月に舞う桜
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ここをずいぶん長いこと放っておいたけれど、暖かくなって虫が土から這い出すように、私もそろそろ何か書いてみようかと思った。
それで、去年の振り返りから。
◆9月 Xファンの友人とマダム・タッソーへ行った。世界の有名人の等身大フィギュアが展示されているところだ。 マダム・タッソーは自由に写真撮影OK、しかも多少ならフィギュアに触れても良い。なのでパシャパシャ写真を撮るのだが、驚くことに、デジカメも携帯のカメラも、フィギュアの顔を人間の顔だと認識するのである。それだけ造りが精巧ということだ。 入るとすぐジョニー・デップと一緒に写真を撮ってもらえるサービスがあり、世界の皇族や政治家、スポーツ選手、タレント、ハリウッドのスターたちのフィギュアが展示されていた。スポーツ選手なんて、例えばふくらはぎの筋肉の付き方なんかも本当にリアルで、目を見張る。 私たちの一番の目当ては、もちろんXJAPANだ。Toshlのフィギュアがまだ完成していないのは残念だったけれど、ステージを模した一段高い場所に他の4人が立っていて、ライブ衣装を身にまとっていた。ステージ上にはドラムセットが組まれていたけれど、YOSHIKIはそこには座っておらず、脇に愁いを帯びた表情で立っていた。空いているドラムセットには、お客さんが自由に座れるようになっていた。ドラムの後ろにはライブ映像が流れていて、ひとしきりメンバーの写真を撮った私たちは、しばしその映像に見とれたのだった。が、97年のラストライブが映ってFOREVER LOVEのイントロが流れたとき、私たちはそろって「あ、これはだめだ」と呟いて、その場を離れた。あのときの、YOSHIKIとToshlが抱き合う場面は、紆余曲折を経て復活した今でも、ちょっと見ただけで痛くて悲しくて泣けてくる。
9月には、横浜そごうでやっていた「ベルサイユのばら展」にも行った。 原画やアニメのセル画や宝塚の衣装なんかが、惜しみなく展示されていた。 私が漫画を読んだのは、確か20歳前後のことだったと思う。仮面舞踏会で女装した…いや、本来の姿に戻ったオスカルがフェルゼンと踊るシーンは、今でも私の中で「切ない三大名場面」の一つだ。
◆10月 産業カウンセラーの勉強会に参加した。 会場はかなり広くて、参加者が200人くらいいたかもしれない。その中で、アイスブレイクとして周りの人と自己紹介し合いましょうというのがあって、テーブルの間が狭くて動きづらいせいもあったけれど、生来の人見知りが災いして、どうすれば良いものやら分からずおたおたしてしまった。 ああ、やっぱり私はこういう大人数の場所は苦手だし、向かないなあ、と、ちょっとうなだれて帰ってきたのであった。
◆去年一年 去年は何と言っても転職1年目で、一年を通して環境にも仕事にもおおむね慣れたし、転職を後悔したことは一度もないので、良い年だったのだと思う。思うが、今となっては去年のことをあまりリアルには覚えていないのが正直なところだ。
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