さかざきが綴る「アンティークな日々」
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2005年06月30日(木) |
「“衣装”で読むイギリス小説」を読んで |
明日から始まる京都骨董祭に向けて、今日から京都へやってきました。無事、搬入と飾りつけも終わり、明日の骨董祭を待つばかりです。また今回も、関西のお客様の皆様にお会いできるのがとても楽しみです。
さて、先日も日記に書いた「“衣装”で読むイギリス小説」ですが、読み終わり、Libralyページへ加えました。この「“衣装”で読むイギリス小説」、十人以上の書き手が、それぞれのテーマで「装うことと生きること」について書いていますが、特に19世紀ヴィクトリアン当時の世相と照らし合わせたものが多く見られます。Libralyページにご紹介している「英国レディになる方法」と「下着の誕生―ヴィクトリア朝の社会史」の著者もそれぞれ書き手となっているため、一部これらの内容と重複している箇所もありますが、目次だけ見ても、「十九世紀女性の流行意識」、「ヴィクトリア時代の下着革命」、「子供服の誕生」、「ドレスメーカーから苦汗労働へ」などなど、ヴィクトリアンたちの衣装に対しての意識やアンティークを知るうえでは、大変興味深い内容になっています。
一緒にLibralyページにupした“Lace in Fashion from the Sixteenth to the Twentieth Centuries”は、アマゾンでは在庫切れ中ですが、こちらも、普段目にされているレースが、実際にどのように使われていたかが分かって、なかなかおすすめです。また目にする機会がございましたら、是非。
2005年06月28日(火) |
シルバーのティーポット |
いよいよ今週末の京都骨董祭に向け、きれいにディスプレイしたサロンを片付け、すべての商品を京都へと運びます。私達の宿命とはいえ、美しく飾りつけたサロンを片付けるのは、いつも少し淋しくなってしまいます。
そう、サロンへお越しいただいた方なら、見覚えがあるかも。これはサロンでお客様にお茶をお出しするときに使っているシルバーのティーポットです。1795年製のジョージアン、ロンドンで作られたものです。ティーポットといえば、丸みのあるぽってりした形がポピュラーですが、これはしっかり形作られた円柱形。周囲にリボンとバラのガーランドが打ち出され、小鳥が遊ぶ柄が手彫りされたラヴリーなポットです。
何を隠そう、これは河村との生活のスタートを記念して(と言っても彼は全く紅茶は飲まないコーヒー党なのですが。)買付けでたまたま見つけたものなのです。以前は毎朝、自宅でシルバーのティーキャディスプーンでアール・グレイの茶葉を入れ、紅茶を飲むひとときを楽しみにしていたのですが、サロンのオープンとともに、キャディースプーンと一緒に自宅から引っ越してきました。
そして、今は、サロンでお客様にお茶をお出しするときに使っています。サロンでお出しししているのは、フォートナム&メイソンの“Rose Pochon”。たぶん日本でも手に入ると思うのですが、ほのかにローズが香るすっきりした味わいと、ポットの中で濃くなってしまっても、あまり渋くならない点が気に入っています。それにフランスのフォーションで入手したバラの蕾を浮かべます。なんともバラの良い香り、皆さんが「美味しい紅茶ですね。」と言ってくださるのが、私の喜びでもあります。
きれいにアンティークを飾って、お客様で賑やかなサロンが私は大好きです。でも、明日はとりあえず片付けるとしましょうか。京都のお客様、どうか待っていてくださいね〜!
2005年06月27日(月) |
金沢親孝行旅行(?)無事終了 |
金沢の証拠写真、兼六園のことじ灯篭。金沢はその昔、造り酒屋を営んでいた私の母方の祖母の在所で、私自身は子供の頃から両親と一緒に何度となく訪れた場所であり、河村にとっては、小学校1年生から4年生までを過ごした思い出の場所でもあります。
お陰様で昨晩、河村の母を交えての二泊三日の金沢旅行から戻ることが出来ました。今日は、二人で新幹線の駅へ見送り、一連の行事はすべて終了。連日一緒に過ごしたこともあって、新幹線のホームで義母を見送りながら、ちょっぴりホロリとしてしまいました。
普段、義母とは、名古屋と熊本と、遠くはなれて住んでいることもあって、親孝行どころか、会うこともなかなかままならなかったのですが、今回は、義父のお墓参りあり(現在、一族のほとんどが大阪在住の河村家のお墓は、なぜか岐阜県にあるのです。)、温泉あり、観光あり、そして美味しい物ありと、まとめて(?)いろいろなことが出来、私達も久しぶりのお休み、嬉しい旅でした。
今週末は京都骨董祭ですし、新たなホームページの更新も待っているし、さぁ、また一生懸命働かなくては!
