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2010年12月17日(金) 『KAGEROU』感想 |
『KAGEROU』を読み終わった。
作風的には、星新一さんの小説に似ているという印象を持った。
関西の情報番組では「携帯小説のような」と表現していたけど、 私は携帯小説を読まないので、そうなのかどうかは、わからない。
星新一さんの小説に似ていると思ったと同時に、「脚本みたい」と思った。
齋藤智裕さん(水嶋ヒロさんと呼んだ方がいいのかな?)は、元々この 小説の映画化を希望しているわけだから、映画化を前提に書いたのでしょう。
齋藤智裕さんがポプラ社の小説大賞を受賞した際、KAGEROUが 受賞した理由として、革新的とか、他に類を見ないというような理由が あげられていたと記憶している。 言葉は違うかもしれないけど、内容的にはそういう理由。
でも、それほど革新的な小説でもない。 今までにも読んだ事があるお話。みたいな。
けして面白くなかったと言っているのではない。 初めて小説を書いたとは思えない、素晴らしい小説だと思う。
私的には、もっと『涙』が欲しかったけど。 感動する何かが欲しかった。
けど、この小説は『お涙ちょうだいもの』ではないのだから、私の欲する ものが得られなくてもしょうがない。
あぁそうだ、何かが足りないと思ったら、エロスが足りないんだ。 濡れ場を読みたいのではないよ。 生きるという事は性欲も伴うものだから、そこのところを深く掘り下げて ほしかったなぁ。 もっと、どろどろした物もほしかったなぁ。
小説というものは、書く人の人間性が出るものなんだそうな。
「水嶋ヒロさんの真面目な性格が出ています」と評した小説家がいた。
小説家・芸術家、何かを創造する人は、真面目一本では面白みにかけるかも。 破天荒なところや、常識やぶりなところがあった方が、作品に自由な雰囲気が 出て、魅力的になるかも。
その点、齋藤智裕さんは不利かな?
もっと人生経験を積んで、たくさんの不真面目な人を見たり、だまされたり したら、小説に奥行きが出るかな?
現在のところ、KAGEROUは、「若い小説」という感想です。
映画化された時の事を考えて、KAGEROUを読んだ。
主役は誰が良いかな?とか、ヒロインは誰?とか。
主役のイメージがわかないのよね〜。 ヤスオの風貌が浮かんでこない。 だから、ヤスオ役を抜擢できそうな役者さんが思いつかない。
え〜と、「東京タワー」の主役をやった人、誰だっけ? ロングヘアで、ちょっと汚い感じの人。←名前が浮かばなくなったらヤバイ あの人、どうかな?
キョウヤという、ヤスオと共にほとんどのページに登場してくる人のイメージは 掴めた。 ある程度の年齢の俳優さんで良いのなら、京本正樹さん。 若くなくちゃ…というのなら、松田翔太さん。 冷たいイケメンで、何を考えているかよくわからない。 そう、そんな感じ。
ヒロインの女の子は、 やはり、綾香さん。女優じゃないか。(笑) 色白で、おとなしげで、はかなげで、病弱っぽくて、深い瞳をした人。 誰かいる?
う〜ん、 やっぱり、主役の色が薄いな〜。 この人じゃ(←まだ名前を思い出せない)、映画はヒットしないよ。
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