ゲンゾー日記
2005年10月31日(月)  おみやげ 

今日、ボクはアキコからフリーマーケットで買ってもらった分の
おみやげのビスケットをもらった。
5つもらったので男らしく一気に食べたかったのだが、アキコが
「買ってくれた人に見せるから」と言って1つ食べる毎にボクの
写真を撮った。

よく見ると、ビスケットに買ってくれた人の名前が書いてあるよ
うだった。
写真のビスケットには「カヨコ」と書いてあった。
カヨコというのは誰なのかボクは知らないが、ビスケットはおい
しかった。

買ってくれてありがとうゴザイマシタ!
ビスケット、おいしかったです。
フリーマーケットはもうないのだが、明日もまた買ってクダサイ。



カヨコというのはボスのお姉ちゃんのカヨチャンのことだった。
ビスケットにも「カヨチャン」と書いてくれないとわからないの
である。

2005年10月30日(日)  フリーマーケット 

今日、ボスとアキコはフリーマーケットというものに出かけて
来たらしい。
アキコは「あんまり売れなかった」と言っていたが、
「知ってる人が買いに来てくれた」「差入れにうまいものをも
らった」と言って喜んでいた。

売れなくてもおいしいものをもらっただけで喜ぶとは、やはり
アキコも食いしん坊である。

しかし、あまり売れなかったということは、オルスバンをして
いたボクへのおみやげのビスケットはないということだろうか。
「おみやげをあげてる写真を撮るから、おみやげは明日ね」と
言ってアキコは家に入ってしまった。

日記を書く分のビスケットの他に、おみやげのビスケットがも
らえるのかどうか、ボクはちょっぴり心配である。


2005年10月29日(土)  宣伝犬 

今日、ボクはボスとアキコの宣伝犬になることになった。

ボスとアキコは明日(30日)、稲毛サティというところ
であるフリーマーケットにお店を出すのだそうである。
よくわからないが、たまごの形の石けんや、手作りのおも
ちゃをシュッピンするらしい。

フリーマーケットでたくさん売れたら、アキコがボクにお
みやげのビスケットを買ってきてくれるのだそうである。
みなさん、どうぞボクにおみやげをもたらしてください。
ヨロシクおねがいイタシマス。


2005年10月28日(金)  さびしそうな顔 

この頃、ボスもアキコも忙しいらしい。
何でもまたどこかのフリーマーケットにお店を出すと言って
バタバタ動き回っているのである。

今日はアキコが帰って来た時に「さびしそうな顔」をして見
せようと思って、オルスバンをしながら「さびしそうな顔」
の練習をした。

ボクはボスとアキコが出かけてから何時間も練習したので、
かなり良い「さびしそうな顔」ができるようになった。

ところがアキコが帰ってきてポケットからビスケットを出し
たのを見て、ボクは「さびしそうな顔」をするのを忘れて
とても喜んでしまったのである。

せっかく何時間も練習したのに、肝心な時に喜んでしまって
大失敗である。
明日こそ上手に「さびしそうな顔」をして見せて、アキコの
気をひいてみようと思う。


2005年10月27日(木)  ヒヨコはどこへ? 

ボスとアキコは庭に鶏小屋を建てて4月からヒヨコを飼い始めた
のだった。
ボクはヒヨコの番犬として活躍していたのだった。

今日、ボクはふと気づいた。
ボクはヒヨコの番犬だったはずなのに、いつの間にか鶏の番犬に
なっている。

ヒヨコがいる時は、アキコがヒヨコにかまけてボクと遊んでくれ
ないので不満だったのだが、オス鶏は番犬をしているボクを怖い
目をしてにらむので、ボクはヒヨコの番犬の方が好きなのである。

あのかわいいヒヨコたちはどこへ行ってしまったのだろうか。
ボクの庭にはいつから大きな鶏が住みついたのであろうか。
いくら考えても思い出せない。いくら考えてもわからない。
とても不思議である。


2005年10月26日(水)  ホウジャク 

今日ボクが散歩をしていると、コスモスの花畑の前でアキコが
「わぁ」という声をあげた。
コスモスの方を見てみると、とても小さな鳥がコスモスの花の
まわりを飛んでいた。

ボクが鳥を見ていると、アキコが「ハチじゃないや」と言った。
アキコはこれをスズメバチと間違って驚いたらしい。
鳥をハチと間違うとは、やっぱりアキコはボスにはなれないな、
と思っていたのだが、これは実は鳥でもなかったのである。

