月に舞う桜
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2008年05月28日(水) |
初めてじゃない、でも初めての貴方に |
昨日は仕事運がなくて、厄介な電話が重なった。そういう日が、たまにあるのだ。ややこしい問合せが続いてしまう日が。 目標には程遠く、ちょっぴり気落ちしながら帰った。 そんな私に、思いがけない「エネルギーの源」(もしくは、ダメな日なりに頑張ったご褒美)が舞い降りてきた。
TOSHIくんがキャンペーンで横浜に来たのに行けなくて残念だった、という話を日記に書いたのはつい一週間前のことだ。 私はブログはチェックしているけれど、公式サイトのスケジュールは滅多に見ない(そのせいでキャンペーンを逃した)。 だから、その日記を書いた一週間前にはすでに決まっていたのに、全然知らなかったんだ。今週末にまた、横浜に来るなんて。 昨日の帰宅後、偶然知った。車椅子用スペースがあるかをすぐに主催者に問い合わせて、その電話を切るやいなや、イープラスでチケットを購入。 そして、今日さっそく発券した。 もう、「ソロのTOSHIをちゃんと受け止められるかどうか」なんて、ごちゃごちゃ考えてる暇はなかった。 「こんなに早く、また横浜に来てくれるんだもの。行きたい! 行かなきゃ後悔する!」それしかなかった。 TOSHIくん、それからhideちゃん、やっと自分にゴーサインが出たよ。
いま、アフリカの40カ国以上の首脳や要人が集まって、横浜でアフリカ会議が開催されている。 そのアフリカ会議の最終日、パシフィコ横浜でアフリカ支援のチャリティーコンサートが開かれる。 金曜日。hide memorial summit、味の素スタジアムの感動から1ヶ月経たないうちに、また会いに行ってきます。 派手な煽りやXジャンプや叫びは、ない。あの日とはまた違うTOSHIくんに、初めて会いに行くよ。
暑い! 夏だ! 横浜は最高気温27℃ですよ。朝から暑いっつーの。 でも、冬より断然夏のほうが好きだ。夏の空気を感じるとワクワクする。 そろそろ夏用の帽子を出さなくちゃ。今日は朝から日差しが眩しかったから、サングラスも要るなぁと思った。
今日の通勤服は、胸元がレース編みになっている白いキャミに、首が丸く大きめに開いている五部袖のレモン色サマーセーターを重ね着して、下は半端丈の真っ白パンツ。 この服装、結構好評でして、何人かに「爽やかで良いね」と言ってもらえました。それですっかり気を良くしました。あまり顔には出していないかもしれないけれど、単純なので、実はその一言だけでかなり喜びます。服装を褒めてもらうって、嬉しいもの。
明日も暑そう。何を着て行こうかしら。
人間は欲張りだ。これで満足と思った次の瞬間には、もっともっとって求めてる。 欲求には際限がない。
例えば、数ヶ月前は一目会うことさえ考えられなかったのに、今は突然無性に会いたくなってしまったりとか。
例えば仕事の休憩中、トイレやロッカー前で。例えば、夜、眠りに落ちる前のひととき。例えば、突然の雨を自室で眺めながら。 そういうとき、ふと、あの子たちはどうしているだろうか、と考える。 かわいいかわいい、私の娘や息子たち。
溢れ出すのは、言葉ではなく、世界。私の脳内で、ここではない別の世界が無限に広がってゆく。 そこには、彼らの生活があり、喜怒哀楽があり、出会いと別れがあり、感情があり、交わされた言葉があり、空があり風がある。
おとといの休憩時間、一匹の子犬の目に映る世界を想った。私の手を離れた今も幸福な日々を送っているはずの、彼と彼女。その二人の愛犬が見上げている空は、どんなだろう。 きっと、高く青く澄んでいて、平和に広がっているんだと思った。 子犬が見ている世界を描くには、どんな言葉がふさわしいだろう。
妄想は、そんなに長くは続かない。ほんの数分、あるいはほんの数秒で終わることもある。 でも、その短い妄想の時間は私に活力を与えて、現実の世界さえも鮮やかにする。
現実世界で生きていくエネルギーは、いろんな方法で補充できるんだ。
2008年05月21日(水) |
待望のミルフィーユ。そして汚染活動(?) |
ハーゲンダッツのミルフィーユを食った! うまかった!! 最初、冷凍庫から出したばかりで硬かったので、削るように少しずつすくって食べていたら、ベリーソースがなかなか出てこなかった。で、そのときは「んー? こんなもんかぁ」とちょっぴり期待外れの感があったのだけど、中のほうにベリーソースがぎゅぎゅっと詰まっていて、そこに到達したら急においしくなった。 私はハーゲンダッツのストロベリーが大好きなんだけど、ミルフィーユはストロベリーの程よい酸味にカスタードの甘みがプラスされて、レベルアップしております。まさに絶妙コラボ! 表面に砕いたパイを散りばめて「ミルフィーユ感」を出しているのが、おしゃれだ。 んーでもなぁ。いかんせん、高いんだよね。小さい割りに高い。高い割りに小さい。 次は、期間限定のホワイトピーチと、カシス&オレンジを食べなくては!
