さかざきが綴る「アンティークな日々」
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プランタンの仕事などで東京に来ているときには、たいがい晴海のホテルに泊まっています。本当はプランタンのある銀座界隈に泊まるのがよりベターだとは思うのですが、銀座にはほとんどと言って良いほど駐車場付きのホテルが無い為、必ず車にアンティーク満載でやってくる私達には無理。そんな訳で銀座からバスで15分ほどの晴海に毎回泊まっています。
今日も、朝ホテルを出て、銀座へ向かおうとバスに乗ると...。晴海には4路線ほどあり、銀座を通るのはそのうちの2路線、「東京駅南口行き」と「四谷行き」です。なのに、うっかり「東京駅八重洲口行き」に乗ってしまったから、さあ大変!バスに乗ってしばらく、「いつも曲がる晴海通りを曲がらない!えぇっ!?」と思ったところが、同じ東京駅行きでも八重洲口側に向かうバスだったことに気付いたのでした。
バスは、その後月島へ向かい、どんどんいつものルートから外れていきます。もっとも終点は東京駅なので、とんでもないところに行ってしまう可能性はないですし、河村が「早番」として先にプランタンに入っているのですが、いったいいつになったら銀座に着けるのか気が焦るばかり。どこで降りて何に乗り換えようかバスの天井近くに張ってある路線図とにらめっこです。
その後、バスは佃島で向かいます。「へぇ〜ここが佃島なんだ。」隅田川沿いの高層マンション群の側を通り過ぎ、バスは新川へ。キリンビールの本社前を通り、キリンビールに勤める知人を思い出します。「こんなところへ通ってたんだ。」結局、八丁堀に差し掛かったときに地下鉄日比谷線が通っていることを思い出し、「これで地下鉄で銀座まで行ける!」とほっとしながらバスを降りたのでした。
地下鉄に乗り継ぎ、プランタンまで着いたときは「ヤレヤレ」と既に一仕事終えたような安堵感。ちょっとした小さな旅をした気分でした。私は地下鉄よりも「バス派」、買付けでロンドンやパリにいる時でもバスが大好きです。間違えても降りればいいしね!
最近日本ではブームなのでしょうか?お菓子屋さんの店頭でもマカロンを見るようになりました。そういう私もマカロンが大好き!プティマカロンは軽いお菓子ですが、もともとのマカロンは直径が5〜6cmはあるでしょうか、中のクリームとあいまって、ずっしり重く、ややヘビーなため、もっぱら買付けでパリに行くと、様々な種類のプティマカロンを買い込んで試しています。
フランボワーズ、ピスタチオ、シトロン、特に色のカラフルな可愛いマカロンに惹かれてしまいますが、実際のところ私の好みはココ(ココナツ)とキャフェ。いつも、紙袋に入れてもらったマカロンを手に、道すがらひとつふたつと口に運んでしまいます。
そして画像のマカロン、私のマカロン好きなのをご存知のお客様が、プランタンの会場へ持ってきてくださいました。この季節の限定販売という抹茶とゴマの風味のマカロンです。またまたコレが美味!特にグリーンの色も美しい抹茶は、口いっぱいに抹茶の香りがひろがって、またフランスで食べるマカロンとは違った美味しさです。プランタンの休憩室で「う〜ん、シアワセ」といっきにパクついてしまったのでした。あ、もちろん河村と“はんぶんこ”しましたので...。独り占めなんてしていませんよ。
