと言って、一緒に夜を過ごせるワケじゃない。
あたしたちは、相変わらず括られた柵の中でしかいられない。

目を閉じるだけで思い出す。
この夏の事件。
胸の奥が痛くなるような苛立ちを覚える。



あたしは。
あたしは。

今の現状が、嫌で、嫌で仕方ないんだと、実感する。






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どうにもならないと分かっているから。
どうにもできないと思い知ったから。



言い訳を並べよう。自分に対する言い訳。

女は三十を越えてからだ!!

とか、ね。




ライナスの安心毛布。
2006年12月21日(木)


誰だってあると思うんだけれど。
ライナスみたいな安心毛布。
いずれ大人になってなくしてくものなんだよね。



あたしの安心毛布は二つある。
これがないと寝られないもの。

一つ。
白いクマのぬいぐるみ。付き合いは5年ぐらい。
華の名前を貰って、付けている。
形容詞に「白い」が付いたその名前。
もっぱら「白いの」と呼んでいる、ふわふわの可愛い子。

二つ。
最近の癖は、華のパジャマを抱いて寝てる。
お揃いのチャイナパジャマ。
あたしは赤、華は青。



あ、何か思い出した。

Roses are red,
Violets are blue,
Sugar is sweet,
And so are you...



だから、あたしが愛、あなたは誠実。
あたしは誠実を抱いて眠る。











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涙腺。
2006年12月20日(水)


抱きしめられる場所にいてくれること。

それを赦してくれること。

それを認めてくれること。

何よりも、あなただという事実が。





ときどき、涙腺を刺激する。

泣きたくもないのに、泣きそうになる。











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ねぇ、そんなこと言ったら。

あなたは笑うかな。




気の早いクリスマス。
2006年12月18日(月)

目が覚めて、カーテンを開けると晴れだった。
昨夜、華が欲しがってたけど、品切れしていたカレンダーを見つけて予約した。
クローゼットの中には、ヴィヴィアンのタイ。



少し気の早いクリスマスだ。



サプライズをするのが好きなあたしは、いつも華を驚かせる。
「カレンダーを見つけたよ」って言ったら、嬉しそうにぎゅっと抱きしめてくれた。
プレゼントを渡したら、もう一度ぎゅってしてくれた。
華の、手加減なしの抱きしめ方は、あたしには苦しい。
でも、嬉しいんだよ。

あなたが喜ぶ姿が、あたしのしあわせ。





一緒に出かけて、ケーキを買った。
ダイヤのピアスを買って、二人で一個ずつ。
すごく良い匂いのする自然派シャワージェルを買った。(LUSHの蝶々夫人v *別窓*)
帰りに、ケンタッキーによって、冬限定! 大好きなポットパイ!

帰ってから、ささやかなクリスマスパーティ。
彩りと言えば、華がくれた真っ赤なポインセチアだけ。
それでも、クリスマスなの。





ねぇ、華。去年のクリスマスを覚えてる?
あたし、記憶力が乏しいから、あんまりよく覚えてないの。
でも、ケーキを食べたね。
プレゼントに、薔薇をくれたね。
一輪だけ、ドライフラワーにして取ってあるよ。

あれからもう、一年も過ぎたんだね。






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おかげで、今日も朝から連戦。
夕方も一眠りしてから、連戦。

でも今日は、あたしが強請ったんじゃないもん。






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あたしのカラダ、保つかなぁ。
それよりも、華の手荒れが大丈夫なのかな……




年末前の大掃除。
2006年12月17日(日)

洗濯機を回す。

こたつの布団をベランダに干す。洗濯物も。

パソコンの周辺の片付けをする。スーパーの袋が満杯になった……。
(昔の明細書とかイロイロあったので)

ベッドの下も片付け。昨日、雑誌を捨てたので、少しスッキリしてる。

掃除機を振り回し。

こたつ布団を取り込んで、今度はベッドの上のものを全部干す。

それからお昼御飯と出かける支度。

洗い場周辺をタワシでごしごし。磨き上げる。

布団を取り込んで、ベッドの上に放置。





お出掛け。





久し振りの一人な休日は、大掃除で終わった気がする。
でも、すっきりした。
これで明日、華が来てもめげることはない。
掃除は好きなんだけど、華がいるから、ついつい時間を惜しんでしまう。
ようやく掃除が出来たから、もう「ごめん〜」と肩をしぼませることもない。

明日は二人でお休み。
約束通り、お出掛けをしようね。
明日はもの凄く寒いみたいだけど。





数日前から、華と明日のお出掛けのことで打ち合わせをしてきたけど。




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それって、確認事項なワケ?
返答に困ります、華サン。




美人なのよ。
2006年12月15日(金)



