2時間ドラマや映画にすればいいような物語。
妻の不倫を知ってしまった佐保美術館の初代館長である夫・鳴海。 そして東京での恵まれた生活の中で自ら毀れていく妻・範子。 子供が出来ないという理由で婚家を追われた陶工の娘・多恵。
大好きな奈良の情景がふんだんに盛り込まれているのがうれしい。 それにしても主人公の鳴海と多恵とが、歴史や古美術や美味しいものを求めてあちこち旅するのは、やはり私から見れば物語でしかない。 ある意味 そんな生活をしてみたいものだというのが正直な読後感だ。 そして 例えば2時間ドラマや映像にしたときに、多恵にはどんな着物を着せて範子にはどんなスーツを着せるのだろうか・・・と本では見えないものを私は見てみたい。
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