ところで、怒涛の復活劇を機会に、Xファンであることが順調に職場に広まっております。 で、今は「桜井がXのメンバーで一番好きなのは、TOSHI」ということを広め中。 私が「TOSHIがキャンペーンで近くに来たのに、行けなかった。残念」と同僚に話していると、それを耳にした上司が、「へー、TOSHIが一番好きなの?」と言い、Forever Loveを鼻歌で歌いながら去っていった。 職場をじわじわとXで汚染していこうかと企てています。
2008年05月20日(火) |
暴風雨はもう来ないで。TOSHIくんはまた来てね。 |
いやー、今朝の通勤は大変だった! 少し風が弱まってきたかなと思って油断すると、突然暴風が吹き荒れる。そして途中までは土砂降り。 でも、今日はこの日みたいに断念せずに、何とか会社まで辿り着くことができた。 雨より風のほうが厄介だ。私の場合、ゆっくり進めば雨はそんなに危険ではないけれど、風が強いと車椅子のハンドルを取られそうになるし、押されてバランスが悪くなる。ちょっとやそっとじゃ吹き飛ばされるはずはないけれど、感覚的には吹き飛ばされそうで怖い怖い。 関東の皆様、お互いお疲れ様でした。
暴風雨のせいではないと思うけど、足も腰もお尻も痛い。しかも、とても眠い。 でも、疲れていつつも、結構元気。どんより気分では、ない。まだ火曜日だからかなぁ。
日曜日、TOSHIくんがキャンペーンイベントで横浜に来たらしい。 しかも、わりと近くに。まあ、車で行けば20分くらいの距離でも、電車だったら遠回りするから時間かかる場所なんだけど。 事前にスケジュールを知っていたとしても、行ったかどうかは分からない。ソロのTOSHIに会いに行くのは、複雑な気持ちになるのが怖くてまだ躊躇してしまうのかもしれない。 それでも、あとから知ってしまうと、行けなかったのはやっぱり残念だ。ライブとは違って、歌う姿や笑顔や楽しいトークをもっとぐっと近くで見られただろうに。TOSHIくんをもっと近くに感じられただろうに。握手もできたかもしれない。 でも、行けなかったのは、「まだその時期じゃないよ」って神様(じゃなくて、hideかな)が教えてくれたのかもしれない。まだ、「ソロTOSHI」をきちんと受け止められる用意ができていないよ、って。 だから、次の機会を楽しみにしていようと思う。すぐ近くで歌っていたんだ、って、今はそれだけで何だか十分嬉しい。
2008年05月18日(日) |
歓迎会と、ゴディバアイスと |
新年度が始まって1ヵ月半、新人さんたちも職場にだいぶ慣れて落ち着いてきたであろうということで、金曜日に新人歓迎会をやった。 宅配料理を頼み、いつもお昼ご飯を食べているフロアでの歓迎会だった(ちなみに、我が職場に食堂というものは存在しません。フロアにただテーブルが並べられているだけ)。 シーフードピザがおいしかったなぁ。トマトソースたっぷりで。あと、白ワインがあったのは嬉しかった。 40代後半で体重0.1トン以上の男性上司と小説の話をしていたら、何と山田詠美が好きだと言う。驚いた。江國香織もわりと知っているみたい。驚いた。人ってホント見かけによらないのねぇ。 それから、同僚男性(全員年上)と「出会いがないねぇ」という話に。みんな思っていることは同じらしい。
職場の新しいトップ、前の人よりはるかにいい人そうではあるけれど、けじめがなくなりそうでちょっと心配。 歓迎会の最初のほう、喫煙者はちゃんと喫煙所まで行って吸っていたのに、自分がわざわざ喫煙所に行くのが面倒なものだから、途中からテーブルで吸ってもいいことにしてしまった。 一応「桜井さん、(ここで吸っても)いい?」とは訊くのだが、「ダメです!」と強気に出られるはずもなく。同期の喫煙者は結構酔っていたこともあって、テーブルで吸えるのを手放しに喜んでいた。そんな彼らの手前、むげにできるはずもなく。 でも、後悔した。ちゃんと「喫煙所でどうぞ」と言えばよかったなぁ。この先、社内で懇親会のようなものがあるたび、なし崩し的にテーブルでの喫煙OKになったら困る。 居酒屋での懇親会なら仕方ないと思えるけれど、喫煙所が設けられている社内で、そりゃあないだろうよ。お前、それでもトップか! そしてこの人、一人でやけにやる気満々で、鬱陶しい。 あぁ、前の人と今の人、足しで二で割ったくらいが良かったなぁ。
そして昨日の土曜日は、アイス日和だった。 同僚が「ゴディバのアイスがおいしい」と言っていたので、先日母に出掛けたついでに買ってきてもらった。 買ってもらったその日に、ミルクチョコアイスを食べ、昨日はミルクチョコにチョコチップが入っているやつを食べた。どちらかと言うと、チョコチップ入りのほうが気に入った。アクセントがあるのがいいんだよね。 ゴディバのアイスって初めて食べたけど、おいしかった! チョコだらけなのに、全然しつこくなくて、上品な味。ちょっと飽きてきたかな〜と思う頃にちょうど食べ終わるサイズ。 でも、やはり高いので、そう頻繁には食べられませんが。 昨日は、確か天気予報で最高気温22℃と言っていた。それくらいがアイスを食べるには適していると思う。もっと暑いと、ゼリーやシャーベットのほうがいいもん。 今は、ハーゲンダッツのミルフィーユと期間限定アイスを狙い中。
2008年05月15日(木) |
hide memorial summit(3)XJAPAN編―2 |
5月4日に開催されたhide memorial summitのレポートの続きです。 出発〜LUNA SEA編 XJAPAN編―1
XJAPANのセットリスト↓ ・Amethyst(SE) ・PROLOGUE〜World Anthem(SE) ・Rusty Nail ・SCARS ・Silent Jealousy ・hideの映像集 ・YOSHIKI piano solo ・Without You ・紅 ・ENDLESS RAIN ・I.V.(guitar:SUGIZO) ・ピンクスパイダー(guitar:YOSHIKI、drums:真矢) ・BELIEVE(XJAPAN&LUNA SEA) ・X(無敵バンド)
紅が終わってメンバーが退場し、「アンコール!」の掛け声が会場に響いた。そして、スタンドの端からウエーブが始まった。 アリーナ席でもウエーブが成功していた。横に流れるのではなく、前から後ろへのウエーブ。 何往復かしたうちの何度かはウエーブの波に乗り損ねてしまったけれど、客席が一体となってやるウエーブは、やっぱり気持ちいい。Xそっちのけで、勝手に楽しんで盛り上がっている感がなくもないけれど。
散々ウエーブを繰り返していると、YOSHIKIがTOSHIを負ぶって登場した。 ステージ中央でくるくる回ってから、TOSHIを下ろす。ステージ上で座り込む二人。
TOSHI「なかなかいいぜー!」 YOSHIKI「(TOSHIに向かって)重くなってない?」
あらら。せっかくTOSHIがかっこよく声を張り上げたのに、YOSHIKIから厳しいお言葉。 がっくりうな垂れるTOSHIくん。 キャンペーンで全国を回って、その土地土地のおいしいものを食べてるんだもん、仕方ないよね。10年の間に、そりゃあ少しは中年太りもするだろうし。あとは、じゃがりこやカレーうどんのせいかしら?
