月に舞う桜
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今日はハローワークに行って、ついでに何軒かお店をまわってネックレスを見た。 8月にやるToshlのディナーショー、今年は服もバッグも靴も新調しないで普段使いのちょっときれいめで行くつもりなんだけど、トップスが白のレースなので、やや大ぶりで長めのネックレスがあると映えるなあ、と。 プチプラなアクセサリー屋さんと、洋服屋さんへ。いまは、たいていの洋服屋さんに安くてかわいいアクセサリーがある。
手持ちのネックレスをもう一回確認したかったのもあって、今日は下見して買う候補を絞るだけにしておいた。 どれが一番かわいいか、どれが一番洋服に合うか、あれこれ考えるだけでも楽しい。 どうせなら手持ちのいろんな服に合うやつがいいけど、いまのところ買う第一候補になっているのは、合せられる服が限られるかもなあ。 やっぱり、いま持っているネックレスで間に合わせた方がいいだろうか……うーん。
ランチは、前から行ってみたかったオーガニックレストランへ。 ランチにしてはお値段が少々張るので行くのをずっと躊躇してたけど、ちょうどマイミクさんが最近行かれたようで、その投稿を見たらやっぱり行きたくなった。
木造りで、ほっと落ち着ける雰囲気のお店だった。 野菜が盛りだくさんのメニューを注文。 大きな四角いお皿に、野菜中心の料理が9種類も!
小さな紙に書かれた献立一覧が持ち帰りOKだったので、内容を書き留めておこう↓
・ひじき、きのこ、アマランサスの重ね煮 ・揚げごぼう 甘酒ソース ・切り干し大根と人参のサラダ ・大根のステーキ 海苔ソース ・キヌアと山えのきのサラダ ・じゃが芋のハーブ焼き ・絹さやの胡麻和え ・茄子の葱味噌焼き 大葉ソース ・ズッキーニのグラタン
どれも素材が生きる自然な味付けで、おうちで食事しているようなくつろぎ感。 私にはちょっと味が薄いなと思うおかずもあったけど、体にいいのは、ああいう味なんだろうなあ。 特に、揚げごぼうと、じゃが芋のハーブ焼きがおいしかった。 ごぼうは、細く切らずに太いまま揚げてあるけど、中までほど良く柔らかくてほくほくしていた。
↑の野菜の他には、ご飯と味噌汁がついていた。 定食で、わかめとネギがちょろっと漂っているだけの味噌汁が多いように思うけど、ここは大根と葉っぱとキノコがしっかり入っていた。 「お好みで、ご飯にどうぞ」と持って来てくれた胡麻ふりかけも、風味が良くて、とってもおいしかった。
食べてる私の様子が大変そうだったのか、店員のおねえさんが「よろしければ、切ってきましょうか?」と声を掛けてくれた。 何という心遣い! お言葉に甘えて、うまく切れなかったり口に入らなかったりして扱いに苦労していた具材だけ切ってもらった。 助かりました、ありがとう! 注文してから料理が出てくるまでかなり時間がかかるので、正直ちょっと「うーん……」となっていたけど、おいしい野菜を何種類も食べられたし、思いがけない嬉しい心遣いをしてもらえて、満たされた気持ちでお店をあとにしたのでした。
2017年05月27日(土) |
美女と野獣とフレンチトースト |
図書館に行って本を返す&借りたあと、映画『美女と野獣』を観に行った。 この映画、公開直後からToshlが絶賛していたので気になりつつも、先延ばしになっていた。 でも、マイミクさんも観て良かったってことだったので、公開が終わらないうちにと思ってやっと行ってきた。
私は、洋画は字幕で観るのが好きなんだけど、今回は上映時間の関係で吹替にした。 うーん、吹替も悪くはないんだけど……やっぱり字幕の方が良かったのかなあ。 吹替だと、どうしても声が俳優の表情から浮いて聞こえるんだよね。 映像を観ずに吹替のセリフと歌を聴いてるだけなら、とても良いものに仕上がってると思うんだけど。 で、藤井隆にはゴメンだけど、藤井隆すぎるというか、いや、逆に作り過ぎてるのかなあ。「あ、藤井隆が演じてるな」って感じ。あのル・フウという人物は、実は結構難しい役だと思うんだよね。 次にテレビ放送か何かで観るときは字幕で観たいな。エマ・ワトソンの歌声も聴きたいし。
