++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2006年03月30日(木) あの場所まで

ごめん。どうもここまでヘタレなのは久々かもしれない。

また夢をみた。
堪らなく嫌な夢だった。
浄化されかけていたはずの思い出までもが
闇に呑まれる様な。

薬がないとまったくダメになっている。
一日の大半を寝て過ごすような始末だ。
何か一つのことをするとすぐソファーに倒れこむ。
次の何かをするのにものすごく気力と時間がかかる。

花粉症の酷さも多くを占める原因。
でも精神の軋みからきているモノの方がわたしには怖い。

PCに触れるのさえ気力が必要になっている。
多分 情け無いけど仕事のことが大きい。
いや それでも今までなら ヘタレてもなんとか踏ん張れてきていた。

それが そのつもりでいるのにちゃんと踏ん張れていない。
腰が退けているのが自分でわかる。

外に出て働くということすら出来ずにいる自分。
唯一 掴んで引き寄せた たった たったのこれくらいすら
できなくなっちまうのか。おい!!

それじゃダメなんだ。それじゃ済まないんだ。そうだろ?
叫び声抑えろ。口に拳突っ込んでも叫ぶな。

強がりだろうが何だろうが他に道がないなら。



桜並木 見るんだろ?
いつものあの場所。
歩くんだろ?あの街を
子供みたいに手ひかれて
時々目を瞑って 
少し 笑うんだ。



いくつかの場面を想い 想いだし
辿りつけますようにと祈る。

壊れてしまうのが
今日で明日でないことを祈る。


まだだ。まだダメなんだ。頼む頼むから
もう少しだけ時間をください。



せめて 

あの場所まで。


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                               ゆうなぎ



2006年03月29日(水) 北北東1万キロメートル 海のみえる明日(あす)

なんじゃそれ?っていうようなコトバというか
文字の繋ぎ合せみたいなの。


これって寝ぼけたアタシが半開きの目で
言っていたらしい。
子供から聞いた。
あまりにインパクトがあった?ので
子供が覚えていて
後から教えてくれたけど本人の記憶はとても曖昧。
というか 言ったってこと 覚えて ない。

なんで北北東なんだ? とか
なんで1万キロメートルなわけ? とか
海のみえる明日(あす)っていったい? とか

まさに突っ込みドコロ 満載。


でも妙に語呂が(ジブン的に)いいというか
つい呟いてるというか
ブツブツ言ってたら子供から呆れられた。


航海をしてる夢でもみてたんだろうか?
それにしちゃ 海のみえる明日(あす)だもんな
航海してりゃ そこらじゅうが海のはずじゃん とか。

いや これは多分意味考えてもワケわかんなくて
希望っつーか願望っつーかそんなのの寄せ集めだね。
たぶん。

って 自分の戯言 解説しようとしてる場合じゃないだろ。


薬が切れた時の症状がどんどん酷くなってる。
クシャミと鼻は止まらないし 目は開けてられないほどで。
最低限の用事を済ませたらソファーに倒れこむの
繰り返しになってしまってる。
薬 一日三回でもギリギリだ。
切れた時が耐えがたく辛い。
薬を飲んで暫くはお陰で楽になる。
でも同時にダルさと眠たさもやってきて
起き上がれなくなってしまう。

体内時計は狂いっぱなしだ。

子供らがいるから まだかろうじて三度の食事は
ゆらゆらと半覚醒で起き上がってそれらしきモノを。

それとか何かの用事があれば
残ってる精神力が発動する。
今日(もう昨日か?)は
さすがに気持ち悪くなった髪を切りに美容院へ出かけた。
予約電話入れていたので遅れちゃならないと
そこで精神力パワー発動(しかし なんつーしょぼいパワーだ)
お陰でかなりサッパリすることができた。



仕事の方 基本骨組み練り直し中。
というか さすがに骨組みの最終決定してくれるよう
クライアントさんに伝えて返事待ちの状態。
クライアントさんの出方によって
提案して修正していくことを変えねばならないので
こうなれば 早めに最終決定の骨組みを知らせて
いただきたいのだが 最終決定ということだからだろう
なかなか 返信がいただけない。

これもまたストレス。
こちらの方向性が決められない。
クライアントさんの答えでこちらがやるべきことは
まったく変わってくるのだ。
一応 それぞれの場合の心積もりや
メールの返信内容も考えてはいるが 
進むに進めない。
作業の停滞。
負担は大きい。

本当なら とうの昔にあがっていたはずの仕事だ。
胃の痛くなるのは毎度のこととはいえ
此処までのはやはり 久々のことで
それもこの時期に重なったから尚更 
シンドクなってしまってるのだと思う。

でも仕方ない。何とかしなければ仕方ない。
頭がしっかり働く活動時間が短くなっているのが
難点ではあるが それでもやるしかない。

逃避したいココロにカツ入れる。
無理やりだろうがナンだろうがナリフリかまっちゃいられない。
とりあえず行くんだジブン!とジブンの背中を自分でドンと突く。



北北東1万キロメートル 海のみえる明日(あす)



なんか 遥か遠いのだけはわかるが
とりあえず目指せ!
意味わかんないが とにかく目指せ!!


ヘナチョコ船長 面舵いっぱい

往きます。

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                               ゆうなぎ



2006年03月28日(火) さくら さくら

異様なダルさと眠たさが続く。

一つには多分 安定剤と抗鬱剤と共に飲んでいる
アレルギー(花粉症)の薬のせいもあるとは思う。

本当はこの薬は一日2回と言われているが
それではもうもたない。
薬が切れた瞬間から酷い有様になり辛い。
ほとんど家から出て無いのにこれだ。
耐えられず一日3回飲んでる。
だから そのせいだろう。

ただ それだけではないとも自覚してる。
わたしの無意識の現実逃避の気持ち。
現実では逃げ場がないし何とかしていかなければ
どうしようもない。何とかする。踏ん張る。
それでも苦しい。もう臨界点越えてる。

それで眠りというもう一つの世界へとうとう逃げ道を
求めだしたのか。

ヘタレだ。所詮は。情け無いと思う。
一人前に踏ん張るとか言っていても
中身 ヘタレなので この始末かよ!!ジブン

身体がいうこと利かなくなってるのが一番怖い。
精神の力が弱ってコントロールが効かなくなってる。
頼む。 持ちこたえてくれ。 頼む。頼むから。


桜はもう開花宣言。

あの桜並木を想う。
儚く美しく風に舞うひとひら。

其処に往きつくことを願い
今日をなんとか明日に繋いでいる。




さくら さくら 

待ってて。

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                               ゆうなぎ



2006年03月27日(月) 闇ノナカ

異様に疲れが取れずに
常にだるくて横になろうものなら
なかなか起き上がれなくなるような日が続いている。

一つには限界点をかなり越してしまったストレス。
ストレスなんて今に始まったことではないんだけれども
臨界点をたまたま今回の仕事の一件で越してしまったのかもしれない。



今さっきもクライアントさんからのメールで
わたしがかなり細かくアドバイスのメールを送って
伝えたことが まったく徒労に終わった事を知って
一気に力が抜ける思いがした。
勿論 最終判断、決定はクライアントさんが下されるべきもので
それは絶対だ。

ただ 今回のこの選択は今までの全ての根本的な見直しを
要することになる。1からの骨組みの組みなおし。
下手をすると今までの作業全てが無駄になる。
勿論 その分はタダ働きだ。
個人の悲しさ。
これがそれなりの組織か又は小さな会社なら作業の分散もできるが
個人で請けていれば そうはいかない。
費やされた時間と労力。
懸命にやっていればいただけ堪えるものも大きい。

