読書記録

2024年04月28日(日) 頑張らない80歳からのおひとりさまごはん / 村上 祥子

 料理研究家
管理栄養士
公立大学客員教授

御年82歳にしてバリバリ現役

「ちゃんと食べてちゃんと生きる」という食べ力を推進する、電子レンジ調理の第一人者

知識と知恵とそして、経験と工夫がいっぱい





若い頃に罹られた病
15年近く続いた原因不明の高熱や痛みが、慢性顎骨骨髄炎と診断され、4年間で14本もの抜歯をし、顎の骨を切開する手術を合計で8回も受けられてる。
さらに検査のとき、ヨードのアナフィラキシーとわかり、あわや!というところから生還されている。
だからこその食べるということの大切さを実感されている。
一日3回コツコツ食べるということ。






2024年04月25日(木) おかあさんの被爆ピアノ / 五藤 利弘



昭和20年8月6日、広島に原爆が投下され、爆心地から3キロ以内で被爆したピアノは「被爆ピアノ」と呼ばれる。被爆2世である調律師の矢川光則は、持ち主から託された被爆ピアノを修理・調律し、自ら運転するトラックに載せて全国を回り、各地に被爆ピアノの音色を届けていた。一方、東京で生まれ育ち、大学で幼児教育を学んでいる江口菜々子は、被爆ピアノの一台を母・久美子が寄贈していることを知り、被爆ピアノのコンサートに出かける。そこで矢川と知り合い、矢川を通して被爆ピアノや祖母のことを考えるようになった菜々子は、自らのルーツを探っていく。


2020年に映画化されている



個人的ツッコミ

おかあさんではなく、おばあちゃんの被爆ピアノでは?

2年振りに訪れたおばあちゃんの家
着いて、電気を点けてシャワーを浴びる
2年間、電気とガスの基本料金を払ってたのか?









2024年04月23日(火) 羊は安らかに草を食み / 宇佐美 まこと



 持田アイ・・80歳

須田富士子・・77歳

都築益恵(まあさん)・・86歳


3人は俳句教室で知り合った20年来の友人
認知症を患い施設入所が決まった まあさんの心のつかえを取り除きたい気持ちから、満州引き上げから戦後移り住んだ土地に旅した

アイは夫が残してくれた1000万円を詐欺で失っていた
富士子は癌で余命宣言されていることも明かされるのだ

旅の合間に記された まあさんと同じ年のかよちゃんとの11歳の女の子ふたりでの過酷な満州引き上げが切ない


背を向ける むくろを照らすあかき夕陽に

馬を駈る少年 秋の風に溶け

凍て土ゆく われに友あり白き月

生きて乗る船は祖国へ 揚雲雀

生き生きて 八十路の旅や風光る











2024年04月16日(火) 片をつける / 越智 月子



 独身の阿紗は、ひょんなことから、隣に住む謎の老婆・八重の部屋の片づけを手伝うことになる。
過去の経験から得た掃除テクニックを八重に教えながら片づけを進める中で、明らかになる八重の過去。そして阿紗も、母子家庭で荒れ果てた部屋に閉じ込められていた幼少期の記憶が蘇ってきてーー。

人生で背負いこんだ荷物と厄介ごと。一つ一つ片をつける中で、八重と阿紗が選んだ道とは。切なくも心温まる感動傑作。



結局のところ、人はどんな家庭に育っても少なからず不満と不足と不具合を感じるものかもしれない。














2024年04月12日(金) わたしの良い子 / 寺地 はるな

 

 大人が言う「良い子」って、何? 
出奔した妹の子ども・朔と暮らすことになった椿。
勉強が苦手で内にこもりがちな、決して〈育てやすく〉はない朔との生活の中で、椿は無意識に朔を他の子どもと比べていることに気づく。



朝の白い光の中で、朔の頬の産毛が光っていた。良い子、という言葉を使うことに、ずっとためらいを感じていた。わたしたち大人にとっての(扱いやすくて)良い子でいなさい、という脅迫みたいになってしまうことがこわかった。でも今はためらいなく言える。
「他の子みたいに」できなくたっていい。なんの条件も満たす必要はない。
朔はそのままで、生きているだけで、じゅうぶんすぎるぐらい良い子だ。

















2024年04月07日(日) ゆれる階 / 村松 友視


 父の顔を知らず、母も死んでいるときかされてて、戸籍上は祖父(作家の村松梢風)の末子として祖母に育てられた。
祖父は正妻である祖母ではなく、別の女性と生活していて、大学入学まで祖母との二人暮らしだった。
とは言っても鎌倉に住む祖父の家にも夏休みとかに小学4年くらいから出入りしていた。
祖母との二人暮らしが両親の揃った家とは違うことは理解していたが、特に父や母を恋しがることもなかった。


中学3年生のとき祖母から伝えられた実母の存在についての告知を、真正面で受け止めきれぬ私は、もともと身についていた内向的性向に加えて、失語症的な状態におちいったまま、高校生活をおくることになった。高校入試から大学卒業直後くらいまで、大袈裟にとらえれば自分にとって同じ源に発する鬱の季節がつづいていたような気がする。


梢風という存在は、私にとって自分に近づいては離れ、とらえようとすれば先へ遠ざかって彼方でゆれている蜃気楼の域を出ぬままだった。あえてそのゆれるけしきにすがりつき、強く絆を求めようとすることもないまま時がすぎていったあげく、ある日突然、蜃気楼が唐突に私の視界から消えてしまった・・・梢風の死はそんな感じだったのだ。











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