月に舞う桜

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2019年08月14日(水) 衝撃の曲と、一番好きな曲

スカパラの『リボン feat. 桜井和寿』を買う流れでBank Bandの10年くらい前のアルバム『沿志奏逢2』をいまさら買ったんですが、カバー曲の『煙突のある街』に衝撃を受けた。
今年知った曲の中では断トツに素晴らしい!
元ブルーハーツ、現クロマニヨンズの真島昌利がブルーハーツより前に作った曲で、小山卓治という人に提供したそう。
いやー、すごい曲に出会ってしまった

◆小山卓治バージョンの『煙突のある街』
https://www.uta-net.com/movie/225222/

『沿志奏逢2』収録のうち、カバー曲では、他に『遠い叫び』が好き。
RCサクセションの仲井戸麗市の曲で、何かのアニメに使われたらしい。

でも、私はやっぱり何と言ってもBank Bandのオリジナル曲『to U』が好きです。
Bank Bandの中で、と言うよりも、知っているすべての曲の中で一番好きと言っても過言ではないくらい。

穏やかで、透き通った気持ちにさせてくれる曲。
やさしく背中を押し、希望を見せてくれる曲。
強すぎず、押しつけではない愛で包み込んで、弱さを認めて丸ごと肯定してくれる曲。

桜井和寿とSalyuのツインボーカルです。
本当に、みんなにぜひ一度聴いてみてほしい。

◆Bank Band with Salyu『to U』
https://www.youtube.com/watch?v=ZxLuL612XQw&list=RDZxLuL612XQw&start_radio=1


ちなみに、最初に紹介した『煙突のある街』の歌詞は、オリジナルの真島Ver.と小山Ver.で少し違う。

◆真島Ver.の歌詞
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=E00963

◆小山Ver.の歌詞
https://www.uta-net.com/song/225222/

例えば

真島Ver.
「組合幹部の奴等はうまいこと立ちまわってる/もう少し我慢をすれば甘い汁が吸えるのかな?」

小山Ver.
「組合幹部の奴等はうまいこと立ちまわってる/下のほうの俺達だけいつでも傷を負わされて」

真島Ver.
「煙突のあるこの街で俺達は訴えられた/責任逃れをしようか?俺は今夜暴発する」

小山Ver.
「煙突のあるこの街で俺達は訴えられた/責任逃れはできない俺達どこへも行けない」

のように、小山Ver.では、自分の置かれた立場をより深く見つめている。
工場で働く“俺”は工場にいろいろなものを奪われているが、同時に紛れもなく工場の一部でもある。
工場に害されながら、工場の一部として自らも街を害している。そこから逃れられない。川の臭いの耐え切れなさは、自分の立場の耐え切れなさでもある。
小山Ver.の歌詞ではそれが明確になっていて、良い。
できれば、Bank Bandも小山Ver.で歌ってほしかったなあ。


2019年08月11日(日) 7→10

7月末にパソコンを買って、無事にWindows7から10になりました!
7→10の移行はそんなに違和感ないな。
パソコンを20%オフ、wi-fiルータを41%オフで買えたし、つい2,3日前はUSBメモリをかなり安く買えて、ここ最近は買い物運があるみたい。

新しいパソコン、概ね使い勝手は良くて満足している。特にキーボードがかなり打ちやすくて、長文を打っても疲れない。
初めて実物を触らずパソコンを決めたけど、付属がこのキーボードだったのは幸運!
あと、分離型にしたおかげでUSBやディスクを自分で抜き差し? 出し入れ? できるようになって嬉しい。前のときは、自分でできなくて家族に頼まないといけなくて、面倒だったから。

でも、なぜかIMEにしてもATOKにしても変換対象の文節が分かりづらい……先代パソコンのときはそんなことなかったのに。ググっても、設定方法がいまいち分からん。使えないことはないから、まいっか。

先代パソコンはまだまだ使えたけれど、来年1月のWin7サポート終了に向けて今年中に買い換えねばならず、どうせなら消費税が上がる前に、ということで半ば仕方なくの買い物だった。それに、どれを買うべきか吟味するのが面倒でもあった。
でも、頑張ってカタログやネットであれこれ検討した甲斐あって、使いやすいものに出会えたから良かった!