いや そんなことは覚悟の上ではあるけれども
それと共に今回のことでクライアントさんの選択に関していえば
慎重に今後を考えればこの答えは出てこないはずなのだ。

生意気を承知で言えば見通しが甘いと思う。
でも大抵 このタイプの方にそれとなくそれを伝えても
わかってはいただけない。実際今回がそうだ。

簡単に全てを考えておられるのがわかる。
無理もないといえばそうかもしれない。
仕組みがわからなければ 先を読むことはできないだろうし
ただ そんな方に限ってイメージは溢れるほどだが
矛盾でいっぱいだし それを全て人任せなのだ。
で その上 頻繁に気が変わる。

自分にとってのモノである以上 たとえ 他人に依頼されるとしても
自分なりに知ろうとすることやそれについて調べてみることは必要だと
わたしは思う。

何故なら何も知らずに ただお任せだけでは それこそ
依頼した相手に下手をすれば足元を見られたり
無責任なことをされてもわからないからだ。

わたしのような個人でやっている同業者は2種類に分けられる気がする。

まず 格安で仕事を請ける代わりにそれなりの仕事だけしかせずに
数をこなすタイプ。これも考えれば無理もないとは言える。
何故なら 大きな会社組織の所であれば 一つの仕事を請けるだけで
報酬もかなりのものになるし分業も出来るが 
個人で格安でやる以上 それを本業にするのであれば
ある程度 割り切らないと細やかに仕事をこなそうとすればするほど
それでは やっていけなくなるから。

後は本業は別にあり余暇を使い 仕事を請けているタイプ。
これだと無理な仕事は請けなくてもいいわけだし
かなり精神的には楽だと思う。
ある程度 丁寧な仕事もできるだろうし
ただ 限界を越えるまでの無理する必要も同時に無いわけで
その点 クライアントさんからすれば
あくまで余暇の範囲であるから格安で請けることが可能なので
申し訳ないけどそこまでは・・・と
アッサリ言われることもあるだろう。

わたしの場合は中間点にいるから厄介なのかもしれない。
薄利多売主義で割り切ることもできないし
(しかし手抜きとは違った意味で本来 ある程度の
割り切りは本業でやる以上 やはり必要なのだと思う)
本業の余暇なんて余裕もないから常に自分のスキルを
全力投球する術しか知らない。
だから今回のような場合 シワ寄せはこちらに全て来るし
(実際 この程度のことで参っているなんてまだまだ甘いのだと
自覚しているが)それでも神経は磨り減る。

正直言えば 投げ出したい思いだが そうはいかない。
一度請けた以上 当然だが責任と共にわたしなりの矜持も意地もある。
今回は特に仕事としては損の方が大きいのが正直な所だが
それでも勉強のつもりで何とか石に噛り付いてもやり遂げたいと。



色々なことで泣きたいような思いなら数え切れずしてきた。
絶望の淵になら何度も佇んできた。
もう今度こそダメだ 限界だ と何度思ってきただろう。

助けなんて来た事は一度も無かった。


時には呆然と立ち尽くし
時には蹲ったまま動けなくもなった。

それでも痛みの感覚に浸る間もなく
考えなけりゃならなかった。

どうしたら何とかできるかの方法を。術を。
必死で。必死で。必死で。

止まることなんて許されなかった。

そうでなきゃ 生きてこれなかった。



泣き叫びたかった。
今も泣き叫びたい。

でも

泣けないんだ。
まだ。
もう。
今は。


泣くことを もう一度 取り戻したい
そう思って生きている。


あれからずっと


この闇の中で。


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                               ゆうなぎ    



2006年03月26日(日) 時の過ぎ行くままに

ふと想い出す歌とか無意識に口ずさんでいるフレーズとか。



さすがに疲れがピークにきていたとみえて
風呂に入って布団に倒れこんだ。

夢をみて 
目を覚ました 

久しぶりに

それは とても なんていうか 
静かに切ない夢で。


このところ 夢なんてずっとみなかったのに

少し気が弱くなってるのかもしれない。



張りつめて張りつめて それでもそれを止(や)めることはできない。
崩折れないでいるだけで精一杯の時もある。

声を出せば少しでも動けば
多分叫びだしてしまう声が止まらなくなるから。
こんな時にできるのは固まってただじっとしていることだけ。

嫌でも動かないとどうしようもなくなる。
その時は痛みも苦しさも振り切って往くから。
少しの間だけ と。


”あなたはすっかり疲れてしまい
 生きてることさえ いやだと泣いた”
    

   沢田研二「時の過ぎ行くままに」
                  阿久  悠 作詞 
                  大野 克夫 作曲


もう昔の歌で その頃は 歌詞の意味も良くわからずに聴き流してた。
ただ気だるいような切なげなメロディが耳に残って覚えていた。

何だか急にこのフレーズが頭に流れてきて
改めて全部の歌詞をネットで調べてみた。

著作権問題があるから此処で歌詞の全部を載せられないのが
残念だけれども 多分 今の自分だから 
この歌に惹かれるのだろうな と 思った。


”体の傷なら なおせるけれど
 心の痛手は 癒せはしない
 小指に食い込む 指輪を見つめ
 あなたは昔を おもって泣いた”




繰り返して同じフレーズを。
小さな声で歌いながら


この日記を書いている。






共に何処までも堕ちてくれる人は 
今までも
今からも

ずっと いない。



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                               ゆうなぎ



2006年03月25日(土) 手紙に代えて

随分と日記も書けなかった。
この日記を書き始めて久々か初めてくらいに
いつも無い余裕が一段と無かった。

PCの前に座ってはいても仕事の作業やそれに伴う
検索に費やされて。髪掻き毟りつつ。
睡眠はPCの前でいつの間にか椅子にもたれる様に
頭反り返って 口開けて。下手すりゃ涎出てそうな有様。
人様には見せられない・・というか 誰も見たくなかろう。
さすがに子供もビビって不安になったらしく注意されたし。

今回の仕事、かなり大変。
何でもそうだと思うけど まずは骨組みがきちんと決まらないと
後の肉付けというか方針が定まらない。
だから まず クライアントさんにはそれを伺うのだけれども
PC 初心者の方にとってはその骨組みというのがなかなか決められない。

それは当然だと思う。何故ならわからない所がわからないから。
これは どんなことでもそうだけれども 例えば文字や言葉で
イメージや構想を伝えることはソレに慣れていない人には
とても難しい。

わたしは大体のクライアントさんのお話を聞いた後は
いつも一つの構想をとにかく提示して見せるようにしている。
これはある意味 効率の良くないやり方。
ただ それでも 何かを形として見せられることで
具体的なイメージがクライアントさんに浮かびやすくなる。

例えば 「丸」を「丸」と書いても言葉でいくら言っても
イメージというのはなかなか他人に伝わらないし 
「丸」にも色々あるわけだから まず どんな形でもいいから
「丸」を形にして見せる。
すると 相手(この場合クライアントさんだが)は
『ああ そういう丸じゃなくてもう少し縦長の丸』 とか 
『やっぱり 丸って思ってたけど三角の方が良かった』 とか
気づくことができるわけで。

