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2006年08月30日(水) 2006夏旅行記〜私が馬鹿でした。

これまで私はオレオレ詐欺だの架空請求だのデート商法だのに引っかかる人たちが不思議でならなかった。どうしてそんなものを真に受けてしまうのか。
同様に、旅行のガイドブックによく載っている「両替したお金を後で確認したら一万円分足りなかった」とか「ニセ警官に言われるままに財布を見せたらいつのまにかお札を抜かれていた」とか「道中で知り合った人にぼったくりバーに連れて行かれた」といった被害体験談も、気の毒だけどどんくさいなとつぶやきながら読んでいた。
海外では私はますます用心深くなる。自分がそんな目に遭うことはない、と思っていた。
その私が、その私が……。


サグラダ・ファミリアに行く途中、バルセロナ港近くの広場で大道芸人のパフォーマンスを見ていたときのこと。人垣の一番後ろにいた私が背伸びに疲れてふと振り返ると、少し離れたところで二、三人のギャラリーを相手にこじんまりとゲームのようなことをしている男性が目に留まった。
地面に敷かれた五十センチ四方のマットの上に伏せたカップが三つ。そのうちのひとつに玉を入れてカップをシャッフル、どれに玉が入っているかを観客が当てるというもの。お金を賭けてやっており、当たれば掛け金は倍になり、外れたら戻ってこないというルールらしい。
人の隙間から覗き見るジャグリングよりこちらの単純な遊びに興味をそそられた私は近づいて行き、心の中で「あのカップだな」「今度は向こうのだ」と予想しながら見ていた。

……のであるが、驚いた。さきほどから何度も挑戦している男性は勝ったり負けたりしている。しかし、私はすべて正解するのである。
玉の入ったカップを目で追うのはそれほどむずかしいことではなかった。外れのカップを選ぶのを見て、私は「どうしてわからないんだろう?」と首をかしげた。
若い女性が「次は私がやるわ」と進み出た。なんと、百ユーロ(約一万五千円)を賭けている。彼女は手前のカップだと言い、私もそれに違いないと思った。
「親」の男性がカップを開き……彼女は大喜び。わー、すごい!私は思わず拍手をした。

そのとき、まいったなあという感じで苦笑していた親の男性と目が合った。と思ったら、彼が私を手招きする。
「な、なに?」
「次、君やってみなよ!」
「ええええ」
じゃあ練習してもいいよと彼が言い、カップをシャッフル。
「さあ、ひとつ選んで」
周囲の客も「練習だけでもやってみたら?」とけしかける。私はどきどきしながら指差した。はたして玉は……入っていた。

それでもお金を賭けてやろうとは思わなかった。いままでのが全部わかったからといって次もわかるとはかぎらないもの。
すると男性が言った。
「じゃあ僕が先にカップをシャッフルするから、君はそれを見てから賭けるかどうか決めればいいよ」
「え、そんなのいいの?」
思わず訊き返す。だってそれなら私が損をすることはない。玉の入ったカップを見失ったら賭けなければいいんだもの。
「君だけ特別だよ」と彼がウインク。そうか、私が外国から来たお客さんだからルールを甘くしてくれたのね。
「オッケー、やりましょう」

あのカップに間違いない。
とは思うものの、パチンコも競馬もやらない私はお金を賭けるという行為に慣れていない。清水の舞台から飛び降りるような気持ちで十ユーロ札(約千五百円)を渡したところ、女の子が駆け寄ってきた。さきほど二百ユーロを勝ち取った彼女だ。
「私もそのカップだと思うわ、ぜったいそう。だからもっと賭けとかなきゃ損よ!」
どうやらアドバイスをしてくれているらしい。
ふうむ、彼女もあのカップだと思っているのか。だったらこの勝負、もらったようなものよね。じゃあもうちょっと賭けたほうがいいかしらん。
私はもう三枚、十ユーロ札を追加した。

