++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2006年10月31日(火) 神無月の終わりに

学校行事への参加は ほんの少しだったにも関わらず
やっぱり今のわたしにとってかなりしんどかったようで。

帽子目深にかぶって遅めに行って隅っこで帽子にメガネ追加して
(なんともアヤシイ人みたいな格好だ)
子供らのだけ観てきたのにも関わらず帰るとグッタリで
暫く一日の活動できる時間は見事激滅した。

とにかく一度PCの電源を落として食事なり飲み物なりとって
シャワーでも浴びようものなら 
そのままソファーベットがオイデオイデする。
ほんの少し一休みしたら・・仕事再開 とか思っていたら
そのまま枕から頭が上がらない有様。

ノボセも相変わらずだし どうも欝に加えて
更年期もきてるようだ。症状が当てはまりまくり。
なんていうか そういう年齢になったってことを
改めて実感する。

普段があまりオトナらしさというかそういう自覚が
無いせいか どうにもピンとこないけど身体は正直だということか。


それでも昨日今日とシンドイながらもちょこまかと色々。
大切に想うひとたちに心配もかけてきたけど
そういうひとたちとの繋がりの温もりに力を貰ってる自分を
改めて見つけて なんだか嬉しくなる。



あたしは人との距離感の取り方が下手というか良くわからない。
それに 不意に全てに対して虚無感に囚われてしまう時があって
そんな時の自分は自分でも持て余すほど。
指先ひとつ動かすのも億劫で人との関わりも
ゼンマイが切れてしまったようになってしまう。

あたしの外枠しか知らない人にはその顔は見せないから
それなりにきちんと反応するけど 
その分 内側に透明な垣根があって
そこから出ないから相手も深い部分には入って来られなくなる。

あたしは人間関係に関しては極端に不器用だし
人の好き嫌いも表に出さないだけでかなりハッキリしてる。
遠慮無しに心傷にズカズカと踏み込んで来られる強引さは怖い。
決め付けられるのも苦手。拒否反応が出てくる。
一見 穏やかに見えるようだけど
かなり扱いにくい人間なんじゃあるまいか。


だから尚更そんなあたしの垣根を乗り越えて
この欠点だらけのヘタレのあたしを見つけ出して
辿りついてくれた人たちとの絆はとても深い。
ゼンマイの切れた状態のあたしに対してもごく自然に
せかすわけでもなく見守ってくれている。


それでもやっぱり怖いんだけどね。
得たものが増えればその分 失う時のことを考えて
耐え難いと思うから。
知っている分 余計にこれ以上は耐えられる自信ないって。


昨日は景色は灰色でも今日は少し暖色になってたり
それでも明日がどうなのかはわからない。
一気に黒く塗りつぶされるかもしれないという恐怖は
いつだって隣り合わせ。



10月ももう終わりだっていうのに
まだ 家の中では半袖Tシャツに短パン穿いてるよ。


この所 夜に全然仕事できなかったから
今夜はこのまま朝までのつもりで頑張るつもり。
請けている仕事もあるし
仕事の幅が広がるチャンスの為の資料作りもしておきたい。
全部済ませるのが無理でも一度せっかくかかったエンジン
いつエンストするかわからないから尚更 できる時にやっておきたい。



子供と一緒に寝てやれない時には 儀式みたいに
下の二人が寝る前に 耳掻きして・・ってやってくる。
多分 膝枕して欲しいからじゃないかなって(笑)
こちょこちょ終わったら 順番にぎゅうううってしてチュウ。
そうしてやっと安心したように寝床へと戻っていく。

まだまだこんなところは甘えんぼう。
それが堪らなくイトオシクて
そうして セツナイ。 ・・・ごめんね。



今夜もまっくら部屋の中でPCのディスプレイだけが光ってる。

ああ・・いろいろな人たちに支えられて
あたしは
生かされているんだと不意に実感する。

当たり前じゃないかといわれたらそれまでだけど。
それが見えなくなる時もあるから。


自分が隅から隅までわかるのなんて自分しかないけど
自分のこんなちっちゃなカケラに気が付いて拾い上げてくれる人たちが
確かにいるということ。
それが自分の全てでなくても
それは どんなに嬉しいことだろう。


明日 泣かないといけないのなら
泣くのは 明日にしよう。
今日 暖かな想いを胸に灯(とも)せたなら
それを抱きしめて
微笑んで

眠ろう。

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                               ゆうなぎ



2006年10月29日(日) この靴を履いて。

土曜日、業者さんに来てもらってとにかくもトイレの件は解決。
でもこういうことでの1万5千円也の出費ほど
もったいなく感じるものは無い。

ラーメンなら何杯分よ〜とか
洋服とか好きな雑貨とかかなり買えちゃうよ〜とか
大変セコイけどまさにトイレにお金流した気分。

でもとにかくマジでトイレのことは死活問題だから
良かったと思うべきだな。
自分とこは勿論、完全に詰まって水漏れなんてことになれば
人様にも迷惑かけることになる、っていうか
そういうイイコちゃん発言よりも
そうなったら”またあの家?”ってなるのが怖い。
あくまでも自己保身が小心者の真実。


歯医者では末っ子が抜け替わりの歯を抜くのを嫌がって
結局治療ならず。でも真ん中だけでも治療できたから
良しとしなきゃね。
治療は当分終わりそうに無いのがまた気重だけど。


今日は例の学校行事の日。
子供達はお弁当持参でいつも通りの登校。
保護者は後から行くようになってる。

お弁当のことがあったから
昨夜は寝なかった。
気になることとか 大切なしないといけないことがあると
あたしはいつも寝られなくなる。

特に今みたいに下手すると目覚ましの音にも気が付かないで
寝入ってしまうような状態だと尚更。

それでも無事に?冷凍食品バリバリだけどお弁当を作り
子供達を送り出してちょっと一息。
とはいえ まだ眠れないけど。 
観に行ってやらなきゃ。

正直 気分は限りなく重い。
子供らにはすごく楽しみにしてるとか言ったけど
そうしてその言葉は嘘じゃないんだけど。

人が怖いし、でも話しかけられたら答えなきゃならない。
確かに反射的に笑顔でそれなりに反応は出来ると思うけど
その内面のストレスと重圧はあたしを押し潰しそうになる。
息が苦しくなってくる。

いつも通りに帽子目深にかぶって
できるだけ目立たない所で見つからないようにして
子供たちの所だけ観たら素早く引き上げるつもり。
子供達にちゃんと来て観てるっていうのがわかればって。
・・・・・ごめんよ。

 
この1週間 もがいて足掻いて必死で犬掻きして
何とか溺れながら泳いできた気がする。

月曜日は下の二人は代休だけど
一番上は普通に学校。こちらはこちらで学校行事がまた控えてるし
受験の色々な手続きや奨学金問題やらで
考えないといけないことが山盛り。

それぞれ 全てが三人三様になるので
カレンダーに書き込んでても混乱しそうになる。
胃のキリキリと頭痛といやなノボセ汗・・・ふぅ・・・。


こんな感じなので大切な人たちとのコミュニケーションも
どうしてもきちんとできなくなってる。
せっかく電話貰っても出れなかったりメールの返事や
掲示板でのやりとりもちゃんと返せなかったり。

こうして日記ならかろうじてでも書けるんだけれども
(それは多分 これがいくら公開とは言っても
 自分の為の極めて個人的なものだからだと思う。
 いわば自分から自分に宛ててのものだから)
対 自分以外になると 大切に思えば思うほど
キラワレタクナイという怖れも増すし 言葉がうまく出てこなくなる。

それともう一つ、多分 甘えてるんだと
あたしを深く知る人ならこのあたしの状態に何度か遭遇しているから
それでもいいと言ってあたしと繋がった糸を切らずにいてくれているから。

そうは言ってもそれでもやっぱり怖いんだけれども。
絶対っていうのは無いし
怖れ、怯え、甘え、期待・・・ごちゃまぜ・・
ああ・・これは説明するのがとても難しい感情。



とにかく今日は始まってる。
とにかく今日を生きる。

考え出せばきっと足がすくんでしまうから だから。


靴擦れをおこした踵(かかと)にはバンソウコウ貼って

また この靴を履いて出かけよう。
とにかく この靴を履いて出かけよう。


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                               ゆうなぎ