TOSHIが気を取り直して、「なんかYOSHIKIが話があるそうだ」と言ってYOSHIKIにマイクを渡す。
YOSHIKI「こうやって和んでてていいの?」
二人はあぐらをかいていて、リラックスムード。たまには、和むのもいいんじゃない?
YOSHIKI「えーと、そうですね……」
と言いかけてTOSHIに話させようとするも、TOSHIに逃げられる。
YOSHIKI「えーと……なんか俺やだな、こういうの」
リーダーのくせに照れ屋なYOSHIKI。かわいいっす。
YOSHIKI「またコンサートが一発決まっちゃいました」
おぉ、出た! YOSHIKI mobileで予告していた重大発表ですな。
YOSHIKI「でも日本じゃないんだよね……日本でもやります。東京ドームにまたやらせて下さいって頼んでます。……やらせてくれないんじゃないの? いろいろ前例があるんで、僕たち」
あーそうねぇ。開演2時間遅れとかねぇ。
YOSHIKI「出入り禁止?」 TOSHI、苦笑しつつ大きく頷く。うーん、ありえる話だから恐ろしいよ。 YOSHIKI「そりゃあないよね。じゃあ、東京はもういいや。大阪ドーム行く?」
ええー! どうせなら横浜に来てほしいなぁ。日産スタジアムとか、横浜アリーナとか。 ところで、大阪ドームってめちゃくちゃ規制が厳しくなかったっけ? なんにしても、できれば東京ドームはもう行きたくない……。
YOSHIKIとTOSHI、立ち上がる。やっと本題に入りそうだ。
YOSHIKI「実はですね、Xって一度も海外でやったことないんですけど、台湾に行くことになりました。8月2日?」 TOSHI、曖昧に頷く。 YOSHIKI「知らないんじゃないの?」 TOSHI、やっぱり頷く。
なんか、仲良いなー。仲の良い二人の姿を見るのは本当に嬉しい。それだけで、自然と笑顔になる。 それにしても、7月がパリで8月が台湾、9月にニューヨークですか。そんな毎月海外公演やって、大丈夫なんでしょうかね?
YOSHIKI「東京でもやりたいよね」
一呼吸置いて、客席を見つめながら、
YOSHIKI「HIDEも一緒に連れて行きます」
そう言って、力強く頷いた。 TOSHIにマイクを返し、ピアノの方へ向かうYOSHIKI。
TOSHI「ってことで、これからもバリバリやっていくぜ! 世界中に、愛を届けてくるぜー!!」
そして、「hideー!」と一度呼びかけたあと、「お前たち、悔い残すなよー!」と叫んだ。 YOSHIKIがDAHLIAのフレーズを弾く。
TOSHI「今日はホントにありがとよー! hideも喜んでるぜー!!」
それから、YOSHIKIのピアノが流れる中、TOSHIは夜空に向かって何度も「hideー!!」と呼びかけた。天の一番高いところまで届くような声で、叫んだ。TOSHIの思いのたけが全部詰まった声だった。 TOSHIと一緒にhideの名前を叫びながら、涙が溢れ出した。
hide、ありがとう。 貴方が遺した音楽、遺した言葉、愛情、エネルギー、YOSHIKIとTOSHIを再び繋いでくれたこと、こうして私たちを結び付けてくれたこと。 すべてに、感謝します。
TOSHI「みんなでhideに誓おうぜー! みんなで美しい世界を作ろうぜー! 平和な世界を作ろうぜー! みんなで、純粋に生きていこうぜーっ!!」
正直、これまではTOSHIのこういう趣旨の発言を素直に受け入れられないところがあった。「美しい世界って、純粋さって、一体なんだろう?」って、いつも心のどこかで引っかかりを感じていた。 でも、このときのこの言葉は、自分でも驚くほど、すとんと心に入ってきた。 私にとってXは、ごく個人的なものだった。Xが自分にとってどんな意味があるか、何をもたらすのか。それだけだった。Xが世界に何を発信するのかとか、世界にどんなふうに見られるのかとか、そんなことはどうでも良かった。こんなにも多くの人に熱狂的に愛されているのに、私にとって、Xは一つの閉じた世界だったのだと思う。 けれども、このTOSHIの言葉で、私の中で認識が少し変わった。世界に、大げさに言えば地球全体に対して開かれた存在として、Xを見るようになった。それだけ、TOSHIの言葉が開かれたものとして響いたから。 あぁ、この人たちは、これから海外に出て行って世界中に発信していくんだな、と、初めて信じたように思う。
屋根のあるドームじゃなくて、空が見えるスタジアムだったことも関係しているのかもしれない。 「自分とX」だった枠組みが取り外されて、外界と繋がったような気がした。 例えて言うなら、去年ミスチルのライヴに行って「音楽の力」を感じたときのような、そういう広大な感覚。
アンコールの1曲目、ENDLESS RAIN。 初の「生ENDLESS RAIN」だ。 会場とTOSHIが一体となって歌い、サビはみんなで、それこそENDLESSに合唱。 ドームでできなかったENDLESS RAINの合唱に、感激した。
YOSHIKIがI.V.を弾き始めると、TOSHIが「ギター、SUGIZO!」と紹介した。 「In the rain〜」「Find a way〜」と、延々サビの合唱を求められる。 途中で、
TOSHI「HEATHが歌ってないぜー」 HEATH「◆☆※△?*■○〜」
何言ってるか聞こえない……。 (WOWOWで確認したところ、「歌ってるよー」と言ってました)
TOSHI「PATAが歌ってないぜー」 PATA「◆☆※△?*■○〜」
やっぱり何言ってるか聞こえない……。 (WOWOWで確認しても、聞き取れず……)
TOSHIはSUGIZOにも何やら絡んだあと、「そんな声じゃ、YOSHIKIがドラム叩いてくれないぜー!!」と私たちを煽った。 そして、「これくらい腹から声出せ!」とお手本を示すかのように、「In the rain〜!!」「Find a way〜!!」と空に向かって絶唱。