そんな中でも、吹替キャストで一番良かったのはガストン役の人だった。 声質も喋り方も、カッコ良くて強くて男らしい英雄(?)のガストンにぴったりで、セリフが浮いて聞こえなかった。演じてる俳優の顔や身のこなしに合ってるんだと思う。 サイトで確認したら、吉原光夫という人で、なかなかのイケメン! 日本史上最年少で『レ・ミゼラブル』の主役ジャン・バルジャンを演じたそうな。 ガストンは、演じた俳優さんもぴったりだった。ガストンだった。
あぁ、それにしてもなあ、いろんな意味で残念だよ、ガストン……。
歌は何と言ってもポット夫人役の岩崎宏美でした! 途中、無双状態でして。
ミュージカル映画だから、なおさら映画館で観ると良いね。 村人の合唱やら、お城での合唱やら、迫力がある。
映画そのものはどうだったかと言うと、まずCGと美術(小道具?)が豪華。 お城の外観も、内部も、お城の住人たちのおもてなしも、とても夢あふれる映像で、でもちゃんとリアリティもあって。 ベルの家の柱に描かれた花の模様がかわいくて、細かいところまでちゃんと作ってあるなあ、とか。ベルのお父さんが作るオルゴールがとても精巧で素敵で、あれ欲しいなあ、とか。
そして、良かったのは、いろんな愛。 私は、映画やドラマを観て泣くときはすぐ泣いちゃうんだけど、一方ですごく冷めてて天邪鬼なところもある。 だから、ベルと野獣の愛情は、まあ何と言うか、愛し合って呪いが解けるというストーリーを知っているから「あー、そうだね。そりゃあ、そうなるよね」ってわりと冷静に見てしまったんだけど、それ以外にもいろいろな種類の愛情というものを描いているのが良いなあ、と。 ベルと父親の愛、ベルのお母さんの愛、野獣に対するお城の住人たちの愛、お城の住人同士の愛。なんか、そういうのがいいよね。男女の愛情ももちろんいいんだけどさ。
あと、人間の多様性の肯定、多様な生き方の尊重を前面に出していて、「あ、ディズニー頑張ってるな」という印象。
んで、これはどうでもいいことだけど、野獣が王子に戻れたのは良かった反面、野獣のあの身体能力が失われたのはもったいないなあと思った。
私はアニメの『美女と野獣』を観たことがないので、「どこまで忠実に再現してるんだろう」とか「実写化ってどうなの?」とか、余計なこと考えずに観れたのは良かったかも。
映画のあとは、前から一度行ってみたかったカフェでフレンチトーストを食べた。 フレンチトーストも、飲み物も種類が豊富。
フレンチトーストは、バナナとキウイが乗って、チョコレートソースがかかっているものにした。 チョコバナナはよくあるけど、キウイが乗ってるのは珍しいなと思って選んでみた。 写真だとよく見えないけど、奥にバニラアイスが添えられている。 バナナは、何かスパイスの香りがした。 見た目はしっかりしてるけど、ふわふわで、ナイフを入れると簡単に切れる。自分で切れるかしらと心配だったけど、問題なし。 でも、ふわとろ過ぎなくて美味しかった。あまりにとろとろなのは苦手なので。
飲み物は、せっかくなので珍しいものをと思って、ブラックチェリーティー。 まあ、普通。でも、香りが強すぎなくて良かった。 フレーバーティーで他には、ライチティー、ストロベリーティー、マンゴーティー、ピーチティー、オレンジティーなどなど。 一つ一つは他のお店でも見るけど、これだけたくさんの種類が用意されてるお店ってなかなかないんじゃないかなあ。 フレンチトーストも他にも美味しそうなのがいくつかあったし、食事メニューもあるみたい。 できればフレンチトーストとフレーバーティーは全種類制覇したいけど、そんなに通えないか。 でも、またいつか行きたいな。
2017年05月22日(月) |
バラ園と、さかなクンと、SUGIZO疑惑 |
山下公園に行った。 3月下旬から6月初めまで「全国都市緑化よこはまフェア」というのをやっていて、山下公園や港の見える丘公園、横浜スタジアム周辺に「みなとガーデン」と称してたくさんの草花が植えられている。 全部は見て回れないので、今回は日本大通りから山下公園を中心に。
