2005年09月29日(木) |
折り返し地点に来て思う |
石川から東京に来て、もうすぐ半年が経つ。 石川県にいた頃の生活は、もう遠い記憶となってしまった。
東京に来て、自分の中で何かが変わったことを強く感じる。
とにかくやってみよう、という気持ちが強くなり、その結果として、どんなことでも「これは自分に必要」と思えばすぐ行動する癖がついた。
また、石川県にいた頃なら、「あーでもないこーでもない」と悩んでばかりいた些細ことを、最近は深く考えずにやるようにもなった。
いずれも時間に余裕がない中で生活していくうちに自然に身に付けていった習慣だが、やり始めてみると、「どうして今までそうしなかったんだろう?」と今までの自分に言いたくなる。 社会人なら当たり前のことでしかない。
前の職場での3年間、自分では成長してきたつもりだったが、所詮子供だましのレベルでしかなかった、と今は思う。 そしてまだ、その子どもだましのレベルに今も自分は留まっている、と思う。
今年度ももう折り返し地点に差し掛かっている。
どれだけできるかわからないけれど、今年度中には、何とか一人前の社会人のレベルに成長したい、と思う。
今日は午前中仕事をして、午後からは彼女と東京ディズニーランドへ行った。
彼女も僕も、もうすぐ誕生日を迎えるが、忙しいのと距離が離れているのとで、当日会うことができないので、お互いへのプレゼント代わりにそこへ行って楽しむことにしたのだった。
彼女は今回が初だったし、僕も来たのは二度目(一度目は十年以上も前の、中学校の修学旅行)だったので、新鮮な気持ちで楽しむことができた。
ディズニーの、お客を飽きさせない工夫には感心しっぱなしだった。
天気は生憎の雨だったため、夜のパレードが中止になるなど、ショーが少なくなってしまったのは残念だったが、それでも、雨の日限定のパレードが催されたりして、決して損をした気にさせないところは流石だと思った。
アトラクションを待っているときでも、室内のディテールに目を凝らしているだけで退屈しのぎになるほど内装の作りこみがすごい。
僕はディズニーのキャラクターには全く興味がないが、ディズニーランドにはまる人の気持ちは分かったような気がした。
ほんのひと時ではあったけど、仕事のことを忘れることができて、それだけでも有意義な時間だった。
神経が昂ぶっているのか、それともうつの症状が悪くなっているせいか、今日は結局一睡もできなかった。
この日記を書いている時点では、すでに昼近くになっている。
それなのにまだ全く眠くならない。 もしかして睡眠障害では、と少し不安になる。
気付けば、日記のアクセスカウントが1000を超えることとなった。 あまり見てもらう人のことを考えて書いている日記ではないので、日記を始めてから1年以内に1000を超えるとは思ってもみなかった。
取り立てておもしろい文でもないので、毎日自分が1回アクセスすること以外は、ほとんど誰も見ないだろうから、一年で500くらいいけばいいかな、くらいに思っていた。
もし、これまでに、ふらっと偶然この日記を見て、「ああ、こんな人もいるんだ」と思ってくれたような人がいてくれたならうれしい。
せっかくなので、1000HIT記念ということで、長らく更新されていなかったホームページを、この連休中にでも更新できれば、と思う。
時々、ふとしたことで「自分は時代に取り残されてるなあ」と感じることがある。
今日、有楽町のビッグカメラで電化製品を見ているときが正にそうだった。
僕は長い間、「ipod」等のデジタル携帯音楽ツール(という言葉が通じるのかどうかも怪しいが)を眺めていたが、その仕組みが理解できなかった。
「えっ?この中に1000曲?」 目の前にある本当に小さな「ipod」を手にとって見ていると、今自分が使っているMDとかの存在価値が分からなくなる。 今や、音楽はCDを買うのではなく、ダウンロード一発で聞くものなのか。
ノートパソコンやザウルスも衝撃的だった。 薄っぺらいA4ノートのようなパソコンでも、十分過ぎるほどの性能を持っている。 ザウルスなんかは皮のカバーがついた手帳くらいの大きさと重さしかないくせに、簡単なワードやエクセル、メールも出来る。 通勤時間を利用してあれこれと出来るだろう。
携帯などのメールをあまり使っていない(というか使えない。コミュニケーション下手。)、という時点で既に「時代」からはレッドカードをもらっているのに、今日はさらに追い討ちをかけられた気分だった。
三連休の中日だが、今日は特に何もしなかった。
今は治療が最優先なので、無理は禁物だと思っている。
今や、僕は薬なしでは仕事のできない、どこに出しても恥ずかしくないうつ病患者だ。 薬がなければ、仕事場に行けたとしても、動悸と不安でキーボードの文字が打てないだろう。
もしかしたら、本当は長期間休まないといけない状態なのかもしれない。 でも、性格上「薬を飲んでいるけどもうダメ」というところまでいかないと、休みたいとは思えないので、こればっかりは仕方がない。
時々、「仕事のできない人間なんて生きていても仕方がないんじゃないか」と思う。 今は、仕事をしていても「おれ、何やってんだろ?」と思うことが多い。
何だか悲しい日記になってしまった。
もうダメです。と正直に上司に言って、長期に休んだ方が皆は助かるのだろうか?それとも、自分がやっている仕事なんて、どうなろうとあまり皆には影響がないのだろうか?
