しろにじ創作倉庫



祈ってる

2006年02月26日(日)


人の言葉の裏を

読まなきゃいけないのは

なんだか居心地が悪くて嫌なんだけど

それは時として

必要なことなんだね

でも、なるべくならそういう機会が

少ないことを祈ってるよ

僕にとっても 君にとっても


安心して

2006年02月20日(月)


頑強な鎧は

他者から自分を守るための道具だけれど

一生着けたままじゃ

恋愛はできないでしょ。

安心してよ、不安なのはみんな同じ。


悲しみの岸から遠ざかる

2006年02月18日(土)


窓ガラスという窓ガラスに夕陽が反射して
オレンジと赤の入り交じった光が
建物を染めあげるんだ

それを見ていると
忘れ物をしたような気になって
なんだかいたたまれなくなって

ああ 僕はここで
いったい何をしているのかと

悲しみの岸から遠ざかるために
人はどこを目指すのだろう

海を見にいく季節には
まだ早すぎるけど

逃げられるだけ逃げたって
きっとなんの解決にもならないと
知ってはいるのに

空と海とを見渡せる場所は
それだけで何かの救いになるだろうか

ああ 今日も僕の夢は粉々に砕けて
ビルの谷間で見た夕陽は
孤独の海に沈むのさ


王子様を探して

2006年02月15日(水)


ふっと気がつくと

王子様は眼の前にいるのに

わたしは首を傾げて

心の中でこう呟くの。

どうして?

あなたの運命の人は

このわたしじゃないのかな。


美しい嘘

2006年02月05日(日)


夜の密やかな窓辺の月に
ひとつの嘘を囁こう

わたしの嘘は誰のために
周りの善人過ぎる人達のため
それとも自分自身を守るため

心に隠れ蓑をまとうように
私の口から嘘がこぼれる

嘘は真珠色の輝きを放ち
そこかしこにころがり落ちる

わたしはわたしと
わたしを巡る世の中のために
死ぬまで嘘をつき続ける

誰にも真実は伝えない
誰にも真実は伝えてはいけない

それは美しい嘘だから
嘘はそのためにあるのだから

海の底の真珠のように
空の彼方の虹のように

秘められた美しさを放ちながら
わたしは嘘の輝きの虜になってゆく


冬の祭り

2006年02月03日(金)


はしゃぎ過ぎた冬に
終わりを告げるため
僕は汽車に乗った
自嘲的な笑いを浮かべ
遠く旅に出るように

星の見える夜はいつも
心が寒いから
何もかも忘れたくて
ひとりつぶやいてみる

春になったら
思い出を捨てて
春になったら
この街を出よう

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