I.V.のときは、スクリーンに出た映像効果が恰好良かった。泡のような、縦に走る波のような模様が出ていた。 それにしても、やっぱり歌詞がまだ把握しきれない。 I.V.のプロモやドームライヴの映像を観ていていつも思うんだけど、ほんと、この曲にぴったりなHIDEの映像が集められてるんだよね。この曲のために撮り直したみたい。
I.V.のあと、YOSHIKIがピアノでピンクスパイダーを弾き始めた。 おお! ピンクスパイダーか! hideの曲をやるだろうとは思っていたけど、私の予想はRocket Diveだった。TOSHIが歌うピンクスパイダーって想像がつかないけど、予想を良い方に裏切られたかもしれない。 ピアノにひと区切りついたところで、スタッフがYOSHIKIにギターを渡した。
こ、これは! hideのイエローハート!!(hide愛用のギターで、黄色地に赤いハートが散りばめられている) YOSHIKI mobileで「ギターの練習をしている」と言っていたから、ギター弾くのは分かってたけど、YOSHIKIがイエローハートを弾くのかぁ。泣かせるじゃないか。
で、ドラムにはLUNA SEAの真矢が登場。 真矢は見ていて和むよ。何だかほっとする。
YOSHIKIの「ワン、ツー、スリー、フォー!」という合図とTOSHIの「ピンクスパーダー!」で始まった、XJAPAN(とSUGIZO & 真矢)のピンクスパイダー。豪華だ! 会場がさらに盛り上がり、エネルギーがぶつかり合って爆発する。スーパーサイヤ人3倍! ってくらいに。 TOSHIが歌うピンクスパイダーは、もちろん初めて聴いた。歌い慣れていないのと聴き慣れていないのとで、やっぱりhideのボーカルの方がいいかなと思った。でも、Xの曲を歌っているときともまた違う迫力があって、「新生TOSHI」を見た気がした。 ギター弾いてるYOSHIKIを観られたのも貴重だった。考えてみたら、ドラムもピアノも座って演奏するから、立って演奏するYOSHIKIって観られないんだよね。
ピンクスパイダーのあとYOSHIKIが「ちょっとLUNA SEA呼んできて」と(たぶんSUGIZOに)言って、LUNA SEAのRYUICHI、INORAN、Jが登場。 TOSHIが3人を紹介、「RYUICHI、みんなに気合入れてやってくれよ」と促し、RYUICHIが「お前ら、気合入れろー!!」か何か叫んだ。 TOSHIが今度は真矢にマイクを向ける。すると、
真矢「俺でいいんすか?」
その、腰をちょっと折って自分を指差しながら聞く仕草、もはやミュージシャンじゃなくてお笑い芸人ですがな。でも、これだけガーと盛り上がっているところに笑いを提供する姿勢、結構好きです。しかも、そんな三枚目の面を見せた直後に、ちゃんとミュージシャンらしく気合を入れて叫ぶあたり、ギャップがグッジョブです。
RYUICHI「YOSHIKIさん、LUNA SEAを叩いて下さい」 YOSHIKI「もの珍しいぞ!」 TOSHI「YOSHIKIいわく、もの珍しいやつ行くぜー!」
というやりとりがあって、始まったのは、私が知らない曲だった。あとでネットで調べたら、LUNA SEAのBELIEVEという曲らしい。 これはもう、「もの珍しい」なんて生ぬるい言葉じゃ片付けられないよ! XJAPANとLUNA SEAの共演なんて、めったに観られるもんじゃない。LUNA SEAは本当は解散してるはずだから、もしかすると今後永遠に観られないかもしれない。 曲が分からなくても、XJAPANとLUNA SEAの共演という世紀のステージに立ち会えているのだと思うと、それだけで興奮したし、この出会いと運に感謝した。 ドラムはYOSHIKIが叩いたから、あぶれた真矢はギターを持っていた。 ボーカルはRYUICHIがメインだったけど、ときどきTOSHIも歌った。
TOSHI「気持ちいいぜー!!」
そして、ギターとベース、YOSHIKIのドラムがリズムを取る中、この日に出演したほぼ全バンドのメンバーがステージに登場した。それに加えて、なんと、前日のサミット1日目に出演したT.M.Revolutionも出てきた。
TOSHI「ラストナンバー行くぜー!! 無敵バンドだーっ!!!」
伝説の無敵バンド!! すごい、すごすぎる! XとLUNA SEAの共演だけでも感激なのに、無敵バンドまで観られるなんて!!
YOSHIKI、ドラムを離れて再びギターを持つ。今度はイエローハートではなく、自分のギター。
YOSHIKIの「エーックス!!」を合図に……最終曲、"X"。 ドラムは真矢。楽器を持っていない人たちは、「無敵」とでっかく書かれた応援団サイズの旗を掲げて端から端へ歩いて回る。 RYUICHI、たぶんMUCCのボーカル、T.M.Revolution、そしてTOSHIが順番で歌った。 HEATHは、レイザーラモンHGみたいな帽子をかぶっていた。この恰好、やっぱりどこかで見たことがある。どこだっけなぁ。
ライヴ前は、"X”が始まったら周りのパワーに圧倒されて雰囲気に飲まれるんじゃないかと思っていたけれど、全然そんなことはなかった。もう、周りのことなんて気にしていられない。私と無敵バンドの真剣勝負。 ついに念願の、Xジャンプ。 体が跳ねる勢いで、立てそうな気がした。もちろん、実際は立てるわけがないんだけれど、奇跡というものをあまり信じない私が、このときばかりは何が起きても不思議じゃない心持ちだった。
TOSHIとYOSHIKIが「We are!!」と叫ぶ。 右手とペンライトを持った左手で「X」を作り、周りの声にかき消されないよう、空腹も忘れて、全エネルギーを振り絞って「X!!!」と答える。奴らが呼びかける限り、何度だって。
We are X!!!