2006年10月27日(金) 帽子を目深にかぶって でも。

トイレが詰まった。

正確には昨日から詰まりかけてる状態で
あのゴムでできたパコパコですれば
ゆっくりなら流れていってたんだけど。

このままじゃ 完全に詰まった時に大変だと思って
業者さんに電話してとにかく来て貰った。
その時は何とか普通になったようだったので安心してたんだけど
やっぱり詰まってきたんだ。排水が昼間よりも良くない感じ。
再度 業者さんに電話して次の日の朝一番で来てもらう事に。

子供たちには使用後 流すのを控えるように言ってたんだけど
夜になって使用開始してしばらくたって
子供が使用後 呼ばれて見てみたら つい流してしまったみたいで。
汚い話で恐縮だけども便器の8割くらいに汚物水並々。


そこからはもう必死。
周りに捨ててもいいボロバスタオルを敷いて
ゴムのパコパコで何度も繰り返してパコパコパコパコ。
でもなかなか汚水は引いてくれない。
全身から汗噴きだす。額から流れてくる汗が目に入ってきて
前が見えなくなりかかるのを汗まみれの腕でぬぐう。

パコパコで圧力をかけるのは角度というかコツがあって
かなり難しい。ちょっと疲れてきて角度がズレると
汚水が跳ね返ってきて飛沫が髪や頬にまでかかる。

泣きそうな気持ち。キタナイキタナイキタナイ キモチワルイ
だけど
そんなこと言ってたって誰か代わりにやってくれる人間が
いるわけじゃない。
自分がやるしかない。

どのくらい気の遠くなるくらい繰り返し繰り返しやっただろう。
何とかとりあえず溜まってた汚水を引かせることに成功。
一度 試しに流してみたらスムーズに流れてホッとした。
それでもコトがコトだけに明日業者さんには予定通りに
来て見てもらうつもりだけど。
また出費が痛い。

それからとにかくシャワーを浴びて髪も身体も
ゴシゴシゴシゴシ洗ってやっと一息ついた。


今のあたしは人に対することがとても恐いし
ストレスが酷い。朝一番で業者さんに説明してとか
考えると胃がキリキリしてくる。
その上に明日はそれが済んだら速攻で子供たちを歯医者さんに
連れていかなきゃならない。


前日の心療内科でも先生にはいつもの報告でまだ良かったんだけど
薬を貰う時の薬剤師さんが今回は若い男の人で。
最近は薬剤師さんはそういう患者の状態を
掴んでおくことが必要とかいうのがあるからだろうけど
一通りの薬を確認しながら袋に入れつつ色々と質問して
こられるのに答えるのがなんていうかすごくしんどかった。


今 あたしは外出する時は絶対、帽子を目深にかぶって
日傘さして外に出る。
少しでも外の世界から人から身を隠す為に。

外に出るのも人に会うのも話すのもとてもしんどい。
せずに済むならどんなにいいだろうと思う。
外出したりそういう用事を済ませた日は帰ると
情けないけど ぐったりと寝込んでしまう始末。

此処一週間は特にアクシデントや病院や済ませないといけない用事や
なにやらで限界値はとうに越えてる状態。
でも土曜日もそんな感じだし日曜日も子供たちの
学校関係行事がある。

学校行事にだけはたとえ全部見れなくても我が子の所だけは
どんな無理しても出て見てきた。
だから今度も何とか。


階下の住人さんからあれからは一応何もないけど
気は緩められない。


口を開いて話すという行為が今 とてもきつい。
外に出るのも何かちょっとしたことをするだけのことも
掛け声を自分にかけてやっとやってる。
できるなら 何もせずにただ眠っていたい。
世界から遠ざかって丸くなって深い深い夢も見ないですむ場所で。
子供たちがいなかったら きっと そうしていたと思う。


疲れた なんて 今更。
それにいくら疲れたって休めるわけじゃない。
そんなことわかってるのにな。

泣いたって何も変わりゃしない。問題は解決しない。
弱音吐きながらでも這いずってでも
気の遠くなるような作業でも続けていかなきゃ。


まだ 倒れるわけにはいかないんだ。

まだ

まだなんだ。


笑えなくてごめんね。
笑いたいのに ね。
笑えたら どんなにいいだろう。

少しはきみを安心させられるのに。



でもそれでも側にいてくれるなら どんなにか嬉しい。

あたしの わがまま。

ごめん。


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                              ゆうなぎ



2006年10月26日(木) 四面楚歌

昨夜の出来事におけるダメージはやっぱり残っていて
音、特に指摘された足音と戸の開け閉めにはかなり神経質に
なっている自分がいる。

昼間は気になりつつも一人だからいいけれども
夜9時過ぎたあたりからは子供たちに今まで以上に注意して。
とにかく忍び足で戸の開け閉めは極力しないですむようにと。

ピリピリしてるのは自分でもわかってる。
だけど昨日の今日。
またもし苦情が来たら・・・考えただけで息が苦しくなる。

実はたまたま昼間 実家の父から電話があったので
つい昨夜の出来事を漏らしてしまった。
父は聞いてはくれたけど途中で 
「それをこっちに言われてもどうしようもないから
 **(長男)や下の子供たちと話合えば?」と。

無理も無いんだ。両親は大ばあの介護だけでも
かなり疲れているんだから。
わかっていたけど突き放されたような気がして
ボンヤリ哀しいなと思った。


父にとっては 愛し可愛がってきただけに今のわたしというものを
見るのが辛いというのもあるんだろう。
父の夢はわたしに養子のお婿さんを迎えて家を継がせて
畑仕事や庭仕事をそのお婿さんと一緒にすることだったと
母から聞いたことがある。

だから嫁には出したくなかったけれども娘(わたし)が
幸せになるなら・・と嫁がせた。

その結果がこれ。
散々娘に苦労をさせた婿は長患いの末に逝き
娘は若くして未亡人になった。
その後さえ相手方の実家との信じられないようなゴタゴタ。
その挙句 神経を病んで薬を飲み続けないといけなくなった
体調も半病人のような娘。

残された三人の孫の為にとは思っても
父だってもう歳だし 一人の感情ある人間だ。
疲れない方がどうかしてる。

後から 父から事情を聞いたらしい母から電話があった。
わたしのことが心配になったんだろう。
不安定になっていることはわかっているだろうから。
大丈夫といって電話を切ったけれど。

父にも母にも大ばあにも
この歳になって孝行らしいことの一つもできないまま
きてしまった。期待を裏切り続けてきた娘がわたしだ。


足音、戸の開け閉め・・と繰り替えしうるさく言っていたら
逆効果。みんなピリピリしてしまい 長男のちょっとした言葉で
口喧嘩になって末っ子が大声で泣き出した。

わたしは苦情が来ないかと気が気じゃない。
頭を掻き毟りたいような気持ち。 


長男からまで
「そこまで気にしていたら暮らしていけない 
お母さんは神経質になりすぎてる」と
かなり不機嫌な強い口調で言われて
余計に落ち込む。

四面楚歌。

あの日の既視感。


今回は末っ子が暫くしたら
「ごめんなさい」を言ってきて落ち着いたけど

長男はわたしに対してまた不満を抱えている気配。
仕方ないのかもしれない。
思春期でもあるし 本人は考えてるつもりでも
当たり前だけど まだ子供なんだから。


神経を患っているから 神経質になりすぎていると
そういわれたらそれまで。

でも現実に苦情は幻でもなんでもなくきていて
子供たちの状態もまだまだ不安定で
それは考えすぎとかそういう問題じゃなくて
実際に対応していかなくてはならないのは わたし。


10時を過ぎた時点でこの部屋の電気を消した。

さすがに暗いので小さなランプを持ってきて足元に置こうと思って
セットしてコンセントに差し込んで
少しは違うかな と思った瞬間 なんか足がコンセントに引っかかって
マヌケなことにランプを倒した拍子に電球を割ってしまった。

掃除機は使えないから大きなガラスは手で取って
小さなガラスを這いつくばってガムテープで引っ付けて。
必死でガムテープペタペタしながら
なんか・・また床に頭ぶつけたくなって
必死で堪えた。