今日は、プランタンのフェアが終わったあと、私達のディーラー仲間であるペルグラ・アルティスの渡辺さんのお宅へ、およばれしました。渡辺さんは、イギリスのサザビーズのスクールへの留学経験もあるジュエリーのスペシャリスト、独特の品揃えに定評のある女性ディーラーです。先日横浜での骨董祭の折にご自宅へ伺ったローズコテージの小泉さんもそうですが、渡辺さんとは、昨年秋から、札幌、名古屋、大阪、そして先日の東京プリンスと、数々のお仕事で一緒になり、ことに名古屋にいらしたときには自宅へ泊まっていただいた間柄。大阪では、一緒にホテル近くの温泉にも浸かったハダカの関係(!)です。
今回は、以前から「是非うちへも遊びに来て!」という渡辺さんのお言葉に甘えて、プランタン銀座閉店後、上野にある渡辺家へお邪魔しました。渡辺家は、渡辺さんご本人と80歳を超えるお母様、フランス語通訳者のお姉様、女性ばかり賑やかで華やかなの三人家族です。
前日に「何が食べたい?」とこちらのリクエストまで聞いてくださった渡辺さんの手料理は、水餃子やかに玉、チンジャオロースなど様々な中華の大皿が並ぶ大御馳走。あまりの美味しさに日記に載せる為の写真を撮ることも忘れ、せっせといただいたのでした。
また、食べながらのおしゃべりの楽しかったこと!ご一緒させていただいたお母様やお姉様を交えて、イギリスやフランスのこと、アンティークのことなどお話しがつきません。ことに、ジェーン・バーキンやゲインズブールの来日の際の通訳やディオールやエルメスの通訳など第一線でお仕事をされているお姉様のお話はとても興味深く、夜の更けるのも忘れて、すっかりお話に夢中になってしまいました。
そして、気付いたときには時計の針は12時近く。終電に乗るために私と河村は、まるでシンデレラのごとく大慌てで渡辺家を後にしたのでした。終電に間に合ってよかった〜。
2005年05月24日(火) |
今日からプランタン! |
今日からプランタンのアンティークフェアが始まりました。フェアのスタートは、デパートが開店する10時半からなので、会場の搬入や飾りつけなどの設営はその朝にすることになります。今日は、時差ボケもなんのその、朝5時に起きてプランタンへは6時に入り、閉店の午後8時半まで長い長い一日が始まります。
設営に使える時間は、約4時間半。これは、数ある催事の中でも一番短い搬入時間の為、飾りつけ中のフロアは戦場、しかも開店時間前のデパートは冷房を入れていないため、蒸し風呂のようです。今日も何とか時間内に設営でき、作業用のTシャツからきちんと販売用の服装に変身し、やっとお客様をお迎えできる用意が整いました。
そして今日、たくさんのお客様がプランタンに来てくださって、それは楽しい時間を過ごさせていただきました。皆様に、今回新着した商品をみせびらかしたり(!?)、ブラウスを試着したお客様のあまりの可愛さに「可愛い〜!」と別なお客様とともに叫んでみたり、本当にアンティークを介して皆様とお話し出来ることがどんなに楽しいことか。
そうそう、実は東京出張にかまけてすっかり忘れていたのですが、昨日5月23日でホームページを開設してから4周年となりました。パソコンもたいして覚束ないのに、おっかなびっくり始めてから早4年。ここまで何とか続けてこられたのも皆様のご愛顧のお陰です。ありがとうございます。どうぞ今後とも応援宜しくお願い致します!