TOSHI「お前らーっ、空に届かせろー!!!」
無敵バンド全員が、それぞれのやり方で煽る、煽る、煽る。それに全力で答える、答える、答える。 YOSHIKIが、自分のギターを叩き壊した。 そして、各スクリーンには、いろんな時期のHIDE。
HIDE「とべよー、とべよー、とべとべとべとべとべとべとべ、屋根ぶち破っちまえーーーーっ!!!」
生で……とはいかないけれど、HIDEの「とべとべとべとべーーー!!!」を、聴けた。 いや、もしかしたら、あの声の中に生の「とべとべ」も入っていたかもしれないね。
YOSHIKIがドラムへ向かう。ラストスパート。 YOSHIKIの後ろには、金色に光り輝く、どでかいXのロゴが浮かんでいた。その金色の光が後光のようで、YOSHIKIが神々しく見えた。
X!! 飛ぶ。叫ぶ。飛ぶ。叫ぶ。
最高の時間は、あっと言う間に過ぎてしまう。 ギターとベースがYOSHIKIを見ながらタイミングを合わせ、曲が終わった。 TOSHIが何か叫んでいたと思うけど、ちょっとした放心状態だったのでよく覚えていない。実を言うと、"X"のときのことは断片的にしか鮮明に思い出せないのだ。あまりに強烈な時間、あまりに没頭した時間というのは、そういうものなんだなぁと実感した。
YOSHIKIが大量にドラムスティックの入ったバケツを持ってきて、無敵バンドのメンバーに分け与え、ドラムスティックが彼らの手で客席に投げられた。 客席に手を振って歩いたり、メンバー同士で握手したり肩を叩き合ったりしたのち、X以外の人たちは退場。 Xの4人は、ステージ袖からメンバーの人形を持ってきた。結構大きい人形で、腰より上の高さはあったと思う。 人形を並べ(中央はもちろんHIDE)、その後ろにメンバーが並んで、いつもの万歳の代わりに人形の頭を押してお辞儀させた。 10回くらいお辞儀させて、4人が手を振った。PATAが、最後にHIDEの頭をポンと触ったのが印象的だった。PATAのこういう愛情表現が、好きだ。控え目だけど、本当に愛しているんだなと思う。
ステージに人形を寝かせ、4人が退場する。 「ばいばい!」と手を振って、見送った。今回はちゃんと「ばいばい」が言えた。 メインステージの幕が閉まるのを見届けて、会場を出た。
東京ドームのリベンジをした上で何倍もおつりが来るくらい、最高のライヴだった。 TOSHIは、声自体は最高の状態ではなかったかもしれないけれど、終始気迫に満ちていて、想いが溢れた歌を聴かせてくれた。 YOSHIKIもPATAもHREATHもとても楽しそうで、笑顔をたくさん見ることができた。 この日のために、hideのために集まってくれた全バンドの全メンバーに、感謝したい。
帰り道、乗換駅のコンコースを歩いているとき、言葉にできないほどの幸せな感情が溢れ出した。世界が輝いていた。 すべての人が幸せであれ、と思った。世界中が平和であれ、と祈った。すれ違った見ず知らずの人も、はるか遠くにいるどこかの誰かも、どうか幸せでありますように。
感情が高ぶりすぎて、Xファンでもなんでもない親友に電車の中でメールを送った。 生きていて良かったとこんなに思ったことはない、と。 彼女は、私が一番辛いとき、それこそhideのところへ行きかけたときに支えてくれた。 だから、私がこの世に繋ぎ止めてくれてありがとう、と。
ねぇ、hide。 こんな最高のライヴを、ありがとう。
2008年05月10日(土) |
hide memorial summit(2)XJAPAN編―1 |
5月4日に開催されたhide memorial summitのレポートの続きです。 出発〜LUNA SEA編
LUNA SEAが退場してXを待つ間、会場スタッフが「撮影、録音、ジャンプ禁止」と書かれたプラカードを掲げて歩いていた。それまでそんなプラカードは一度も出てこなかったのに、さすがXの出番前、警戒が強化されたようだ。 撮影と録音が禁止なのは当たり前だけど、ジャンプ禁止って言われてもねぇ。それは無理でしょ。
そして待ちに待った午後6時40分頃、大型スクリーンにXのロゴが現れた。
XJAPANのセットリスト↓ ・Amethyst(SE) ・PROLOGUE〜World Anthem(SE) ・Rusty Nail ・SCARS ・Silent Jealousy ・hideの映像集 ・YOSHIKI piano solo ・Without You ・紅 ・ENDLESS RAIN ・I.V.(guitar:SUGIZO) ・ピンクスパイダー(guitar:YOSHIKI、drums:真矢) ・BELIEVE(XJAPAN&LUNA SEA) ・X(無敵バンド)
地響きのような歓声の中、Amethystが流れる。 女性の声による、お馴染みのメンバー紹介。TOSHI、HEATH、PATA、HIDE、YOSHIKI。1人コールされるたび、みんなでその名前を叫ぶ。そして、これまたお馴染みの「エックス、ジャパン、ジャパン、ジャパン、ジャパン……」というJAPANをリピートするかたちでのバンド名コール。 この始まり方、まるで単独ライヴだわ! すぐ1曲目が始まるのかと思いきや、メインステージの幕が開くと同時にWorld Anthemが流れた。走るYOSHIKIを先頭に、4人が登場。 ステージの端から端まで走って、あるいは歩いて回る4人。両手を上げて歓声に答えるPATA。HEATHは白い衣装で、左腕に真っ赤な腕章のようなものをつけていた。なんか昔、これとよく似た恰好の人をどこかで見たことがあるなぁ。どこの誰だっけ? YOSIKIが、スタンドマイクにかぶりつくようにして「気合入れろ、こらーーーーっ!!」と叫んだ。 続いてTOSHIが「てめぇら気合入れていけ、こらーーーーっ!!」。それでも足りずに、「てめぇら、思い切りいけーーっ! 思い切りいけーーっ! 今日は暴れん坊将軍でいけよ、こらーーーーっ!!!」と、多少声が裏返りながらも叫び続けるTOSHI。 「暴れん坊将軍」の登場が早い! そして、男性の声で二度目のメンバー紹介。初っ端からAmethystとWorld Anthemの両バージョンのメンバー紹介なんて、これはもう単独ライヴ以上じゃないの!
