月に舞う桜
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★合計14冊 155. ジャン=バティスト・グリナ『ストア派』 156. ノーマン・G. フィンケルスタイン『ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち』 157. ロバート・B. チャルディーニ『影響力の武器 人を動かす七つの原理(新版)』 158. 東野圭吾『おれは非情勤』 159. 安部公房『終りし道の標べに』 160. 山崎雅弘『この国の同調圧力』 161. サミュエル・バトラー『エレホン』 162. ミシェル・ウエルベック『服従』 163. ナオミ・オルダーマン『パワー』 164. ローズ・マコーリー『その他もろもろ ある予言譚』 165. エヴゲーニイ・ザミャーチン『われら』 166. まさきとしか『あの日、君は何をした』 167. 東野圭吾『魔女と過ごした七日間』 168. まさきとしか『彼女が最後に見たものは』
※数字は1月からの通し番号
ディストピア小説を集中的に読んだ。 ナオミ・オルダーマンの『パワー』とエヴゲーニイ・ザミャーチンの『われら』が特に良かった。 現実に嫌気が差して仕方ないときは、ディストピア小説やえげつない殺人事件の話を読むのがいい。どんなに酷い話でも、それが小説なら、現実よりは遙かにましだ。酷い話を読むことで、酷い現実からしばし逃げる。毒をもって毒を制すみたいな感じか。 他には、まさきとしかの三ツ矢&田所シリーズがとても良い。まさきとしかは、櫛木理宇に次いでお気に入りの作家の一人になりそうだ。
とある支援機関に登録していて、半年に一度、面談する。 しかし、意義をまったく見出せない。 この支援機関で有益な情報をもらったことがない。いつも、近況報告するだけだ。 障害者の支援機関のくせに、車椅子ユーザーを取り巻く社会環境の変化や問題点をほとんど知らない。登録者は知的障害者が多いようだけど、そんなことは言い訳にならない。支援対象は知的障害者に限るとは謳っていないのだから。 以前、「最近、JRでもホームと電車の隙間と段差を解消する取り組みが進んでるじゃないですか」と話し始めたところ、「そうなんですか?」と言われた。一般人ならまだしも、障害者の支援機関のスタッフがそんなことも知らないなんて、どうなっているのか。日々、アンテナを張り巡らせて情報収集すべきじゃないのか。こっちは、そんなこと当然知っているのを前提に、その先の「でも相変わらず不便な点もあって……」と愚痴というか問題点を話したいのに、相手が前提を知らないものだから、現状から説明しないといけなくなる。
そして、今日。 ATMでお金を下ろすときの問題を話した。制度上、ヘルパーは預金を下ろすのを手伝えないらしい。銀行の人にやってもらってくれ、と。でも、銀行の支店は次々閉鎖されて、歩いて行ける場所にはATMしかない。ATNの画面は車椅子からだと見づらいし、カードを自力で入れられない。どうしろと言うのか。 その相談をしても、有意義な答えは返ってこない。知的障害のある人は後見人を付けたりするが……と、相手もそんなことは私の役には立たないと分かっていながら、言ってくる。
車椅子ユーザーが抱える社会問題について、どんなことを話しても、「私たちも、いろいろお話を伺って、そんなこともあるのかと勉強になります」と言われる。呆れるしかない。 こっちは、あんたらの勉強のためにわざわざ出向いているわけじゃない。 愚痴の話し相手にしかならない支援機関だが、この支援機関に関する愚痴を訴える先がない。
誰に何を話したって、誰も何もしてくれない。
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