* * * * *

空のカップを前に呆然と立ち尽くす私。なにが起こったのかよくわからない。
ゲームに参加していた観客たちもグルだったのだと気づいたのは彼らが去ってからのことである。警官が走ってくるのを見てくもの子を散らすように逃げ出したのだ。
私はジャグリングを見ている夫のところへ行き、うわごとのように「六千円が、六千円が……」。
びっくりした夫が英語が苦手な私に代わって警官に説明してくれたのだが、そうしたらそれは観光客が集まる場所でよく行われる詐欺だったのである。
「見破れる」と思ったのは動体視力が優れていたからでもなんでもなく、親の男が私にそう勘違いさせるため、わざとわかるようにシャッフルしていたから。観客役の男は勝ったり負けたりしてさもゲームが成り立っているように見せかけ、二百ユーロの女の子は私の掛け金を吊り上げた。その策略に見事はまったわけである。
「顔を見たらわかるか?」と尋ねる警官に力なく首を振る。外国人の顔なんてみんな同じに見えるもの……。それに手際のよい彼らがいつまでもそのあたりでぐずぐずしているわけがない。

「そんなうまい話があるわけないじゃないか!ポーッとしてるからだまされるんだ」
と夫に叱られる。おっしゃる通り、返す言葉もございません……。
ああ、ガイドブックで読んだどの体験談より幼稚な手口ではないか。彼らは私が近づいてきたとき、「いいカモがやってきた」とほくそえんだに違いない。欲を出したばかりにそれに引っかかったというところが悔しいやら情けないやら。
こうして日記のネタにでもしないと気がおさまらないわよーっ。


2006年08月28日(月) 2006夏旅行記〜アムステルダムにて。

充電完了。本日からまたよろしくお願いします。

今年の夏はまずオランダへ飛び、二泊したあとスペイン・バルセロナから客船に乗り、イタリア三都市とフランス・ニースに寄港するクルーズをしてきた。
ハプニングやトラブルもあったけれど、とても楽しかった。今日は最初の滞在地、アムステルダムで印象に残っている場所や出来事のいくつかにお付き合いください。


「オランダ」と聞いて、あなたはなにを思い浮かべるだろうか。
風車や木靴、チューリップといった牧歌的風景?それともゴッホ?アンネの隠れ家?ハイネケンビール?
私はこれらにもうふたつ追加したい。ドラッグと売春だ。

アムステルダムの街のいたるところで見かける、「コーヒーショップ」という看板。といっても、客にコーヒーを出す店ではない。
オランダでは十八歳以上であれば、マリファナやハッシシといったソフトドラッグは五グラムまで所持していても罪に問われない。「コーヒーショップ」という名のソフトドラッグ販売店で気軽に吸引したり、購入したりすることができるのである。日本では「私、マリファナやってます」は口外できることではないが、あちらでは酒やタバコと同じ“嗜好品”扱いのようだ。
よって店内は薄暗いとはいうものの、人相悪くもいかつくもないごくふつうの男女が会話を楽しんでいるように見える空間である。なにも知らない観光客が「カフェ」と勘違いして入って行ってもちっとも不思議はない。

前を通ると、不思議な香りが漂ってくる。
「オランダではむしろタバコの害のほうが問題視されてるんだよ」
と中を覗き込む夫。やーよ、いくら日記のネタになるからって、そこまでする気はないわ。
「第一、あなたが売ってもらえるわけないでしょう」
童顔の夫は海外に行くとしばしば「高校生か?」と言われる。店に入ったら、「ここは子どもの来る場所じゃない」とたちまち追い出されてしまうだろう。
これは説得力があったらしく、彼はおとなしく引き下がった。

ダム広場を抜けて少し行くと、運河沿いに派手な看板が並ぶ町並みが現れた。「Red Light District」「飾り窓地帯」と呼ばれるポルノショップや売春宿が集まった風俗街だ。
オランダでは二〇〇〇年十月に売春が合法化された。つまり、それが一般の企業活動として認められているのだ。ガイドブックには「麻薬売買が行われる大変危険な地域なので、近づかないのが賢明」とあるが、アムステルダムに来てここを訪ねないわけにはいかない。