当然 作った『丸』は無駄になるわけだけれども
これは必要な過程だと思っている。


ただ 此処で難しいのが 前にも書いたけど 匙加減。
ハッキリ言えば わたしには余裕は無い。
ボランティアでやっているのでも好意で請けているのでもなくて
これはビジネスなのだ。
子供三人と自分。食べていかなきゃならない。

これはシビアな現実。
誰かの庇護の下で余暇を使ってやっているのとは違う。
情け無いことに生きるためのスキルを
ロクに持っていなかった人間が
何とか必死で数年という月日をかけて
唯一がむしゃらに自力で掴んだ細い細い糸を
必死で手繰り寄せている状態。

今は本業と胸を張れるには足りないことが多すぎる。
でもだからこそ 今の無駄と思えることや苦労が
明日に繋がると信じて踏ん張ってる。

ある意味 わたしのやっていることは
本当は まだまだ甘いのだと思う。

本当にスキルを充分に持っている人から見れば
余計なものが多すぎるだろう。
もっと きちんとした上で効率をあげること
無駄を削ぎ落としていくことは 本業として
成り立たせるには必要なことなのだ。

但し そこで 中途半端な手抜きや省略になって
しまってはどうしようもない。
車の運転でも慣れた頃が一番気が緩むし
事故も起こしやすい。

まだ 慣れたというほどの余裕など無いわたしだから
手抜きの術は知らない。だから人の倍の時間をかけて
徒労に終わることもする。

ただ 良く言われることだけれども そこまでしてたら
身が持たないというのも確か。
このジレンマ。

これをどう折り合いをつけていくか。

今回も今度こそ固まったかと思ったものが崩されることの
繰り返しでそれでかなり参っている。

正直 この仕事を始めて 楽しんでやれたというのは数えるほどで
毎回かなりの胃の痛い思いや忍耐力を強いられている。
まぁ でも 仕事というのはどんな仕事でもそういうものだろう。

外に出て働くということ。
そこでの人間関係に今のわたしの神経が耐えられるとは思えない。
そういう意味で いくら苦しんでも一人作業していく
今の仕事はわたしにとって向いていると思うし
唯一 糧を得る為にできることでもある。

とりあえず 頑張るしかない。
何とか活路を見い出すこと。

この山を越えれば また一つ知ることが増える。
そうして自分を励まして。
後ろは無いんだから。 

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日記を読んでメールをいただきながら 
お返事も出せないままになっている方や
連絡もなかなかできないままで心配かけている友人達へ

こんな調子でどうにも四苦八苦余裕の無い日々です。
それでも とにかく今は突っ走るしかないようなので。

ゴメンナサイとそうして

ありがとう を

声をかけてくださったことに。
心配してくれていることに。
見守っていてくれることに。
信じていると いってくれたその言葉に。
此処にいると いってくれたその笑顔に。

ありがとう

ありがとう

ありがとう


何度繰り返しても
足りないくらい の




出せないでいる手紙に代えて。


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                               ゆうなぎ



2006年03月22日(水) 賽の河原

一山越して あと一息と思っていた仕事。
クライアントさんからの返信を読んでガックリ。

難しいと思うのはこういう時。

クライアントさんには出来る限りわかりやすく
小まめに説明するようにしている。
多分 同業者の中でもわたしの仕事は
かなり丁寧だと自負しているし 
その割には料金的にいただくものはかなり安い。
はっきりいって割りに合わないといってもいいと思う。

勿論技術的なものに関しては大きな所には及ばない部分も
多々あるとは思うし だからこそ料金設定も低くして
しかし受ける仕事には責任と誇りをもってやっている。
それが次のステップにも繋がると信じて全力を尽くす。

ヘタレなダメニンゲンのわたしであるけれども
仕事という契約、責任。
お金をいただく以上 そこに甘えの欠片もイイワケも
許されないということ。
それくらいは自覚している。

当たり前といえば当たり前だけれどもPCにあまり詳しくない方ほど
意識せずにかなりの無茶をおっしゃる。
ご本人は聞き齧ったものや仕組みがわからなくてもちょっと見て
これは・・と思われてだろう、気持ちはわかる。

ただ これに対する対応の兼ね合いが難しい。
その要望の全てにお応えしていたら わたしの様にフリーで
個人でやっている人間はとてもじゃないが身体がもたない。
それなりの代価をいただけるのであれば まだしも
大抵 これは料金とならないことがほとんどなので。

また そういう方々は いかにわたしが安くお請けしているか・・と
いうことも わかってくださっていない場合が多いので
大きな企業で請けてやっている所の料金を見ていただきたい
という気持ちにもなる(勿論そんなことは言わないし言えるはずも無いが)
正直 え?この仕事でもこれだけの料金を取って良いわけ?
というような同業者もいる。

・・・・・とここまで愚痴。

仕方ない。これがわたしのやり方だし 割りに合わないのも
承知の上だし。今は明日へと繋げる為の期間。
どんな大きな企業の同業者と比べても負けないと思えるだけの
スキルを磨いてからだ。全ては。
仕事ではまだまだまだヒヨッコがそれでも細々ながら
依頼をいただけているだけでも有難いこと。

いい聞かせて気を取り直して さぁ 再度頑張らねば。



賽の河原のように

ひとつ もうひとつ と やっと積み上げて
それでも その度に壊されていく 繰り返し。

それでも それでも
そのまま 
しゃがみこんで蹲ってしまいそうな気持ちを奮い立たせて

子供らは石を積んでいく。
何度壊されても。

積み上げることは できなくとも
積み上げることを 諦めたくない。


力尽きて倒れるその時まで。
どうか
どうか
せめて。


それがわたしの

祈り で

願い だ。

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                               ゆうなぎ



2006年03月20日(月) さくらだより

今から仕事に入ります と 宣言。
っていうか今日は朝から今までまったく仕事できなかった。
PC開くこともできなかったしメールチェックも今さっきやっと。

この仕事は小まめなメールチェックがとても大切。
クライアントさんからのお問い合わせや要望、
仕事に入ってからは尚更に。

だってやっぱり自分が仕事を依頼する方になったとしたら
反応はできるだけ早い方がいい。
安心感が違う。だから最低でも24時間以内を心がけている。

ただ なかなかに状況が厳しい時もある。
子供達の調子が悪い時は特に。
三人いれば×3。

今日もやっと熱下がったけどまだ本調子じゃない子供を
病院に連れて行ったんだけども。
月曜日の病院はとても混んでる。
待ち時間の間 いつしか意識が遠のきコクリコクリ。
やっと診察でもう大丈夫でしょうと言われホッとする。
で 薬局でまた薬の順番待ち。
またもや コクリコクリ。。
名前呼ばれて慌てて飛びあがる。
やっと薬 ゲット。
ふぅ・・・。

子供連れて一旦家に帰り ちょうど帰っていた一番上の子に
後 頼んで スーパーに買い物。

いくらほぼ完治といってもまだ消化の良い物で暖かい物がいい。
迷った末 白身魚の鍋にする。野菜たっぷり。ポン酢でさっぱり。
これするとあくる朝 残りの汁でおじやできるもんね。
子供達も良く食べるし。
料理下手なお母ちゃんの精一杯。許せ!

病院帰りにふと見たら 桜・・・いつの間にか・・・





ふうふう いいながら荷物持って帰ったら
子供らときたら お帰りも言わずにゲームとかやってる。
買い物を冷蔵庫に入れる手伝いする気配もなし。

お母ちゃん 怒り爆発。

その態度はなんだ!せめてお帰りくらい言うべきだろう?
せめて気を利かせて買い物してきたのを冷蔵庫に入れたり
するの手伝う為に立ち上がってくらいこいよ!

