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- 2006年06月22日(木)
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- ブラジル2点差撃破を、真剣に考える。
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『柳沢のシュートは芸術作品!』 『ギブスしてても決めれる!』 『解説不可能!!』
世界中のメディアから酷評された クロアチア戦の柳沢のシュートシーン。 そのシーンを象徴として世界的に認知された 日本の非決定力。
そんな日本が、ブラジル相手に2点差勝ち? ナイナイナイナイ〜!!
…とまあ、 世界の人々が思っているのはもちろん、 日本国民も身の程を分かっている…
分かっているが、そんな気持ちのまま、 その時を待つ気分はもはや死刑囚。
もっとワクワクしようぜーーー! せっかくのW杯なんだから、
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そんな、一億人の日本国民の声にお応えして、 全国数千万人のサッカー素人評論家の一人であるワタクシが、 「ブラジルに2点差勝利」を、真剣に検討してみた!
超ポジティブ思考になれる、しかもケッコー現実的な 勝利へのシミュレーションが今ここに完成しました!!
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【思い込みポイント!】
1 決定力不足?確率論を信じよう! 惜しいシュートの連発、ありえないミスもあった。だとしたら思いませんか? そろそろまとめて決まっちゃうんじゃないの?という、確率妄信的な期待。 でもFWは、このくらいの思い込みを持って落ち着いてシュートすればいい。
2 夜の試合時間。日本のパフォーマンスUPは必至! 過去2戦以上のパフォーマンスを発揮できる試合時間帯であるのは間違いない。 相手が前2戦の日本のイメージならば、開始10分ぐらいでサプライズもありえる。
3 守備的チームとの対戦よりは「得点」の可能性はある。 守備的な前2チームより前がかりになるブラジルの方が、日本の攻撃陣が動ける スペースをもらえそうである。ブラジルDFは寄せが早く、鋭いスライディングを しかけてくるが、攻めている以上、DFの枚数は少ない。得点のイメージは現実的にある。 (しかし、さりげにブラジルって無失点記録が続いてるんだよね) ・・・しかしその分、失点するイメージの方が大きいんだが…苦笑。
4 とにかくセットプレー! パスワークで崩してゴール!なんてことはあまり考えない方がいい。とにかくセットプレーから!! ペナルティエリア付近でいかにファウルを誘ってFKやPK、またはCKを何本もらうかがカギ。 最も決定力の高いシチュエーションを考えるとこうなるのだ。俊輔のFKは、誰にも邪魔されず、 俊輔の精度だけで勝負出来る。CKを蹴れば万が一がある。PKなら日本のFWでも決めれる苦笑。 ファウルを誘うには、キープしながら仕掛ける動きが必要。そういうことが出来る人を前線に。
5 俊輔が元気になった。 オーストラリア戦前から体調を崩し、クロアチア戦前には39度まで熱が上がったとのこと。 プレーに精彩を欠いた前2戦の俊輔だったが、いよいよ回復してきたとのこと。 ブラジル戦では、本来の俊輔、コンフェデ時の俊輔を見せてくれそうだ。
こんな思い込みで、テンションをあげつつ、
試合開始!!
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■前半開始〜15分
日本はまずは4ー4ー2からスタート。 FWは高原と玉田。2列目に俊輔とヒデ。ボランチは福西と小野を器用。 ブラジルはカフーに代えて期待のシシーニョ、ボランチ2人を変更。 不調のロナウドは調子を取り戻させるために先発。システムは同じ4ー4ー2。
前半15分まで、間違いなくブラジルは攻めて来ない。
気候も良好。これまでになく調子のよい日本は、 開始15分までは全開で攻めていく時間帯。
【オフェンス】 高原、玉田、中村、中田英に加地or三都主の5人 ペナ付近で高原、中村、中田のキープ力ある面々が ボールを持ちつつ勝負してファウルを誘うこと。 パスするにも必ず一度突っかけてからパス出しする。 FKやCKをゲットしてセットプレーからのゴール狙い。 安易にゴール前で出来もしないパス回しをしない。 ファウルを誘うか、センタリングか、ミドルシュート。 最後は絶対にシュートで終わりたい。 できれば、このブラジルが眠っている時間帯で1点!