山下公園にはバラ園が作られていた。 開けた敷地に、バラと他にも無数の花々。 バラは色も種類もすごく豊富で、土に植えられてるだけじゃなく、アーチもあり、柱を色とりどりに飾ってあったりも。
夏みたいに暑くて疲れたけど、行って良かったなあ。 花を見ていると気持ちが明るくなるし、自分がきれいな人間でいられる気がする。 3月終わりから4月はチューリップがたくさん咲いていたらしいので、その頃も行けばよかったなあ。 チューリップ、好き。 ちなみに、ズーラシアの隣には「里山ガーデン」というのができていて、こちらも季節の花々がきれいらしい。
横浜名物の氷川丸を眺めたりしながらのんびり歩いていたら、さかなクンのロケに遭遇! 最初に見つけたときは、カメラが回っていない状態だったものの、なんと私のすぐ横をスタッフと走って行った。「え、本物!?」と半信半疑だったけど、海が見える場所で撮影が始まり、そこら辺を歩いていた人たちがどんどん集まってきた。 スタートの合図がかかると、用意されたセリフ(「横浜の海、すごいですね!!」とか何とか)をテレビでおなじみのあのテンションで叫びながら、両手を上げて走る、さかなクン。 それだけですぐカットがかかり、普通のテンションでスタッフに「今ので大丈夫ですか?」と確認する、さかなクン。スタッフに「もう一回撮りましょう」と言われていた。 ワンシーンって、ほんと短いんだなあ。 どんどん増えるギャラリーに、遠慮なしに携帯で写真を撮られていた。しかも、その中の一人に「何の番組ですか?」って聞かれて、律義に答えてあげてたみたい。NHKの番組らしい。 テレビに出る人って、大変だ。こんな暑い日に走らなきゃいけないし。
今回は、さかなクンだったから、びっくりしつつも冷静でいられたけど、これがToshlだったらテンパって奇声を上げるだろうな。 去年やった「Toshlカフェ」とか、もう終わっちゃったけど「スウィーツKURENAI」のロケとか、遭遇したかったな。 「スウィーツKURENAI」で原宿とか、よみうりランドとか行ってたけど、よくパニックが起きなかったよね。一般人はToshlにあまり興味ないのかしら。
そう言えば、私が山下公園に行ったのとたぶん同じぐらいのタイミングで、SUGIZOがバラ園に行った写真をインスタグラムに載せてたんだけど(しかもサングラスもなしのスッピン!)、まさかあそこにいたわけじゃないよねえ。 ま、まさかね……そんなわけない。きっと別のバラ園よ!
2017年05月16日(火) |
LOVEはじめました |
「LoveHandi」というWEBマガジンでライターをやることになりました。 昨日5/15付で私の初記事が掲載されています。
◆障害者ライター陣が書く、障害者と健常者を繋ぐWEBマガジン「LoveHandi」 https://lovehandi.jp/
◆私の初記事掲載ページ 「車椅子ユーザーから”3つ”の、ちょっとしたお願い事」 https://lovehandi.jp/2017/05/15/kurumaisu_onegai/ 私の記事ページ上部に載っている綺麗なおねえさんは私ではありませんので、あしからず。 私をリアルで知っている友達に「知らない人が見たら、私だって勘違いするよね」と言ったら、「1000%するね!」と返され……。 どうしよう、困った! でも、「私です!」って嘘ついてないからね? 詐欺じゃないからね?
このWEBマガジンはライターが全員障害者という特徴があり、それぞれが自身の障害にまつわるあれこれを発信しています。 身体障害だけでなく、精神障害、発達障害など、いろんな障害を持ったライターさんがいらっしゃいます。 自分とは違う障害を持った人の話は勉強になります。 編集長さんは「障害者と健常者を繋ぐWEBメディアを作りたい」との思いで、立ち上げられたそう。 クラウドファンディングで支援金を募っているようですので、ご興味のある方は、ぜひ!
