読書記録

2014年01月23日(木) オレたち花のバブル組            池井戸 潤


 シリーズ2作目。

主人公である東京中央銀行・営業第二部次長半沢直樹はある日、百二十億円という巨額損失を出した一族経営の老舗ホテルである伊勢島ホテルの再建を押し付けられた。
つい先日二百億円という融資を実行したばかりだというのに、巨額損失の事実は半沢には知らされていなかった。
そして悪いことは重なるもので、金融庁の検査も控えていた。
四面楚歌の半沢だが、たじろがず不正にかかわった上層部や傲慢な金融庁の検査官と渡り合っていく。

私なんぞテレビのニュースでしか知らないことがこの物語を作っているが、ワイドショーなどで盛んに取り上げられている『倍返し』なる言葉は、「基本は性善説。しかしやられたら倍返し」が信条の半沢を上手く取り入れて、この物語が作られている。

それにしても銀行員に限らずサラリーマンとは切ない職業だなぁと、つくづく思う。
数字がすべてで努力しましたがダメでした、なんて言い逃れは通用しない世界だ。
バブルというそれ自体が狂気のような時代に踊らされて、それでも何とか凌いでいかなくてはならない。
それは解説にもあったように「切ないなあ・・・・」ということなのだ。



















2014年01月14日(火) オレたちバブル入行組          池井戸 潤


 テレビドラマが大好評だったらしいが私は見ていない。

主人公、半沢直樹は東京中央銀行大阪西支店の融資課長をしている。
だが店長のゴリ押しで気の進まない融資を通したばっかりに、粉飾決算が発覚して、融資先の会社は倒産してしまった。社長は行方をくらまして債権は回収不能となってしまった。そしてその責任をすべて押し付けられた半沢は、出向に追いやられる危機に直面したが、不可能に思えた債権回収に奮闘し、倒産劇の裏にあったからくりを見つけた。
その西大阪スチールという倒産した会社の社長と、半沢の上司である支店長によって仕組まれた偽装倒産だったのだ。

私は経済や銀行のことなど何も分からないけれど、偽装や虚偽が横行する今の社会に相応しい物語だと面白く読ませてもらった。













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