成績の文句は言わない。自分のことだ。
夢中になって書き物やってるのもそれほど打ち込めるなら
そこは大事にしてやりたい。

でも なんでも有り有りじゃないってこと。
人として大事だと思うこと に関しては譲らないし煩く言うよ。
お母ちゃんが君らに伝えられることなんて高が知れてるかもしれない。
お母ちゃんだってそんなたいした人間じゃないから。

でも アタシはアンタらの親だ。
だからアタシが親としてできる精一杯だけは伝えるつもりだよ。

何かあったら真正面から向き合ってぶつかってこい。
お母ちゃん 力無いけど それでも全身全霊で踏ん張って受け止める。

答えなんてものは出ないかもしれない。
それでも 一緒に考えることはできる。
それだけは忘れてくれるな。


夕食終わって。

明日は祝日だからさっそくにそれぞれに自分のしたいことに
夢中の子供達。

お母ちゃんが 熱く語ったの・・少しは頭に残ってるのかねぇ・・
(ため息・・・)
いや なんのなんのこれくらいで挫けてたまるもんか。
何度だってカミナリ落っことしてやりますから。

嵐の月曜日 何とかここまで一日。

でもわたしの月曜日はまだまだ終わらない。


桜の満開になる頃 お花見できますように。
オネガイ カミサマ。
それまでガンバリマスから。

ご褒美目当ての頑張りはオトナもコドモも一緒かも。
少なくともウチでは。

でもそれでもいいもんね とちょっと開き直ってみる?



往こう
生こう

すれ違ったら ハイタッチしてウインクするから
ニカッと笑ってくれればウレシイ。

キミがあなたが貴方がそうやって。





そっちの桜の具合はどうですか?

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                               ゆうなぎ



2006年03月19日(日) 真夜中の冷凍スパゲッティ(タラコ&イカ)

どうも夢を みて いた らしい。

ちょっとだけのつもりで仕事途中PC立ち上げたまま
滑り込んだ布団 子供の横で。

夢の中で夢をみて 一度 夢が覚めて
そこで 夢と現実を彷徨って。
それから 暫く夢を生きた後
あれ? と思って本当に目が覚めた さっき。

またもや 現実把握に暫し戸惑う。

あたしはどこにいていまはいったいいつだ?

記憶がかなり飛んでいてグチャグチャ。
それというのも夢の中の夢も
夢の中の夢から覚めた夢も
パラレルワールドみたいに過去の姿を借りていたり
今の違った姿だったりで。


やっと現実把握して気づくとえらく猛烈にお腹が空いてた。
夜中 食べると太る。
それもスパゲッティなんぞなら余計に だ。

それでも頭の隅のその思考とは裏腹に
そろりと真っ暗な台所の冷蔵庫。
冷凍食品の「スパゲッティ(タラコ&イカ)」
何ともスムーズな手の動き。我ながらほれぼれ?

勿論 タバスコの壜とフォークは忘れずに
レンジでチン!したのを抱えて
自室に戻るPC前。

タバスコ半分残ってたの全部振りかける。
それを念入りにフォークにてかき混ぜる。

後はひたすら食べる食べる。
辛さは全然平気。 というか 丸1本でも良かったのにって。
なんか ガツンとくるくらいの辛いもの食いてぇ
なんか ボヤケそうな身体がシャキンとするような
それくらいの。


みた入れ子細工の様な夢の中身は忘れた。
ただ 何ともざらざらしたような息苦しさ
不快感よりももっと曖昧なそんなイヤな感触だけが 
残っていて。


仕事の続き やろ。

お陰様で子供の熱も下がったので。
もう数時間しかないけど 夜明けまででも。


困った時 途方にくれた時に 助けを求めるよりも
どうしたらなんとかなるか しか考えられなくなった。
助けは求めても無理だ とそれは決定事項。既に。
それを悲観するとかよりも それが現実。

でもだからって一人だけで生きていってるなんて
思っちゃいない。
見えない腕 沢山に支えられている。
みんなどの腕も傷ついて弱りながらも
それでも 其処で わたしを支えてくれている。

多分だからきっと 
生きる をしている。
生きる ができている。
曲がりなりにもこうして。

だからわたしも透明な頼りない腕を伸ばす
どうにもならなくてもその支えるモノのひとつに加わりたくて。


よし。少し頭が機能しだした(気がする)
今のうちにできることを少しでもしておこう。

タイムリミットが切れて今度はソファーにまた倒れこむまで。


夢はもうみたくないな。

深く深く眠りたい。

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                               ゆうなぎ



2006年03月18日(土) 紡(つむ)ぐ

仕事の方が思いの他 苦戦中。

いや いつも余裕なんてモノは無くて
ただただ必死でしがみつく様にしているんだけれども。

それにしても不思議なもので 
これはなかなか見つからないサガシモノにも似ている。
髪を掻き毟りブツブツと独り言いいつつ
思わぬ不都合、落とし穴。
おかしいなーなんでだ!って調べて調べても
あるはずの答えが見つからない。

ここは躓くような部分じゃないのにと
頭が沸騰すればするほど答えが見えなくなって
途方にくれる。泣きそうな気分。

そして小一時間。
思いもよらないほどすぐ目の前に転がってた答えを見つける。
ほっとすると同時に 脱力。
結局のところ こんな風なことの繰り返しをしながら。

まるで「夕鶴」の つう みたいだ。
自分の羽を毟りながら機を織る
反物はその身から紡ぎだされる
いや アタシはあんなにキレイなもんじゃないけど。


ちょうどよりにもよって真ん中の子が熱を出してしまって
氷枕してオデコに冷えひえのをペタリと貼って
熱さましの薬飲ませて あとはとにかく小まめな水分補給。
汗かいたら着替えさせる。
リンゴの摩り下ろしして 食べさせてみたり。
口当たりのいい消化のいいものを少しでも。

ちょこちょこと合間につけっぱなしPCの前 
少しでも早く仕事をあげたいし。
それには少しずつでもとにかく進めなきゃ。

苦労の甲斐あって だいぶ形が見えてきて
仕事も今がちょうど正念場。

嗚呼 なのにこんな時に限ってだもんな・・
やっぱりなかなか カミサマは簡単には休ませてくれない。

仕事部屋と子供の寝てる部屋を行ったりきたりの夜。
他の二人のことも見てやってなきゃ・・・
寝相悪いし。


自分の体調は相変らず。花粉症と闘いつつ。
ダルさと疲れは容赦ない。
浮腫みがきてるのがわかる。ちょっとマズイ症状。

この前いつ寝ていつ食べたかの記憶が曖昧になってる。

薬だけ とにかく 遅れても飲み忘れないように
でもこれは少しでも切れると てきめんに状態が酷くなるから
それが目安みたいなものかな。


紡ぎだすのは何とも頼りなく細い細い糸。
それでも ひたすらに紡ぎ続ける。
他に材料になるものなどないから

わたしは わたしから 紡ぎだすことしかできない。




この子の熱が下がりますように。

やっと 楽そうな寝息を立てはじめた寝顔のオデコに
手をあててオマジナイ。

そっと布団をかけなおして またPCの前。
あと 此処までだけ もう一息。


今日は土曜日だから 子供達も寝坊させてやろう。

一息ついた頃 起こして 朝ご飯はみんなでおじやにしよう。

そうして洗濯物だけ干したら
残り湯のお風呂に入って髪洗って顔洗って

さっぱりしたら ソファーに倒れこもう。


そうして眠る。眠ろう。

夢も見ずに。

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                               ゆうなぎ