YOSHIKIが頭上でドラムスティックを掲げてXの字を作り、1曲目のRusty Nailが始まった。 ドームのときみたいに、ステージ前で火柱が上がった。 ステージ後方には大きなハート型のhideのロゴがあったのだけど、Xが登場して曲が始まると、そのハートがスクリーンになった。そこには常にHIDEが映っていた。ちょうど、ドラムを叩くYOSHIKIのすぐ後ろにHIDEがいる感じ。HIDEがXのメンバーを後ろから支え、会場全体を見守っているみたいだった。
Rusty Nailが終わり、TOSHIが叫んだ。 「会いたかったぜーっ!!」 「あじのもとーー!」 「今日はてめぇらの、大和魂見せてくれ、こらーーーっ!!」 「思い切り行くぞーーーっ!!!」
2曲目、SCARS。 ステージ前で、左から右、右から左へとウエーブ状に炎が上がった。この演出はかなり恰好良かった。 SCARSのあと、またしてもTOSHIが吠える。 「大丈夫かー! スタンドーーー!! スタンドーーー!! アリーナ! アリーナ!! 今日はてめぇら全員でかかって来いよ! いけこらーーーっ!!」 出た! TOSHIの「スタンドー!」と「アリーナ!」をやっと生で聴けた。ドームのリベンジ! と感激しつつ、「スタンドー!」の煽りに腹から声を出して答えた。 いつにも増して、TOSHIの気迫が凄まじかった。Rusty Nailの間奏中もずっと、それから曲が終わるたびごとにも、拳を突き上げて「おりゃーー!!」って叫んでいた。叫びっぱなし。 3daysと違って、今日だけのライヴ。「あとがない」から、気合の入り方も並じゃないのかもしれない。それに何より、hideサミットだもんね。hideに届けるんだもの。
YOSHIKIがドラを叩く。叩くだけでは満足せず、蹴り倒す。YOSHIKI、楽しそうだ。ドームの「破壊の夜」とは違って、YOSHIKIの心からの笑顔を見られた。良かった。 「ここまで届かせろー!」とTOSHI。続いて「気合入れろー!」とYOSHIKI。 間髪入れずに、YOSHIKIがピアノでSilent Jealousyのイントロを弾き始めた。 ドームに続いて、またこの曲が聴けるとは! やばいって。興奮と感激MAXですがな。 それにしても、ドラを蹴って叫んだ直後にピアノを繊細に弾くんだもんな。YOSHIKIはやっぱり、ただ者じゃない。 YOSHIKIがピアノからドラムに移動する間、TOSHIがサビをアカペラで歌った。その声が、心地よく体に響く。会場が静まり返った。美しい。美しすぎる。 それから一転して、本来の激しいSilent Jealousyに切り替わる。ドームのときより勢いがあるような気がした。 ペンライトを振る左腕が疲れてきた。でも、振る。歌う。叫ぶ。
Silent Jealousyが終わって、メンバーは一旦退場した。 そして、スクリーンでhideの映像が流れた。X解散後のインタビューや、HEY×3に出たときのYOSHIKIとの掛け合い(食べ物の好みを貶し合う場面)や、4人でYOSHIKIのお宅訪問をするところ……などなど。 せっかく貴重な映像がたくさん流れたのに、音がものすごく割れていて、hideが何を言っているのか聞き取りづらかった。 で、5月5日のWOWOW放送でhideの言葉を確認しようと思っていたら、何とhideの映像集が丸ごとカットされていた……。 (5月6日付の日記には「Xはノーカット」と書いてしまいましたが、ここだけカットされていました) テレビ番組の映像を多用しているから、権利の問題とかで放送できなかったのかもしれない。まぁ、仕方ないか。
少し待って、YOSHIKI登場。 客席に薔薇の花束を投げたあと、ピアノの前に座った。 そして、目を閉じて俯き、胸の前で手をぎゅっと組んで、祈った。 目を閉じた横顔に、hideへの想いが滲んでいた。このときだけは、「アーティストYOSHIKI」ではなかった。愛する人を亡くしたことでどん底まで悲しんで、それでもなお生き続け、愛する人のために祈る、ただの一人の人間だった。 hide、ちゃんと見えているよね? ちゃんと届いているよね? 10年経っても、こんな表情で貴方のために祈る人が、ここにいるよ。
美しく流れ、心が澄んでいくようなピノソロを終えて、YOSHIKIがにっこり笑いながら客席に向かってピースサインを見せた。 そして、Without You。 今回は、ドームのときより長いフルバージョンだった。間奏では、ドームで出なかった写真も映し出された。 やっと、この曲を泣かずに聴けるようになった。涙の代わりに溢れたのは、やさしい気持ち。世界を丸ごと包み込みたくなるくらい、やさしい気持ちになった。
「生きてることが 時には辛くて 素直になれない 自分を演じてた」
作詞はYOSHIKIだけど、この部分はTOSHIが書いたかのように思えた。TOSHIが歌うからなおさら、彼自身の言葉のような気がした。YOSHIKIがTOSHIの気持ちを代弁して詩に込めた……なんてことはないだろうけれど、この詩が、この歌をTOSHIが歌っていることが、何だか嬉しかった。 やっぱり、この曲はTOSHIじゃないと歌えなかったね。「この曲を歌いたい」って思ったTOSHIの気持ちが、改めて分かったよ。