2005年06月23日(木) |
これもまたおすすめの本! |
昨晩のことです。仲良くさせていただいているお客様から、「まだでしたら是非...」という言葉とともに本のご紹介のメールをいただきました。実はこの本、少し前に私も入手し、その時向かっていたパソコンのすぐ横に置いてあったのです!私自身も、そのお客様にぴったりの本だなぁ、今度お目にかかったらお知らせしよう、と思っていただけに、思わずニッコリしてしまいました。
その本の名は、「フランスの布―アンティークプリント1946-1959」。私が普段扱っているフランスの生地とは年代も雰囲気も違いますが、素朴で可愛いお花のプリントや、うさぎなどの愛らしい動物柄など、どことなく懐かしさを感じる、見ているだけで心和んでしまう楽しい書籍です。 その方もおっしゃるように、生地の柄をそのまま使った本の装丁もなかなか素敵!本屋さんの店頭で見つかることもあるようです。もし、見つけられたら、是非一度ページをめくってみてくださいね。
先日お知らせしました「“衣装”で読むイギリス小説」も無事読み終わりましたので、また近日中に感想をお伝えします。
そうそう、実は今日、うちの河村の母が、住んでいる熊本からはるばる名古屋へ遊びにやってきました。明日から三人で、二泊三日で金沢へ旅行にまいります。めったに出来ない親孝行(?)なので、しっかりヨメのつとめ(???)を果たしてきたいと思います!でも、商品の発送やメールへのお返事は現地から致しますので、ご安心くださいね。それでは、行ってきま〜す!
今日でサロンでのフェアもおしまいです。サロンへお客様をお迎えするのは楽しいことなのですが、ちょっぴりほっとしています。
そう、フェアの最終日になって、サロンへスタンドミラーが仲間入りしてきました。今までも、全身の写る大きなミラーが欲しいな、と思っていましたが、アンティークだとなかなか思うようなものがなく、かといって今のものはねぇ...という感じで、なかなか気に入ったものに巡り会えずにいたのです。が、このたび現行品で、サロンのアイボリーの什器に合うものを発見。即、購入したのでした。
こうやって置いてみても、なかなかサロンに合うと思いませんか?やはり、ブラウスやペチコートをご試着いただいたり、ジュエリーと全身とのバランスを見ていただいたりするのにミラーは不可欠。早速今日からお客様の皆様には重宝に使っていただきました。
このスタンドミラーは真っ白なのですが、果たして、これもアイボリーに塗ろうかどうしようか、といったところ。うちの河村は「このままで十分きれいだから塗ッちゃダメ!」と言うし、でもペンキのぽってり感の好きな私は他の什器と同じアイボリーのペンキで塗ってみたいし、しばらく攻防が続きそうです。
今日はアマゾンで注文していた書籍が到着しました。何気なくアマゾンで本を検索して、見つけた書籍です。タイトルは「“衣装”で読むイギリス小説」。アマゾンでは本の中身を確認することは出来ませんが、いかにもアンティークを知る上で参考になりそうな雰囲気です。同じシリーズで「“インテリア”で読むイギリス小説」、「“食”で読むイギリス小説」というものもあり、どれもアンティークと関連が深そうで、「これって3冊とも読まないとダメかしら?」と思わされてしまいます。
まだ、軽くページを繰っただけなのですが、ヴィクトリアンの衣装についてや、ケイト・グリーナウェイの子供服、当時のお針子についての章があったり、なかなか興味深い内容です。また読破しましたら、Libralyページでご紹介いたしますね。
あ、またアンティークに関しての書籍を見つけられた方はご一報を!面白い本があったら教えてくださいね。
昨日は、以前から予定していた「桜乃」のオーナーだった森田さんと、そのお友達の大原さんがサロンへ来られた後、そのまま自宅へ遊びに来られました。