2006年03月17日(金) 夜と朝の間で

時刻は4時半になろうとしている。

ちょうど夜というには明けすぎて
朝というにはまだ少し早いそんな時間。

最近 花粉症のせいもあって頭が重くて倦怠感が
常にあるし持続力と集中力が前ほどもたない。
それでも やらねばならないことはあるわけで
何とか集中力MAXでやるわけだけれども
その後の揺り返しでバタリと倒れこむ。

一つには薬のせいもあるんだろう。
しかし こうやって毎日 薬を飲み続ける生活を
送ることになるなんて思いもしなかった。
それを思うと何とも複雑な気分。

薬は増えても減らない。

それでも薬のお陰で曲がりなりにも
精神もかろうじて保てているし花粉症もマシだ。
ただ できれば薬はこれ以上 増やしたくないなと思う。

昨日はクシャミ鼻水のオンパレードに喉まで痛くなったので
まずいな〜と前回の診察で先生に出してもらってた
総合感冒薬の方を飲むことにした。
でも クシャミ鼻水がなかなか止まらない。
業を煮やしてアレルギーの薬の方も飲んだら
いっぺんに眠気とダルさが襲ってきてダウン。
昏々と眠っていたらしく時間の感覚が掴めない。

子供らに聞くと何度も起こしたけどまったくダメで
諦めて自分たちで炊いてあったご飯と残り物で食べた様子。
さすがに情けなさに落ち込む。

ダルクて起きれなかったというレベルじゃなくて
起こされたという記憶すらない。

多分 安定剤と抗鬱剤飲んでいたから余計にだったんだろう。


ストレスは日々溜まる。
子供達のそれぞれでも気持ちはわかるけど
なんでそうなるわけ?ってことが三人三様にあり苛立ちもする。

何かに追いたてられるように生きる毎日。
息切れする息を整えようとして少し立ち止まれば
その分 後からまた走らなきゃならなくなる。

そんな 焦りと憔悴感。

食欲はおかしい。あきらかな過食と拒食が交互にきている。
睡眠も同じ。 昏々と眠っては起きて異様に徹夜続けて
また 倒れるように昏々と眠る。
全てが極端。
体調も良くないから尚更 気も沈む。

記憶力の欠如
思考力の低下

もうこうなると笑ってすらしまうようなこの。


とにもかくにも生きる。
それでもギリギリ直前まで崖っぷちで 生きる を叫ぶ。
叫んでやるさ。叫ぶんだ。




4月はマスク持参でおいでとKより通達あり。
帽子目深に被りメガネかけてマスクして桜並木。
うーん・・・あまりにもアヤシゲ。

体調が低下すると抵抗力も落ちるせいだろう。
今年は薬飲んでるのにこの始末。
でも 生きてる。
いろいろ言いながらも 今現在 生きる をしてる。
生かされて いる。

生きていることはそれだけですごい。
次の1秒で起こることを知ることができる。

そう思えば貴重になる。
こんなポンコツのココロとカラダでも。



朝が 始まる。

朝を 始める。



また眠りの国へ沈み込むまで

生きる を 
しよう。

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                               ゆうなぎ   



2006年03月15日(水) 春の夢

あの雪から一転して今日は雲ひとつ無い青空。
春の陽射し。

外には出ないけど朝 花粉症の薬を飲んで目薬さして
ベランダで洗濯物干しするのは思いの他 気持ちが良い。
ぽかぽかとした温もりに暫し手を止める。

へっくしょん!

それでも鼻はムズムズしてくるけど
このくらいならまだ今日はマシ。

アレルギーの薬はどうしても飲むとダルく眠たくなる。
抗鬱と安定剤まで飲んでるわたしは余計に頭が
ボーっとする。
去年はまだここまで酷くなかった気がするんだけれども。
少し疲れが溜まって抵抗力が落ちているのかもしれない。


もう二週間もすれば4月。 

またあの桜が見たいなぁと思う。
ぽかぽか暖かなあの公園のベンチに座って
Kと一緒にサンドイッチに紅茶でお花見がしたい。

桜並木の薄桃色のトンネル
ひとひら、ふたひら と風に舞う花びらの美しさを
想う。


往きつくまでの道はまだまだ遠い。
日々を投げ出しそうになるヘタレの自分に言い聞かせる。

もう少し あと少しだけ
あの場所にもう一度往きつくまで。

そうやって生きてきた。
そうやって生きていく。


桜は

多分 散っていくから美しい。

だからこそ その一瞬を 
懸命に咲き誇る。


わたしも

束の間の
春の夢を見る為に

今日という日をまた重ねていく。


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                               ゆうなぎ



2006年03月13日(月) 名残雪

またえらく冷え込んできたな と思っていたら
朝起きてビックリした。
一面の雪景色
舞い落ちる雪。
一気に冬に逆戻りしたみたいに。

吹雪に近いような中を用事で郵便局まで。
帽子目深にかぶって
フードつきの分厚いコート引っ張り出して着て
マスクして
怪しげな着膨れダルマさん状態。

風が強くて顔がつっぱる。
そういえば今朝 顔洗ってないよ。
勿論 化粧水の類も一切無し。
いいのか ジブン。 って良いわけ無いよなぁ。

それでもとりあえず用事済ませて帰り着く。

引き続き仕事のつもりがソファーに直行。
意識途絶える。

次に目が覚めたのはチャイムの音。

げげっ!子供らの帰ってくる時間じゃん。

「おかえり」って言ってドア開けて外見ると
何だか嘘みたいに日が射してた。


冬の終わりの名残雪。




遺された想いのような
消えてしまった儚さに


ほんの少し
少しだけ

泣きそうに なった。

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                               ゆうなぎ



2006年03月12日(日) 花々

週末 実家に。
大ばあちゃんの介護の手伝い・・というのは
半分以上口実。
要するに顔を見て安心したかったんだ。
いい歳して甘ったれ。

大ばあは相変らずで波があって
両親はやっぱり大変そうで。
わたしができることなんてたかが知れてて。

それでも手を握りながらさすりながら
ゆっくりゆっくり話をする。
いろんな話。耳が遠いからなかなか伝わらない時には
身振り手振り。

結構 これが通じるんだ。
でね すごい柔らかな笑顔見せてくれるのよ。

すっごく嬉しい。

勿論記憶は時々飛ぶし わからなくなっていること
混同していることは沢山あるけど そんなことどうってことない。

これはでもこうしてせいぜいが週に1度しか来れないから。
だからその分 大ばあに対して
気持ちの余裕が持ててるから言える事。
両親にとっては介護は日常。ストレスも半端じゃないだろう。
そのシンドさはわたしには良くわかる。

わたしもやっぱり夫の介護の日々を送ってきたから。
自宅介護は大変。こればかりは多分 経験した人にしか
わからないと思う。

あの日々をもう一度やれといわれてもできる自信はない。
入退院と手術の繰り返し。介護と付き添い。
ひたすら必死で毎日にしがみつくしかなくて
真っ暗闇の中いつ切れてもおかしくない細い糸の上を歩いているような。