【ディフェンス】 中沢、坪井、三都主or加地、小野、福西。この5人で ブラジルのカルテットを抑える。最終ラインは定位置。 攻撃が前がかりでも、最終ラインはそれほど上げないので、 小野と福西は上がらずに(上がるなら中田が下がって) 常に2人で、ロナウジーニョとカカを見る。 見ながら、攻撃時のセカンドボールを奴ら2人より 先に拾うこと。奪われるとヤバいことになる。
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攻めてみたものの、惜しい場面もあったが、 とりあえず、そう簡単に点はとれないだろう。
前半15分 日本0ー0ブラジル
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■前半15〜25分
集中力は続かないので一旦落ち着かせる。無理に攻めずに 相手の出方を冷静に見る事。必ずブラジルは我慢しきれず攻めてくるはず。 なぜならば、ブラジル人だから笑。
前半25分 日本0ー0ブラジル
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■前半25分〜35分
ブラジルがギアチェンジ。ショータイムに入る。 日本は、はっきりとカウンター狙いに徹する。このシフトチェンジ時の全員の意識徹底が肝。 点をとるためには相手の力を利用するしかない。玉田1人を残し、高原と中村がその下。
【ディフェンス】
中田、小野、福西でカカ&ロナウジをチェック。 4バックは、ペナルティエリア内にブラジルの 化け物たちを入れさせないディフェンスを。 エリア内でシュートを打たせたら即死なので。
エリア外からはシュートを打たせてもいい。 (ただしロベカル以外) しかしドフリーはまずい。必ず誰かが寄せる。
そうすれば、エリア外からのシュートは絶対に 我らの「神」が止めるはず。
決められたら仕方ないと割り切ること。
【オフェンス】 ボールを奪ったら中田へ。 (中田がカットするのが理想的なカウンター) 狙いは当然、ロベカルの裏を駆け上がる加地へ。 加地のセンタリングをFWが詰めて、中村が セカンドボールを狙う。もしロベカルではなく、 若いシシーニョが意気込んで上がり気味ならば、 玉田が左へながれて中田からパスをもらうもよし。
ブラジルにとって消化試合はない。 国民は常に圧勝を願っている。 現に今回、2連勝しているというのに、 国民は苛立ちが爆発寸前とのこと。 なので、この時間帯からガンガンに攻めて来る。 だが、フィジカルも技術もない日本攻撃陣にとって、 駆け上がるスペースがあるカウンターの方が 得点の現実味があるはず。
カウンターを発動させるには、まずはブラジルの 攻撃を耐える。竹のようなしなやかさで受け止めて、 冷静にすばやくカウンター。
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ここまでですでに、カカの凄まじいミドルを「神」がスーパーセーブ。 ミドルを打たせる前にカットできれば、確実なカウンターになるのだが…。 ヒデや福西らが、虎視眈々とブラジルのパスカットポイントを図っている。 とにかく今は耐える時間…。
前半35分 日本0ー0ブラジル
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■前半35分〜前半終了
カウンター陣形のまま。 終了間際はどの試合でもただただ気合あるのみ。
我らが「神」のスーパーセーブもあり、惜しいシュートもあったが、 攻めているのに、中々ゴールが決まらない苛立ちがブラジルに出始める。 前半終了の笛が近づいてきて、微妙にプレーが雑になりかけていた。
日本は、3〜4度のカウンターチャンスがあったが、 パスミスや相手の見事なスライディングなどで、チャンスを逸していた。 だが、玉田、高原、中村、そして中田は感触を掴み始めていた。
厳しいマークを受けるロナウドから、安易なバックパスがカカへ出た、 ヒデはすばやくカットして、右前方のスペースへロングパス。 終了間際で特に前がかり気味だったブラジルの虚をついて、加地が駆け上がる。
ボールに追いついた加地は、ペナルティエリアへ切れ込んでいくが、 凄まじいスピードで戻ってきたロベカルが立ちはだかる。 加地が仕掛けるふりをしつつ、フォローにきた高原へ渡してワンツー、 …と思いきや、ロベカルの横をすり抜けようとした加地が倒れる。
長い笛!…PK!
ロベカルが足を出してしまったのだ。そして蹴るのは高原。 さすがに、非難を浴び続ける日本のFWとしてPKは外せない。
確実に決めて、日本先制!