たびたびお友達が遊びに来る我が家ですが、4月、5月はずっと留守がちだったこともあって、久々のおもてなしです。河村と二人、この日を楽しみにしていました。
夕方、森田さんと大原さんにサロンへ来ていただいたものの、夜8時頃までサロンでアンティークのお話で盛り上がってしまい、結局、うちの河村がひとりで料理する自宅へ戻ったのは8時をすっかり回った後でした。
普段、河村がアルコールを全くたしなまないせいで、ひとり淋しくお酒を飲むことの多かった私ですが、昨日の女性陣は皆大酒飲み(!?)。河村にひとりで料理を任せ、同世代の大人の女三人、アンティークのグラス片手にワインで酒盛りとなったのでした。
昨日の河村のメニューは、
1.かぼちゃのスープ (皮も一緒にミキサーへ。後は豆乳で伸ばします。黒胡椒の風味とよく合います。) 2.みずなと大根のサラダ、明太子ドレッシングがけ(いつもはポン酢と練り梅をドレッシングにするのですが、河村のたっての願いで明太子ドレッシングに。明太子もなかなかイケル。) 3.魚介類のパスタ(アサリや海老を入れたトマトソースのリングイネ。これもまた美味!)
そして、デザートにお土産にいただいたさくらんぼとゴティバのアイスクリーム。話をしながら、飲み、食べ、笑い、その忙しいこと。ほとんど女三人でしゃべり、河村は大人しく聞き役。さんざんしゃべった後、ふと時計を見ると、なんと午前2時!森田さんと大原さんは、「またやろうね!」を合言葉に大慌てで帰っていきました。
今朝は、起きるのが辛かったです。
「桜乃」から来たミシンにソーイング小物を飾ってみました。什器が増えると、今まで以上にディスプレイが楽しいです。
サロンでのフェアは、久しぶりになりますが、ホームページをご覧いただいて来てくださった方、わざわざ静岡県から来てくださった方、今回は初めてお目にかかる方が多くて嬉しいです。やはりホームグラウンドのサロンは私達も落ち着いてお客様のお相手が出来ます。
じっくり見てくださるお客様に、商品の説明をするのは、私の生きがいかもしれません。「これは?」と聞いてくださるお客様にあれこれお話しするのは、まるで自分自身がヴィクトリアンの人々のイタコと化したよう。お客様のご予定にもかまわず、つい次から次へと、話が止まらなくなってしまいます。 また、ボタンの説明をしている最中に、お客様に「日記に書かれていたボタンは?」と聞き返されると、そんな瑣末なことを覚えていてくださったのか、と感動してしまいます。
そして、昨日は、私達のお友達でもあるビスクドール作家の富野有紀子さんがわざわざサロンへ寄ってくださって、ちょうどお客様がいらっしゃらないことをいいことに、久しぶりに会った嬉しさで、短時間のうちに大いにしゃべりまくり、大いに笑ってしまいました。
サロンに限らず、わざわざ来てくださる方がいらっしゃることに、感謝、感謝です。
今日は名古屋でのフェア一日目。お越しいただいたお客様の皆様、ありがとうございました。
さて、今日は紫でコーディネイト。モーヴのシルクのブラウスは、以前買付け先のフランスで手に入れたもの。それに合わせて、紫色の時計のベルト、私の誕生石でもあるアメジストのリング、紫色のマニキュア。仕上げは、紫系の口紅。ちょっぴり大人のコーディネイトです。
普段、マニキュアを塗る習慣はないのですが、お仕事の時は別。ただでさえ、小さくてぽっちゃりしている私の手は、とても子供っぽく見えるので、お仕事の時は必ず塗るようにしています。今日のように紫の色に塗ると、ついつい指にも紫の色が欲しくなるので、ぐるりとパールが囲んだアメジストのリングを。また、それに合わせて長年愛用している紫のクロコのベルトが付いたオブレイの時計を合わせてみました。
どうです?ちょっと大人の感じ。まぁ、実際はとっくに大人なんですけどね。
お待たせしておりまして、申し訳ありません。ホームページの更新も、着々と準備しておりますので。今からも、パソコンに向かいます!