気が付いたら指先に小さな切り傷が出来てた。
薄いガラスで切った傷は小さいのに変に痛い。
さっきから絶え間なくちくちくする。

掃除が終わって
懐中電灯を持ってきた。
気休めみたいなものだけど
足元に置いてる。
これくらいならカーテン越しの外に光も漏れないだろう。



明日は心療内科の予約日。
いつも通りに変わりありません と答えて
薬を貰ってこよう。





なぁ・・・あたし

今更

何を啼く。


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                               ゆうなぎ



2006年10月25日(水) つなわたり

電気消したまっくらな部屋でPC立ち上げてる。
ディスプレイが闇の中に妙に明るく光ってる。


また凹むかもしれないけど・・って書いてやっと立ち上がったら
数歩進んでまた欝の気配。

ここまでわかりやすいと逆に笑ってしまいそうになる。
まさに明日のことはわからない。一日一日が綱渡り状態。



日付が変わる少し前頃に階下の人から苦情。
足音と戸を閉める音が響くので静かにしてほしいと。
多分 2度目。
多分っていうのはインターフォン越しに数度
静かにって注意を受けててそれがお隣なのか
階下の人なのか不明な為。

弱弱しくいい訳しつつも結局平謝り。
でも今夜は子供らももう寝てるし
足音響くって言われてもトイレに行く時くらいだし
戸の開け閉めもしてないんだけど。

ただ今まで兄弟喧嘩の物音とかで
迷惑かけてきたのも事実なので
今回はウチじゃないと思うんですがと
言っても信じてもらえない。

集合住宅としては まだ音に関してマシな方だと思う。
苦情も声に関してではないわけだし。
それでも足音と戸の開け閉めは響きやすいんだろう。
勿論 真下真上が一番疑わしいだろうけど
戸の開け閉めに関しては特定は正直難しいんじゃないかな。

どうしてそう思うかというとウチも
足音やら戸の開け閉めに関して響いて聞こえてるから。
でも階上の人かどうか正直特定しがたい。

単にウチの場合はあたしが気弱なのとジブンチが
男の子三人で迷惑かけてるだろうから多少耳障りでも
人様には言えないっていうのもあるんだけど。

ウチはこれでも部屋にはみんな防音絨毯ひいてる。
こういうののトラブルとかが嫌だったんで。
むき出しの部分はトイレとお風呂に行く
ほんの数歩の狭い廊下?部分だけ。
それでもこうなってしまう。

階下の人はご夫婦と小さな女の子。
静かな暮らしだろうから
毎日が戦争みたいな男の子三人母子家庭の生活は想像できまいし。

男の子って普通に歩いても足音が重い。
ウチではつま先歩き、家の中では走るの厳禁としてるけど
喧嘩なんかの事態ではそんなの飛んでいってしまうし
夜中の寝ぼけてトイレに行く時なんかまで
つま先歩きしろというのはさすがにできない。

これを書くと女の子のお母さん方からお叱りを受けそうだけれど
女の子お母さんというのは傾向として
かなり気が強くてハキハキした人と反対におっとりとおとなしい人に
極端に二分化される気がする。
そしてハキハキさんは女の子一人のお母さんに多い。
いや もちろん絶対そうってわけじゃなくて
なんていうかたまたま今まで接してきた人たちが
そうだっただけなのかもしれないけど。

確かに一人娘さんの親御さんは今のように何かと物騒なこの時世
神経質にもなるだろうし押し出しも強くハキハキしてないと
子供を守りきれないと感じるんだろうし。






(此処からは少し いや、かなり個人的偏見と愚痴交じりなので
 見苦しく不愉快に感じられたらご容赦を。
 嫌な予感がする方は速やかにこの日記ページを閉じて
 いただければ有り難い。
 と これは 小心者のイイワケ。お許し願いたい)






ただこの一人娘さんのいるご夫婦揃った幸せなご一家の奥さんというのは 
かなり容赦がない人が多い。
サバサバしてるし陰険というのではないけど
ただ 人に対して正義を貫くというか 厳しい。
それが間違ってるっていうわけじゃなくて 
なんていうか うまく言葉にするのが難しいんだけど
自分は間違ってないと絶大なる自信があるから迷い無く
突き進む感じ。

男の子を持つ母親っていうのは男の子がどんなものか
知ってて自分も何度か頭下げて謝ってる経験してたりするから
明日はわが身、とそうそう強くは言わない。

また、自分が苦労していたり傷やトラウマを負っている人は
こういうやり方はしたくてもできない。

だから こういうことが言える、できるのって
ああ 今まで幸せに生きてきた人なんだろうなと思う。

ある意味 とても羨ましい。
人に対して深く考えずに自分の正義(意見)を
迷い無く言えるんだもの。

それが普通にできるのはやっぱりかなり人生において
生きやすい気がする。

男の子の親、女の子の親ってのはまた別にしても。
(それぞれ苦労も心配も形が違うだけで
 どちらも抱えてるわけだから)

幸せに生きてきた人は時にとても残酷だ。
それは無理も無いのかもしれないけど
だってわからないだろうから。
大きな二度と帰らないものを失くしたり
癒えることのない抉られた傷の痛みに
のた打ち回ったりの苦しみなんて
そうなってみないとわからない。

でもだからって苦労とか傷とか負った方が
偉いわけでもなんでもない。

ものすごく極論を言えば
苦労なんてしなくてすめばその方がよっぽどいい。
残酷なくらいに自分の正義に自信が持てる
そちら側にいられるものなら其処にいた方がいい。

気づかないでいられるなら気づかない方がいいじゃないか。




結局のところ そういうことで
あたしはまたかなり凹んでいる。
電気つけているとまたまだ起きてると思われて
冤罪かけられるのが嫌だから
多分 これから夜の仕事作業は電気つけないでする。

それでなくとも対人恐怖症だけれども
また拍車がかかりそうだ(苦笑)
次の会合の時に苦情の槍玉にあげられそうなのが恐いから
欠席しようと思う。

逃げてるとか言われてももういい。
村八分でも陰口でも別に家から出ないからかまわない。

自分の精神をとりあえず守らなきゃどうしようもない。
足音やドアの開け閉めの注意はしていこうと思うし
人様に迷惑をかけるのは本意ではないけど
どこかで開き直らなきゃ あたしは生きていけなくなる。

生きていけなくなるのは困る。
まだ困る。
しがみつくというよりもへばりついてでも
生きることから振り落とされないように今は。



綱渡りの紐は細く頼りなく
あたしのバランス感覚は悪いときている。
だから必死でしがみついてへばりついて渡っていく。
格好なんてかまっちゃいられない。


気になるけど気にしたら まっ逆さまだから

下は 見ない。


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                               ゆうなぎ



2006年10月24日(火) 明日は明日の・・・

ふぅ・・と息をひとつはいて。

とにかく朝 子供たちを無事に送り出すと
それだけでホッとする。
それでなくとも寝起きの良くないヤツらを
いかに起こしていかに朝食(らしきもの)を
食べさせるか・・・は 
あたしにとって充分な難問。

だから何とかでもそれがツツガナク済むと
随分キモチが軽くなるんだ。

気は緩められないけど。
嵐ってものは急にくるから。

でも明日は明日。
明日の風向きは明日じゃないとわからない。
そう自分に言い聞かせる。

元々先のことを考えて安全確保しておきたい性格。
慎重と言うと聞こえがいいけど要は超小心・臆病。

でもとにかく今はそれを丸めて押し込んで
とりあえず深呼吸しよう。
全部 それでイイことにしよう。

それでいこ!