いくつかの理由で夜行くのはためらわれたので、明るいうちに行ったところ……。そこは拍子抜けするくらいあっけらかんとしていた。
窓には赤やピンクのけばけばしいカーテンがかかっており、日が落ちてからであれば妖しげな雰囲気になりそうであるが、昼間は観光客らしき女の子のグループがキャッキャッ言いながら写真を撮っていたり、子どもの手を引いた若い夫婦が歩いていたり。
しかしそうはいっても、通りに面した大きな窓々にブラジャーとパンティだけを身につけた女性が立っていて、道行く男性に手を振ったり、投げキッスをしたり、ときには窓から顔を出して声をかけたりする姿には思わず「す、すごい……」。なるほど、「飾り窓」とは女性をショーウィンドウに並ぶ商品に見立てての表現だったのだ。
もっとも、みながみな営業熱心というわけではなく、「かったる〜」とでも言いたげにタバコを吸っていたり、パンをかじっていたり、雑誌を読みふけっていたりという窓もあったけれど。
私たちの行く前を、白人の中年男性があちらの窓、こちらの窓に立ち寄っては値段交渉をしている。結局折り合いがつかなかったらしく、彼はあきらめたように広場のほうに歩いて行ったが、交渉が成立すれば男性は部屋に通され、シャッとカーテンが引かれるわけである。

ここまで読んで、男性は「どんなにきれいな人が立っているんだろう?」と想像力をかきたてられたかもしれない。
しかし残念ながら、「えっ、この人もそうなの?」と驚くような女性も少なくなかった。でっぷりと肥えていたり、かなりとうが立っていたり。二階の窓でスタイル抜群の金髪のお姉さんが悩ましげなポーズをとっていて、通りにそれを見上げる男性の人垣ができているのを見たけれど(なんてわかりやすいんだ……)、ほかには美人だとかセクシーだとか思う女性はいなかった。
もっとも、そういう女性は窓辺に立つ暇などないのかもしれないし、そこで客になる外国人男性と私とでは美の基準といおうか、顔立ちや体型の好みが違うということも考えられるけれど。

それにしても、オランダはセックスに関する事柄になんて寛容、というかあけっぴろげな国なんだろう。
日本なら大人のオモチャ屋さんにしか売っていないような卑猥なものがふつうの土産物屋に並んでいるのだ。絵はがきの写真もえげつないほど露骨である。
雑貨屋の店頭に、実物大の男性器のオブジェが目玉商品のようにびっしり並べられていた。
「こ、こんなものを部屋に飾ってどうしろと言うの……」
わなわなしながら手に取ってみたら、先端に塩や胡椒を入れるようになっていた。なんだ、キッチン用品だったのか。
……ってなおのこといらんわい。

* * * * *

「ドラッグだの売春だのエッチグッズだの、そんなものしか見てこなかったの?」
と言われてしまいそうだが、そんなことはない。風車にのぼったり、アンネの隠れ家で入り口の回転式本棚が意外と小さかったことに驚いたり、ハイネケンの博物館でビールを飲んだりもしてきたもん。
しかしオランダを語ろうとするなら、このあたりのことを避けては通れないではないか(ほんと?)。

次回は、スペイン・バルセロナで信じられない失敗をした話を。


2006年08月21日(月) 成田まで帰ってきました。

少しばかりおひさしぶりです、小町です。
成田まで帰ってきました。いま乗り継ぎの飛行機待ち中で、ラウンジでひと息ついているところです。
いくつか予想外の展開(ハプニング、とも言う)もあったりで、おもしろい旅行になりました。

絵はがきも無事全員の方に送ることができました。今回は船旅で時間に余裕があったのとネタが豊富だったのとで、はがき書きが進んで進んで。もっとたくさんの人を募集していればよかった!と悔しくなったくらい。
そうそう、絵はがきといえば毎年思うことなんですが、外国の人ってほんと、細かいことは気にしないですね……。
郵便局なりホテルのフロントなりに切手を買いに行くじゃないですか。すると、あちらの人がはがきに貼ってくれることがよくあるんですが、その貼り方が実に大雑把。
自分で言うのもなんだけど、私は一枚一枚かなりていねいに書いているんですね。で、それを手に持っていると緻密さゆえに「オー、ビューティフル」と言われることがあるんですが、じゃあ切手もきれいに貼ってくれるかというと、それとこれとは別みたい。
横のものを縦に貼る、上下逆さに貼る、郵便番号や住所が隠れてもへっちゃら。何十枚もあるのをベーッと舌で舐めて貼られることもしばしば。
「ぎゃーー、私、自分で貼りますっ」
と叫びたい衝動に駆られたことが今回も何度もありました。
というわけで、豪快に切手が貼られているはがきを受け取った方は、そのときの私の顔を想像しながら読んでねー。

二週間近く休んだのかな、でもいい充電期間になりました。旅行の話以外にも書きたいことがたまっていて大変です。
またよろしくお願いします(でも、帰ったら家のパソコンが事切れている可能性大だけど……)。


2006年08月09日(水) しばらく休みます

先日はたくさんの絵はがきリクエスト、ありがとうございました。
六回目となる今年は初めての方とリピーターの方がほぼ半々、全回制覇の方も数人おられて感激です(サイト開設当初から読みつづけてくれているということだもの)。
参加表明してくださった方全員に、昨日までに「承りました」という件名のメールをお送りしています。私からの返信がないということはメールがこちらに届いていないか私が見落としているかですので、大至急(本日中)ご連絡ください!