前半終了 日本1ー0ブラジル
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■後半開始〜後半15分
後半開始早々から、うっぷんの溜まったブラジルの超猛攻。 日本はカウンターを狙う余裕もないほどの、激しい波状攻撃を喰らう。 この時間帯はただただ耐えるのみ。 「とにかく守る!」という共通意識を全員でしっかり持ってディフェンス一本! もう1点欲しいが、ここはガマン!
後半開始15分間、日本は耐え抜いた。
後半15分 日本1ー0ブラジル
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■後半15分〜後半25分
玉田に代えて大黒投入。
ずっとカウンターで長い距離を走らされたのと、前線からの守備で、 疲れが出ていた玉田。肝心のスピードが鈍ってきたので、大黒と交代。 これはジーコからの「これからの15分は攻めろ!」というサインであった。
総攻撃で点が入らなかったブラジルが、 呼吸を整えるため、ひと休みする時間帯。 再び点を取りにいく日本。
大黒が入って、さらにボランチを福西一人に。 俊輔の後ろ、左に小野、右にヒデが上がる。
俊輔とのパス交換の後、小野が左前方へ 柔らかいパス。今日初めて左を駆け上がった ALEXへと通ると、シシーニョが詰めてくる。 フェイントを入れてALEXがセンタリング。 大黒と高原が競るが、GKが大きくパンチング。 そのボールがヒデの前へ。
ミドルを打つフェイントでDF2人が詰め寄ると、 左へ流して俊輔へ。すかさず囲むブラジル。 俊輔はダイレクトで中央の空いたスペースへ 折り返す。そこに走り込んでいたのは・・・、 フリーの小野だった。
コンフェデ杯の俊輔を彷彿とさせる、 渾身のミドルを放つ。
日本、追加点!
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後半15分 日本2ー0ブラジル
呆然とするブラジルDF陣。 「誰だあいつは?・・・」 「そうか小野だ!フェイエにいた小野だった・・・」
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■後半25分〜後半35分
高原に代えて中田浩二投入。
高原に代えて中田浩二投入。 システムも3バックに変更。 ドイツ戦を想い出させる、思いがけない展開。 当然ながら、何が何でも2点差を守りにいく。
必死の形相のブラジルは、 ロナウドに代えてロビーニョを投入。
それを機に活性化したブラジルの華麗なパスワークと スピードが、ついに日本のディフェンスを切り裂いた。
中央で囲まれたロナウジーニョから、左のスペースへ パスが出る。走り込んで来たロベカルがワンタッチで 低いセンタリング。突き抜けてきたのはロビーニョ! 中田浩が身体を寄せるが、足を伸ばしてゴール!
1点差に詰め寄られた日本!
後半35分 日本2ー1ブラジル
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日本相手に何が何でも負けるわけにはいかないブラジル。 やっと点が入って、さらにラテンのリズムがヒートアップ!
一方、肩を落とす日本イレブンに中田が吠える。その時、 電光掲示板にクロアチアvsオーストラリアの途中経過が出る。
【クロアチア1ー0オーストラリア】
全員が見た。 「いける!いけるぞ!奇跡が起きる!」 モチベーションに火がついた。
第1戦めの対オーストラリア戦。追いつかれた時のショックを、 酷暑のピッチがさらに追い打ちをかけた。しかし、今日のこの涼しいコンディションは、 1点差に詰められたショックを、ポジティブな反骨心に転換させた。
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■後半35分〜後半終了
福西に代えて巻投入。
失点後、ジーコは最後のカードを切った。 「サプライズの巻」投入。 そしてフォーメーションもサプライズ! なんとサイドバックの三都主をウイングに上げて 3トップの3ー4ー3にチェンジ。
ブラジル相手に親善試合ならばありえない・・・・。 ワールドカップだからこそこういうことが有り得る。
対するブラジルは、日本以上に必死である。 何しろ現時点で「日本に負けている」のだから。 「マイアミの屈辱」はあくまで五輪での出来事。 ここはワールドカップの舞台なのだ。ブラジルも 3トップ気味に波状攻撃をしかける。
こうして残り10分。 ブラジルとの壮絶な打ち合いとなる。
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押し込まれる日本。一体何本のシュートが枠をかすめただろうか。 枠内に飛んでくる弾丸は、ことごとく神の手が止めた。
後半44分。 ルーズボールが、下がってディフェンスしていた中田英の前にころがる。 即座に前線を確認すると、左前方に張る三都主へロングパスが出る。 シシーニョが詰めてスライディングすると、ゴールラインを割った。 日本のコーナーキック。俊輔がカーブをかけてニアに蹴った。 そこには「利き足は頭!」という巻がいた。DFに寄せられながらも、 頭にコンタクトさせてブラジルゴールへ飛んだが、GKがスーパーセーブ。 しかし、こぼれたところに飛び込んで来たのは、大黒様!!