結局 あたしはやっぱりタクマシイんだろうな。
転んで擦り傷、切り傷、打ち身に捻挫
のたうち回ってばた狂っても。

自分で起き上がって立ち上がらなきゃ
所詮しょうがないってことだけは刻みついてる。

埃と涙と泥でコテコテになった全身大の字寝転んだまま
空 見る。
青かったり 雲がいっぱいだったり 雨に叩き付けられたり
どっちにしてもこの手もこの足も
この身体は自分にしか動かせないので仕方ない。

ノッソリと起き上がるのはこれで何度目かはもう忘れたし
これほど繰り返してもまた明日か明後日かもっと先か
また 数え切れないほど これを繰り返すんだろうけど。

悟り 当分どころか 多分死ぬまで開けやしません。


でもヘタレ代表として
こうなったらめいっぱい矛盾いっぱいに
ニンゲンクサク生きてやろうじゃないか なんて。


生きてるってメチャクチャしんどいけど
やっぱり奇跡だって思います。
次に何が起こるかわかんない知らないってこと。

イイコトもワルイコトもヨコロビもカナシミも
ひっくるめてやっぱりスゴイって思います。
こうして息をしていられること。


足掻くだけ足掻くことが目標です。

アシタハアシタノカゼガフク


とりあえず あたし 今日を生きてます。

明日も生きたいと思ってます。


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                               ゆうなぎ



2006年10月23日(月) そしてやっぱり月曜日

起きぬけの髪はぐしゃぐしゃとベトベト感がミックスされてて
やっぱり昨夜シャワー浴びて髪洗えば良かったと後悔を新たにする。
嗚呼!もう週初め初っ端からこの始末。


今朝起きたのは5時過ぎで
昨夜寝たのは1時過ぎとかだったんだと思うんだけど
原因?は長男と唄のハナシで妙に盛り上がったから。

初めはあたしが気分転換にと携帯の着信曲色々変えたことからで
一応 それぞれに曲を分けてたりするんで
個別の着信曲とは別の基本的な着信曲に
親子して今 一番多分ハマってる 
マンガのアニメ化の主題歌設定。
試し鳴らし?してたらそれに喰いついてきた。

「やっぱ サイコーだよね。この曲すげーあってるもんね!」
っていう長男に力強く同意!
それからそのマンガの名場面?迷場面、名台詞と迷台詞を
交互に言っては そうそう!イイ!!って
一緒に笑い転げる。

そのうち 自分の中の名曲集にハナシは移って
そーいや 昔 家族でカラオケとか行った時の
おとーちゃんの得意な曲ってこんなのあったよね とか。
薄くホコリすら被った仏壇前で盛り上がってる二人。

下二人はとうに夢の中。
仏壇の中のおとーちゃんも呆れ果ててたかもだけど
だって 多分 これがあたしら家族流の偲(しの)び方。


何やってるんだろうねぇこの親子は。
一応、ジュケンセイとその母なんだけど。

さすが我が子 というか 笑いのツボ ソコよソコ!
わかりやすいほど精神構造も似過ぎなんだよなぁ〜って
この子の未来の道のりを案ずる。
けど それもきみの人生。頑張りたまえ。
肩叩いて背中押して送り出してあげるから。

落ちるも滑るも散るもバンバン使い放題。
「ったく配慮はないのかぁ〜〜〜!」っていうから
無いね!って力強く答えてやったら
「ひでー母親〜!」って大ウケして爆笑してた。

つうか そんなくらいで落ちるもんなら
どうしたって落ちるやろ。
それにもしも落ちてもそれで終わりなわけじゃない。
そこから別の道が拓(ひら)けるだけ。

塾にもいってないし こんな調子だから
むしろ本人の方がしっかりせんとあかん!と思うらしい。
なにやら模擬試験とか申し込んだりして行ってるし。
うん。自分なりに悔いの残らないようにやればいいんとちゃうか?
やるだけやった結果なら納得もできようよ。


そのうち いつの間にかどうも寝てたらしい。
何故か というか ほぼ予想通りに 
二人して 予定変更。

あたしの目論見→ちょっと一休みしたらPC立ち上げて仕事に戻る。
ジュケンセイA君の目論見→模擬試験の反省を踏まえて次の実力考査に
             備えて勉強。

玉砕。っていうか 自爆?


朝5時は中途半端な時間だったから
昨夜しかけ損ねた炊飯作業 即炊 スイッチオン。
味噌汁ありゃ 朝ごはんよしとしようよ。

月曜日恒例のそれぞれの持たせる洗濯済み用具の
振り分けとチェック。

とかしてたらすぐに6時だし。
PC開いてこういうの書いてると
もう7時じゃん 時間経つの早すぎ!

そろそろ子供たち起こすけど
多分 絶対寝起き悪いから アイツら。

ため息 ひとつついて
でもとにかくそろそろいきます。


結局 道に倒れてもジタバタしても
もう今度こそダメだ とか
何回目か覚えてすらなくなった台詞吐いて
空元気でも
あたしってば 充分に
生きることにまだしがみついてるってことです。


子供たち送り出したら仕事の急ぎの部分をとりあえず済ませて
それから シャワーしてこのベトベト逆立ち頭 スッキリさせて
ハチマキ締めなおして 始めることにします。




月曜日 週の初めの日に。


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                               ゆうなぎ



2006年10月22日(日) どうか夜が明けるなら  

誰か言って
激しく揺さぶって
"もう失うものなど無い"と
1人にしないで

Cage / 鬼束ちひろ より




ヘタレのめちゃめちゃ往生際悪い
みっともない支離滅裂の足掻き。

結局
甘えたかったんだと思う。
問答無用に。頭撫でて撫でて撫でてって。

だけど恐かった。
何言ってるの?って言われるのが。
自分のカンチガイで相手にキョトンとされるのが。
それってすごく相手には迷惑になる気がしてそれが堪らなくて。
自分も余計ミジメになる気がして。

超臆病モノ。

何処までだったらいいのか加減がどうにもわからないから
ちょっとした気配でも飛びずさってしまう。
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ 
他にどういったらいいのか言葉が見つからなくて
だからこの口癖が出る。ゴメンナサイ あ また と混乱。

自分のこととしてじゃないけど
「鬱病の人間と付き合うとこっちの神経までやられる」って
何処かで聞いた記憶が残ってて。
一見 それは冷たいような言葉かもしれないけど
実際振り回されてクタクタに疲れてしまった人の言葉だったから
確かに大変だろうし 難しいだろうなって
妙に納得してそう思った。
そのことが頭に残ってるからかな・・
もし去って行かれても仕方ないとか
あんまり深く人に触れちゃいけないとか思ってしまうのは。



大切なひとなら尚更そう思ってしまって。
だって困らせたくない。
それぞれに抱えてるのに それわかってるのに
これ以上の重荷になりたくない。


ううん でもそう言いながら
やっぱり手を伸ばしてる。
矛盾でいっぱい。

コドモみたいだよね。
ダイジョウブっていいながらウソツキ
気づいて欲しくて気づいて欲しくて気づいて欲しくて。


全然潔くない。
めちゃめちゃに生きることにしがみついてる。

疲れたとか生きるのがツライとか言いやがってもあたしってヤツは。

そういう意味ではヘタレで臆病モノの自分にカンパイ?
往生際の悪さと否定したくても事実のタクマシサ。


もうダメだって言って道に倒れて
今度こそ起き上がれないとかブツブツ言っていても
結局 ノソノソと地面から起き上がる。
それも
やっぱり気が付いたらお腹が空いてた とかいう理由で。

だからオンナノコにはなれないのかな?
だからオンナノコにはなれないんだろうね。


多分大丈夫。きっと大丈夫。結局大丈夫。
大丈夫 だよ。

ありがとう。

頭撫でてくれたよ。ちゃんと ねぇ。
それが嬉しかったんだ とても。



ありがとう。




どうか夜が明けるなら
どうか夜が明けるなら
誰か言って
上手く信じさせて
"全ては狂っているんだから"と
1人にしないで

Cage / 鬼束ちひろ より



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                               ゆうなぎ



2006年10月21日(土) ・・・・・ごめんね。

そう 頭を撫でて欲しかっただけ
何度でも何度でも何度でも。



アマエでもニゲテルでも何でももうよかった。
ただ いっぱいいっぱいになった身の内から
噴き出してくるものが
もうこの両手では抑えきれないほどになっていて。


必死で背筋伸ばしてきたつもりだった。
元々猫背気味だけどそれでも
それが自分にできる精一杯の顔のあげ方だった。

自分なりのちっぽけなものだけど
どうしても曲げたくないと思うものはあって
背伸びしてつま先立ってでもツジツマ合わせしたり。


小心者だし臆病だから良くも悪くも
せいぜいが静かに内部崩壊していくだけだろう。
ヘタレの意地はどうした?って我ながら情けないけど。


ごめんね って

いつの間にか口癖になってしまった言葉をまた呟いてる。


両親や大ばあに
子供達に
Kに
トモダチに
友人達に

そんな ごめんね なんて誰も聞きたくないだろうけど
でも 他に言葉が見つからない。
どうしたらいいのか もう わからない。

だから ごめんね。。


わかんないけど多分あたし まだ大丈夫。
壊れかけてもきっと壊れない。
そんなふうにできてる(笑)


あのね

ほんとに
ただ 頭を撫でて欲しかっただけ
それ以上 望めないことは知ってる。

だから
何度でも何度でも何度でも繰り返し
眠りにつけるまで。




・・・ごめんね。

ありがとう。


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                               ゆうなぎ 



2006年10月20日(金) 境界線

例えば言いたいことをそのまま口に出せるような
感情のまま とまではいかなくても
それができるのなら もう少し楽になれるのかもしれない と。

だけど例えば今 ほんの少しでも心の堰を切ってしまったら
そこから感情は今度こそ止められないほどに
溢れ出してしまうだろう。

傷つけ荒れ狂い吼え叫んで
そうして全てを壊して
嵐が去った後に残るのは虚しさ以外に何?