アンコール前の最後の曲は、紅。 ドーンと火柱が上がる。ステージから客席に向かってテープが飛ぶ。 会場中のエネルギーが爆発して、歓声が鳴り響く。 そのエネルギーを全身で感じながら、私も出る限りの声で叫んだ。歌った。体を揺らした。 TOSHIがサビで煽るように突き出したマイクは、hideに私たちの声を届けるためのものだった気がする。
紅が終わり、TOSHIが「また会おうぜー! ありがとよ! ばいばい!」と言いながらメンバーが退場。 いいところでアンコールだ。さすがにちょっと休憩したい。
(またまた、つづく)
2008年05月06日(火) |
hide memorial summit(1)出発〜LUNA SEA編 |
5月4日(日)に味の素スタジアムで開催されたhide memorial summit(2日目)のライヴレポートです。
hideが亡くなって丸10年という節目の今年、hideを愛する人たちが集まって、みんなで盛り上がった。追悼と言うよりは、お祭り。 hideゆかりのバンドやhideに影響を受けたバンドがたくさん出たのだけれど、知らないバンドが多かったので、最初はX目当てに行くついでにLUNA SEAを観られればいいやと思っていた。が、日が迫るにつれて、せっかくだからライヴを丸ごと味わいたくなった。今まで知らなかったバンドを知るいい機会だし。 それで、予定よりも少し早く出発。お茶にサンドイッチ、プリッツにチョコレートにガムを持って……遠足か! 思ったより時間がかかって、味の素スタジアムの車椅子席に着いたのは1時半くらいだった。2時予定だった開演が早まったこともあって、すでに東京ヤンキースが演奏していた。その前は、heidiというバンドが出たらしい。
スタジアムまでのアクセス、車椅子席の位置、誘導してくれるスタッフの手際、すべてにおいて東京ドームよりはるかに良かった。 が、音がむちゃくちゃ悪い。割れたり反響したりで、歌やMCが聞きづらかった。スタジアムって、こんなもんだったっけ。
東京ヤンキースから大トリのXJAPANの間に出たバンドと、それぞれがカバーした曲は次の通り。カバーについては私が気づかなくて漏れている曲があるかもしれないです、ごめんなさい。
・LADIES ROOM ・Dir en grey・・・MISCAST(X) ・the Underneath・・・DOUBT(hide) ・D'espairs Ray ・MUCC・・・DICE(hide) ・OBLIVION DUST・・・限界破裂(hide) ・LUNA SEA・・・SCANNER(hide)
メインステージの左右にサブステージがあり、サブステージの上に大型スクリーンというセットだった。メインステージを使ったのはDir en greyとLUNA SEAとXJAPANの3組のみで、それ以外のバンドでは左右のサブステージが交互に使われていた。 知らないバンドのときは乗り方がよく分からないので、促されたら手拍子するのと、退場のとき拍手をする程度。あとは、サンドイッチとプリッツで腹ごしらえしたり、各バンドのファンの様子を眺めたりしていた。バンドによってファンの乗り方や声援の仕方、メンバー名の叫び方が違っていて面白い。
知らないバンド、知らない曲が多くて、やはり少し戸惑った。でも、hideがみんなを結びつけ、私を彼らに出会わせたのだと思ったら感動して、何度も空を見上げた。 Xの曲をTOSHI以外の人が歌うのは好きじゃない(もちろん、MISCASTやCELEBRATIONなどをhideが歌うのは別だけど)。でも、Dir en greyのMISCASTは意外に良かった。TOSHIより低くて重いボーカルの声が曲に合っているのかも。 それから、MUCCのボーカルが「あー、緊張する!!」と言ったのが印象的だった。hideへの想いやサミットを盛り上げようとする意気込みが伝わってきて、嬉しかった。彼が初めて自分のお金で買ったCDは、hideのアルバムだそうだ。
3日4日のサミットの模様は5日にWOWOWで縮小版が放送されたのだけど、なんと、Dir en greyのMISCASTもthe UnderneathのDOUBTもMUCCのDICEもカットされていた……。hideサミットなのに、何てこったい。Xはノーカットだったから、まだいいけど。
LUNA SEAも知らない曲が結構あったけれど、大好きなROSIERをやってくれたのが嬉しかった。あれはかなり盛り上がった。 それまでちらほら見られた空席も、LUNA SEAの登場でほぼ埋まり、総立ち状態になった。バンドのファンだけじゃなく、スタジアム全体が盛り上がり始めた。 ライヴ中ずっと空を覆っていた雲がLUNA SEAのときだけ途切れて、青空が見えた。LUNA SEAの威力なのか、hideちゃんの力で起こした演出なのか。
LUNA SEAが退場して待つこと3〜40分。空は程よく暗くなっていた。 バンドチェンジのたび、会場には時間の隙間を埋めるようにhideの曲が流れていた。その曲が途切れ、そしてスクリーンにXJAPANのロゴが登場した……。
(つづく)
いま夜10時です。味の素スタジアムから帰宅中、電車に揺られてます。 詳細は後日書くとして……最高のライヴでした!! 「破壊の夜」で味わったもやもやと悔しさが、完全に吹っ飛びました。
いまはただ、「ありがとう」と言いたい。hideに、Xに、集まってくれたバンドの全員に。
いま息絶えたら、幸せかも。 でも、腹減ったー! 欲求がある限りは、まだまだ死ねない!!
