月に舞う桜
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9/3、ミスチルのライブに行った。 それを皮切りに、年末までの間に何度かライブに行く予定がある。
9/26 Cocco
10/10 ToshIファンクラブミーティング(厳密にはライブじゃないけれど)
10/26 小田和正
12/24 第九(指揮:佐渡裕)
こうやって予定を書き出してみることで、私にはまだまだエネルギー源がたくさんあるんだと認識する。
この前の水曜日、関東への台風上陸がちょうど帰宅時間に重なってしまった。 暴風雨に見舞われる中、途中途中で雨宿りしながら必死の思いで帰った。
ライブは、雨宿りと同じだ。 年末に向けて一直線に突っ走るのはしんどいから、途中、何度かライブでエネルギーを補給しながら、今年を乗り切るのだ。
この夏からだろうか。
疲れやすくなった、と思う。仕事内容も帰宅時間も変わらないのに、帰ったらぐったりしてしまう。 休みの日は、遅くまで眠っている。起きても、グダグダしている時間が長くて、活動時間が短くなる。
それに、些細なことでイライラする。 何か重大な出来事があってドカンと怒りが爆発するんじゃなく、本当に取るに足らないきっかけで、心の底にうっすらとイライラが降り積もっていく。
他人の負の感情にさらされるのは、とても疲れる。それが、自分に向けられた感情でなくても。
どうして他人のことをそんなふうに言えるの?
あなたにいったい何が分かるの?
あたしに向けられたやさしい言葉の裏にも、もしかしてそんな悪意が潜んでるの?
分かってるよ。 あなたが見たい「あたし」じゃなきゃ、そのやさしさを向けてはもらえないんだろう。 「そうじゃない、あたし」が垣間見えた瞬間、きっと手の平返されるんだろう。
分かってるよ。 他人のすべてを受け入れるなんて、無理な話だもの。
ひとりになりたいと思って、そうなれる場所へ向かっていたら、「誰かが一緒の方が良いんじゃないの?」と言う奴がいる。
その言葉は、私が置かれた立場を象徴している気がした。
ねえ、あたしのこと、なめてんの?
ウザいんだよ。
自由にやらせてよ。
常に誰かと居なきゃならないなんて、どれほど苦痛なことか。 ひとりになれることが、どれだけ偉大な自由であることか。
お前には、それが分からないんだろう。
だったら、黙ってな。
もっとやさしくあれたらいいのに。 もっと広い心で、すべてを許容して、受け止められたらいいのに。 もっと、いろんなことををテキパキこなせればいいのに。
やさしい人はたくさんいるよ。愛してくれる人も、理解してくれる人も。 愛しいものも、たくさんあるよ。支えも光も。
でも、私も世の中も、やさしくなさすぎる。
聞きたくないこと、見たくないもの、取り込まれたくない感情。 それらにさらされて、疲弊してしまう。
ウザいんだよ。
自由にやらせてよ。
いてほしい人ばかり、どんどん先にいってしまう。
まだまだ教えてほしいことが、たくさんあったんです。 相談したいことも、あったんです。
あなたが来てから、もしかしたら少しずつでも変わっていくかもしれないと、期待ができたのです。
ひとりひとりをきちんと気にかけ、話を聴いてくれたから、信頼できると思えたのです。
未熟な私がやろうとしたこと、否定もせず、ないがしろにもせず、しっかり後押ししてくれて、嬉しかったんです。 意見を求められたことも、相談しに来てくれたことも、嬉しかったんです。
あなたが相談してきてくれたから、私はやる気になって、実は、今やっていることが終わったら私なりに形にしてみようと思っていたんです。 機を見て、「この前のお話、こんなふうにやってみようと思うのですが…」と、持ちかけるつもりだったんです。
でも、もう、相談も提案もできない。
あまりにも、早すぎる。突然過ぎる。
ちょっと背中丸めて、どこへ走って行ってしまったんでしょうか。
2011年09月03日(土) |
Mr.Childrenライブ |
9月3日(土)、Mr.Children STADIUM TOUR 2011 SENSE -in the field- に行った。 ミスチルのライブは2度目だ。会場は、2007年に初めて行ったときと同じ日産スタジアムだ。