梅雨に入っても、まだ雨は少し。紫陽花にはやはり雨が似合います。心なしか紫陽花も雨を恋しがっているようです。
いよいよ明日からサロンでのフェアが始まります。前回のサロンでのフェアは、3月上旬でしたから、しばらくぶり。今日も、サロンで一日中フェアの準備に明け暮れていました。
4月、5月は、出張や買付けで、ずっと留守にしていたサロンですが、久しぶりに飾り付けをすると、それまではがらんとしていた空間が生き返るようです。昨日もお伝えしたように、新たな什器も入り、ディスプレイも完了、最後にお掃除も済ませて、後はお客様がいらっしゃるばかりになりました。あ、明日庭のバラを摘んで、持って行くのを忘れないようにしなければ!
という訳で、皆様のお越しをお待ちしております。初めてのお客様も、どうぞ怖がらずに(?)いらしてくださいね!
明後日から、名古屋での新入荷フェアが始まります。昨日からぼちぼちフェアの準備に、商品のディスプレイを始めました。今回から什器も増えて、ディスプレイにも力が入ります。
この日本製の古いガラスケース、もうひとつのイギリス製アンティークのチェストと古いミシンと一緒に、名古屋の四谷通りにあったお店「桜乃」からやってきました。名古屋にお住まいの方なら、ご存知の方も多いかと思います。アンティーク雑貨やビーズなどを扱っていた可愛いお店「桜乃」は、うちと同じく今年10周年を迎えるはずでしたが、この3月に惜しまれながらクローズされました。
「桜乃」のオーナーだった森田さん、加藤さんと仲良くさせていただいていたお陰で、思いがけず譲っていただくことになったこのガラスケースは、もともとサロンに置いていた昭和初期のガラスケース3点セットとも雰囲気がぴったり。もう一度白くペイントし直し(筆や刷毛なら任せて!美大出身の私はペンキ塗りが得意です!)、ソーイングのツールやハンドメイドのレースをディスプレイすると、商品もぐっとグレードアップして見えます。
商品のディスプレイは、私の大好きな仕事。チェストの上にはフォトフレームや、ミラーを並べて淑女のブドワール風に、ミシンの上にはソーイング小物やクッションなどを置き、赤い色で統一。思わず、自分で「可愛い〜。」と呟いてしまいます。明日、仕上げをして明後日からのフェアに備えます。
さて、「桜乃」をクローズされた森田さん、加藤さんは、それぞれ新たな一歩を踏み出されています。森田さんは、「色葉(いろは)」という名前で、再びアンティークやビーズのお仕事を始められました。またお客様にも、お目にかかる機会があるかもしれませんね。
さぁ、私は今からペチコートのアイロン掛け。今回は可愛いペチコートが色々新入荷していますよ!
生地に関しますお手入れのことを書きましたら、お客様のお一人からレースについては?というご質問をいただきましたので、今日はレースのお手入れについて。
もっとも、レースの場合は、なるべく洗わなくてもすむ状態の良いものを買付けることが原則ですが、しみなどがあったり、埃っぽかったり、どうしても洗わなければいけない場合は、繊細なレースでも洗うことがあります。 まず、マルチーズボビンなどのシルクの場合は、シルクOKのお洒落着洗いなどで手洗い、しぼったりせず押し洗いします。洗った後は、お風呂のふたの上などに広げて平干し。機械織りのボーダーなどコットンのレースも同様に、あまり神経質になることなく、ざっと手洗いします。乾かした後は、やはりアイロンを掛けてピシッと仕上げます。
あまりに汚れがひどいものやシミがあったりすると、イギリス製のバイオテックス(たぶん重曹が入っている洗剤だと思われます。)という洗剤で浸け置き洗いや、洗剤の液につけたままコトコト煮てきれいにすることもあります。長いときは1時間も煮込むと、アラアラきれいに。同様な洗剤は日本では手に入りにくいと思いますが、イギリスのディーラー達は「重曹で煮込めばきれいになるわ。」と言っているので、同じ要領でお鍋に重曹と水を入れ、その中にレースを入れて煮込んでみるのも良いと思います。
私も最初は「レースを煮る?」と抵抗があったのですが、どうなってもいい端レースから試し、今では必要があればハンドメイドのレースも浸け置き洗いしたり、コトコトしています。どうしてもとれないシミや、ひどい汚れのある場合は、お試しになってみてはいかがでしょう。
あ、この重曹は本当に優れもの。アンティークのシルバー製品にもおすすめです。どうしても取れないシルバー製のティーポットの内側の茶渋など、湿らせた布とこの重曹でこすり落とすように拭くと、あらあら不思議。みるみるうちにきれいになります。こちらもどうぞお試しあれ。