私は脳性麻痺&車椅子ユーザーの立場で、これからいろいろ書いていきたいと思っています。 不定期ではありますが。 よろしければ、どうぞご贔屓に!
ちなみに、「LoveHandi」のプロフィール欄で使っている画像は、2015年のX JAPAN横浜アリーナライブでYOSHIKIにもらった薔薇の写真をちょっと加工したものです。 こんなときだから、この薔薇の写真を使いたかった!
今日の日記のタイトルはMr.Childrenのアルバム『IT'S A WONDERFUL WORLD』に収録されている曲名です。 この日記を書くにあたってパッと浮かんだから拝借したのだけど、曲自体は日記の内容と何の関係もありません。私が「LoveHandi」で書いている記事内容とも何の関係もありません。
昨日は、元職場の先輩とランチした。 Toshlがインスタグラムに載せているのを見て以来ずっとパンケーキが食べたくて、そんなときにちょうど先輩からランチのお誘いがあったので、パンケーキ屋さんに行った。
野菜やベーコンが添えられた食事系のパンケーキもあったけど、せっかく来たので王道のストロベリーパンケーキ! 私が追い求めていた、分厚くてふわふわのパンケーキが二段。薄いパンケーキも良いけど、厚いのって子供の頃の憧れを思い出して夢とロマン(?)を感じる。 はちみつとカスタードクリームの甘さと、イチゴの甘酸っぱさが絶妙のコラボだった。
ランチのあと時間があったので、予約してある本を取りに図書館に行った。 最初は今日行こうと思ってたんだけど、昨日行って良かった。だって、昨日行ってみたら「明日5/15は休館日です」って張り紙してあるんだもの。何という運の良さ!
で、何の本を予約していたかというと、アガサ・クリスティの「ポアロ・シリーズ」。 自信家で潔癖症で風変わりで、ときに辛辣だけど優しくもあり、人の心の機微がよく分かっている名探偵、エルキュール・ポアロが難事件を解決する小説だ。 事の始まりは去年の秋、母が観ていたBSのドラマ版ポアロを私も一緒に観るようになった。二人でどんどんはまって、そのうち原作も一作目から読んでみようかということになった。小説を買いそろえるのは手間もお金も置く場所も大変なので、図書館で借りては、せっせと読んでいる。 翻訳版はすべて早川から出ているんだけど、訳者はバラバラで、セリフの口調が統一されていないのが、ちょっといただけない。訳者によって、登場人物の印象ががらりと変わるんだもの。私はドラマから入ったので、ドラマのポアロと同じ喋り方の訳が好き。 ドラマはいまもやっていて、録画して観ている。本は、読み始めると止まらない。エンドレスである。 登場人物が多いうえに、外国人の名前は覚えるのが苦手なので、「あれ、この人、誰だっけ?」となる。本だと冒頭に登場人物一覧が載っているから便利! 「この真相はどうやって判明したんだっけ?」と分からなくなったときも、前に戻って読み返せるからいい。 まあ、ドラマも、録画してるから巻き戻せばいいんだけど。
もともと母も私もサスペンスドラマが好きで、2時間サスペンスをよく観ている。 私は真面目で重厚なものも好きだけど、お気楽なサスペンスも好き。 お気楽タイプなら、山村美沙原作の「赤い霊柩車シリーズ」ですよ! 原作は読んだことないけど。 あれはね、ぶっちゃけストーリーはどうってことないんだけど、突っ込みどころが多くて中毒性が高い。簡単に人を殺し過ぎだし、警察は民間人に情報を流し過ぎ、っていうか民間人に解決してもらう気満々だし。主人公と婚約者の医師はいつまでたっても結婚しないし。 でも、観ちゃうんだよねえ。
2017年05月10日(水) |
それでも、体が一番大事だよ |
≪YOSHIKI 頸椎の緊急手術へ ダメージ深刻「日常生活さえもままならない」≫スポニチ http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2017/05/10/kiji/20170510s00041000121000c.html
生きているっていうのは、息をしていればいいわけじゃない。 自分が本当に生きるためには、体を犠牲にしてでも、何かをやり通したいって思うことはあるだろう。
それは、分かっている。
でも、やっぱり体が一番大事だよ。
YOSHIKIのことが大切だから、「なんでこうなる前に休まなかったんだ、バカ!」って思うし、この際すべてを投げ捨てて1年くらい休養して欲しいとも思う。 でも、私はそれを愛ゆえと思っているけれど、YOSHIKIの意に沿わない生き方だとしたら、愛じゃなくて私のエゴなんだろうか、とも思う。 大切って言ったって、結局は他人事だから「体が一番大事」なんて言えるんだろうか、とも思う。
YOSHIKIは7月のツアーをやる気でいるけど。 でも、やめてほしい。 もともと無理のあるツアースケジュールなんだよ? ライブやったら、ドラムソロもやっちゃうでしょ? 手術の時点で2ヶ月切ってるんだよ? バカなの?
