読書記録

2015年10月17日(土) 火花            又吉 直樹



 私は今のつまらないというか何の芸もないのに、お笑い芸人ですと言ってテレビに出ているタレントがあまりにも多いので、ピースというコンビ名を知っている程度だった。
でも かなりの読書好きらしく、しっかりしたことを書かれるなぁと新聞の書評欄などでこの人の名前を見ていたから、芥川賞を取られたことはよかったと思っている。
行かなかったけれど私の住んでいる市で図書館主催の講演会もあったようだ。

『火花』については、先輩芸人と売れない新米芸人との話だというから、進んで読む気にはなれないでいたが、ひょんなことから知り合いに貸してもらって読んでみた。

物語は好きな内容ではないが、やはり言葉をよく知っているというか読みやすいけれど決して軽い文章ではなかった。
単純に上手いと感じた。




必要がないことを長い時間をかけてやり続けることは怖いだろう?
一度しかない人生において、結果が全く出ないかもしれないことに挑戦するのは怖いだろう。無駄なことを排除するということは、危険を回避するということだ。
臆病でも、勘違いでも、救いようのない馬鹿でもいい、リスクだらけの舞台に立ち、常識を覆すことに全力で挑める者だけが漫才師になれるのだ。
それがわかっただけでもよかった。
この長い年月をかけた無謀な挑戦によって、僕は自分の人生を得たのだと思う。





























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