ところで、いただいた「行ってらっしゃい」メールを読みながら、私はひえーと叫んでしまった。三通に一通くらいの割合で、同じ内容のことが書かれていたからである。

「ケンカしないでね〜(笑)」

うわあああ、は、恥ずかしーー。いかに私たちがケンカの多い夫婦だと思われているかがわかるな……。
しかし、心配ご無用。今年こそ一昨年スイスで得た教訓を生かすのだ!
すでに夫にも「いい?今回は船旅だから別行動もできないんだし、ぜったいケンカなしの旅行にするよ。私にむかつくことがあっても、ぐっと堪えてちょうだいよ」と言い渡してある。なので大丈夫……のはず……。

準備はばっちりだ。インスタント味噌汁も買ったし(部屋で飲む)、持って行く本も決めた。
そうそう、旅行中の意外な楽しみに「読書」がある。私はまったくと言っていいほど小説を読まない人間だけれど、夏の旅行のときは一冊持って行き、移動中や寝る前に読む。
去年は日記書きの友人から勧められた京極夏彦さんの『姑獲鳥の夏』。買いに行ったらアダルト小説のような表紙だったのでびっくりしたが、中身はそんなことはなくてとても面白かった。
で、今年は少し前に夫が読んでいた村上龍さんの『半島を出よ』。私は村上さんのエッセイとは相性がよろしくなく、『すべての男は消耗品である。』もどうしても最後まで読むことができなかったのだけれど、小説は別かもしれないものね。

というわけで、しばらく留守にします。いつもならここで、
「次回の更新日は○日です」
と書くのですが、今年は未定です。帰国は二十一日なのですが、パソコンがいよいよだめになってしまったので(いま最後のがんばりを見せてくれている)、買いに行かなくてはなりません。
少し長めの夏休みになるかもしれませんが、必ず戻るのでよろしくね。絵はがき企画に参加してくださった方は、どの都市から届くかお楽しみに。

みなさまもどうぞ思い出に残る夏を。


2006年08月07日(月) 暑中お見舞い申し上げます。

暑中お見舞い申し上げます、小町です。毎日死ぬほど暑いですが、みなさま元気にお過ごしでしょうか。
この家でクーラーがない夏を耐え忍ぶこと六回目。私の食欲もめっきり減退しておりますが、私より先にパソコンがダウンしてしまいました(この殺人的な暑さのせいに決まっている!)。
週末から、何度か再起動を試みてやっと立ち上がったと思ったら十五分も使うと画面が固まる……という状態。いまも、またいつエラーがどうのこうのというメッセージが出てくるかとびくびくしながら書いている。なので、今日は連絡事項のみです。


テレビを見ているとあちこちのニュースやワイドショー番組の司会者が夏休み中ですが、わが家も木曜日から旅行に出かけます。
ここ数年レンタカーの旅が続いていたので、「今年は楽させて」という夫の希望により船旅です。バルセロナから乗り、イタリアのナポリやフィレンツェ、フランスのニースなど五都市に寄港して再びスペインに戻ってくる予定。

……というわけで今年もやります、絵はがき企画。
今回で六回目になりますが、船の上で書くのは初めて(四年前はオーストラリア大陸横断鉄道の中からだったけど)。「日記の更新もないことだし、じゃあ旅レポでも読むかな」と思われた方、メールで必要事項をお知らせください!あちらから心を込めたラブレターをお届けいたします。
あ、そうそう、ときどきアドレスとハンドルを書いて送ってくださる方がいますが、旅先からメールが届くのではないですよ、本物の絵はがきですから住所と名前をお願いしますね。
毎日五、六枚ずつ書きますので、掛けることの日数分のリクエストをいただいた時点で受け付けおしまい、です。

メールを受け取ったら、確認のために「承りました」メールをお送りします。……が、なんせパソコンがこんな状態ですので、愛想もなにもない自動返信メールになってしまうことをお許しください。
船旅なので、今年の絵はがきはいつもより余裕をもって書けそうです。はじめましての方もそうでない方もふるってご参加ください!