今すぐ、中止か延期って決断すればいい。それは挫折じゃなくて、英断だよ。 そして、「待ってくれてるファンのためにも」なんて言ってツアーを強行するのだけは絶対やめてほしい。 待っているファンは、貴方の体が壊れることなんて望んでいません。 YOSHIKIが「自分がやりたいから、やる」って言うなら、「しゃあねーな」ってなるけど……いや、ならないな。 映画で言ってた「自分の命は自分だけのものじゃない」が本当に本当に本心なら、強行はあり得ないよ?
頸椎は、シャレにならない。 感覚がないのも、シャレにならない。 演奏できなくなるどころか、普通に生活できなくなる可能性だってある。 体は正直だ。 体が出すシグナルには従わなきゃいけない。
会場とかチケットとか、いろいろ問題はあるかもしれないけれど、「やってやれないことはない」んでしょ? それなら、中止か延期の決断だって、やれないことはないはず。 それに、現実問題として、みんな仕事や家のことや宿泊先を調整してライブに行くわけだから、早いとこ決断を下してくれた方がいいよ。 引っ張れば引っ張るだけ、期待と不安が募るって知ってる? どうしてもツアーやるなら、ドラムなんて、にゃんごすたーが叩けばいいんだよ。 YOSHIKIは、何言ってるか分かんない日本語で、MCやってればいいじゃない?
いまだから言えるけど、PATAが倒れたとき、私はいい機会だと思った。 メンバーもマネジメントも、活動ペースとかスケジュールについて一度きちんと考えるいい機会だったんだよ。 それなのに、YOSHIKIは忙しくなる一方で、ツアー日程は2015年以上に厳しくて……みんな、何も学んでないの? マネジメントは、無能なの? メンバーもスタッフも一丸となってツアー中止(もしくは延期)の方向に舵を取らなきゃだめだよ。 YOSHIKIの意向を尊重するばかりが愛情じゃない。 「YOSHIKIは諦めない奴だ」とか「YOSHIKIを信じてる」なんて思ってYOSHIKIの言うとおりにしようとしている人がいるとしたら、とんでもない。 YOSHIKIは強いし不屈だ、って、そりゃそうかもしれないけど、YOSHIKIは神でもなけりゃサイボーグでもない、人間なんですよ。
YOSHIKIのことだけじゃなくて、いろんな場面で思うんだけど、体を犠牲にしてまで何かに情熱を傾けることをもてはやす風潮はやめた方がいい。そんなの、本当は美徳でもなんでもないんじゃない? そりゃあ、私だってライブでYOSHIKIのあのドラムプレイを見たら引き込まれるし圧倒されるし、彼の努力と強さはすごいと思うし、尊敬するよ。 でも、みんな立ち止まって冷静に考えてみてほしいんだけど、体を壊してまでやる価値のあることなんて、本当にあるの? 本当に? YOSHIKIを見てたら価値がないなんて言えないよ。言えるわけがない。 でも、多くの人を魅了したとしても、それで体が壊れて再起不能になったりしたら、いったい何の意味が、何の価値があるの?