人は 必要な時には わたしを求めるけれど
反対にわたしがギリギリの境界線で手を必死で伸ばしても
精一杯の声をあげても 気づいてくれない。

元々わたしは そういうふうにできているのかもしれない。

どこからなら怒ってもいいのか、ここで腹を立ててもいいのか
長い日々の中で それは どんどんわからなくなっていった。


そうして 
こっそりと携帯にかかってきた1本の電話で呼び出された病院帰り 
小雨の降っていたあの日
川沿いの道を立ち止まっては何度も繰り返し
いつも通りに笑える練習をした時から尚更。

自分の感情と表情は遠くなるばかりで
どんな時でも感情を覆い隠して笑顔と快活な口調で話すことが
反射的にできるようになったことを自覚して
刻まれたモノを知った。


世の中には
助けを得ることが許されている人間と
それを期待するべきではない人間が
やっぱり確かにいるとそう思う。

そしてわたしはまぎれも無い後者だ。


苦笑と共に胃の痛みに顔をしかめながら
それでも無意識に空へ伸ばす手は
諦めの悪い証拠。


境界線のこっち側でそれでもまだ踏みとどまってるよ。
すごい格好だけどね。情けないくらいに。


矛盾と合わないツジツマで頭は爆発寸前。
投げ捨てられないバクダンなら呑みこんでしまえと。



いつか来るオシマイの日には
ひっそりと海をめざそう。

せめて。


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                               ゆうなぎ



2006年10月19日(木) 夜のブランコ

夜の公園にいた。

ブランコに座って ひとり
目の前の道路を行き交う車の
ヘッドライトの交錯する光が綺麗だな・・と
ぼんやり思った。



その日もいつも通り子供達を朝 何とか送り出して
洗濯だけはなんとか干したけど
後が続かなくて。

流し台は汚れた食器で溢れていて。
大きなゴミは拾って大まかな片付けはするものの
もう数日掃除機をかけてない部屋。
取り込んだ洗濯物が山を作ってる。
二日シャワーを浴びていない髪は痒くてキモチワルイ。

ちゃんとすればいいだけなのにそのちゃんとが
どうにもできない。

仕事もしなきゃと思うのに
PCの前でメールチェックした時点で居眠り。
肝心の請けている仕事が後回しになってる。
自分へのイイワケは”ちょっと休んだら始めよう”

確かに仕事だけは責任があるから余裕はとってる。
でも それもギリギリになってる現状。



その日は特に疲れていて
ちょっと休んで・・のつもりが
夕食準備の時間になってもどうにも起き上がれなくて。


そんな中 また兄弟喧嘩が始まった。
きっかけは何でもそうだけど些細なこと。
理屈屋の一番上の子は言葉でどんどん責める。
口下手で思うようにそれに反撃できない末っ子は手が出る。
大泣きというか吼えながら暴れだす。
それに対して上の子が頭にきて止めるという名目で
叩いたり・・になる。
歳の差がある分 手加減したつもりでも怒りでパンチは重い。
押さえつけて馬乗りになれば下手をすれば大怪我になりかねない。

さすがにわたしは放っておけなくなって
仲裁に入る。末っ子を叱りつつも上の子に注意を促す形になる。

末っ子は窓ガラスも割れそうな声で泣き喚いている。
一番上は自分の方に理があると思っているから
「悪いのは理屈に合わないワガママなアイツの方なのに
なんで自分までいつも叱られないといけないんだ!」と
睨みつけながら切り裂くような言葉を機関銃のように
わたしに向けてくる。
真ん中が扉の影から不安そうな顔をしてみている。


いつ止むともしれない泣き喚く声と
責められる怒声と
ぐちゃぐちゃな部屋がぐるぐるぐるぐるまわって
全部ふっと遠くなって

強烈な自己破壊衝動。



頭を猛烈に壁でもいい床でもいいぶつけたくなった。

でも
壁も床もここでは周囲に迷惑がかかる。苦情がくる。

腕を切るのは痛いし血が恐い。
飛び降りも恐いし人を巻き込むことになりかねない。
首吊りも苦しそうだし垂れ流しになるのは嫌だ。
ODでは成功の確率が低いし後遺症が残る確率が高い。

ここまで追い詰められてもまだそんなこと考えてる自分の滑稽さ。
とことん染み付いている小心。


それでも居たたまれなかった。
自分が破裂しそうだった。
だから

だから サンダルをつっかけて外へ飛び出した。

背中で子供の呼び声がしたようだったけど
振り返らずにただ
「ちょっと外にいってくるだけだから。
ちゃんと鍵を閉めておきなさい」
それだけ言い置いて。

半袖のヘロヘロTシャツに色褪せた半ズボン。
昼間この格好で外歩いてたら奇異な目で見られても
仕方ないだろうけど幸いあたりは暗い。

ポケットには携帯ひとつだけ。


夜の空気はこの時期さすがにひんやりとしていて
でもその肌寒いくらいの冷たさがむしろ心地よかった。

まだこの時間だと人とすれ違う。
できるだけ人のいない方に向かって当てもなく
ただ歩いた。
多分 どこでもいいから逃げ出したかった。
何ももう聞きたくなかった。

もしかしたらこれが死にたいということなのかなと思った。
いや死にたくなんかない。
多分生きれるものなら生きたいと
誰よりもそう思いながら みんな でも
溺れるものが空気を求めて喉を掻き毟るように
道を塞がれて。


最期までしがみつくと足掻くと言っていたのに
結局はヘタレのタワゴトに過ぎなかったか とか。
でもそんなことさえ もうどうでもいいように思えて
フラフラと逃げ場所を探しながら歩き続けた。


最期にKの声が聴きたくなって
電話したけどちょうど留守電で。
ああ・・この方がきっと良かったんだって思ったら
暫くしてKからの電話が鳴った。

取るか取らないか暫く迷ったけど
結局 通話ボタンを押した。
Kのいつもの声が聴こえた。
「お風呂に入ってたよ、ごめんね。
 元気がないようだけど どうした?」

外からの電話だと気が付いたようで様子がおかしいのも
わかったようで。

ポツリポツリと脈略ないわたしの話をただ相槌を打ちながら
Kは聴いてくれた。沈黙の長さにも負けずに。

何度か電話を切った。
もうこれでいいかなって思って。
でもKは何度もかけ直してきた。
出なかったからかメールも頻繁に入ってきた。
「まだ一緒にやりたいこと沢山あるんだからね!」
「ちゃんと帰るんだよ。いいね?」

何度目かの時にもう一度だけと電話に出た。

また暫くとりとめのない話をした。
気が付くと町内一周してバス停前の公園に来ていた。



ブランコに座って ひとり
目の前の道路を行き交う車の
ヘッドライトの交錯する光が綺麗だな・・と
ぼんやり思った。

電話の向こうのKに
ヘッドライトの光が綺麗だよ って言ったら
うん、そっか・・・ってとても優しい声がかえってきた。


ああ あたしは誰かに頭を撫でて欲しかったんだって
ただ 何度も何度も何度も。




家に帰り着くと真ん中の子が飛びついてきた。
「お母さん、絶対自殺したりしないで」と
泣きながら言われて
ぎゅうううと小さな肩を抱きながら
大事なあんた達残してそんなことするはずないじゃん・・と
笑って嘘をついた。

そんなことしそうになったけどなんて言ったら
この繊細に脆い震えている心を壊してしまうから。
心の中でごめんと謝りながらそう言った。

末っ子は涙の痕を頬に残したまま 蹲るようにして寝入ってた。
そっと布団に運んでいこうとしたけど重さに引きずるようになって
思わず苦笑した。
目を半分覚ましてたのか無意識なのか首っ玉に巻きついてきた腕が
愛しかった。

