しろにじ創作倉庫



春の深き淵より

2006年03月29日(水)


以前本家サイトの方に載せていた物に加筆修正した
春・桜をテーマにした川柳とういか自由律俳句というか、そんなもん。
桜が咲いたのでそろそろ時期かなと思って。

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*薄紅にとける

 張り出した アーチを抜けて ほんのりピンク

 外回りしていた君の髪に花

 春食べる 桜スイーツの花盛り

 さくらさくら 所詮この世の決まり事

 ずるくなれ 桜がわたしに教えたの

 追いかけて追われてサクラを振り切って



*春の別れ

 今宵こそ桜咲くかなもう別れ時かな

 流される春よ淡き雲は消ゆ

 悲しいか サクラに埋もれて泣く夜もある

 サクラ写メ別れの春と知りながら

 襟を立て桜見上げて前へススメ!



*散りゆくもの

 雨の匂い知って紅増す刹那の桜
 
 みずうみの水色ピンクに染めあげて

 ひとときのキレイ咲きなら許してね

 天上の青に散華の春供養

 花びらが雪のように私を埋めるといい



*闇に咲く

 昼と夜 桜も違う顔を持つ

 ぼんぼりに照らされて花の夜の艶

 其は魔物春深き淵より出づる花

 桜追い 朧の闇をひた走る

 春の闇 行けども行けども深い森

 花守りは見捨てたもうや 姥桜


イタさの度合い

2006年03月27日(月)


あのヒトは あたしよりもイタイ

でも あのヒトも あたしの方がイタイと思っているかも

イタさを測るモノサシは みんな自分が基準だから

みんな 自分のモノサシが 正しいと信じてるから

でも それは

歪んだり 曲がったりもするし

ときどき 目盛りを読み間違えたりもするじゃん

測り方を間違えるのが いけないんじゃないよ

大事なのは

間違えたことを 認められるかどうかってこと


まぶしいね

2006年03月23日(木)


きみの笑顔を忘れないでおこう

迷いも打算もなく清々しい微笑みの

その一瞬をとどめておこう

眼に焼き付けておこう

これから生きる未来の中で

ほんの少し生きてることが窮屈になったとき

人生に哀しみだけしか見出せなくなったとき

記憶の引き出しから取り出せるように

いつか汚れていく身になっても

その笑顔を思い出せるように


世間ではよくあること

2006年03月14日(火)


あたし 好きな人に

君は一人でも生きていけるよって

言われちゃったの。

俺のことなんか必要じゃないんだろって。

要するに ジ・エンド。


困ったなあ。

女としてはちょっと情けないかもしれないけど

否定できないから 余計困ったなあ。

こんなとき

すらすらと嘘つけないのは致命傷だね。


旅の誘い

2006年03月09日(木)


日常に潜む狂気を飼いならすために

ときどき

どこか別の土地を旅してみたくなる

ほら また旅の夢をみたよ

乾いた風が

おいで おいでと

遠い空のむこうから呼びかけるんだ

からからと糸車を回して

夜の月にまた旅の夢を紡ぎ出す

そうさ 次の旅は

もうここから始まっている


いつも別れが

2006年03月01日(水)

いつも

出会いと別れはそこにある

ほほえみも涙も用意されている

あまりにも自然な

あまりにもありふれた 別れの舞台だったから

手を差し伸べることも 肩を抱き合うことも

ままならなかったわけだ

見送る人 見送られる人

それは僕かもしれないし、違う誰かかもしれない

それは明日かもしれないし、遠い未来かもしれない

けれど確かなことは 歩いていく道はそれぞれにひとつずつ

いま風に吹かれる僕達の姿を

蕾のままの花が無言でみつめている

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