両親だって高齢だから
できれば一緒に暮らせたらいいのだろうと思う。
けれど 子供達の学校の関係でそれはまだ難しい。

夫が亡くなった時に転校させることも考えたけど
諸々の出来事 ショックの中で この上 環境を
新たにすることはより一層の負担を子供に強いることになる。
事情をわかってくれている仲良しの友達や先生から引き離すことは
どうしてもできなかった。

だから 今の形。不甲斐ない娘で孫であるわたしだけれども
それでも わたしたちが行くと違うと喜んでくれる。



今回も大ばあにいっぱい触れた。
童女のような笑顔が見れた。話せた。
そうして 安心した。

ああ・・・大ばあはまだちゃんと此処にいてくれている。
大ばあの温もり。暖かい。

帰りがけ
「ちゃんとお父さんやお母さんのいうこと 聞かなきゃダメだよ〜
 まだ冷えるから風邪ひかないようにしてね。
 また すぐ来るからね。おばあちゃんが元気でいてくれるから
 わたしは頑張れるんだからね」 って。
手を握って話した。
大ばあも「うんうん」って笑顔で聞いてる。

もう帰る時間迫ってて 手離していかなきゃいけないのに
なんかこの温もりを離すのが子供みたいに切なくて。

 
帰り道
梅 に 水仙 色とりどりに花々。
 













美しさに暫し見惚れる。


ああ・・・季節は巡っているんだねぇ・・・
春はもう来てるんだねぇ・・・

恨めしき花粉症で目はショボショボ
クシュン!と鼻がさっそくムズムズだけども。


花々の姿を残しておきたくてケイタイでパチリ。
今日の日 あの温もりと一緒に。



また来週 会いにくるよ。
大ばあ 

風邪ひかないようにね。転んだりしないようにしてね。


待ってて。


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                               ゆうなぎ  



2006年03月11日(土) よわむし

自分がどうしようもなく心細く頼りなくなっていることに
ふと気がつく。

どうしてこんなに怖くてたまらないんだろうか。
大丈夫と笑って それは嘘じゃなくて多分本当で。
だのに真実(ほんとう)からは微妙にずれている。

どうして欲しいものはいつも手の届かない遠くにあるんだろう。
泣きたいのに笑ってしまうのはどうしてだろう。
その度に剥き出しの神経は悲鳴をあげているのに。

コワイコワイコワイと膝を抱えて蹲っている。
タスケテ と闇の向こうに呟いてみる。
来るはずなんて無い 助け を。

瞼の震えが止まらない。

泣き笑いのような歪んだ顔。
気持ちの行き場が無いまま夜が更けていく。




何も言わずにただ 抱きしめてくれる腕をクダサイ。
守られて子供みたいに安心して眠りたい。


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                               ゆうなぎ



2006年03月09日(木) ポンコツエンジン再始動

仕事は一つ無事に終わり。さて一息つく暇もなく次の仕事。
有難いことと思う。

休みたいよ。休めたらいいと思うし 実際 一度横になったら
ネムリヒメ状態。身体はダルイまま。できることなら
頭カラッポにしてひたすらに深い眠りが欲しい。

でも無理だな。
反対に仕事が入って来てない時には焦りがでてきて
落ち着かないもの。
その間は副業の小仕事に重きを置いて
チマチマとそれでも必死で1円積むようにすることになる。
要するに何もしないことが耐え難いんだと思う。

極端。
やる時は寝食を忘れるというか 頭から追い出して
力を一気に放出。もちろん長くはもたない。
でもそれで限界値までやらなければ どうにもならない。

身体が とか 無理しないように・・とか生ぬるいこと言ってられない。
それで無くとも外で人に混じって働くことができずにいるわたしだ。
その時点でマイナス100万点ってとこだ。
せめて自分が出来ることで無理なりとしないとどうにもなりゃしない。

力んで肩に力入りまくってて
でも どっかで抜けてて
なんか間抜けで。
息切れ酷くて。胃がキリキリして。

でも 足掻くっきゃないから
足掻く。

あちこちよろけてぶつかってフラフラしつつも。



支離滅裂。

馬鹿みたいに
心細くなって
不安になって
必死で誰かの服の袖 探してる。
掴んで掴み締めて いたい って
まるで小さな迷子の子供のような気持ちで。



ん なの ないってば よ。
掴める袖なんて。

がぉおおおおおおおおおおおおおおおお

とりあえず往くさ。

往く

生きる

生きるんだ
生きるんだったら!


まとまりのつかない色々が頭の中で廻り続けてる。

今日は 風呂に入って爪つんだから 少し違う。

さーて 仕事。
とにかくまたエンジンかけて
ポンコツエンジン再始動。

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                              ゆうなぎ  



2006年03月08日(水) たんぽぽ揺れて

今日は病院の日で。
だのに子供達の状態が それぞれになんだかどうも宜しくない。

真ん中 結局 頭痛の為 自主休校。

一番上も遅刻時間。好きなこと、それほど打ち込めることが
あることは良い事だと思うが それが本末転倒に繋がって
しまっては何にもならないと思うんだ。
朝っぱらから説教はしたくない。けど釘は刺しとく。

結局 真ん中留守番させて まずは自分の病院に行くことにした。
薬無いと困るし 特に花粉症の目薬とか諸々。
その後 役所に寄る用事も済ませてそれから引き落としの
不備がないか銀行と郵便局に寄って記帳確認。
それから 買い物して帰る時にはもうヨロヨロ。

薬 かなり色々。安定剤と抗鬱剤に
眠剤、下剤、アレルギーの薬は定番。
加えて目薬、風邪薬、咳止め、お願いしてまた出して貰った。
先生もさすがに心配されたので 咳止め、アレルギーの薬を
飲む時には風邪薬は飲まないし その辺は考えて飲み分けて
いますので・・大丈夫です と伝える。

薬が沢山になるとわからなくなるからくれぐれも気をつけて・・と
先生から再度 念押し。

はい。

病院 数箇所回るのは今のわたしにはキツイ。
だからこうして一所でまとめて薬が貰えることはとても有難い。


仕事はお陰で細々ながら順調に進んでいる。
だから尚更 この身体のヤツが 思いの他 短時間飛行しかできないのが
何とももどかしく ちくしょー!なんだけれども。

胃のキリキリから なかなか当分解放されそうにない。
諸々・・・えーい!せめて一つとは言わないから
もう少し絞ってくれ〜!
あれとこれとそっちとこっちもじゃ 抱える腕が短すぎ。


病院からの帰り道。
今日は暖かくて・・・って でもよく考えたらもう3月だもんね。
さすがに黒いウールのタートルは暑かった。
引きこもってるとついつい季節がわからなくなるんだよな。

ふうふう腕まくりしながら歩いてると
目にも鮮やかな黄色を発見。
蒲公英。タンポポ。たんぽぽ。
揺れて。




側にはゴミ。捨てられたガムの包み紙。それでも咲いている。
ありのまま風にそよぐ、陽に微笑む。その有様に惹かれる。

春なんだねぇ・・・。

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  *バトン*

帽子屋さんからいただいた「漢字バトン」
7人の方に回すのがちょっとできないので申し訳ないのだけど
(どなたか 読んでくださったお友達の方 良ければバトン託しますので
お願いします。バトンリレーで渡すの下手であたふた落とすタイプの
ワタシでゴザイマス)
それでも答えたいので(わたしも漢字好き。ワガママゴメン。)

>ゆうなぎさん。「和」。なごみ、なぎ、わ。嵐が来たって。

かなり照れつつ でも嬉しいです。ありがとう。
「和」そう在れたら と。
柔らかな明かりのようになりたい。
たとえ仄かにでも嵐の夜にも灯り続ける。
在り続けることができるような。