2005年05月23日(月) |
明日からプランタン! |
明日のプランタン銀座のアンティークフェアのために自宅の庭からこんなバラたちと一緒に東京へやって来ました。
明日からのプランタンのフェアのために、先程東京に着きました。今日は昨日とうって変わってお天気もよく、気持ちの良いドライブ日和でした。名古屋から東京まで、車で東名高速に乗ることがほとんどですが、私が特に好きなのは、左右に海を見ながら運転できる浜名湖界隈。そして、お茶畑の山の間を縫って走る静岡の手前あたり、やはり右手に太平洋を見ながら走る静岡県の由比ガ浜あたりです。
特にサービスエリアのある由比ガ浜は、名古屋側から東京方面に走ると、トンネルを抜けると一気に海が開けるところで、その雄大な景色に、海が大好きな私は、「あぁ、海だ〜!」と毎回感動してしまいます。そこからしばらく右手に太平洋の大海原を眺めながらの走行はとても気持ちが良く、仕事で東京へ向かうことなど一瞬忘れて、すっかりドライブ気分になってしまいます。ここ、由比のサービスエリアは、そのまま歩いて海岸に降りることも出来、ちょっとした浜遊びも出来ます。(最も今日は通り過ぎただけですが。)「あぁ、海に行きた〜い!」この夏は買付けがてら南仏の海で泳げたらいいなぁ、とそんな淡い期待を抱いる今日この頃です。
いよいよ明日からはプランタンのアンティークフェア。たくさんのお客様にお目にかかれるのが楽しみです。
アイボリーの花びら、その中心が淡いピンクに染まっている“マチルド”は、優しい色合いが大好きなバラです。
今日は雨降り。明後日からのプランタン銀座のアンティークフェアのために、明日東京へは庭のバラを持って行こうと思っていたので、「こんな雨降りでは花が痛んでしまう。」と心配しています。
またまた明日から東京へ一週間ほど出掛けます。ここ数日は、連日サロンへこもって、東京へ持っていく商品の整理をする日々。時差ボケの体にムチ打って(?)連日、レースや生地に埋もれています。通常、アンティークのお手入れや、整理をするのは楽しい仕事ですが、なにぶん時差ボケ働かない頭のままなので思うにまかせず、夜は夜で、先日の買付けの様子を「買付け日記」にしたため、誰も言ってくれないので、仕方なく自分で自分に言っております。「ヨッ!この働きモノ!」と。「買付け日記」、今回の買付けの奮闘振りをお伝えしております。まだ見ていない方は是非どうぞ!
東京の方々、待っていてくださいね。プランタンでお目にかかれますのを楽しみにしております。会いにいらしてくださいね!
自宅の庭ではいよいよバラが満開ですが、ゆっくり庭に出て愛でる時間もなく残念です。
買付けから戻りましてから「アンティークな日々」ならず「時差ボケの日々」を過ごしているさかざきです。買付け後の辛い日々、それはみな時差ボケのせいです。今の時期、イギリスとは8時間、フランスとは7時間の時差があるため、日本にいながら、体だけは7〜8時間遅れていることになり、なかなか体を日本時間に戻すことが出来ません。買付けのたび、毎度のことですが、辛い思いをしています。
時差ボケの顕著な例としては、まず夜寝付くことが出来ず、明け方になってようやく眠りにつき、当然昼近くまで起きることが出来ず...「あぁ、また昼近くまで寝てしまった。」と自己嫌悪しながらむっくり起きることになり...。河村とふたり「つらいよ〜、つらいよ〜。」と鳴いています。(「泣いています。」ではありません。)「なるべくお日様の光に当たるのが良い。」と聞き、せっせと当たっているのですが、あまり効果があらわれません。
毎回、帰りの飛行機に乗るたび、「ここで日本に着くまで十数時間眠らずに過ごせば、時差ボケにならずに済むかも。」と思いながら、実際は連日買付けに出掛けていた疲労から、シートに座ると機内食さえ待たずにぐっすり眠ってしまい、結局そのまま「時差ボケ生活」に突入となってしまうのです。
アメリカには時差ボケのための薬があると聞いたのですが、原料が牛の脊髄だったか脳だったかと知り、狂牛病が恐ろしくてあっさり諦めました。どなたか安全でかつ有効な時差ボケ解消法をご存知の方は、どうぞご一報を。あ、時差ボケでも一生懸命マジメに今回入荷しました商品の整理をしておりますので!
