2017年07月30日(日) |
おりょう残夢抄/中津 文彦 |
坂本龍馬暗殺の真相を、妻・おりょうの目を通して探っていく物語。 竜馬の突然の訃報から、おりょうさんの転変、流浪の日々が始まる。 夫の死の真相究明を念じて、長崎・土佐・京へと住処を移しながらその先々でかつての同志たちの証言を得ていく。 最初は新撰組との話であったが、真実なのかどうか西郷隆盛に繋がる高台寺が真の暗殺者だったのか。 竜馬の暗殺犯については、テレビのドキュメンタリー番組などでもよく取り入れられているが、熱心に最後まで観たことはないし、やはり真相ははっきりしていないのだろうか。 作者は、あくまで ”歴史ミステリー” と言う。
それにしても、もし竜馬が暗殺されなかったら明治政府の高官の妻として安楽な生活が送れたろうに。。。 晩年はお酒に溺れて惨めなものであったらしいが、横須賀市の信楽寺に妹の手によって葬られたそうな。 戒名 昭龍院閑月珠光大師 墓碑の正面には 「贈正四位 坂本龍馬妻龍子之墓」と 刻まれた。
2017年07月24日(月) |
雨上がりに咲く向日葵のように/山下 弘子 |
「余命半年」宣告の先を生きるということ
大学に入学して、キャンパスライフを思いっきり楽しめるはずだったのに、19歳にして肝臓がんで余命半年の宣告。
自分の置かれた状況が理解できなかっただろうが、一人で号泣することはあっても彼女は明るくて前向きだった。
後記
平成30年3月25日25歳で逝去された。
謹んでご冥福をお祈りします。
2017年07月15日(土) |
また、同じ夢を見ていた/住野 よる |
主人公は 小柳奈乃花という小学生の女の子。ちょっぴりひねくれもので、 学校では、普通の子よりも頭が良く、口癖は「人生とは○○なもの」という。主人公にはクラスに友達がいないからいつも、学校の授業が終わると、唯一の友達である 尻尾が半分ちぎれた、黒い服を着た彼女と遊びに出掛ける。
そして高校生の南さんや、クリーム色の2階建てアパートに住むアバズレさんや、丘の広場に立ってい大きな木のおうちに住むおばあちゃんに会いに出かける。
でもその南さんや、アバズレさんやおばあちゃんは主人公の未来の姿なのだ。
そしておばあちゃんが物語の終盤で見せてくれた大きな絵は、同じクラスの桐生君が描いた絵なのだ。
おばあちゃんが言った。 いいかい、なっちゃん。人生とは。 全て、希望に輝く今のあなたのものよ。
人生とは、自分で書いた物語だ。 推敲と添削、自分次第でハッピーエンドに書きかえられる。
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