そう言えば、今回のパソコンを通販で注文するとき、入力ミスはなく限度額も超えてないのにカードが認証されなくて焦った。
カード会社に電話したら、最近不正利用が多いので怪しいのを自動検知してブロックしてるそう。普段使わない金額を一度で使おうとしたから引っかかったみたい。カードには何の問題もなくてほっと一安心。
カード会社の人に謝られたけど、カード会社は悪くない。むしろ、そういう対策を講じてくれてありがたいくらい。
悪いのは、カードを不正利用する人間。あんな面倒なことになって焦る羽目になったのは、すべて、不正利用する奴らのせい。
詐欺などの悪いことを企む人間のせいで、世の中は面倒なことになる。


2019年08月09日(金) 『主戦場』

先日の教訓を活かして、今度こそチケットを予約して映画『主戦場』を観てきた。

いわゆる「慰安婦問題」を扱ったドキュメンタリー映画『主戦場』。
これは、日本にルーツを持つすべての日本人が観た方が良い。
ただし、女性、特に性暴力被害者に対してかなり侮辱的な発言があるため、性暴力被害の経験者は要注意です(それでも観るべき、とは言えない)。

最初の方で、慰安婦にさせられた韓国の老婦人が2015年の日韓合意後に韓国外相に詰め寄り、「私たちが受けた苦痛を分かっているのか!」「なぜ私たちの話を聴かずに勝手に合意したのか!」と叫ぶシーンがある。
あの怒り、叫びを目の当たりにするだけでも、この映画を観る価値がある。
映画に出てくる学者や弁護士や活動家のどんな誠実で切実な言葉よりも、あの老婦人の怒りの声が、私たちが直視すべき戦時性暴力の加害性を物語っている。
慰安婦にさせられた彼女たちの苦痛、屈辱、怒り……。

映画は主に、強制や軍の関与などを否定し慰安婦問題は捏造だと主張する人たちと、慰安婦は性奴隷であり慰安婦制度は人権侵害であるとする人たちへのインタビューで構成されている。
基本的には、前者の主張に対し、後者が資料解釈の誤りを指摘しつつ丁寧に反論するのだが、そこにあるのは、もはや左右の思想の対立ではなく、知性と人権意識の差である。
歴史改竄者達は、資料を都合良く解釈する、もしくは資料が作られた目的や背景、文脈を無視する。

(私は、「歴史修正主義者」という言葉を使いたくない。「歴史修正主義者」と呼ばれる人たちが言っていること、やっていることは、「修正」(=誤りや不十分な部分を改め直す)ではなく、歴史の改竄、捏造である。だから私は「歴史改竄者」と呼びたい。)

彼ら(歴史改竄者)は「強制」「奴隷」などをかなり狭く定義づけているが、例えば、鎖で繋いで監禁しておくような「強制」「奴隷」ではなかったからと言って、「だから問題はない」と考えてしまうのはなぜなのだろう。おそらく彼らは、慰安婦問題に限らず、人権意識が著しく欠如している。

この映画で言及されているのは慰安婦問題にとどまらない。

・2006年の教育基本法改正
・歴史教科書の記述と教科書検定の問題
・日本会議
・日韓請求権協定や日韓合意におけるアメリカの思惑
・ヘイトデモ

これらを語ることで、慰安婦問題という“点”ではなく、日本社会の問題を線(あるいは面)で提示している。
慰安婦問題にとどまらず、そこを起点として日本社会の問題を線で見せているところが、この映画の良さであり、映画に深みを持たせている要素である。
また、陸軍が戦後に資料をすべて焼却処分したことも言及されているのだが、それは、公文書の改竄・破棄に象徴される現代日本の隠蔽体質を想起させる。過去と現在はつながっている。この隠蔽体質に限らないが、結局のところ、日本の幹に巣くっている根本的な体質は、何も変わっていないのではないか。