一番上の子は部屋にいた。
ただいま と声をかけると おかえり とぶっきらぼうな声が
返ってきたけど、ぐちゃぐちゃだった流し台の洗い物は
全部洗われてた。



本当にマヌケな話。
あれだけ歩いて 結局 戻ってきたのは此処。

でも戻ってくることができて良かった。



生きるということは簡単なようでいてやっぱり難しい。
だからヘタレのあたしなんかはしょっちゅう迷路に突っ込む。
だけどヘタレで有り難いのは臆病者ゆえの躊躇(ためら)い。

ツジツマも何もありゃしない みっともなさの中で
それでも しがみつこうとする本能。

それでもいいから と思った。
それでもいいじゃないか と思った。

なりふりかまわず 生きてやろうじゃないかって。
そのつもりだったじゃないか って。



夜のブランコは優しかったよ。
道路を行き交う車の
ヘッドライトの交錯する光が

とても綺麗だった。


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                               ゆうなぎ



2006年10月18日(水) かさぶたを掻き毟って出た血の色はやっぱり赤だった

きっかけは些細なことだった。



Kからのいつもの電話と雑談。
その中で最近起こったある個人情報流出事件の話を聞かされた。
Kはわたしに注意も促したかったのだろうし
本当に恐いね という感情を共有したかったんだと思う。

この出来事について言えば二つの要素があって
わたしに関して言えば防御はしているけれども
完全に安全かと言われればそれはないだろうと思っている。
というか このネットの世界に限らず個人情報の流出を
現在では完璧に防げると考える方が甘いだろう。

少なくともこうしてPCやネットに関わる年月が長くなるにつれ
傲慢な言い方をすればKなどよりもその恐さは思い知っているつもりだ。


ただ わたし個人に関して言えば色々なことがありすぎて
失くしてきたものやもう望めないものが多すぎて。

確かに子供達や両親、祖母達 またはKや友人達に
何かが及ぶようなことがあれば残る力の全てを振り絞ってでも
闘うだろうし守ろうとするだろう。

でも わたし個人のことなら 万が一があっても
もう煮るなり焼くなりすればいいじゃないかという
諦観ともいえる諦めがある。
第一 これ以上どう傷ついて失くすっていうんだ?


多分 そんなわたしの言葉の端々の雰囲気からくるものが
Kには奇異に感じられたのじゃないかと思う。

”自分とは考えが違うんだね。
自分だったら絶対に嫌だけど**さんはそうじゃないんだ・・。”

そんなようなことを言われた。



その瞬間に

何かが頭の中で

弾けた



平気なわけ ないじゃない。
ただ もう傷だらけで痛みの感覚が普通になってしまってるから
今更 何かあってもこれ以上
あたし自身から失くすものが無いだけだよ・・。

痛くないと思う?
苦しくないと思う?

失くすものがあるから嫌だし恐いんだよね?

確かにあたしだって子供達や両親や大ばあやKちゃんや
大事な友達に関わってくることなら絶対に闘う。命かけて守る。

だけどあたし自身のことなら もういい。
人からどんな風に思われるかって考えていたら
今の時点でもう生きてないよ。

欝病のことだって生きていく為にいろんなところで
カミングアウトした。
それでどう思われるかよりもそれを話さないと
子供達に関わってくるから。

あたしが誰に頼れる?
あたしを誰が助けてくれる?

どれだけしんどくても苦しくても自分のこの足で
背負って抱いて歩き続けていくしかない。

これが現実なんだよ。
今からもずっと続いていくあたしの現実なんだよ。

あたしを傷つけたかったらまだ足りないなら
誰でも傷つければいいと思うよ。

だってもうどれが痛みなのかなんてわからないもの。
息をして生きることだけで必死で
わからないもの・・・。




最後はもう自分でも誰に何言ってるんだろうと思いながら話してた。
もっと色々話した気がするけど覚えてない。
いや もう 話してたんじゃなくて叫んでた。
流し尽くして枯れていたはずの涙がボタボタと流れて
視界を見えなくした。

嗚咽をもらしてドモリながらも
咆哮ともいえるような声をあげて

あたしは・・・。




嵐が去って沈黙が続いた。

 
こんなこというつもりじゃ無かった・・ごめん。
と わたしが言った。


ううん。僕の方こそ。ごめんね。
と Kが言った。




かさぶたを衝動的に掻き毟って滲み出した赤い血をボンヤリ見ながら
もう感じないはずの鈍い痛みに

最後の一粒 残っていた涙が 
こぼれ落ちた。



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                               ゆうなぎ 



2006年10月17日(火) ものがたり

物語はハッピーエンドがいい。


哀しいことやセツナイことはもう充分に見てきたから
せめて物語はハッピーエンドがいい。

みんなが笑ってみんなが幸せで
そんな世界は理想だけど、ないことくらいは知ってるけど

だからなおさら 

物語だけはハッピーエンドがいい。



Kと小さなギクシャク。
でもこれはあたしの方から突っかかっていったようなもの。
それもとても曖昧に。

結局 体調や感情や状態を説明するには
今のあたしには気力が無くて
自分で突っかかっていきながら
結局 弱気になって必死で謝ったりしてる。

とても馬鹿だ。あたしは。



体調はあまり良くない。
月のモノが始まったことで余計にダルさが増したのもある。
欝の状態もあんまり良くないんだろうなとボンヤリと思う。
気力が無い というか とても疲労感が強い。
全てもうどうでもいいじゃないか とそう思ってしまいそうな
あたしが いる。



中心にサミシサがある。
だけどそれを抱えているしかできない。
できるだけ気がつかないふりをして。

だいじょうぶ と笑う。
バカバナシ する。
他の術(すべ)を知らない。



誰も
Kも

あたしなら 大丈夫って思うのかな?

それとも どうしようもないことだって知っているから
気づかないふりをしてるのかな?

何だかどっちも哀しい。
とても さびしい。


気づかないようにそっと押し込める。
ココロの中心。



物語はハッピーエンドがいい。



あたしのものがたりにハッピーエンドがないなら

せめて 物語はハッピーエンドがいい。


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                               ゆうなぎ



2006年10月16日(月) 月曜日

なんとも不可思議な夢。
脈略のない夢。


その夢の中で
わたしは国語の新米教師とかみたいで
だのに初めてのテストを迎える前の日に
そのテスト問題作成の下準備さえまったくしてなくて
ものすごく焦ってるのだ。

何とかしなきゃしなきゃって必死で
諦めそうになるけど結局 時間のある限り
できる限りのことだけはしようとか
そんな決意をしてテスト問題を作ろうとするけど
テキスト?みたいな本が今度は見つからない。

なんか合間に色々人間模様みたいなのとか
あった気もするけどよく覚えてない。

ただ汗ぐっしょりかいて
目を覚ましてすぐに思ったのは
早くしなきゃ何とかしなきゃ!って
そんな切羽詰ったような焦り。

暫く現実が何なのか
自分のいる場所が何処なのかを把握できないでいた。


残ったのは焦りの感覚。



色々気にかかることは相変わらずだ。
そんな自分の焦りがあの夢を見させたのかな。
仄暗いあの妙な現実感のある世界は
いくつかあったかもしれない可能性の一つの
扉の向こうの世界なんだろうか。



この頃 ダルさと眠気がひどい
月のモノが始まる前はいつもそうなので
そろそろなのかもしれない。


一週間がまた始まる。

サミシサノカケラをポケットに隠して

一週間をまた始める。


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                               ゆうなぎ



2006年10月15日(日) 木蓮

” いつまでも いつまでも  そばにいると言ってた 

あなたは嘘つきだね  心を置き去りに ”

      
「木蓮の涙」より 
by スターダスト・レビュー





ふとしたきっかけで
この歌詞を知って
唄を聴いた。


いろんないろんな昔のことを・・・・・・・・・・。


言葉にならない沢山の沢山の
想いの小さな欠片が雨のように心に降りそそぐ。


愛して苦しんで憎んで
それでも楽しかった日々だって確かにあったんだよね?