◆好きな漢字◆
 「凛」強くではなくて 凛 と在りたい。

◆大切にしたい漢字◆
 「想」「添」「奏」「創」「走」「窓」
 ソウ。
 想い、寄り添い、奏で、創り、走りつづけたい。
 この窓を開いて。

◆漢字の事をどう思う?◆
 すごいなぁって。
 とても沢山の意味が其処にあるから。
 一つの漢字にいくつもの物語を感じる。
 うん。美しいと思う。造形の美。
 

◆回ってきた漢字に対して自分の持つイメージは?◆
 「求」。失くしたくない感情。
 「応」。欲しくて堪らないもの。でも多分貰っても不安で
     何度も繰り返して確かめてしまう。
     確かめ続けずにはいられないもの。
     
 「鏡」。見たくないけど覗かずにはいられない。
     今 覗くのちょっとキツイけど
     それでも覗くの止めちゃいけないような
     気がしてる。

◆次に回す漢字三つ◆
 「涙」。いつか取り戻せたらいいと。
     透明で暖かな冷たい頬を伝うあの感触。

 「望」。たとえ ひとすじの細い光であろうと
     抱くことを止めたくない。

 「祈」。ずっと。多分 その瞬間までわたしは。

◆最後に貴方が好きな四字熟語を三つ◆
 「悪戦苦闘」。足掻き続けてやりたい。
        もがいて足掻いて往生際悪く目一杯!

 「雲外蒼天」。言い聞かせつつ。
        いつか わたしの青空 が 見たい。
 
 「七転八起」。負けてたまるか っての。シブトイのは染み付いた習性。
        死ぬまで起き上がりこぼしでいられたら本望。

◆バトンを回す七人とその人をイメージする漢字◆
 すんません。どなたか受け取って下さる方が居たら嬉しい。



帽子屋さん 
バトン貰って嬉しかったっす。
考えながら思いながら書くの とてもとても楽しかった。
ありがと。

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                               ゆうなぎ



2006年03月07日(火) 日替わりメニュー

仕事モード全開。

体調は相変らずで花粉症?とダルさにやられている分しんどくて
だから余計 出来る時に多少無理しても此処までと思ってしまう。

実家の両親も心配してくれてるようで
身体壊してまで仕事(それも労力の割にはお金にならない)を
しなくても・・・と電話で言われる。
でも その些少なりのものが大きいんだ。
すごく大きい。だから無理だろうがナンだろうが
これから先の為にもこの細い糸を必死で手繰り寄せる。

そのままに話すと心配かけるからこの頃は両親には
キツイとか身体の調子のことはなるべく言わないようにしてる。


最近は家から出ることはますます少なくなった。
食料品の買い物も一週間まとめてするし
後は病院へ通うくらい。
ネットがあるお陰で助かってる。
少なくとも此処は精神の外への窓口。


でもそんな時に限って 日替わりメニューみたいに
子供達に色々。

一番上の子が1日本屋巡りでナーバス状態脱出したかと思ったら
今度は真ん中。
また 学校イキタクナイムード。
勿論そうなっても末っ子のカマッテモードは全開のまま。

今日もやっと子供ら全員何とか出せたけど
毎朝 胃がキリキリと痛いお母ちゃん・・泣きそうプリーズ。

明日は自分の病院の日。
祈る気持ちで どうかみんな何とか学校に行ってよねって
ああ・・プリーズ・プリーズ・プリーズ!

多く望んでないんだけどな〜って思う。
これでもわたしも精一杯 
してやりたいと受け止めたいと必死なんだけどなぁって
この出来のあんまり良くないお母ちゃんは
それでもボンヤリした頭を必死で動かしながら思うんだけども。

でも 一人一人が求めてることは考えれれば当然のこと。
ああ・・・カラダがせめて二つあったら!!

日替わりメニューかなりハード。
3対1じゃ分が悪い。
でも何とか乗り越えなきゃな。

何しろアタシは 
お母ちゃんで
守って往くもの なんだから。

Please power to me!


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                               ゆうなぎ



2006年03月06日(月) 理由(わけ)はいらない。

例えば人間(ひと)を好きだなぁって思うのに
理由(わけ)なんて無いんだよなぁって。ふっと。
それは相手が男か女かとか関係なく。
 
特にこのネットの世界では余計なものが見えない分
反対にストレートに
そのヒトそのものの本質が見えやすい気がする。

確かに表面的に隠したり嘘をつこうと思えば
これほど簡単な事はない。
何しろ文字と言葉だけが頼り。
だから 誤解も行き違いも起こりやすい。
これもまた悲しいけど事実。

それでも 長くに やりとりを続けていると特に
そのひとの魂がふと透けてみえる瞬間がある。

当然 それは ほんの一面。
彼の彼女の全てではない。
けれども 例えば リアルの友達として
出会っていたら ずっとわからなかったかもしれないことを
この世界は垣間見せてくれる。

勿論 それで彼の彼女の全てを知ったような気になるのは
とんでもない驕りや傲慢だということは承知してる。

だけど その垣間見せてくれた魂の一部に強く惹かれることがある。
そこには理由(わけ)は無い。
理由なんていらないような気がする。

ただ ああ・・好きだなぁと思う感情。

それだけ。

思えば
ネットの世界に限らず
元々 ひとを好きになるって
そういうものじゃなかったろうだろうか。


○○だから 好きになるってこともあるだろうけど
○○が全てで好きになるわけじゃない。

彼の彼女の その魂の端っこに触れた時に
ああ 好きだなぁ・・このひとが って
そう思う。


何だか こんなふうに書く事自体が理由探しみたいで可笑しいね。
とんだ蛇足の親玉みたいで(笑)


ただ 好きだ。

それだけでいい。


それで いい。

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                               ゆうなぎ
  



2006年03月04日(土) 休日本屋デート?

一番上の子が最近かなりナーバス。

そういう年頃ってこともあるとは思うけど
母(わたし)に似た部分多く持ってるし
でも歳若いだけに経験してない分 
純粋なだけに脆すぎる所もあって
それは 仕方ない 自分自身で今から知っていかないと
いけないことなのだろうと思いつつも
お母ちゃんは やっぱり心配。

ただ そういえば この時期って
やっぱりわたしもそうだったなぁ・・と。

自分なりのコダワリ。
それは 大人からみたら多分ほんの些細なことで
「何でそんなことに拘るんだよ」 
ってモノだったろうけど
それを「まだコドモだからわからないんだ」 
とかいう言葉で
ひと括りにされるたびに苛立ちに変わってた。

大人だって子供だって一人の人間で人格である以上は
それぞれの言い分ってものがある。
そうしてそれは どちらも もっともなモノで
だから多分 ムズカシイ。

で この休日 1日思い切って下二人を実家へ
これも正直負担かけないかと心苦しかったんだけども。

そうして一日 一番上の子と一緒に出かけた。
コースは決まってる。
いつものラーメン屋さんで食べて
それから 本屋さん、古本屋さん巡り。

本屋巡りの相棒にこんなにピッタリなヤツはいない(笑)
本好きなら この母を越える。
本談義をしつつ あちこちまわる。

いつの間にか眉間のシワが消えて笑顔がでてきて
ホッとする。

散々あちこち行って締めは大型リサイクルショップの
閉店時間PM10時まで。
帰宅したのはPM11時近かったけど 
お陰で子供もパンパンに張りつめてた空気が
少しは抜けたみたいだ。良かった。


