しろにじ創作倉庫



天窓から見える星

2005年07月31日(日)

星が見える 星が輝く
天からの夢を告げるように
夜が闇を連れてくる

故郷を遠く離れ
光の旅を続ける無数の矢たち

ざわめく木々 葉ずれの音
砂漠へと続くなつかしい道
すべては美しい思い出

幻想は折り重なって
目の前を過ぎていき
天窓から見える星も
季節の度に移ろってゆく

星が語る 星が瞬く
つらいことをすべて承知のうえで
うなずいていた星たちよ

夜の大気にとめどなく思い溢れて
星からの旅を想像する今宵

この胸に希望などひとつもないが
生き続けてみようとわたしは思うのだ


蒼く淡い夢

2005年07月23日(土)

わたしたちは
同じように物を食べ 眠り
そして同じ夢をみるのだ

夜の蒼い帳の中で
冷たくなった肌を合わせ
カーテンを揺らす音にさえ
怯えながら

それは静かな
色のない夢 形のない夢

朝がくるたびに
淡く儚く消えてゆく
たぶん幸せだったはずの夢


異国で死んだ詩人の夢

2005年07月13日(水)


異国で死んだ詩人の魂は
雲の涯に飛ぶのだろうか

夢半ばで異郷に倒れ
最期の時を迎えるその瞬間
詩人は何を願ったろう

けして見ることのない未来
 自分はそこにはいないのに
時は流れ 世界は続く
 自分はそこにはいないのに

異国で死んだ詩人の魂は
鳥のように遠い空を目指すだろうか

白い頁に叶わぬ夢を綴ったまま
いつか夢の国へ行くことを
天に祈り 地に願い

静かに風は砂を飛ばし
詩人の夢も埋もれていく

朽ちた墓標は誰の眼にも留まらぬまま
忘れ去られた詩人の言葉
誰も顧みることはない

空の青さの中に
異国で死んだ詩人の魂が
見えるだろうか

雲の流れていくままに
詩人の魂が震えて
泣いているのが見えるだろうか


初夏(はつなつ)の島

2005年07月11日(月)


甘やかな花の香り 漂う島は

はるか南の海の果て

こぼれる珊瑚の白い砂

空を飾る満点の星

恵みの果実は豊かに実り

憂いの衣を脱ぎ捨てて

人も鳥も さざめき歌う

静かなる憧れの心さわぐ

夢にみるは

はつなつの みどり濃き孤島よ






ってな詩を書いていますが、実は南の島でのんびり派ではなくて、
砂漠・遺跡・廃墟派です。
北国生まれの私は、暮らすんだったらやっぱり雪の降るところ、です。
でも、たまに行くと南の島もいいなと思います。


雨と金鶏菊

2005年07月06日(水)


雨が降っています

雨が降っています

黄色の金鶏菊の花が 雨に打たれて

何か言いたそうに僕をじっと見つめています

僕はそれに頷き返して
 
傘の外の風景を心に刻み付けます

何も考えず

何も動かず

時さえ止めてしまったような

そんな雨が降っています



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実は雨の日は嫌いじゃない。
たとえ髪がとんでもない方向にはねても。
洗濯物が乾かなくても。
靴下と靴がびちょびちょになっても。


あなたを愛していても僕の心はこんなにも悲しい

2005年07月02日(土)


あなたを愛していても
僕の心はこんなにも悲しい
どうしても幸せの予感を捉えることができなくて
もどかしくて
情けなくて
僕の心はこんなにも悲しい

温もりも優しさも知らず
僕の心は宇宙のように冷えていく
誰かを愛しても満たされることは決してない
切なさの向こうにある喜びは
僕とは無縁のもの
不安だけが世界を覆いつくす

雨のように
地球の夜に降る雨のように
寂しさはただ心の中を突き抜けていく

あなたを見つめていても
あなたの言葉を聞いていても
あなたに触れていてさえ
僕の心は
僕の心はこんなにも悲しい

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