辞めれるものなら辞めたいけれど、今の自分にはやりたいことも、やれることもない。
休日だというのに、こんなことしか考えられない自分を哀れに感じる。
毎日続く微熱は下がる気配もない。
体調は最悪で、体が重い。 それがうつのせいかどうかは正直分からない。
自分の体の弱さには、ほとほと呆れてしまう。
「昔もっと運動して体を作っておけばよかった」 と今更ながら後悔する(この後悔は今に始まったことではないけれども)
東京に来てから半年近く経つが、ちっとも仕事が見えてこない。 次に何をすればいいかが全く分からず、自分に求められているものすら分からない。
毎日毎日、見たことのない単語や処理したことのない種類の書類が回ってきて気が滅入ってくる。
どんどん自分への自信を失っていくのが分かる。
「しばらくの間休みたい」というのが正直な気持ちだが、プライドと会社に対して申し訳ないという気持ちがそうすることを押しとどめている。
医師は休みたいなら診断書を書いてくれるとは言ってくれている。 そう言ってもらえるだけでもありがたい。 診断書を書いてもらえるくらいには、ちゃんとしたうつ病にかかっているのだろう。 単なる怠け癖でないことが確認できただけでも医師の言葉はうれしい。
今は走れるところまでは走り続けたいと思っている。もし走れなくなったら、そのときは素直に医師に相談するつもりだ。
そうすることで色んなものを失うとは思うが、失うことにはもうなれた気もする。 どうせそもそも、僕は自分が今何を手に入れているのか、もうよく分からなくなっている。
今日は有給を取った。
頭がパニック状態になっている気がしたので、落ち着いてゆったりと過ごすことを目標にした。
やらないといけないことは部屋の掃除と、公共料金の支払い。 そう決めてしまうと、とても心が落ち着き、あれこれと用事を済ませることができた上に、仕事上や生活上のいろんなアイディアを思い付くことができた。
いつもは有給を取っても、仕事のことで頭が一杯で思考停止状態に陥っているせいで、結局仕事も私用も何もできないままに一日が終わってしまっていたから、今日は本当に有意義な一日だった。
思えば随分と長い間、今日のような日はなかった気がする。 きっと今日の思考の感覚が、普通の精神状態にある人の感覚なんだろう。
くるくると滑らかに脳の中の歯車が動いているような今日の感覚は、とても懐かしかった。
「ああ、薬を飲んでしっかり休めば自分は元に戻ることができるんだな」 そんな確信を得ることができて、ほっと安心するとともに自然に嬉しさがこみ上げてきた。
明日からの仕事がどうなるか分からないし、場合によっては休職することになるかもしれないけれども、今日の感覚だけは忘れないでおこうと思った。
今月に入って、僕は本格的に心療内科に通い始めた。
できれば、通院することは避けたいと思っていた。 負けたくないというプライドもあったし、時間を取ることが難しいという事情もあった。 だから、これまではうつ状態から来る思考の鈍さを何とかごまかして来た(ボロボロのごまかし方だったとはいえ)のだけれど、ついに身体に症状(毎日続く風邪薬が効かない微熱)が現れるに至り、自力での抵抗は諦めざるを得なくなったのだった。
何を言われるか分からないので、心療内科に定期的に通院している、とは上司に言っていない。
病院へ行くときは「内科に行ってきます」とか、「今日は早く帰ります」とか言ってごまかしている。
そんな中、今日はたまたま「病院へは行かないといけないが、そこから直帰するわけにも行かない」という事情があったので、上司に「ちょっと今日は席をしばらく外しますが、戻りますので」と伝えると、上司は
「えっ!?そのまま帰ればいいじゃん。何の仕事があるっていうの?」 ときつい顔で言った。
「いやあ……」
と僕が曖昧な返事をすると、その上司は 「じゃあ今やらなきゃならない仕事って何?言ってごらん」 と厳しい口調で言った。
僕には、それがまるで上司が「大した仕事なんかないくせに何残業してんの?」と言っているように聞こえた(実際は残業する必要なんかないんだから帰りなさい、と気遣ってくれたのかもしれない)。
その後、僕が帰ってから仕事をしているときに、その上司にあることを質問すると、上司はとても怖い顔をして対応し、その後すぐに帰って行った。
上司の意図は分からなかったが、僕は自分が「ろくに仕事もないくせに上司の手をわずらわせるダメ人間」のように思えてならなくなり、しばらくするとどうにも涙が止まらなくなった。
幸いにも僕のデスクの正面方向には誰もいなかったので、見られはしなかったが、仕事場でこれほど泣いたのは初めてだった。
「自分は不要だから休職するか、辞めた方がいいのかな…」
と本当に真剣に悩んだ日だった。
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