きなこ日記
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本日、地元のかかりつけの医院を受診。休職までは行かないが、短期の療養が必要との診断。仕事の量を軽減してもらうことも必要と言われたが、夫まんぼう曰く「これ以上どこを減らせって言われそうだ」っていうんで、今回は短期療養を取らせてもらうことになった。今月中旬に転院した病院は、完全予約制なので、今回みたいに「今ひどいんです! 話聞いて下さい!」という風にはいかないので、そこがデメリットと言えばデメリット。新しい病院はカウンセリングしてもらいたくて探した病院だったので、まあ緊急避難的に、元のかかりつけに飛び込むのは許して欲しいと思う。
これまで、夫まんぼうが休んでいるときは、あんまり構われたくないんだろう、と思い、話しかけたり、本や何かで仕入れたうつの治療法などの話はしてこなかった。でも、今回、思い切って話してみた。意外に嫌がらないようなので、これからは、もっといろんなことを話し合おうと思う。恋愛期間ほぼゼロの結婚だったので、本音をさらして話し合うことは少なかった。そのコミュニケーション不足が今に影響しているかもしれない。影響していないかもしれないが、心配の芽は小さな内につぶしておいたほうがいい。自分のためにも。
明け方のトイレで、吐くものもないのに苦しそうにえづいている夫まんぼうの背中をさすっているのは、本当に辛い。いっそ吐き気だけでもこっちが引き受けられたらいいのにと思ってしまう。吐き気ならつわりで慣れているもの。ところが吐くところまで行かないけど、吐き気って伝染するんだよねえ。食欲も落ちて、おかげでダイエットできました(笑)。
良かったり悪かったりの波が激しい。誰って夫まんぼうの。 先週は割合普通に仕事に行っていたが、今朝は吐き気がひどくて起きられないと言う。欠勤の電話を私に入れさせる。見えないとわかっていても、電話口で何度も頭を下げて済みませんと言っている私を見て、この人は何を思っているのだろうと聞いてみたい気持ちになる。
好不調の波があるのは承知しているが、それに振り回されている自分に腹が立ってきた。妻の妊娠中に自分もつわりを感じる夫がいるらしいが、なんだかそれに近くなってきた。あんまり心配しすぎで吐き気がうつってしまい、晩ご飯はあんまり食べられなかった。でもアルコールは摂取した。腹が立ったら悲しくなって、泣ける本を読もうと思い立ち、風呂につかりながら「春いちばん」(湊川理絵・角川ルビー文庫)を読んだ。収録の「浅き夢、遠い春」は本当に泣ける。泣きに持って行くストーリーに無理がないので、素直に泣けるので、大好きな作品だ。 半身浴で汗と一緒に涙を流して、ちょっとすっきりできた。
鬱の患者を支える家族は、心配と気遣いをしつつも、自分を保つ努力をしなければ、引きずられて自分もやられてしまう。私自身が安定した私の人生を送るために、夫には今よりももう少しマシな状態になって欲しいのだ。だから、もう少しなんとかなろうと思って欲しい。治りたい、って気持ちさえ感じられなくって、本当にこっちががっかりするときがあるよ…。
というか、夫の一挙手一投足、呼吸の音にまで、聞き耳を立てて、気配を伺って暮らしている。 目覚ましが鳴れば、普通にむっくり起きてくるのだろうか。 起きてきたときの顔色はどうだろうか。 朝食の箸の進み具合はどうだろうか。 食後にトイレに入れば、吐き戻しはしないだろうか。 2階へ上がっていけば、ちゃんとスーツに着替えて降りてくるだろうか。 手に弁当とバッグを持って玄関に降りてさえ、行ってきますという言葉の後でさえ、車に乗り込んでエンジンの音がして、それが敷地から出て、幹線道路に出て行ってさえ、私は夫のサインを見逃すまいとしている。
行ってきますの後で、軽いキスとハグをするのが結婚以来の儀式なのだが、不安や抑鬱が大きいときなどは、ハグは、しがみつくような強さの時もある。同じ強さで抱きしめながら、なんて言えば、この人の気持ちを少しは楽にしてあげられるだろうか、こう言ったらいいのか、これは言ってはいけないのか…。言葉を選んで選んで、頭の中でたくさんシミュレーションして、ようやく台詞を絞り出す。ふいに、読書をしていて良かった、物書きでいて良かったと思うことがある。
夫が家に帰ってくる時間が近づくと、また私は落ち着かなくなる。無事に帰ってくるだろうか。なにか不慮のことがあって、思いもかけない行動に出ているのではないだろうか。今夜はそんなにして過ごしている時間に、表を救急車が通っていった。ビリビリッと背を貫くような、感覚に襲われる。地鳴りの後に、地震に備えるときの感覚に似ている。
無事に帰ってくると、仕事の話はしない。今日は普通?とだけ聞く。顔色が明るいとほっとする。夜はたいてい、子どもたちと一緒に布団に入る。私は遅れて寝室に行く。耳を澄ますのは、夫の寝息を確かめるためだ。眠れていると、安心する。 こうして私の一日が終わる。
2012年11月16日(金) |
ブラックな自分その2 |
昨日は結局、かかりつけとは違う医者に行ってみた。片道90分かかるけど。 以前に調べていたカウンセリングをしてくれる病院で、行ってみて、「今日診察お願いします」「はいわかりました」とは簡単にいかない病院だったことがわかった。けれど、診察してもらえた! とてもとても僥倖だったと思えた。 出かける前に電話を入れたのだが、電話に出られたのが受付さんとかではなく、偶然、医師本人であったようなのだ。「今日はちょっと混んでますけど、○時なら予約入れられます」と対応して下さった。私の電話口の声がよっぽど切羽詰まって聞こえたのかもしれない。 確かに切羽詰まっていた。夫に前の晩に「死にたい」「仕事辞めたい」と泣かれ、今朝はストレス性の吐き気でトイレに籠城され。少しでも希望のあるなにかを…と考えて、前々から折に触れ提案していた「転院」もしくは「セカンドオピニオン」に踏み切ったのだ。