身体ごとねじこんだ!!
後半44分 日本3ー1ブラジル
歓喜に抱き合うサムライブルー!! しかし、川口が叫んでいる!中田が全力で自陣に戻りながら吠える! まだ奇跡は起きてはいないのだ!
同時に、 電光掲示板に、たった今終わった結果が映し出される。
【クロアチア1ー0オーストラリア】
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■ロスタイム
ロスタイムは3分。
日本、あと3分、守り切ればいいのだ!
全員必死の形相で守る。それ以上の形相のブラジル。
ロビーニョの強烈なシュートがクロスバーをたたく。 すぐにカカが拾ってミドルを放つ!神の手がはじく!それを拾う坪井! しかし中途半端なクリア!それをロナウジーニョが拾う! ドリブルをしかけたところを、加地が倒してしまう。 左25mのFK。
名手ジュニーニョ・ベルナンブカノが狙う。しかしまたもクロスバー! 中沢がクリア!それを拾うシシーニョ。カカを経由してロベカルへ。
左サイドでロベカルがフェイントを入れながら横へはたく。 それを受けたロナウジーニョ、ゴールに背を向けるアドリアーノへパス。 瞬間、反転してゴールへ向くそぶりで、ヒールで右へ流す、 カカが切れ込みながらダイレクトでゴール前にスルーを送る、 走り込んでいたのはロナウジーニョ!左足を伸ばしてシュート! 目の前には飛び込んで来た川口の顔面があった…、クリア! こぼれ球にアドリアーノが反応する!中沢がスライディング! 倒れるアドリアーノ!こぼれたボールを三都主がクリアした時、 笛が鳴った…、コンマ数秒の静寂…(まさかPKか?!)
笛は3度ふかれた…
試合終了・・・・・
今ワールドカップ、最大の奇跡は起こった。
拳を突き上げるジーコ!ピッチの上では全員が倒れ込んでいた。
試合終了 日本3ー1ブラジル
日本、F組2位で決勝進出!!
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どうですか皆さん?、 なんとなくありえそうな気がしてきません?
テンション高くなってきましたか? ハナから諦めてた人も、もう少しワクワクしてみる気になりましたか?
ジーコは云ってました。 「コンフェデ杯の2−2を想い出せ!!あれで2点とられなきゃいいんだ!」
ナンセンスな理屈を承知でジーコは云った。これもひとつの選手に対する自己暗示。 「そうかあの時の2失点がないイメージか!」 「実現できるんだ!」という現実感を感じさせるための台詞です。
ワタシは、このストーリーを選手に読ませて、 自己暗示をかけてやりたい!!!
ということで、みなさん、いよいよ明日23日の未明です。 パワーを送りましょう!! 念じましょう!!