今日は一日、新入荷のお手入れ。フランスで買付けた生地のお手入れです。このフラワーバスケット柄の生地、シックなベージュ地が気に入って買付けた物ですが、大きさはあるものの三角に近い不思議な形、何かのカバーだったのかブレードで縁取られ、両面が生地になっていました。
まず、ブレードと縁のミシン目をスリッカーで外し、2枚の生地にします。スリッカーで外したミシンの縫い糸を、生地に糸が残らないように、ガムテープで取り除きます。100年近く前からどこかに飾られていただろうこの生地、見た目には特に汚れていなくとも、スリッカーでミシン目を外していくだけで、100年の埃で、手は埃っぽく、目はショボショボ、ノドはイガイガしてきます。
次に2枚の布を手洗いで優しく洗います。まず、洗剤を溶かした水に生地を入れると...水は、みるみるうちにもぁ〜とまっ茶色に!その時点で「ギョッ!」としますが、きっとタバコの吸われた部屋に永年飾られていたものかもしれません。何度も水を変え、茶色の色が出なくなるまで洗います。洗ってこざっぱりすると、次はネットに入れて洗濯機で脱水。
乾いた生地は、アイロンを掛けてピシッと仕上げます。これでやっと出来上がり、きれいな生地なりました。アンティークの再生とでもいいましょうか、手に入れた古いものをきれいにするのは、自分の手で甦るようで大好きな仕事です。また明日にも、他のアンティークたちが、私のお手入れを待っています。
この画像、一体何かお分かりになりますか?そう、またしてもお風呂ネタ。これは、私が長年密かに欲しがっていた「海綿」なのです。
様々な入浴剤(最近のお気に入りは無印良品の“ミルク”、甘い香りがやめられません。)や、バスバブル(グリーンティーの香りのするロクシタンの“テ・ヴェール”がお気に入り。)、果てはキャンドルなど、お風呂好きな私はバスルームに色々なものを揃えていますが、今回入手したのは子供の頭ぐらいはあろうかというぐらい大きな海綿。この大きな海綿、10代の頃に読んだ小説に出てきてから、なんだかとても贅沢な気がして、長年のささやかな私のユメだったのです。
そして、昨日、長年のユメ叶い、思い切って手に入れてしまいました。(思い切るほどの物でもないのですが。)いつもは、出張先にまで持参するボディブラシ派だったのですが、一度泡いっぱいの大きな海綿で体をこすってみたいという誘惑に勝てずついにGet。「エーゲ海産」と謳い文句にあったLサイズの海綿です。
乾いたそのままでは硬いのですが、「まれに貝殻や海草が交じっていることがあるので、最初に揉み洗いしてください。」という注意書きどおりにお湯に浸けてみると、ほのかな海の香りが。「これってエーゲ海の潮の香り?」海の大好きな私は、それだけで既に陶酔状態。そして、石鹸をつけて実際に体を洗ってみると...石鹸を含んだ海綿の優しい感触がとにかく気持ちいい!うっとりしながら、いつもの倍以上の時間をかけて体を洗ってしまいました。
「あぁ、また今晩もあの優しい海綿で体がこすれる。」と思うだけで、嬉しくなってしまう、ささやかなさかざきの贅沢でした。
やれやれ、京都でのお仕事も終わり、久方ぶりに自宅に戻りました。やっぱり自宅が一番!京都はご存知の通り山に囲まれた盆地ですが、どこまで行っても開けている濃尾平野で生まれ育った私には、それが圧迫感となって、知らず知らず息苦しい気持ちになってしまいます。逆に、京都で生まれ育った私の知人は「山が側に見えんと不安やねん。」と言い、彼女にとっては盆地の中にいることが心地良さにつながるそう、人それぞれです。
京都でのお仕事がのんびりしていたせいか、ついつい以前、ひんぱんに京都へ遊びに行っていた頃を思い出してしまいました。上手くいかなかった恋愛のひとつ(あいにく上手くいかなかったことばかりです。)、私にとっては遥か昔、もう10年以上も前のことです。そういえば、たしか9歳年上の人だったので、「もうあの頃の彼の年齢を超えてしまったんだ。」と思うと不思議な気持ち。いまさら考えてもバカバカしいと思いつつ「どうして上手くいかなかったんだろう?」と、ひとり頭の中がグルグルしてしまいました。普段はほとんど思い出すことも無いのにそれが京都という街のなせる技でしょうか、妙にセンチメンタルになった一週間でした。
さぁ、今日は少しだけゆっくり過ごしたので、明日からサロンでの新入荷の準備とホームページの更新のため、また一生懸命働かなくては!
