月に舞う桜
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先月から、平日の朝刊に夏目漱石の「こころ」が連載されている。 「こころ」を初めて読んだのは、高校の現国の教科書でだ。 私はあの世界がすぐに気に入って、授業でほかのページを取り上げているときも、そんなことは構わずに「こころ」を繰り返し読んでいた。 教科書に載っていたのは抜粋だったので、そのあと文庫本を買った。確か今も家にあるはずなんだけれど、ちょっと探しただけでは見つからなかった。 高校時代への懐かしさもあって連載を読んでいるが、いかんせん1日では大して進まなくて物足りない。それで、1週間分をまとめて読んでいる。 それでも、じれったい。
「じれったい」で思い出すのは、玉置浩二だ。 「こころ」の切り抜きを読んで、じれったいなあと毎回思い、安全地帯の「じれったい〜♪」という曲が毎回頭の中を駆け巡る。 タイトル、何だっけな。 スキャンダラスな面はともかく、玉置浩二のあの声は魅力的でそそられる。甘くてセクシーで、大人の男の危ないにおいがして、澄んでいないところも良い。心臓と子宮に響く感じ。ちょっと薄暗いバーかなんかで、あの声で歌われたら、イチコロだ。
あ、調べたら、そのまんま「じれったい」ってタイトルだった。
久しぶりに横浜へ行った。 横浜駅周辺は、いつ行っても人で溢れている。連休中なら、なおさら。 ウインドウショッピングが止められない。 ぐるぐるぐるぐる、あちこちお店を見て回って、1,2時間なんてあっという間だ。 横浜のお店は物が高い。会社周辺のショッピングモールとはわけが違う。 でも、その分、洗練されたものが売られている。洋服の材質やデザインや色合いが、確かに良い。
昔に比べて、金銭感覚がシビアになった。 前は、横浜でも結構洋服を買っていたように思うけど。
でも、見ているだけでも楽しいのだ。 十分、目の保養になった。 かわいいもの、素敵なもの、感じの良い接客、人でごった返す熱気、そういうものに触れると、その日を気分良く過ごすことができるし、エネルギーを蓄えられる。
それにしても、横浜駅は人の多さの割にエレベーターが狭すぎるよね。
朝から雲一つない、抜けるような青空が広がっていた。初夏みたいな気候で、暑いくらいだ。 こんな日は、仕事なんてせずに、どこか見晴らしの良い公園で、ひとり貴方の音を聴きながらのんびりしていたい。 でも、私には仕事があり、待っていてくれる人たちがいて、片づけるべきことがある。 生きているとは、そういうことだ。 それに、イヤホンなんてつけなくても、いつだって貴方の音は聞こえているよ。
どうか、世界よ、平和であれ。 私の愛する人たちも、そうでない人たちも、ともに等しく幸せであれ。
2014年5月2日、16年目の春の空に祈りを放って。
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