だいたい、限界なるまでやめないって、それがおかしいんだよ。 体を壊さないようにプレイしつつ人を熱狂させるのが、本当のプロだよ。 倒れるまでやるのはプロじゃないんだよ。 倒れるほどのドラムプレイなんて、本当はすごくも何ともないのに、誰だよ、もてはやした奴! それで熱狂してるのは、YOSHIKIの犠牲の上に胡坐かいて生きてるだけだ。
……私もその一人だ。分かってる。
人って、心配し過ぎると怒りに変わるんだね。 怒りって、防衛本能なのか。
YOSHIKIみたいな患者を持ったら、医者は大変だ。 お気の毒です。 でも、頑張って説得してください。
体は大事だ。 人生にはそれ以上に大事なものがあるような錯覚を起こしがちだけど、体が一番大事なんだよ。
……って、延々書いた取りとめないことを、YOSHIKIに伝わるように伝えたいけど、伝わらないだろうな。 ドラムやめないだろうし。
4月下旬は体調を崩しやすい。 今年は、4月の最終週に高熱と咳が出た。
熱と咳に体を蝕まれながら、あの年もそうだったな、と思い出したんだ。
あの年は、4月下旬に水疱瘡に罹った。高校3年生だった。 ゴールデンウイーク明けから学校に行ってもいいよ、とドクターから許可をもらったばかりの、あの日。 体調はすっかり良くなって、発疹もあらかた消え、家でのんびり過ごしていた。
今日みたいに、晴れた日だった。
授業はどこまで進んだんだろう。連休が終わって学校に行ったら、友達にノートを借りなくちゃ。 そんなことを考えていたら、ラジオから訃報が聞こえた。
晴れた空と、部屋の中のラジオの位置と、貴方の本名でニュースが伝えられたことを、何年経ってもはっきり覚えている。
私、まだ、あのときと同じ部屋にいるんだよ。 あのときのラジオはもう、ないけどね。
この一年、初めて貴方を少しだけ恨んだ。 なんでかな。なんでだろう。 貴方の映像に涙が溢れて、口元を手で覆って歌えなくなってしまったヴォーカリストの姿を見たからかな。 映画を観て、貴方の存在と不在の大きさを改めて思い知らされたからかな。
いまの5人が並んだ宣材写真を見て、向って一番右が貴方だったらどんな感じかなって想像してみたんだ。 やっぱり、貴方も黒い衣装で統一するのかな。その中で、貴方の髪の色が際立っているのかな。 なんかちょっと想像できないんだ。 貴方がいたら、全然違う写真になっていたかもしれないね。
毎年5月2日は、そのとき思ったこと、感じたことをきちんと書き残しておきたいと思った。 それで、ここ何年か、そうしている。 でもね、何年かそうしているうちに、したいからそうしていると言うより、自分の中でそれが義務みたいになってしまってることに気付いたの。 それは何か違うんじゃないか、って、今年になって思う。
死者への想いは生き残った者の生きる糧だけど、生者は、死者への想いを己の停滞の言い訳にしてはいけない。 生者は、死者を言い訳に使ってはならないし、死者を言い訳に他の生者を傷つけてはならない。 死者を……死者への強い想いを言い訳に使うことは、死者への冒涜だし、生者の怠慢だ。
本当はね、死者と生者は比べられるものじゃないって分かってるの。 でも、私はやっぱり生きている人を大切にしたい。 貴方はどこにだっているけれど、もうどこにもいない。 貴方にしてあげられることは、もう何もない。 だから、せめて、生きている人を大切にしたい。
忘れるわけじゃないよ。
大切に思わなくなるわけでもない。
でも、誰かが、貴方を愛して貴方の不在を悲しむあまり、生きている人を傷つけるようなことがあるとしたら、私は生きている人に寄り添っていたいと思う。
そして、もう自分を義務から解放して、本当に書きたいときに書きたいことを綴っていくよ。
ばいばい。
またいつか。
★ちょっとまとめてみたくなったので、ここ数年の5月2日の日記★ 2007年5月2日 時を経ても変わらぬもの 2008年5月2日 Without You 2010年5月2日 一巡り 2011年5月2日 慈しみの音を 2013年5月2日 もうすぐ越えそうで、でも決して超えられない貴方へ 2014年5月2日 17回忌 2015年5月2日 私にとっての真実 2016年5月2日 タイムマシンはないから
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