(たくさんのリクエスト、ありがとう!絵ハガキの受け付けは終了しました。「うそーん。ひと足遅かった〜」という方がもしいたら、ごめんなさい)


2006年08月04日(金) 参考までに……

先日、「男性には『かわいい』が褒め言葉にならないのが残念だ」と書いたところ(8月2日付「褒めてるんだよ。」)、あまりにも日記の内容通りの反応が返ってきたので笑ってしまった。
男性は「子ども扱いされているみたいで抵抗がある」「小ばかにされた気がする」と不服顔、女性は「かわいい男性ってポイント高いのに……」「好意的な言葉なのにどうして嫌がるんでしょうねえ」と首を傾げる。
が、やはり「飲み会の席で女の子に混じって甘いデザートを注文した先輩にほんの軽口で言ったら、真顔で『悪かったな』と返ってきた」なんて話があるものだから、気心の知れた男性以外には言わないのが無難だなあ、とあらためて思った私。


私も毎日人からいろいろな言葉をもらうが、相手がそう深い意味なく口にしたことに小躍りしたくなることもあれば、逆に悪気はないとわかっているのに「ちぇっ」と言いたくなることもある。
というわけで、過去に言われたそういう言葉を挙げてみよう。★の数は喜びの度合いを表す。

「きれいだね」 ★★★★★
リップサービスだろうがなんだろうが、うれしいもんはうれしい。“大人の女性”という響きを含んでいるので、「かわいい」より数段うれしい。というより、「かわいい」って言われたことあったっけ……。これも残念ながら言われた記憶がないけど、「セクシー」もきっと同じくらい喜ぶな。

「独身かと思ってた」 ★★★★☆
当然のように「所帯じみていなくて人妻に見えない」と解釈していたけど、いまふと思った。「結婚相手、よく見つかったね」だったらどうしよ……。

「お酒強そう」 ★☆☆☆☆
よく言われるが、「豪快」って言われているみたいでうれしくはない。憎からず思っている男性からは言われたくないセリフのひとつ。

「色、白いね」 ★★★★☆
白けりゃいいというもんでもないので、どうせならもう一声ほしい。「白くて、肌きれいだね」なら満点!

「今日、化粧濃いね」 ★☆☆☆☆
わざわざ言わんでよろしい。

「ちょっと太った?」 ☆☆☆☆☆
思っても言うなああ!(星あげない)

「A型?」 ★★★☆☆
当たっていないけど、「きっちりしてるね」と言われたみたいで悪い気はしない。

「彼氏、いるんでしょ?」 ★★★☆☆
「いなさそう」と思われるより百倍いい。

「いま、お暇ですか」 ★★★☆☆
ナンパされると、「おっ、私もまだイケる?」と思う。

「帰したくない」 ★★★★★
歓喜八割、困惑二割で胸がいっぱいになる。ただし、激しく相手による。


私の場合、相手が自分のことを「女」と意識してくれていることが伝わってくると自尊心が満たされてうれしくなるみたいだ。
ついでと言ってはなんだけれど、読み手の方からいただいたことのある言葉もご紹介。

「男性が書いていると思ってました」 ★★★☆☆
三、四回言われたことあるなあ。ま、べつにどっちだと思われていてもいいけどね。

「はじめまして、小春さん」 ★★☆☆☆
かなりウケた。

「○○(飲食店)でバイトしてます。来てくれたらサービスしちゃいます!」 ★★★★☆
もし家から近かったら、突然訪ねて「ほんとに来ちゃった。大盛りにして!」なんてやってるかも……(で、「あなた誰ですか」って不審がられるのね)と思うくらいうれしい。

「過去ログ読破しました」 ★★★★☆
うれしい半面、むかし書いた文章は幼稚なのでかなり恥ずかしい。

「私(四十代男性)と同年代だと思ってました」 ★★★☆☆
サイトの中の私はかなり老けているらしく、「もっと年上の人が書いていると思ってた」とよく言われる。

「ファンです」 ★★★★★
……か、感激です。


それぞれの言葉の印象はこんな感じかしらん。
というわけで、今後私と会ったりメールを送ったりするときの参考にしてくださいね!(あはは、冗談です)