わたしはこの通りのニンゲンで
母親としてお世辞にも出来がいいとは言えない。
できること してやれることも限られてるし
負担もかけてると思う。

特に一番上のこの子は いろんな辛い出来事を
もう充分に判別できる歳になっていたから。

思えば大崩れしても おかしくはなかったろうに
それを頑張って支えてくれてきた。
まだ子供なのに。


子供達からも言われるけど 多分わたしは
良くも悪くも母親としては変わってる。

成績のことについてはほとんど言わない。
塾関係も行かせてないし 
他の子と比べてどうこう言うこともない。

問題なのは人に勝つことじゃなくて
まず自分の中で一歩でも先に進むことだろうと考えているから。
勿論 お互いに切磋琢磨していけるライバルっていうのも
いいって思う。ただ それが勝ち負けだけになってしまうと
もっと大切な何かを落っことしちまう気がするんだ。

あと 人として・・・に関してだけは かなりウルサイ。
なに・・お母ちゃんだって欠点だらけなので偉そうなことが
言えないのは承知。
だけど それでもこれだけは ってことはあるから。
それだけは親を名乗るものとしてガチンコ勝負しても言う。


子育ては親も育てられる。
山有り谷有り 迷い道ばかりだけど
へなちょこお母ちゃんは今日も育て育てられ
険しい道をヨタヨタ進む。

正しいかどうかなんて 自信も答えも持ってないけど
一緒に足掻いてもがいていこうじゃないか。


休日本屋デート?

居眠りして乗り過ごしそうになったバス停。
二人して慌てて降りて
見上げた空の星は妙に綺麗に見えたよ。

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                               ゆうなぎ



2006年03月03日(金) ネムリヒメノユメ

眠たい眠たい すぐに疲れる。
身体ダルイ。頭重い。
目痒い。クシャミ出だすと止まんない。鼻ぐしゅぐしゅ。

がぉおおおおおおおおって吼えたい。

せっかく仕事入ってきてて有難いことにやりがいあるもので。
問い合わせもあってこれも仕事になるかもしれないのに。

このポンコツ身体のヤツ どうしたものか。
一度横になると見事枕から頭があがらない。

多分 今そのまま寝ていいって言われたら
何処まででも寝てしまいそう。夢も見ずに。

そういうわけにはいかないから
とにかく一度何とか起き上がれたら一気に
最大限の馬力を発動。
ひたすらにキーを叩く。思考集中。
限界に挑戦。 ってでもそのくらいのイキオイつけなきゃダメ。

昨日もそうやって作業したりしてて限界値越えてたみたいで
PCの前で意識なくなってた。
鉛みたいになった身体とユラユラする視界で
とりあえずPCの電源なんとか落として
ソファーにバタリ。再度意識途絶える。

朝方 子供に起こされて起き上がろうとして尻餅。
何とか子供達送り出した後は またソファーに逆戻り。

ネムリヒメにはちょっとトウがたってるけど
どうにもネムリヒメ。

ここまで眠いというかダルかったことって今まで
無かった気がするってくらいに どうしちゃったのかな〜
歳のせいにはしたくないから季節と溜まった疲れのせいに
しておこうか。

そういえば検診のハガキもきてた。
子宮ガンと乳癌の検診はあれから毎年してきたし
基礎検診だけでもしておくと良いと思うんだが。
その気力が今は無くて先延ばしにしてる。

もう少し一息ついて少し体調も落ち着いたら
行くようにしようと思う。

とりあえずは今月もうすぐ心療内科の診察日。
これすら大儀と感じてしまう今。

実家の両親は心配して身体無理してまでいくら仕事でも・・って
いうけど 実家の方だって大変。

負担はかけたくないからとにかくこの先の収入の道への
足がかり・・少しでも色々な方向へと種を撒いておきたい。
幸いにも今 本当に些少なりとも仕事としてなりたっているもの
これは大事にして少しでも細々とでも育てていけたら・・
それに芽が出る確率が0.000000・・・限りなく0に近くても
撒くことを止めたくない種もある。

現実 自分で撒かなきゃ 手の中の種は永遠に種でしかない。

春 季節は巡っても わたしの春がいつになったら来るのか
それとも陽だまりを夢見ながらそのまま終わるのかはわからないけれど。

いつか 陽だまりに丸くなって安心して眠れる日がくるといいな。
1%の希望でも信じて 
信じてないと起き上がれなくなるから
起き上がれないなんて言ってはいられないから


ネムリヒメ 今日もソファーに倒れこむ。

起き上がるために
夢も見ずに

眠る。

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                               ゆうなぎ   



2006年03月01日(水) 術(すべ)

その時

もっと怒ることができたら楽なのかなと 思った。
少なくとも理不尽だと思える八つ当たり的な
一方的な言われように対して。

腹が立たないわけじゃない。傷つきもする。
ただ
わたしは長い間 命の期限を切られたヒトの
看取り役を果たしてきて 
そこでは八つ当たりと理不尽な罵倒を
黙って受け止めて呑み込むしか術(すべ)がなかったから。

美談でもモノワカリの良さでも優しさでもなく
そうする以外の自分にできる術を知らなかった。

ある意味 これは偽善だろう。
それでも染み付いてしまった癖は抜けない。
何より 疲れてしまった心には怒りという力すらもう無い。
虚しさと深く抉られた部分から流れる血をこの手で押さえて
悲鳴を呑み込む事だけだ。

それでも理不尽だなとは思う。
一方的に近い形で八つ当たりの罵倒、
有無を言わさぬ思い込みの解釈されて
でも そういう人は自分がそれでどれだけ相手の心に
傷を残したか なんて考えちゃいない。

そういうことは さっさと頭の中から消えるようだ。
なかったことにリセットされるか もしくは
都合良く書き換えられるんだろう。
自分に喜びや幸せが訪れれば尚更。
自分の汚点のようなものは なかったことにしたいだろうし
それには相手を悪者にしてしまうのが一番都合がいいし楽だ。

踏みつけられたものは それでおしまい。
理不尽なこととも思うし 一度ぶつけられた剥き出しの感情を
忘れることなどできないけれど それも呑み込むしかない。

世の中 善と悪だけで色分けされてなんていない。
ただ立場の違うニンゲンがそれぞれの位置に立っているだけだ。
正しいだけの言い分も間違っただけの言い分も
そこには 何処にも 無い。


わたしはアノヒトが逝った後のアノ時に
嫌というほどヒトというものの業の深さを見た。

わたし自身 
返り血なら浴びているし深い業も抱えているけれども
でもだから余計に もう沢山だ と思うんだ。
見たくない。耐え難い。
まだ完全に壊れるわけにはいかないから 目と耳を塞ぐ。
去る人は追わない。ただ黙って見送る。


叫ばないわたしを意気地なしだというのは止めて。
叫ばせようとしないで。
叫ばないんじゃなくて もう叫べないの。
声が出ないの。呑みこみすぎたモノが胸に詰まっていて。



偶然に街でみかけた彼女はとても幸せそうで。

わたしのことなど気がつきもしなかった。

わたしも知らない顔をして通り過ぎた。


心に疼くような鈍い痛みが蘇ったけど
そのままいつものように呑み込んで俯いた。



これでいいんだと 思った。

それが自分のココロを殺さない為に

わたしが覚えた
術 だった。


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                               ゆうなぎ


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