060622 taichi
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いよいよ、'06ドイツW杯、日本代表第2戦、 対クロアチア戦である。
さて、気合いを入れる意味でも、8年前の フランスW杯の思い出を、試合前に一つご紹介しよう。
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1998年フランスW杯といえば、日本代表がW杯初出場の大会。 その第2戦めといえば、奇しくも今回の第2戦と同じくクロアチア戦である。
当時私は前社の某広告代理店に勤務していたわけだが、W杯で盛り上がる 会社の同期や先輩後輩とともに、98年6月20日のクロアチア戦に向けて 赤坂の貸し切りバーでのパブリックビューイングを企画。当日は参加する各自が 友達を連れて来たため、男女入り乱れて総勢30名が赤坂に集結した。
地下にあるバーは試合前の興奮で熱気が充満しており、正面に備え付けられた 大型スクリーンでは、キックオフ前の選手達が映し出されている。
招集された全員にテキーラのショットが配られた。 それをキックオフと同時に全員がイッキして、ハイテンションの中観戦は始まった。
スターティングメンバーは以下の通り。
GK 川口 DF 井原 秋田 中西 MF 名良橋 相馬 山口 中田 名波 FW 中山 城
結果ご存知の通り、77分に中田のバックパスがカットされた後、 ゴール前まで一気に運ばれ、最後はクロアチアFWシュケルにゴールを許す。 そのまま試合は終了して0ー1。2連敗となって日本の1次敗退が決定した。
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さて、この後である。
イライラが募る守備的な試合に加えて、敗戦という結果、 さらには1次リーグで敗退決定という結末を目の当たりにして、観戦メンバー達の 逆ギレイッキが始まった。テキーラ、ウォッカのボトルが瞬時に空になっていく。 そしてワタシも浴びるように飲んでいたわけだが、
「負けちまったよーーーーチキショーーーー!!!」
気がつくと、同期の誰かの頭にヘッドロックをかけながら叫んでいたらしい。
ロックを外そうと暴れる同期。外すまいと身体を動かす私。そうこうするうちに、 『ゴン』 という鈍い音が脳内に響いた。何かに当たった感触は不思議と記憶に残っていない。
「キャアアアアアアアーーーー!!!!」
一瞬の間を置いて、場内に悲鳴が聞こえた。
『え?何?何があった?』っと、ヘッドロックをしながら視線を前に向ける私。 すると、みんなが私を見ているではありませんか。しかも全員が目を見開いて…。 皆の目を見てやっと、自分の身に起きている何かに気づいた私は、 額から何かが出ていることに気づき、手を額に持っていった3cmぐらい手前で、
『ピューーーーーーー』
っと吹き出す何かが手のひらに当たった。
「!、何コレ?!」 そんな勢いで吹き出す体内の液体が何なのか?瞬時に想像出来なかった私だったが、 視線を下に落とすとすぐに理解した。足元に真っ赤な水たまりが出来ていた。
「出てるよ出てる!!、スゲーーー!!、タイチスゲーーーー!!」 「血だよ、血!!、オイ早く止めろよ止めろ!!、誰かテキーラ持ってこい!!」
血を止めてくれるのはいいが、何故にテキーラなんだ?? などと思っている間に、私は誰かに羽交い締めにされた。 そして、2〜3人がテキーラを口に含み、私の額に吹きかけてきやがったのである。
「し、しみるわっーーー!!!」
そりゃそうである。 目眩がするくらいに滲みた。体中がしびれた。
何故にテキーラを吹きかけられなければならないのか?、 皆が皆、『止血にはアルコールだ!!』と思ったのか?、しかしその処置は、 どちらかというと、『止血』というより『消毒』ではないのか?、もしかして確信犯か? おい、止血をしてくれ、止血を!!
と思っているうちに、バーのマスターが白いタオルを持って来てくれた。
「これを頭に巻いて、とりあえず止血しよう。すぐに病院に行った方がいい。」
視界が赤くなっていたのでタオルで顔を拭ってから、それを額に巻いた。 気づくと、着ていた白いシャツには血痕が見事に飛び散っていた。
「スゲー!血だよ血だーー!!、何かオレ興奮してきちゃった…!!」
少し目がアブナイ数人が、血まみれの私を見ながら鼻息を荒くしていた。 すると、そいつらは全力疾走で階段を駆けて地上に出た後、(…自主規制…)した。
その後、トイレへ行くと同僚がいた。 同僚は私の姿を見ながら云った。
「…お前はクロアチアの応援をしに来たのか?」
「???」
私は鏡で自分の姿を見た。
そして、彼はトドメの一言を放った。
「裏切り者めー。負けたのはキミのせいしよう。」
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というわけで今夜、 中田や川口と同じく、
オレにとってもリベンジだ!!