◆4月29日のこと。 3月にオープンしたキュービックプラザ新横浜に行った。新横浜駅は、以前エスカレーターしかなかったところに新しくエレベーターができていて、ぐっとアクセスしやすくなっていた。久しぶりに行ったら、駅の雰囲気が変わって、かなりきれいになっていてびっくり。
まず、高島屋フードメゾン(「地上のデパ地下」というキャッチフレーズには、どっちやねん!と突っ込まずにはいられない)の中の、行ってみたかったケーキ屋さんでお茶をした。 前に折り込み広告で見て目をつけていたフランボワーズケーキ(ムースとソースとスポンジが層になっている)を注文。数種類並んだケーキの中でも、ベリー系に惹かれることが多い私。期待通りの甘酸っぱさでおいしかった。 食べてみたいケーキがあと2,3種類あったので、また行くことにしよう。今度はテイクアウトかな。
お茶のあと、フードメゾンを一通り見て回った。デパ地下はおいしそうなものが目白押しだ。誘惑が多くて困ってしまう。 迷った末、お茶したケーキ屋の隣でお土産にみたらし団子を、お惣菜屋さんでは一際目立って手招きしていた「新じゃがと豚の角煮」を買った。そのお惣菜屋さんでは手羽先もおいしそうだったけれど、それはまたの機会の楽しみに。 正直、みたらし団子は家の近所のお団子屋さんの方がおいしかったが、まぁいいや。新じゃがと豚の角煮はちょっと濃い目の味付けだったけれど、非常に美味だった。皮付きの小さな新じゃがは、食べやすいのもありがたい。
次にファッションのフロアへ。 AMO'S STYLEが30%オフだったので、下着を2組衝動買い。30%オフ! 安いよ! それから、マキアージュの口紅も買った。女3人連れで行ったのだけど、私が一番いろいろ買った気がする。
晩ご飯は、友達おすすめのバイキングへ。 バイキングというと、脂っこいものや味の濃い料理が並んでいるイメージがあったけれど、ここは野菜中心で、オーガニック食材を使った料理は全体的にヘルシー志向。パスタも、和風のあっさり味。種類が豊富で、ほんの少しずつ、いろいろなものを食べられる。 サーモンとそら豆のパスタ、季節の炊き込みご飯、青菜のおひたし、カリカリごぼう、にんじんのハーブ焼、鶏の唐揚げの南蛮漬け、温野菜、梅とじゃがいもの和え物、キャベツと豚の炒め物……etc. 一品が少量でも、種類をたくさん食べたらもちろん満腹になるわけで。90分、しっかり堪能いたしました。
新横浜駅がアクセスしやすくなったことだし、もう少しゆっくり見て回りたいお店もあるので、キュービックプラザにはまた行きたいなぁと思います。
◆5月2日のこと。 hideの追悼ライブに行く話をしていたときのこと。
同僚「どこでやるんだっけ?」 桜井「味の素スタジアム。調布にあるの」 同僚「そこ、行ったことあるの?」 桜井「ううん、初めて。しかも、一人で行くんだよねー」 同僚「ええっ!? 一人で行くの? ライブに一人で行ったりするの?」 桜井「一人でライブ行くのも初めて」 同僚「ええっ!? 初めての場所に、初めて一人でライブ!? 大丈夫なんですか!」 桜井「うーん、分かんないけど、何とかなるでしょ」
そんなわけで、周囲の心配をよそに、「何とかなるでしょ」と思っているワタクシ。ってか、何とかなるでしょって思ってないと、行動範囲は広がらないもんねぇ。 それに、「何とかなる!」がX魂だとも思うし。
夜、WOWOWで放送の「無謀の夜」を観ていて、ライブの終わりにYOSHIKIがドラムスティックを客席に投げたときのこと。
母「あれ、当たったら危なくない?」 桜井「お母さん、(ダウンタウンの)浜ちゃんと同じこと言うね。『目に刺さったらどうするねん!』って言ってたよ」(HEY×3で言っていた) 母「ほんとだよ。上手くキャッチできなくて目に入ったら危ない!」
そう言えば、復活ライブの様子をテレビで見た同僚のお母さんが、「いくらパフォーマンスでも、自分の楽器を壊すのは良くない」と言っていたらしい。 うーん、やっぱり、XおよびXファンじゃない人の方がまともで常識人な気がするな(笑)
◆今日のこと。 hide memorial summitの1日目。 朝から雨がかなり降っていて、出演バンドや参戦者を心配した。でも、そこはやはりhideの力でしょう、午後には雨が上がって晴間が覗き始めた。 よかったよかった。 私も明日に備えて、トリビュートアルバムやら何やら聴いて気合入れてるよ!
2008年05月02日(金) |
Without You |
2008年5月2日、午前8時52分。 職場のミーティングが終わり、私は9時の電話受付開始に備えて準備していた。 準備の合間、黙祷の代わりにブラインドの隙間から空を見上げた。 良いお天気だった10年前のあの日とは違って、今日はあいにくの雨模様。それでも、きっと空の向こうで貴方が笑っているんだろうと思って、目を細めた。
本当のことを言うと、私は天国も死後の魂も全然信じていない。それらは、生き残った者たちが、大切な人の死後も自分たちがこの世で生きていけるように考え出した概念だと思うから。 でも、いつだって貴方が空の高い高いところで笑って、私たちを愛し見守っていると、それだけは強く信じているんだ。ときどきは近くまで降りて来て暴れているって、それも信じているんだ。だって、今年の3月28日、貴方は確かにあそこにいたじゃない? 天国も何もない。死んだら骨と灰になってそれで終わり。でも、私は自分が生きていくために、貴方の息吹を信じている。 この大いなる自己矛盾を、私は10年前、自分に許した。
今日は、WOWOWで東京ドーム3daysの2日目「無謀な夜」が放送されている。 帰宅後、トイレに行ってうがい手洗いをしてメイクを落としたら、ちょうど『Without You』が始まるところだった。 この曲に間に合ってよかった、と思った。5月2日にこの曲を聴けて、よかった。
TOSHIが、自分のブログで「あなたは大切な人に、どんな生き方を誓いますか?」と書いていたよ。 私は、どんな生き方を誓えるだろうか。もう少し、考えてみるよ。
10年経った今でも、まだ悲しいと思う。寂しいと思う。悔しいとも思う。でも、流れる涙は、もうそんな理由じゃない気がする。もっと大きくて、温かい気持ち。 あさって、会いに行きます。どうか、また私たちと一緒に笑っていて。
10年前の5月2日、でかいロケットで旅立ったピンクの髪のギタリストへ。無限の愛と感謝を込めて。
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