2005年05月18日(水) |
買付けから帰ってきました! |
ようやく昨晩遅くに、イギリス、フランスでの買付けから戻ってまいりました!まだ時差ボケのためやや頭が壊れ気味ですが、今日から社会復帰しています。
今回の買い付けといえば、何よりもイギリスの寒かったこと!雨はもちろん雹まで降って、「イギリスの5月ってこんなに寒かったっけ?」と思うほど。今までにも5月の買付けは何度か経験済みですが、こんなに寒かったのは初めてでした。出かける前に日本がとても暖かく、連日半袖を着ていたこともあり、ウールやフリースの物は何一つ持って行っていない私は、連日Tシャツを3枚重ね着し、その上にコットンのセーター、コットンのカバーオールジャケット、首にはパシュミナをぐるぐる巻き。とにかく持っているものすべてを着込み、パンツの下には、あまりの寒さに仕方なくイギリスで買ったタイツまで履いて震えていました。
ですが、買付けは上々です!今回も色々たくさんの物との出会いがありましたし、興味深いアンティークいっぱいの美術館にも訪れました。また買付けの詳しい内容は、ホームページ「買付け日記」でお知らせします!UPまでどうぞもうしばらくお待ちくださいね。
でも日本も寒いですね〜。
まだ自宅のバラ園のバラたちは、ほとんどの蕾を開きませんが、蔓系のカクテルとこの一重のバラ、アルテシモだけはもう満開、枝いっぱいにびっしりと沢山の花々をつけています。アルテシモは、ビロードのような緋色の花びらが印象的でもありますし、とても丈夫な品種だと聞いています。今日も父は、バラ園の中で日がなバラたちの手入れをしていたようです。ちょうど買付けから戻った頃には、他のバラもみな満開になっているでしょうか。
いよいよ明日からイギリスとフランスへ買付け。買付けは、体力的にはハード極まりないのですが、とってもとっても楽しみです♪やはり私の一番の楽しみといえば、それは買付けかもしれません。買付けは、このアンティークディーラーという仕事の中で、もっともエキサイティングな部分だといえるでしょう。定期的に海外の空気を吸うこともそうですし、何より、「どんなアンティークに巡り会えるか?」このワクワク感は他の何にも換えがたいものがあります。
今日は、買付け前にしておかなければならない次の仕事の準備や、買付けのための買い物等、一日バタバタして過ごし(今回は飛行機のチケットなんて失くしたりしていませんよ!)、明日は朝6時半には自宅を出る予定です。たぶんまた今回も、自分の荷作りは最後になってしまうかと思いますが、「車の運転(長距離でも辛抱強く運転し、車庫入れが得意です!)」と並んで私の数少ない才能「パッキングの早業(ただ単に大雑把な性格だけという話も...)」のお陰で、軽くクリアしてしまうことでしょう。(うちのA型の河村はその正反対で荷物のパッキングにとても時間がかかります。)
向こうで、どんな物を見つけ、どんな体験をしたか、また戻りましたら「買付け日記」で皆様にお知らせしますね。それでは、行ってきま〜す!
東京プリンス脇から見上げる東京タワー。こんな近くで東京タワーを眺めるのは初めてです。
東京プリンスでのアンティークショウを終え、搬出を済まし、ようやく名古屋への帰路、今回も深夜の高速道路をひた走りながら、河村と二人いつもの「反省会」です。
ひとつ仕事を終えるたび、帰りの車の中で、その時の仕事について総括するのが私達の習慣です。特に今回の東京プリンスのアンティークショウには初めて出店したこと、普段はなかなかお仕事で一緒になることの無いハイジュエリーや高級な陶磁器を扱うショップなどが多数出店していたこともあり、また、何より初めてお目にかかるお客様が沢山いらっしゃったことから、様々な点で非常に勉強になったショウでした。「次回はこんなふうにディスプレイしたい。」とか「もっとこんな商品を扱っていきたい。」とか、私達の反省会はつきませんでした。
でも、最終的に思ったこと。それは商品の構成でも、お客様に対する態度でも、まずは「私らしくあること」かもしれません。そして、「出来ることからコツコツと。」まずはそこから私達のバージョンアップを図りたいと思います。
そんな話をしているうちに自宅の名古屋に着いたのは午前3時でした。大阪の仕事から始まって忙しかった4月、4ヶ所にわたる出張の連投が始まる前は「魔のロード」なんて呼んでいましたが、何とか無事乗り切ることが出来ました。会場やメールで励ましていただいた皆様に感謝!
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