060618 taichi
P.S あの後、血染めシャツを脱いだ私は、頭タオル(少し血染め)+上タンクトップ(少し血染め) +下ジーンズ(血痕あり)+足ビーサン、という危険極まりないコーディネートになった私は、 医者に行かずに同期のクルマに乗り込み、当時流行っていた渋谷のFURAへ直行。 フォーマルオンリーなので、当然ながらカジュアルは出禁。メンバー全員追い出されていく。 しかもリアル血まみれの私は黒人2人がかりで羽交い締めにされて強制送還。 その後、警察に(…自主規制…)ていたら、なんとフーリガンに間違われて事情聴取を受ける。 さらにその後、センター街で(…自主規制…)して、朝まで遊んでいました。 白いタオルは赤く固まって、頭の形に固まった帽子になっていました。 ああ、若気の至り…苦笑。
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一週間前、6月11日、
突然、我々の仲間が亡くなった。
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彼は、我々のリーダーであった。そして仲間だった。 我々の先頭に立って、同じ目標を目指して歩んできた。 仲間たちを悲哀の淵へ追いやったリーダーの急死。 彼の傍で裸の付き合いをしてきた者たちに、 理不尽なほどの悲しみと喪失感をもたらした。
私は、400kmも離れた場所で働いていたので、 彼が持つ圧倒的な熱気を肌で感じる機会は多くはなく、 他の仲間と同じ感傷に浸るには、ふれあう時間が短か過ぎた。
しかし、一滴の涙も流れない程、 彼を失った事実は、私にとって決して小さくはない。
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彼と出逢って2年半。少ないながらも数十回と逢っている。 言葉も交わした。色んな事を教わったし、口論もした。 私から見た彼は、リーダーとして心底尊敬して止まない部分と、 どうしても理解できない部分との、二つの側面を持っていた。
しかし、その両極端な部分を持つからこそ、彼は真に「人間的」だった。 圧倒的な人間力を持つ存在として、最も影響を受けた人の一人である。 何よりも2年半前に、私に第二の進路を決めさせたのは彼のその人間的魅力。 仲間の中で、彼の存在感は際立っていて、私もそれに惹かれたのだ。
遠くにいたので、体温を感じあう交流が少なかったが、 強いて挙げるならば想い出は幾つかはある。特に亡くなる前のこの半年間、 彼は遠くに居ながら、妙に私の心身を心配してくれた。
「お前、夜眠れないならな、帰りがけにスポーツクラブでひと泳ぎするんだ。 脳の疲労を肉体の疲労に変えてから寝ろ!俺もやるから、お前もやれ!」 「また、色々悩んでるんじゃないのか?云ってみろ。仕事か?女か?夢か?」
通夜の時、そんな彼の「生身の言葉」を、彼の亡骸を見ながら想い出せば、 さすがに、反射的な悲しみがこみ上げる。 しかし正直な所、やはり「リアル」ではなかった。亡くなった実感のない遠い場所から、 彼のすぐそばまで赴いたにも関わらず、失ったという実感が起きないのだ。
彼はリーダーであった。しかも離れた場所にいる人間。 本来遠い存在のはずなのに、微妙に体温を感じる近い存在。 それが私にとっての彼であった。 まさに「社長」と呼ぶよりも、「仲間」と呼ぶのがふさわしい。
それ故、彼の死をどう捉えてよいのか分からなかった。
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火曜の通夜、水曜の告別式と、慌ただしい一週間であった。 色も温度も失ったリーダーの顔を見ながら、ずっと感じていたのは、
「存在感」って何だろうか?・・・・ということだった。
何よりもまず、そこに肉体が在ると感じる手ごたえだろうか? 肉声や体温の記憶、同じ場所にいる臨場感だろうか?