のろのろ台風が来ていて心配したけれど、開演前にざーっとひと雨来ただけで、あとは全く降らなかった。
セットリスト↓
かぞえうた Prelude HOWL 未来 I'm talking about Lovin' innocent world Replay 君が好き Mirror 蒼 I CENTER OF UNIVERSE 365日 ハル ロックンロールは生きている ニシエヒガシエ Everything is made from a dream 風と星とメビウスの輪 HERO 擬態 エソラ
<アンコール> fanfare 星になれたら Tomorrow never knows かぞえうた 終わりなき旅
スクリーンには、水たまりに水滴が落ちて波紋を広げる映像が映し出された。その映像が少し続いたあと、メンバーが登場。 開演時間から少し遅れて始まったライブは、「かぞえうた」で幕を開けた。 この曲は、売上を東日本大震災の義援金とするために作られたものだ。 祈りを込めた歌声に包まれ、会場が静まり返った。
オープニングの「かぞえうた」は一番だけだった。フルコーラスはアンコールで聴けることになる。
ミスチルのライブは、構成が工夫されているし、曲と曲の繋ぎ方がうまいなあと思う。 「I'm talking about Lovin'」から「innocent world」への繋ぎなんか、特に。 「I'm talking about Lovin'」の終わりで観客の期待を煽って、繋ぎのフレーズを歌いながら「次はなんだろ? あれかな…?」と予想させて、その予想も最初のうちは半信半疑なんだけど次第に確信に変わっていく。そして、会場中が「次はやっぱりinocent worldだ!」と確信して盛り上がりが最高潮になった瞬間、「innocent world」のイントロ。
アルバム「SENSE」は買ったものの、正直まだ歌える曲がない。「innocent world」は今回のセットリストで数少ない歌える曲の一つだったから、嬉しかった。
「innocent world」のあと、MC。 桜井さんが「この夏はどんな夏でしたか?」と訊く。
この夏は……どんな夏だったかな。 お休みの曜日が変わったこともあって、なんだかいつもの夏よりバタバタして、気がついたら既に終わっていた。目の前を、超高速で通り過ぎて行ったよ。
あまりよく覚えていないのだけど、桜井さんは「今日は、聴いてほしい音、聴いてほしい曲をたくさん用意しています」のあとに、ずいぶん前の夏の曲を…というようなことを言った。
夏というキーワードで、会場の多くがが「君がいた夏」だと思ったんじゃなかろうか。 で、おそらくアリーナの前の方にいた人が、予想を叫んだんだと思う。それに対して桜井さんは「違うよ。1stシングルじゃないよ」と笑顔で否定した。
桜井さん「1993年の3rdシングルです。1993年って、みんな何してた? 僕は、ヤらしいことしか考えてなかったなあ」
おいおい!
1993年……中学1年かあ。まだ、Xにのめり込む前だ。ミスチルのことも、きちんと認知していなかったかもしれない。
というわけで、私たちの予想に反して、正解は「Replay」だった。
次の「君が好き」では、サビの直前を「雨上がりの横浜が教えてくれた答えは〜」と歌ってくれたのが感激だった。 こうやって、さらっと歌詞を変えて楽しませてくれる、そんな君が好き。
そのあと、またMC。 今回のツアーの最後を仙台でできることになって、その仙台ライブに来てくれる人たちに向けたビデオレターを撮りたい、とのことだった。 ここにいるひとりひとりが、東北へいろんな想いを持っていると思うけれど、さすがに一人ずつコメントしてもらうわけにいかない、と。
かと言って、全員せーので「頑張って!」なんてことはしたくない、と。
桜井さんらしいなと思った。
それで、会場の端から端まで、ぐるっと一周ウエーブした。その様子を、桜井さん自らビデオカメラで撮影した。
届くかな。 届くといいな。 届きますように。
ビデオレター撮影が終わって、さらにMC。
桜井さん「Mr.Childrenとして世に出してる曲が、184曲あります。その中で、1曲でもいいから、みんなが悩んだり迷ったりしたときに支えとなれる曲があると嬉しいです」
細かいところは違うかもしれないけれど、だいたいこんなことを言っていた。