季節は知らないうちにもう初夏ですね。
2005年06月06日(月) |
京都の思い出 その3 |
京都滞在も今日ではや7日目。泊まっている京都駅周辺にもすっかり慣れてしまい、本当は四条河原町よりも、もっと北の方へ出掛けたいところなのですが、いかんせん近鉄でのお仕事が...。そうでした。私達、京都にお仕事で来ていたのでした。
そんな中、私にぴったりの本を近鉄の中に入っている本屋さんで見つけてしまいました。その名も「京都極楽銭湯案内」!
京都は、まだまだ銭湯(しかもスーパー銭湯ではなく私好みの昔ながらのお風呂屋さん)がたくさん残っていて、以前は京都へ来るたび、ひとりであちこちのお風呂屋さんに入りに行っていたものでした。大きなお風呂に浸かって、近所のおばあちゃんと世間話をして、すっかり元気になってしまう所、それが銭湯でした。ちょうど、この本の巻頭に載っている船岡温泉も、地図で探しあぐねて出掛けた思い出があります。
船岡温泉は、お風呂屋さんのアンティークともいえる大正時代の創業で、有名な上海事変を模した欄間が有名な、豪華で重厚な作りのお風呂屋さんです。すぐ側にあった美しいマジョリカタイルで有名な藤森湯にも是非入ってみたいと思っていた矢先、数年前にこちらは廃業し、いまはカフェになっているそうで、残念です。「カフェもいいけど、やっぱりお風呂に入りたかった...。」と風呂好きの私は思ってしまうのです。
銭湯のあの大きなお風呂、たくさんのお湯に贅沢さを感じ、お湯に浸かって思わず「ゴクラク、ゴクラク」と呟いてしまうのは私だけでしょうか?これって、やっぱり魚座の宿命?
ついで、というかこんなサイトも発見しました。 「お風呂屋さん的京都案内」
2005年06月05日(日) |
京都の思い出 その2 |
また別な折、京都の思い出といえば、やはりお客様に「芸妓遊び」に連れて行っていただいたことでしょうか。そのお客様は、エンジェルコレクションでは珍しい男性のお客様、名古屋でご自身の会社を経営されている実業家です。実業家といっても、その方の魅力は絵画や歴史に大変造詣が深くていらっしゃること。ご自宅にお邪魔すると、素晴らしい絵画や刀、鎧など様々なミュージアムピースに溢れていて、さながら「触って遊べる美術館」のようなおうちなのです。
その方とはコレクションされていたステッキを介してのお付き合い。ヘッドがアイボリーの繊細な彫刻で出来たもの、美しいシルバーの細工の礼装用のもの、ハンドルの中に小さなウィスキーボトルとグラスが仕込まれたチャーミングなもの、ヘッドが小さなポーセリンのハーフドールになっている女性用のもの。様々なステッキをイギリスからその方のために運びました。
そんなある年、まだ松の内も明けないなか、「食事でもしよう。名古屋駅で待ち合わせを。」という連絡に、名古屋駅まで出かけてみると、「今から京都まで行くから。」と。誘われるままに京都行きの新幹線に乗り、京都駅から南禅寺近くの料亭に連れて行かれると、彼の馴染みの置き屋の芸妓さん方が来ていて、思いもかけず「芸妓遊びの夜」を味わうことになったのでした。
芸妓さんといっても、本当にまだ若い女の子。でも流石にその道のプロだけあって、お客様を飽きさせず、踊りも上手、何よりお正月用の衣装の綺麗だったこと。芸妓さんが「お正月用の飾り」と言って付けていた稲穂の髪飾り、置き屋のお母さんの小さな小さな名刺、見た目も美しい懐石料理、さながら日本文化の万華鏡のような一夜でした。
その夜、またふたたび新幹線に乗って名古屋に帰り着いたのが、夜中の12時近く。まるで魔法が解けたシンデレラのような気分でした。