2006年08月02日(水) 褒めてるんだよ。

スピッツのプロモーションビデオを見ているところに夫が帰ってきた。
そういうことに異常に疎い彼がなんというバンドかと訊くので教えたところ、名前は知っていたらしい。ふうんと頷いたあと、ボーカルの草野さんを見て、おごそかに言った。
「なんか、地味な人だね」
たしかに、華やかとかアグレッシブといった印象を与える人ではない。内に熱いものを秘めていそうではあるけれど、ぱっと見は温厚でおとなしそうな感じ。だから、そういう形容もできるかもしれない。
でも、私はこういう雰囲気の男性はかなり好きである。

……と言ったら、夫がえーと声をあげた。
「こんな内気そうなののどこがいいの?クラスにいたら、『……あ、オマエいたの?』って言われるタイプじゃん」
ひ、ひどいっ。
まあ、たしかにあまり目立たない生徒だったんじゃないかという気はするけれど……。

が、次の瞬間ふきだしてしまったのはほかでもない、そう言う夫が同じ系統のルックスをしているからだ。
彼に初めて会ったとき、「まあ、なんておっとりとして優しそうな人なの!」と思った。友人を家に連れてくると誰もがそう言い、「中身はぜんぜんちゃうねんで」と言っても信じてくれない。見た目だけは柔和でおとなしそうな、草食系なのだ。
おまけに童顔。新婚旅行は客船に乗って大西洋を横断したのだが、ディナーのとき隣席になったアメリカ人に「お父さんとお母さんは(別のテーブル)?」と訊かれていたくらいである。その人は夫のことを十七歳くらいの少年だと思っていたのだ。

いくら日本人は幼く見えるとはいえ、もうすぐ二十八になろうという男が高校生と間違われるとは……と夫はかなりショックだったらしい。
しかし、私でも「かわいい」と思う顔をしているのだから、年配の外国人の目にそう映るのも無理はないかもしれない。
フォローのつもりでそう言ったら、「かわいくなんかない!」とむくれてしまった。


男性に「かわいい」は褒め言葉にならない、とはよく聞く話だ。「そう言われてもちっともうれしくない」と彼らは言う。
その理由はなんとなく想像がつく。「子どもっぽい」と言われたような気がするからだろう。男扱いされていない、場合によってはなめられている、バカにされているとさえ思えて、喜べないのではないだろうか。

たとえば、ふだんクールな男性が甘えたところや無邪気なところを見せると、そのギャップに愛しさを感じる。それが「かわいい」の成分であるが、たしかにその瞬間、女性は保護者のようなまなざしをしている。
しかし、だからといって「褒められている」と認識してもらえないのはとても残念。男性が女性に対して「かわいいとこあるじゃん」と思うとき、決して相手を見下しているわけではないだろう。それと同じで、百パーセント親愛の情なのだ。
男として見ていないということもまったくない。たとえば、私は草野さんが歌っている姿に「なんか、かわいい」と微笑んだ数秒後、「セクシーだなあ……」とため息をつく。

とはいうものの、その表現を歓迎しない男性が少なくないとわかっているので、許されそうな相手にしか言わないことにしている。
男性は「どうせなら“カッコイイ”と言ってほしい」と言うけれど、それはむずかしい。だって、「かわいい」と「カッコイイ」はまったく別物だもの。
母性本能がくすぐられ、思わず顔がほころぶ、ぎゅっと抱きしめたくなる……。そのニュアンスをほかの言葉で伝えることはできない。
「キモかわいい」と言われたらむっとしてもいいと思うが、ただの「かわいい」だったときは素直に受け取ってもらえるとうれしいなあ、というのが本音である。

ちなみに、「カッコイイ」であるが、私はあまり使わない。
ストレートすぎて面と向かって言おうとすると照れてしまうし、それに表面的でちょっと軽い感じがしないでもない。そこにいない誰かについて「彼、カッコイイよね」なんて言うことはあるけれど、本人に向かって言うことは少ない。
そのかわり、誰かに「あなたのそういうところを気に入っています」を伝えたいときは「すてき」を使う。
「カッコイイ」よりもっとさまざまなものを含んだうえで魅力的だと思っていることを伝えられそうな気がする。この言葉が好きだ。