それはあくまで「生身の実在感」だ。 この感覚が鮮明に残る大切な人間を失ったとしたら、その喪失感は慟哭の悲しみである。 リーダーの傍にいた仲間達の悲しみは、おそらくこれに違いない。 それは、私が入リこむことの出来ない領域だ。
だが、「存在感」というのは、これとイコールではない。
「存在」とは、失わないと、その正確な大きさを測れないとよく云う。 「実在」しなくても「在る」と信じられる・・・それが「存在感」だ。
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遠く離れた場所にいた私にとって、リーダーである彼の「実在感」は、 正直云って、ネット友人やTVに映る芸能人に接する感覚に近い。薄いのだ。 体温や手触りや感情を伴う実在感には足りない。
だが、彼の「存在感」は、絶大であった。いつも感じて止まない。 私は「生身の彼」ではなく、「存在としての彼」と共に過ごしてきた。
直接逢った時に、彼から放たれた熱のある言葉たち・・・ 信念、方針、説教、賛辞、叱責、助言…の数々。 それらは時間が経つにつれ温度を失うが、同時に昇華されて、 純度の高い記憶となって頭に埋め込まれている。 私は、その記憶とともに、彼と日々仕事に従事していた。
そして、
そのことは、彼が亡くなる前も、亡くなった今も、 私にとって変わらないのだ。 私にとっては、彼は変わらずに存在しつづけている。
生身の実在感が少ない故、その喪失感にピンとこなかった。 彼が放っていた圧倒的な存在感が故に、失った気分にさせてくれない。
これまでと全く同じだ。
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彼は、亡くなったがここに居る。
みんな、そんな感じでいいんじゃないか? 確かにコレって、私の立場だから云える慰めなのかもしれない。
でもさ、今もリーダーは全然元気なんだよ。 彼の言葉は、変わらずに生き生きしてる。 おっと云っとくが、決して変な信仰ではないよ笑
それに、鋭い言葉の姿のままで、余計な動きをせずに、 じ〜っとしてくれてた方がいいと思わないか?あの人は特に!爆
さて、今日もまた、彼の言葉に説教された気分だぜ!
こういう存在感こそが、 リーダーたる人間の存在感なのだろう。
…という感じで、
だから、がんばろう! 特に、シュンとした上のお兄さん方!笑
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凄まじいスピードで人生を駆け抜けていった我々のリーダー。 これからはどうか、ゆっくり、ゆっくりと過ごしてください。
ありがとう。 あなたの教えてくれた道を、みんなともう少し歩いてみます。
ご冥福をお祈りします。
060617 taichi
※本日は、完全なる私日記となってしまいました。 ご拝読ありがとうございます。
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先週末に、前の会社の上司であるT副部長の送別会に出席した。
T副部長は46歳。前社にて23年勤め上げて来た人だ。 この度、前社にて早期退職募集が行われたらしく、T氏は応募して今回の退職が決定した。 次の就職先は決まっていて、大手広告代理店の子会社とのこと。
そのT副部長は、ワタシが社会人になったころには課長職で、 新人の時から、仕事とは何たるかを教えてもらった方の一人である。
ワタシが以前所属していたチームは、T副部長のもと大手M社を担当する10人ほどのチームであったが、 T氏は十数年間ずっとM社を担当してきた人である。ワタシはそのうちの8年間をT氏と一緒に過ごした。
そして、ワタシ以外にもM社の仕事に携った人達が大勢いる。 今回のこの送別会には、前社残留組と、ワタシのような転職組あわせて、過去十数年の間にM社を担当した歴代のメンバーが一同、東京・銀座の会場に集まったのだ。
特に、ワタシがかわいがった(かわいがられていた笑)後輩達に逢えたのはうれしかったし、新人の頃からお世話になった一番近い上司、UさんやK副部長と久々に飲めて楽しかった。また沢山の大勢の久々の人達に逢えてよかった。副部長を真ん中にして、自然と昔話に花が咲く。
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ワタシが辞めた後に仕事を丸投げした、カワイソ〜な後輩3人衆 |
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「T副部長、記憶喪失とか失踪とかしてましたよね?、あ、失踪は云っただけ?」 「T副部長、いつもいいこと云おうとするんだけど、肝心な時にカンじゃうから〜」 「ハラは徹夜するといつも5階のB応接のソファで寝てて、朝、受付に起こされてたな」 「朝来たら、K副部長がオフィスの床で直に寝てるのを目撃した時はびっくりしましたよー!」 「あの時のMチームは、4人ぐらい鬱で休んでましたよね?」