実は、京都は私にとって、アンティークのお仕事を始めるずっと前から、大の馴染みの場所。今までに何度訪れたことでしょうか。クラーク記念館やアーモスト館などの古い洋風建築を見に、同志社大学に紛れ込んだり(当時はまだ「学生」と言っても通用する年齢だったんですよね〜。)、北山通りの植物園でフランスパンにワインとチーズでピクニックしたり、鴨川沿いを散歩したり。四条の鴨川べりにある東華菜館のスパニッシュ風の建物が面白くて、何度か行ったなぁとか、木屋町にある骨董品的カフェ(?)「喫茶ソワレ」でゼリーポンチを食べたなぁ、あんなところにも行った、こんなところにも行った、と思い出は尽きません。
そんな私のお気に入りの場所だったひとつは、京大の近く、百万遍の関西日仏学館の1階にあったカフェ ル・フジタ。天井の高い古い洋風建築と壁に飾られた藤田嗣治の絵がぴったりの趣のある空間でした。と同時に、建物の前庭がテラスになっていて、初夏の頃に木立の中のテーブルでいただくビールが美味しかったことが忘れられません。
このル・フジタ、残念ながら数年前の日仏学館の改修で、前庭のテラスとともに消えてしまいました。雰囲気のある気持ちの良い場所だっただけにとても残念です。
え?「いったい誰と行った?」ですって?それはヒミツです。
夜空に浮かぶ京都タワー。思わず「蝋燭タワー」と呼んでしまうのは私だけ?どうもこの京都タワーのビルの地下には銭湯があるらしい!?やはり銭湯好きの私(以前、河村が来る前は常に愛車デリちゃんに「お風呂セットを」常備し、見慣れない銭湯を発見するたび飛び込んでいた。現在は、残念ながら河村が銭湯に全く興味を示さない為、休止中。)としては、一度は体験しないといけないかなぁ。この京都タワーの後ろにあるプラッツ近鉄で昨日からフェアが始まりました。
そして、今回は京都へやってきました。京都は、年に3回も骨董祭で訪れていますが、デパートでのフェアは久しぶり。今回は一週間、駅前の近鉄のお仕事です。 早速昨日は、関西方面のお客様が来てくださり、買付けのお話をしたり、ゆっくりアンティークをご覧いただいたり、皆さん思い思いの時間を過ごされてお帰りになりました。やはり、デパートでのフェアの場合、骨董祭とは違ってゆっくりお客様とお話出来たりするのが嬉しいところ。特に「この日を楽しみにしていたんです!」というお客様の声に、こちらまで嬉しくなってしまいました。
その間を縫って、ホームページのLibraryページに2冊ほど、買付けの折に入手した本を掲載してみました。特に、今回掲載しましたタティングレースの本は、小さなガイドながら、なかなかおすすめです。お時間のある方は、是非覗いてみて下さいね。
2005年06月01日(水) |
今から行ってきま〜す! |
昨日の朝、東京から戻ったのですが、またまた明日からの近鉄京都店のアンティークフェアに向け、今から出掛けます!
京都は、骨董祭などで年に3回は行っておりますし、色々馴染みの街でもあります。(その理由はまた次回ゆっくりと!)でも、京都のデパートのお仕事は久しぶり。骨董祭とはまた違って、綺麗な場所で、綺麗に飾りつけができるのも嬉しい、お客様ともゆっくりお話出来るのも嬉しいし、何よりじっくりアンティークをご覧いただけるかと思います。
どうぞ京都方面にお住まいの方は是非遊びにいらしてくださいね!お待ちしております。 では、行ってきま〜す!
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