ところで映画のチラシには出演者の顔写真が並んでいて、真ん中は櫻井よしこなのだが、実際のところ彼女はそんなに出てこない。この映画で一番“活躍”しているのは、櫻井よしこではなく杉田水脈である。
差別的な言葉を交えながら展開される杉田水脈の主張は聞くに堪えないのだが、印象的なのは、彼女の表情だ。センシティブな問題を語るときに、被害を訴える人々を嘲るような笑みを浮かべている。
あれは、同性愛者である子どもの自殺率が高いことを半笑いで話していたときと同じ種類の笑みだ。
歴史改竄者たちが元慰安婦の方々に向ける差別や嘲笑や敵意のまなざしは、現在の性暴力被害者が受けるそれと通ずるものがある、というか、同じである。性暴力の加害性を低く見積もられ、被害者が責められ尊厳を踏みにじられ、あるいは性暴力をなかったことにされる。

私は以前から、「慰安婦」という呼称は良くないのではないかと思っている。「慰安婦」では、事の本質(戦時性暴力の加害性と被害性)が伝わりづらい。
文字通り「(兵士を)慰安する婦人」ということであれば、宿営地を慰問して歌などを披露する女性だって「慰安婦」と呼べないこともない。
「慰安婦」という言葉は、その制度が女性を性的に搾取し、人権を蹂躙するものであることを巧妙に覆い隠している。
では、何という呼称が適切であるのか、と言われると、それは分からないのだが。

韓国では家父長制や儒教的価値観の影響が強いために、戦時性暴力の被害者達が名乗り出づらかったり隠されたりしてきた側面もあるという。
家父長制や儒教的価値観の影響は、現在の日本社会にも色濃くあるなあと思う。女性や性暴力被害者に対する扱いだけでなく、様々な面で。

さて、出演している歴史改竄者の中で一番のトンデモは、何と言っても最後に登場する加瀬英明(日本会議東京都本部会長)だ。
この人はすごいぞ!

「他人の本は読まない」
「アメリカの黒人差別がなくなったのは日本が戦争に勝ったから」

などなど、他にも数々のぶっ飛んだ発言をしている。

日本が戦争に勝ったから
日本が戦争に勝ったから
日本が戦争に勝ったから

異次元! パラレルワールドの住人? 
極右団体・日本会議って、こんな人が大物扱いされてるんですよ?

シアター・イメージフォーラム、アップリンク吉祥寺、横浜シネマリンなどでまだ上映しているので、今のうちにぜひ!!

◆映画『主戦場』公式サイト
http://www.shusenjo.jp


2019年08月05日(月) 女性の性被害は、かくも軽視される

あいちトリエンナーレの慰安婦少女像の件、表現の自由とか、公権力の介入とか、良心と正義とか、戦争の記憶とか、暴力・脅迫にどう対抗していくかとか、いろんな視点があるけど、私はさ、女性の性被害ってやっぱり本当に本当に軽視されるんだなあ……ってことをずっと思っている。


2019年08月04日(日) 映画を観るつもりが……

今日は映画『主戦場』を観に遠路はるばる(?)吉祥寺まで行ったのに、車椅子席も含め全席売り切れという衝撃展開だった。
予約しなかった私の失態なんだけども、そんなに人気なら、もっと広いスクリーンでやるか上映回数を増やしてほしいよ〜。
というか、そもそもミニシアターだけじゃなくて大手シネコンでも上映してくれ〜。
ミニシアターは車椅子で行けるところがなかなかない。

あいちトリエンナーレが脅迫を受けて慰安婦少女像の展示を中止せざるを得なくなった件もあって、なおさら『主戦場』は今観ておくべきと思ったし、観たかった。本当に残念。

他に観たい映画はやってなかったので、今日のところは羊のショーンのカフェでランチして帰ってきた。

ショーンのランチョンマット



どのテーブルにも一人ずつぬいぐるみが



パスタとサラダとフレンチトーストのセット



かわいらしいカフェだったなー。
フレンチトーストが美味しかった!


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