地域的に、心療内科の選択肢が少なく、夫は同じ病院に6年も(!)通い続けていたけれど、体調が悪化しても薬の種類は変わらずに、量が増減するだけ。副作用なのか、便秘が続けば整腸剤、吐き気があれば吐き気止め。何回か付き添って診察室に入ったけれど、医師はあまり患者と話はしない。私はあまり良い印象は持てずにいたのだ。 病院を替えてみようと前々から言っていたのだが、夫はウンと言わずにいた。だが、このどさくさに転院に成功した。というか、別の医師と接する機会を作れたのだ。6年かかってここまで悪化したのなら、同じくらいかかってもいいから、いつか寛解と完治を目指そうと思う。
実家の父も、長く患っていた。働きながらそれを支えてきた母の姿を見てきたから、私に出来ないはずはないと思う。(というか、出来ればああはなりたくない、と思う気持ちもあったけれど。) 実父は最初の病気から完治まで11年。ならば私もあと5年。幸い、体が丈夫なところは実母似だ。やってやれないわけはない。
ただ、「仕事を辞めてもいい」とだけは絶対に言うまい。口が裂けても言うまい、と決意している。
うーん。寒くなってきたせいか、夫のうつが悪化! 私と子どもが出かけていて、帰ってきたら夫がいる。 「どうしたの?」と尋ねると、 「自殺しようかと思ってた…」なんて返事。 一瞬にして血の気が引くってこういうことか!と思い知りましたよ。 話を聞くと、仕事上で何かのミスを犯したかもしれない、という。
ミスを犯したことは確定していない。したかもしれない、というだけで、死にたいというところまで気持ちが行っちゃったのである。してしまったら、してしまったで、取り返しようもあるし、責任の取り方も数あろうに、自分の命まで差しださなきゃいけないほどの事態なのか?
なんて言葉は飲み込んで、うん、うん、とだけ話を聞く。 話を聞きながら頭の中では、いろいろなシミュレーションをしている。主に金の算段だが。
死なれたら保険金全部でいくらおりるかな。退職金はどれぐらい? せめて住宅ローンと子ども学資保険だけでも払い込めるといいな。そうなったら、あとは私が働けば、なんとか母子家庭でも食べていけるかもしれない。単に退職しただけだったら? 退職金はいくらか出るだろうけど、ローンは残るよな。そしたら家を手放す? だめだ土地は義父名義だ。婚家の財産を減らすようなまねはできない。だって次男だもの。離婚したら? 病気の人間と住宅ローンを放り出して逃げるようなまねが、私にできるのか?
命より大切なものはないというけれど、明日生きて行くには金が必要なのだ。だから口には出さないけど、腹の中ではあらゆる算段をする。いつどうなってもいいように、覚悟だけはしておこうと。
数年前に編んで、気に入ってきていたチュニックがあるのですが、手洗いをするために他の洗濯物と分けておいたはずなのに、いつのまにか他の通常のものと混ざって洗濯機に…! Noooooooooooo! ドラム式洗濯機のたたき洗いで洗い上がったそれは…まるでフェルトのようになっていました…。もう、私の回りにがっかりオーラがあふれ出して指でつまめそうでしたよ…。軽くて温かくて気に入っていたので、もう洗濯機の前で斃れ伏したいくらいがっかりでした。 みなさんもお気をつけて。
最近の読書。 梅原猛 葬られた王朝 古代出雲の謎を解く
梅原さんの著書は「隠され十字架」を皮切りにあらかた読んできましたが、今回も面白かったです…!古事記や日本書紀の解釈を巡っては、数々の論説が出ていますが、もっと字面を素直に読むことも必要なのかもね、と思わせることがたびたびです。
そう言えば、随分昔に、万葉集は韓国語で読むと別の意味が…!とかいうとんでもない本があったな…。漢字を捨てた国のくせになにを言ってんだ、と思いましたけど。
寒くなってきましたので、編み物を開始! 毎年のことながら、寒くなってから編み始めるので、寒い季節に間に合うのか?ってところですが。本日カーディガンが編み上がりました。淡いピンクの七分袖です。初めて透かし編みに挑戦してみました。掛け目のところが、こんなに糸が緩くて良いんだろうかと思ったり。でも思ったよりきれいに編み上がったので嬉しいです。 編み上がって思ったことは…、ピンク似合わない。羽織もの、あんまり着ない…。 なんで編んだんだ…? 糸買ったのが去年の今頃だったからな(>_<)
さて、先日全日本剣道選手権大会の中継を見ていたのですが、ああ、征士の年齢ではもう引退の年頃なんだな…ってことでした。20代後半から30代前半くらいが花なのかなあ、と。 征士なら、未だ誰もなしえていない3連覇をしていたかもしれないとか想像したり、得意技には何を持っただろう、とか。飛び込み面とか、いいかもな(^_^)
最近の読書。 沢村凜の「瞳の中の大河」 国軍に仕える青年と、政治体制をひっくり返そうという野族と呼ばれる反体制派に属する女の、不可思議な縁を中心に描かれる架空の戦記ものです。ラストが、切ない…。沢村凜の戦記ものは、主人公がいつも…! ま、読んでみて下さい。
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