「Jnはメルセデス大破して、今は何乗ってんの?」 「Yっちゃん、もうそっちに骨埋めるの?」 ところで支店長は元気?時々犬BBSに来てるけど…」 「Trちゃんは、いつになったら嫁さん家を継ぐんだよ! お嬢際が悪いんだから!いいかげんあきらめたら?」 「Yはまだ五反田いってんの?」「全然行ってますよ!」 「Trちゃんはあいかわらず、六本木いってるの?」 「Nはどーすんの?今のところ辞めれないわけ? でも、みんな手ぐすね引いて待ってるよ!」
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とてもワルそ〜な元後輩3人衆 |
「その案件名は聞きたくないっ!、その地名も聞きたくないっ!笑」 「そういえば、今の『TOTO』なる前の『サッカーくじ』の制度PRとかしてましたよね?」 「しかし、丸ビルイベントはよくやったわ〜…」 「Kさん〜、昔はよくT副部長に段ボールを投げつけてましたよね?!」「1度だけだって!」 「ハラさんの犬ブログこの前初めて見ましたよ!どーしちゃったんですか?!犬なんて!」 「Kさんは、仕事がヤバくなるとよく、山の地図を見て恍惚モードになってましたよね〜」
「昔、深夜にチーム全員残って、インクが乾かないパンフレットをドライヤーで 乾かしてましたよね〜?、確かTさんの物件ですよ。会社内にドライヤーが無くてさ〜」
「それをいうなら、駅貼ポスターが納品日に間に合わなくって、チラシを切り貼りして ポスターをつくるのもみんなで残ってやりましたよね?、Oさん担当でしたっけ?」
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ワタシが前社で所属していたM社チームは、今回辞職するT副部長と、もう一人、 T氏の下でずっとM社を担当して、T氏を支えて来たK副部長がいる。
K副部長はこれまで、チームのメンバーとの別れに 何度も立ち会って来た。ワタシもその別れた一人。
さらには、様々なメンバーが鬱になり病になり、 戦線離脱をする中で、一度も長期離脱することなく、 チームを支えて来た人がK副部長なのだ。
T氏も今回会社に辞表を出すに際し、K氏に何と云って 話したらいいか、とにかく悩んだらしい。 ワタシもK副部長への辞意告白は悩んだ。
部下・同僚、そして上司・・・、 同じチームで同じ仕事をしてきた人達の、様々な去り際に 立ち会って来たK副部長にとって、今回のT副部長の辞職は、 特別に期する想いがあったに違いない。
一次会にて、全員でT氏にへの挨拶をする場で、 K氏は、言葉にならない挨拶をT氏へ贈った。 |
ワタシの前職の上司2トップ。T氏とK氏。 |
K副部長のように、同じ場所に留まって会社のために勤め上げて行こうとする人。 T副部長のように、それほど多くはない残りの仕事人生で、家族のための決断をした人。 ワタシも含め他の20〜30代の人間のように、一つの所に留まらず、 可能性を見つけていこうとする人。 まだまだ若く、今の会社で勉強してキャリアを積む事だけを考える人・・・。
それぞれの人生を、それぞれの方向を向いて歩きながら、 ある一時期に、同じ会社の同じ机で、同じ仕事に従事したという「接点」が、 この日、銀座に集った人達の唯一の共通項だ。
そんな「点」で結ばれた人達が、30名弱も集まったということと、 再びそれぞれのベクトルへ向かって進んでいる様をみたことと―。 何だかとても感慨深い気持ちになると同時に、皆の生き様を見ながら、 現在の自分自身を『引きの視点』で見ていた。
二次会のカラオケで誰かが GLAYの昔のナンバー『BELOVED』を入れた。
これがなぜだか知らんが、場にハマった。
あくまでシンプルな恋愛ナンバーであるはずが、いい年のオトコ達が 全員がスタンディングモードとなり、得も云われぬ一体感に包まれた。
マイクを握って熱唱するのは、T副部長とK副部長の往年のツートップ。
オッサンも若い衆も、クールな奴も熱い奴も、みんないい顔をしていた。 妙にセンチメンタルでノスタルな空気が室内に立ちこめていた。
♪ いつの日も さりげない暮らしの中 育んだ 愛の木立 微笑みも涙も受け止めて 遠ざかる なつかしき友の声を 胸に抱いて 想いを寄せた いくつかの出逢い いくつかの別れ くり返す日々は続いていく
やがて来るそれぞれの交差点を 迷いの中 立ち止まるけど それでも人はまた歩き出す・・・・
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また、いずれ逢う日まで、皆はどんな道を歩むのか? ワタシはどんな人生をたどっていくのか?
幾つになっても、想い悩み、迷うだろうけど、 一歩一歩自分の道を進んで行こうと、改めて思った夜だった。
060610 taichi
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AIR〜the pulp essay〜_ハラタイチ
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