「華さんて、綺麗ですよね」
と言った人がいる。


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意味が分かんないけど、すごく納得してしまった。





華は美人さん。
目が鋭くて、凛としてる。
あたしの自慢の恋人。
内緒なんだけど、本当は誰にも言えないんだけど。
こっそりと話した人にだけ、あたしは自慢する。
「美人でしょう?」
みんながみんな、頷いてくれる。





華は、あたしのことを可愛いという。
欲目が八割だと思うんだけど。
一番可愛いのは寝惚けている時だって。
あんまり嬉しくないよ、それ。





対照的な、あたしと華。




でも、華も優しい顔をするの。
とろけそうな顔をするの。
それは、誰にも言わない。
あたしだけの宝物。




Twenty Four Seven
2006年12月14日(木)


毎日、あなたの顔を見ている。
ほんの数十分。

毎日、あなたの声を聞いている。
夜の一時間。

毎日、あなたのことを思い出す。
四六時中、Twenty Four Seven、つまりは終わりなく。





休みまでを指折り数える。
18日に、二人でクリスマスの前倒し。
チキンとケーキ、プレゼントを買いに出かける。
イブは互いに仕事だから、本当のクリスマスにはホテルに行く。





週に一度の逢瀬。
他の用事は、ずいぶんと長い間、後回しにしてきている。ふたり。





18日に、華にプレゼントを渡そう。
きっとお気に入りの黒いワイシャツを着てくるから。
そしたら、プレゼントをあげよう。朝一番で。






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もしもワイシャツじゃなかったら、25日まで先送りかな。




悪いのは誰だろう。
2006年12月10日(日)


先が分からないことに不安なのは、あたしだけのような気がする。
結局、あたしはあなたを信用できてない。
一つの事柄から不信感は募る。

あたしが今、こうして日陰の身で居ることは。
同性というタブーのせいでもあるのだけれど。
あなたが、いつまでもその場所に留まっているからでしょう。

責めるつもりはないのに。
待てると言ったのに。

あたしは苛立ちを募らせる。



何も起こらないのは、風が吹かないせいじゃない。
何も進まないのは、あなたが何もしないから。
じゃない、と思いたい。










愛してるよ。
手を離したりしないよ。
でも、この下らない茶番がいつまでも続くなら、あたしは諦めてしまうかもしれない。
諦めて、消えてしまうかもしれない。



ねぇ、あたしに信じさせてよ。
愛の形を。
永遠の姿を。






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あたしの愛するゴールドフィンガーなんだから。



なんて、笑って。



胸の痛みを誤魔化す、夜。




観光デート帰り道。
2006年12月05日(火)


週に一度、一緒のお休み。
それ以外はちゃんと会えないから、二人にとって重要な日。

今週は東京の友達が遊びに来てた。
あたしとも、華とも知り合いの子だから、あまり気兼ねせず。
とは言え、三人連れだから、イチャイチャできないし。
セックスなんて時間もない。





三人で歩くのは楽しかった。
なるべく過度のイチャイチャをしないようにした。
ずっと行きたかった歴史ミュージアムも見れた。
壁に張り付いたままのあたしは、時代の流れを感じて、言葉を失っていた。

あたしはこうして、時々、時空を飛んでしまう。

気付いたら、独りぼっちで置いて行かれてた。
良くあるけど、さ。





華の時間に限りがあるから、6時でバイバイ。
まだ新幹線の時間まであったのだけれど、申し訳ないと思いながら、あたしも華と一緒に帰る。
でも、もう時間がない。
家に着いたら、そのまま華は帰ってしまう。



引き止めたいけど、我が儘は言えない。
この状態を維持することが、一番の安全策だと分かっているし、何よりも華を困らせたくない。

でも、あたし、ちゃんと華に触れてない、今日。
華に触れてもらってない。






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空いてたから、誰にも気付かれなかったはず。





それからあたしの部屋に戻っても、靴を脱がない華に向かって。
あたしはお願いをする。
我慢するのは嫌い。
我慢させられるのも嫌。

もちろん、それが華を本当に困らせる時はしないけれど、今日は予定よりも少し早く戻ってこれたんだから。






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笑顔で帰る華を見送って。
あたしは疲れた身体をこたつで温めた。






ああ、寒い。
本当に、冬が来たね。




何もないワケじゃないけれど。
2006年12月02日(土)


全てが流されていく感覚。

日常に淘汰されていく錯覚。





夜明け前に目が覚めて、身体が震えだした。

怖いとは思わない。

寂しいのかもしれない。

ただ不安なだけなのかも。

よく、分からない。





ただ、あたしを現実に繋ぐのは、あなたの手だけ。

夕ご飯を一緒に食べた後。

帰り際に、マンションの廊下の端から、




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それだけのために生きている気がする。



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