嘘ばかりついて最期までわたしを困らせて。
ホント ニ バカナ ヒト。





それでも





やっぱり愛したひとだった。



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                               ゆうなぎ
    



2006年10月14日(土) ぽつん

ひきこんだ風邪もだいぶ治ってきたけど
思い出したように出る咳と
鼻の奥がツンとするような独特の感触が残っていて。
ダルさは身体からか精神的なものからか
どちらでもあってどちらでもないような宙ぶらりん。

Kと逢ったことも何だか実感が湧かなくて
感情が半分眠っているようなのは
今のわたしにはいいのか悪いのか。

わたしの体調を気遣ってもあるだろうし
K自身の忙しさやわたしの慌しさもあって
お互いの連絡は途切れないけれども淡々としていて
この一週間は今まで以上に記憶が曖昧で
はっきりしていない。


わたしは今 
胸の奥の方に眠っている寂しさを
揺り起こさないように静かに抱いている。


何も変わっていないんだと そう思う。
それは救いでもあるし底なしの絶望でもある。
永遠の矛盾。



明日(といっても今日だけど)は
歯医者の日だ。
子供たち連れて行かなきゃ。行かなきゃ。行かなきゃ。


たったそれだけのことが自分に掛け声かけなきゃできない。
大丈夫 と言った側から虚無感に呑みこまれそうになる。


いや それでも。それでも。それでも。




ぽつん と 居る。


手繰り寄せるようにKの温もりを想いだそうとするけど
それすら頼りなく、すり抜けていくばかりで。





ごめん。


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                               ゆうなぎ



2006年10月13日(金) 居る場所

闘っているつもりで

その傷と痛みを
疲れたとイイワケにして
ホントウハニゲテタンジャナイカ?

そんな恐ろしい疑惑。



ただしいこと、まちがっていること
これは痛みなのか幻なのか
痛いっていってもいいのか
気のせいなのか
怒ってもいいのか謝らないといけないのか

どんどんどんどん
わからなくなっていく。


背負っているものや抱えているものが
あたしの枷でもありでも確かに支えであるはずだった。
いや それは それだけは 今だって。


眠らせてくれるならいくらでも眠っていたい
ナニモカンガエズ ナニモミズニ 
ネムリツヅケテイタイ

そんな静かな誘惑。



カミサマ
あたしが してもいいことは 何なんでしょうか?





バカヤロウ 何言ってんだ! 
って

とてもとても小さいかぼそい叫び声だけど
その声にハッとして
あたしは自分の居る場所を確認する。

まだ届いてる
まだ足掻いてる

無意識にでも手を天に上げて
どうか
どうか!
どうか!!

まだ諦めてない
だから こうして血を流す
失くしたくない。
そうだろう?


わからないから さがす。
コタエが欲しくて
喚く。

足掻くことしかできなくても
何もせずに沈んでいくのは
やっぱりらしくない。

眠っても眠り続けても
そのまま ネムリヒメ には なれない、ならない。



この居る場所。

今 あたしは確かに息をしてるし
生きる を している。





おはよう。



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                               ゆうなぎ



2006年10月12日(木) 黒い靴

お気に入りの黒い靴。

もう3年以上になるけど 大事に大事に履いてたのに
この前の時、歩いてたら片方の止めるバンド部分の端っこが取れちゃった。

そんな値段高い靴じゃない。
スーパーとかで買ったのだけどすごく好きだったんだ。

その時は
「あーもうダメだね」ってKからも言われて
ペタンペタンって外れた端っこが足に当たるのが
なんかセツナくて。
でも その気持ち、上手く言えずに
別れ際だったんで 一応強力瞬間接着剤を100均で買ってきた。


帰ってからやっぱり諦めきれずに接着剤出してきて
ペタペタ修理。
何とかくっついたみたいで安心したけど
何しろ不器用モノのカナシサ。
両手指 接着剤が貼り付いてて。
これがまた 見事に強力。
さすが・・と妙なところで感心。

っていうか薄皮が一枚両手指にできたような
違和感。キモチワルイ。
ムチャってわかりつつも引き剥がす。
お湯に手をつけて小一時間。
まばらながら取れて少し気がすんだ。

もっとちゃんとしたやり方あるんだろうけど
なんか必死で皮まで剥がしながら。

靴はもう少し もちそうかな?
失くしたくなかったから。
もうダメだねって言われたけど
もうこれほどの長い間履いたのにね。



ねぇ

あたしがこの靴なら
きみは諦めて捨てちゃうのかな?
もう長い間 履いたから悔いは残らないのかな?

他の黒い靴でもきみの足は痛くならない?




あたしはあたしの存在が何処か信じられないでいる。
いつからこんなふうになったのか もう覚えてない。

痛いのか苦しいのか哀しいのか
それが今もなのか残滓感なのか
その認識さえもどこか曖昧で遠い。

ただ ずっと サミシイ だけ。


時々想い出した様にナニかに反応してココロがチリチリすることで
あたしはあたしというものがまだ此処に在ることを
確かめているのかもしれない。



黒い靴 そっといつもの通りに靴箱に仕舞った。

いつか履けなくなる日はくるだろう。
形あるものは みんな 壊れてしまう定めなのだから。

それでもそれが明日でないといいなって そう思う。



ねぇ


望めない願いと
口にできない問いばかり
また胸の中で繰り返しているのは

きっと急に肌寒くなってきたこの季節のせい ね。


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                               ゆうなぎ
 



2006年10月11日(水) 渇望。

どうも風邪をひきこんだようで。

だいぶ良くなってきたのだけれども
まだ熱っぽく鼻声が抜け切れない。
昨日も薬を飲んでは
うつらうつらボンヤリしていた。

Kと逢った時もどうにも身体がだるくて
せっかく2ヶ月ぶりだったのに心配かけてしまった。

ああ でもKと逢ってからもう丸二日経ってしまったんだなと。
改めてどこか遠いところで考えている自分がいる。


全部 丸ごと どんなことでもどんなことがあっても
わたしという人間を肯定して受け入れて欲しいという願望。
命に代えても持てる全てを失くしても強く求めて欲しいという渇望。


現実に冷静に考えてそれはとても厳しく難しい。
お互いに独身なんだから何とかなるというわけでもない。
わたしは背負うものも抱えるものも沢山になりすぎた。
若い頃ならいざ知らず イキオイとキレイゴトだけじゃ 
これを共に背負ってくれとは言えないほどに。

覚悟という言葉を簡単に言ってしまえるほど
わたしには もう力が残っていない。



だのに

そんなことはそんな人はいないのだと自分に言い聞かせながら
それでもまだ道化の、能面の顔の下で
零れそうな涙を溜めて拳(こぶし)を握り締めたオンナノコが
俯いて消えそうな声で呟く。


”あたしがいなくなってもあなたはだいじょうぶですか?”




多分ずっと聞けない、聞くことのない、Kへの言葉を

心の中で何度も繰り返している。


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                               ゆうなぎ



2006年10月08日(日) 月夜。

帰り道 

温もりのまだ残っている掌がやけに頼りなかった。


逢えて嬉しかった。
逢えて楽しかった。


時間が零れていくのがもったいなくて
少しでもたくさん笑っていたいって思った。



たどる家路

夜空に仄蒼く光るあの月にきみも気づいてくれていたらいいな。


逢えたのにセツナかった。
逢えたのにサビシかった。


この場所とその場所をそのまま繋げてしまえればいいのに
きみはまだ列車の中。想い出してくれてる?