そんな思いを込めた曲ということで、「Mirror」。
次の「蒼」は、最後の口笛が印象的だった。美しく切なくて、ちょっと悲しくて、だけどどこか達観しているような音色。 うまいなあ。聴き惚れた。
「I」から「CENTER OF UNIVERSE」にかけて、スクリーンに映し出されるメンバーの映像がPVっぽく加工されていた。 生の音と姿を堪能しつつ、こんな凝った映像も見ることができるところが、さすがミスチルである。
「CENTER OF UNIVERSE」のあと、スクリーンに様々な数値が映し出された。 日本の原発の数とか、確かGDPの成長率とか。
そして、最後に「人が一年間に愛し合える日数は?」という質問文。
答えは、「365日」。 今回のライブで一番聴きたかった曲だ。 やさしくて、あったかい気持ちが胸に広がっていく。 こんな気持ちで、人を愛せたらいいな。
「ニシヘヒガシヘ」は、初めて聴いたときはそんなに好きではなかったけれど、聴けば聴くほど良さが分かる。ライブで聴くと、なおさら。 「擬態」も同じだ。CDで聴いてるときは個人的には特にどうということはなかったんだけど、今回のライブで聴いたのをきっかけに、どんどん好きになった。この曲、いい! と、遅ればせながら実感。
「HERO」は、いつ聴いても心に沁みる。 実はこの曲、将来もし良き伴侶に出会うことができたなら、その彼に歌ってもらいたい曲の筆頭なんである。 (↑個人的な妄想、ごめんなさい)
「エソラ」で本編が終わった時点でかなり満足な感じだったけれど、アンコールも素晴らしかった。 「Tomorrow never knows」は本当に嬉しかったなあ。だって、ミスチルを好きになったきっかけの曲だもの。イントロが流れた瞬間、嬉しくって「あっ!」と叫んでしまった。
それから、フルコーラスの「かぞえうた」も感動的だった。 音楽は、崩れた街を立て直すことはできないし、放射能を消し去ることもできない。 だけど、希望を生み出す力がある。この歌とともに希望が広がり、歩み続けるエネルギーになればいい。
そして、桜井さんが「消えない希望と、終わらない夢を乗せて…」と言って、最後の曲「終わりなき旅」。
この曲を最後の曲にしたのは、大きな意味があるのだろう。 私にとっても、とても意味深い最後の一曲だった。 「Mirror」の前に桜井さんが「184曲の中で1曲でもいいから、悩んだり迷ったりしたときに支えとなれたら…」と言ったとき、私が真っ先に思い浮かべたのが「終わりなき旅」だったのだ。
もちろん、私を励ましてくれるミスチルの曲は、他にもたくさんある。 でも、一番と言えば、この曲なのだ。 ちょうど大学受験の前に流行っていて、何度も聴いては、よく力をもらったものだ。それ以来、背中を押してほしいときは、この曲を思い出すことが多い。
だから、ライブの締めくくりをこの曲にしてくれたことに、感謝した。
曲数が多く、内容も濃くて、本当に本当にお腹いっぱいのライブだった。 欲を言えば、「蘇生」が聴きたかったなあ。 ま、そんなこと言いだしたら切りがないけれど。
私はどうしても、誰のライブに行ってもXのライブと比べてしてしまうんだけど、ミスチルはコストパフォーマンスが高いよなあ。
こんなライブに行くと、Xのセットリストやグダグダな進行はどうしたものかと考えてしまうよ。
でもね、それでもやっぱり、「あぁ、Xのライブに行きたい!」って、帰り道に思ったのだ。
オープニングが流れた瞬間の、あの独特の空気、客席が一斉に立ち上がって歓声を上げるときの熱気……私が、Xのライブじゃなきゃ体感できないものが確かにある。 そこに、身を浸したい。
ミスチルに対して私よりもっと思いの深い本当のファンにとっては、「ミスチルのライブじゃなきゃ体感できないもの」があるんだろうなあ。 それぞれに、そういうものがある。 それって、すごく幸せなことなんだよね。
私にとって、ミスチルのライブは「楽しませてくれる」もの。 Xのライブは……なんだろ。強力な渦に巻き込まれて、自分を破壊し再生してくれるもの、かな。
……ミスチルのライブの記録なのに、Xの話で終わってしまうのはいかがなものか。
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