2022年01月30日(日) |
そして海の泡になる / 葉真中顕[ハマナカアキ] |
個人として史上最高額となる4300億円の負債を抱え、自己破産した朝比奈ハル。「北浜の魔女」と呼ばれた彼女は、平成が終わる年にひっそりと獄死した。 昭和8年に和歌山の寒村に生まれたハルは、いかにして巨額のマネーゲームに身を投じるようになったのか。その生涯を小説に書こうと決めた“私”は、生前の彼女を知る関係者に聞き取りを始める。
ー 紀ノ国屋書店 案内 ー
テレビのニュースで見た「尾上 縫」さんの生涯。
結局は頭のいい人。 波乱万丈な人生もまた良し!!
2022年01月14日(金) |
正欲 / 朝井 リョウ |
妻と息子の三人で暮らす検事の寺井啓喜(ひろき)、 ショッピングモールの寝具売り場で働く桐生夏月、 大学の学園祭実行委員の神戸八重子の三人の視点で動いていく物語。 一見、なんら関係がないと思いきや、とある秘密をめぐり、やがて、静かに、そして不気味に絡み合っていく……
正欲 = 性欲 の変字(当て字)?
大多数のモノが抱く欲とは向こう側にあるモノ だがそれも正しい欲なのだろう……
作者の作家生活10年の記念作品だそうだが、私には ちょっと取っつきにくい話ではある。
2022年01月06日(木) |
骨の記憶 / 楡 周平 |
没落した東北の旧家の嫁(曽我清枝)のもとに届いた宅配便は、51年前に失踪した父の頭蓋骨だった。差出人は、集団就職で町を出て、その翌年に死んだはずの同級生。 長沢一郎。
集団就職で中野の中華料理店で働いていた一郎は、下宿の家事で焼け出された松木幸助になり替わった人生を生きた。 運送業を始めて時代の波に乗った一郎だが、最初の妻は出産で我が子もろとも死んでしまう。 金に物言わせて清枝に似た旧子爵の娘・冬子と結婚したが、一郎を嫌ったため密かに堕胎をしていた。
自分を欺いていた冬子に財産を相続させないため、曽我家の今は何ほどの価値もない山林を買い占めていく。 骨董品も買いあさって財団も設立した。 皮膚がんを宣告されて死期を悟った一郎の人生の整理が進む。
とにかく家庭的に恵まれない人生。
面白かった。
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