次に逢う時は季節が変わっているだろう。


おつきさん

おつきさん

また逢うことができますように。


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                               ゆうなぎ



2006年10月07日(土) 休息。

寝そびれたまま朝が来ようとしてる。
外はまだ暗いけど 今日。

束の間でいい。
この時ばかりはひとりのオンナノコになって
手を引かれながら街を歩いて
たわいない会話して笑おう。

あたしとわたしとアタシが重なる優しい時間。



そして丸くなって温もりに包まれて
ほんの少し

眠る。

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                               ゆうなぎ    



2006年10月06日(金) 明日。

Kと逢う前はそうだ。
まるで通過儀礼のように次から次へと
色々なことがある。

それは
これを乗り越えれたなら少し休ませてあげよう
と カミサマから言われているみたいな。
ストレスと疲れで心身ともにボロボロになって
そうしてやっと束の間の休憩所に辿りつける。

綱渡りの先にある小さな明かり
それを目指して不安定な足元を渡る。


その度に覚悟はしているつもりだけど
その日がこの日で無いことをいつも祈ってる。

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                              ゆうなぎ



2006年10月05日(木) 月吼。

美容院に行って髪をカットして染めてきた。
シャンプーもして貰ったのでサッパリして
久しぶりにリフレッシュできた。
人の手に自分を委ねることはこんな些細なことでもどこか心地よい。

実はあたしの髪はここ数年で美容師さんが心配するほど白髪が増えた。
染めずにずっといると根元から白髪が出てくる。
多分 数ヶ月そのままにしていたら総白髪に近くなってしまうだろう。

よくとても大きなショックを受けた人が
一晩で総白髪になるというホラーみたいな話があるけど
あれって有り得るかもしれないなと思う。

一晩ってことはなかったけど30代半ばからの数年で
あたしの髪はこんなになってしまった。

精神が身体を壊していくことがある。
外に出せないものが内に向かって吼えるように。


染めても1ヶ月半もすれば根元から少しずつ白髪は出てくる。
今回みたいに2ヶ月も放置してると
帽子無しでは近くのスーパーの買い物にも
病院にも行けないような有様になる。
頭を下げるとツムジから白髪が広がってる。
前を向いて自分で鏡を見てる分にはそんなにわからないけど。
こんな時には視力が落ちてて良かったなと思う。



傷口(トラウマ)も闇も深い。
簡単に消えるものならどんなにいいだろう。
不信感と絶望感と虚無感に呑みこまれそうになるココロが

今夜もひっそりと月に吼える。


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                               ゆうなぎ



2006年10月04日(水) 変身。

美容院に2ヶ月半ぶりに行って来る予定。

今回 かなり我慢した。
おかげで酷い有様(汗)

髪がボサボサになってくると
どうにも鬱々としてくる。
反対に髪型が決まっている時は
不思議と気持ちも明るくなる。

髪の方も不思議にカットすると元気に
なるみたい。新陳代謝の関係??

伸びてうっとおしくなった前髪や
変に癖がつきやすくなった毛先とかが
小気味良くカットされていくごとに
自分の中の溜まっていた澱の一部も一緒に。

ささやかな変身 してきます。


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                               ゆうなぎ



2006年10月03日(火) 日暮。

守らなくては という義務感と必死さ。
守るべきものが弱く幼いならその気持ちはより強くなる。
自分以外に守ることができる者がいないなら尚更に。

弱く幼いものの寂しさやSOSは時として
ワガママや反抗として表される。
頭を低く下げてそっとやり過ごすこと 
それをこのトラウマを抱えた幼いものに求めるのは
あまりにも酷い。
もう充分に他の同年代の子達に比べて傷ついてきているのに。

そう思いながらでも やっぱり背中に背負ったものは重い。
精一杯 守って盾になりながら闘いながら 
どうしてもう少しでいいからこの現状をわかってくれないのかと
恨めしくもなる。

逃げ出したいという思いを抱いてしまっている自分に気づいて
愕然とする。そんな自分を自己嫌悪する。

内と外から追い詰められてひっそりと壊れていく。




「ひぐらしのなく頃に」というゲームを少し前に友達から教えて貰って
仕事の合間に少しずつやっている。
ゲームというよりも物語を読むのに近い。
一見 惨劇だが それぞれの人間の想いは皆 切ない。

中でも重なるのが 聡史 という男の子の気持ち。
妹に対する想い。葛藤。

このゲームをしていて何度も胸が詰まって
先に進む為の手が止まった。

そうなんだ・・と
必死の気持ちが集まってそれがいつのまにか悲劇にすり替わってしまう。
そのどうしようもない哀しさ。



ひぐらしの鳴き声はいつの間にか聴こえなくなっている。
日暮れの時間も早くなった。

わたしは あとどのくらいまで往けるのだろうか。


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                               ゆうなぎ    



2006年10月02日(月) 愛憎。

愛することと憎むことは実はとても近いところにあるのかもしれない。

ひとは誰かを何かを愛したり憎んだりしなくては
生きていけないもののような気がする。
どんなに心が疲れても空っぽになったようでも
その深層の底でやっぱり手放せていないことに気がつく。



今週末は少し休めるかと思ったのに
心身ともにまぁ 此処まで来るか?ってくらいに
後から後からでホントにクッタクタ!!

もうまた明日から月曜日だよ。
頭 イタイ。脳天からズキンズキン。

今日の夜の薬はもう飲んだけど
頭痛薬は飲むと眠たくなりそうだから
まだ飲んでない。
昨日今日と全然仕事できなかったから。
少ししてからどうしても酷くなったら飲んで
寝ようと思う。

でもこんな日には寝ると明日の朝 寝坊しそうで怖い。
そう思うと眠れなくなる。キョウハクカンネン。
睡眠薬も起きれなかったらと思うと使えない。
いっそ 眠れないなら 朝 子供達送り出すまで
起きていようと開き直るといつの間にか意識が途絶えてる。
ああ・・まったく!このポンコツ頭め!!!



アノヒトのことをふとした時に思い出す。
通院の付き添い。自宅療養の日々。入院。手術。
色々なことがあったのに思い出すのは
同じ情景。

少し背を丸めてポケットに手を突っ込んで
頼りなげに立っている姿。
細くなってしまった手首と腕を絡めてくる切ない感触。

愛して憎んで苦しんでそれでもやっぱり愛したひとだった。
愛することも憎むことさえ生きていなければできない。
だからこそもっと生きて
生きていて 欲しかった。

想いは抜けれない迷路を彷徨い続ける。
永遠に止まってしまった時の中ではもう答えは見つからないのに。


あの時から
囚われてしまったのは わたし。
あの時に
囚われるのを選んだのは 誰でもない。わたし。 

アノヒトを独りぼっちにしてはいけない気がした


わたし。


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                               ゆうなぎ



2006年10月01日(日) 秋風。

確かに少し過ごしやすくなってきたようには思う。
あんなに鳴いていた蝉たちの声もいつのまにか聞こえなくなった。

それでも何だか秋の実感がまだ湧かない。
最近は病院に行くくらいが外出らしい外出だけど
外はやっぱり暑い。まだ夏が終わっていない気さえする。


そうはいっても もう今日から10月。

気持ちを新たに・・と思うけれども
子供たちと共に迷走中。

長男の理屈屋ぶりはあたし譲り。
次男の不器用さや
末っ子の頑固さも。

だから余計に歯車がずれるとややこしくなるんだろう。
わかっていても今のあたしは疲れすぎていて。

だけどそれでも大切。
だけどそれでも守りたい。
イトシイ という気持ち。

確かに子供たちがいなかったらあたしはもっと
自由だったかもしれない
もっと気軽にもっといろいろなことで
気に病んだりストレスを溜め込むこともなく・・。
正直 そう思うことが無いわけじゃない。

でも そのもしも・・は
あたしにはやっぱり寂しすぎる。
ポッカリと抉られたように。

あたしは弱いニンゲンでダメなお母ちゃんだけど
だから きっとカミサマがあたしにこの子達との
出逢いと絆をくれたんだろうと。
そんな気がしてならない。



ただ うまく言葉にならないけど
これはあくまでもあたしの場合。
それだけは蛇足承知で言っておきたい。

子供がいない人が寂しい人なわけじゃない。
あたしの人生だってこの道をきたから
子供達と出逢ったけれども
出逢わない子供のいない人生だってあっただろうし
だからそのあたしが不幸なのかといえば
それは違うと思うのだ。


沢山の分岐点、沢山の選択、沢山の道

その中の一つをあたしは今 歩いているにすぎない。
そのあたしには子供達の存在は
どんなにぶつかり合おうとも
時に重さに根をあげそうになっても
やっぱり居てくれてありがとうなのだ と
ただ そういうこと。



迷走が何処まで続くのかはわからないけど
でもこの子達と一緒だから
あたしは踏みとどまれる、諦めずにいられる。

胃の痛くなる思いを何度もさせられてる原因達が
あたしを此処に踏みとどまらせてくれてるという
何とも矛盾した状況だけれども(苦笑)


それでも確実に日々は過ぎていっている。
時の流れはその真っ只中ににいるときには
感じる余裕さえないが実際は常に止まることはない。




そんなことを考えていたら
開けた窓から涼やかな秋風

新しい季節の始まりを告げるかのように。


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                               ゆうなぎ


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