飛んでいるところを見ると本当に小さな鳥のようなのだが、こ
れはスズメガ科の「ホウジャク」という蛾だったのである。
ホウジャクは素早い動きでコスモスのまわりを飛び回って花の
蜜を吸っていたらしい。

こんな鳥みたいな蛾がいるとはボクもびっくりである。
アキコが「ゲンゾーは鳥と間違っていたんだから、ゲンゾーも
まだまだボスにはなれないな」と言った。
とっても悔しいのである。



後から考えてみたら、ボスだってホウジャクのことは知らない
だろうから、ボスだってボスにはなれないのである。

2005年10月25日(火)  秋のニオイ 

肌寒くなってから、ボクの庭は秋のニオイがする。
何が秋のニオイを発しているのか、ボクにはわからない。
しかし、ボクの庭は確実に秋のニオイがするのである。

今日、ボクはヒマだったので、ボクの庭のどの辺りが秋のニ
オイを発しているのか確かめてみることにした。
ボクは庭の隅々までくまなくニオイを嗅いでまわった。

ボクの庭は鶏のニオイもするし、ボクのニオイもする。
まだ元気に緑の葉を茂らせているクローバーやイヌタデの青
青としたニオイもしたし、何だかわからないヘンテコリンな
ニオイもした。
しかし、秋のニオイの出所はとうとうわからなかった。
秋のニオイは一体どこからやってくるのだろう。



ちなみにニオイを嗅いでまわっている時に、ビスケットの
かけらを見つけたのは嬉しかった。

2005年10月24日(月)  暗い夜 

今日、暗くなったのにボスとアキコが帰ってこないな、と思って
いたら、急にボクの庭の電灯が消えた。
ボクの庭のまわりには灯りがないので、電灯が消えると真っ暗で
何も見えないのである。ボクはとっても心細かった。

しばらくして、ボスとアキコが帰ってきた。
ボスは「暗いぞ暗いぞ」と言いながら家に入ってゴトゴトと何か
をしていた。
その間、アキコは「わぁ、星がきれいだよ」と星を見ていた。
ボクはその間ずっとオスワリをしていた。

少しして、ボスが電灯を点けてくれた。
何のことなのかはわからないが、「ロウデンブレーカーが落ちた
んだ」と言っていた。

電灯が点いた時、ボスは「良かった」と言った。
ボクはそのままオスワリをしていた。
アキコは「あぁ、星が見えにくくなった」と文句を言った。

今日、一番偉かったのは電灯を点けたボスである。
二番目に偉かったのはオスワリをしていたボクである。
一番ダメだったのはアキコである。
アキコがわが家のボスになる日はきっと来ないとボクは確信した。



この写真は電灯が点いた瞬間のオリコウなボクである。

2005年10月23日(日)  アカネ 

写真の花はアカネという草の花と実である。
この花は直径が3ミリくらいの本当に小さな花なのだ。

アキコが日本の色にある「アカネ色」はこの花からつけられた
名前だと言った。
オリコウなボクはアカネイロを知っているが、アカネイロはこ
の花のように白でもなく、この実のように緑色でもない。
アカネイロは赤いのである。

この草のどこが赤なのかと不思議に思っていたら、実はこの草
は根っこが赤いのだそうである。
この草の根っこを使って糸や布を染めると、きれいな赤色にな
るのだそうである。
根っこを赤く染める材料に使うので「アカネ」という名前がつ
いているのだそうである。

今日もまたボクはひとつオリコウになった。
このままいくと、ボクはボスよりもオリコウになってしまいそ
うである。ボクがわが家のボスになる日も近いのかもしれない。


2005年10月22日(土)  桃色の霧 

今日の夕方、ボクはボスとアキコと一緒に山へ行った。
棚田の向こう側に霧がたまってきれいだから一緒に景色を眺めよう、
とアキコが言ったので3人で棚田の霧を眺めていた。

すると夕日が射してきて、辺り一面が桃色の不思議な世界に変わった
のである。
空の雲も、山の間に溜まった霧も、田んぼの水面も、ボスもアキコも
きれいな桃色に染まった。

ボクはため息が出た。
もしボクが年をとった時、魔法使いが現れて、もう一度過去のどこか
に戻してくれると言ったら、ボクは今日の夕方に戻りたい。
ボスとアキコと一緒にこの景色を眺めることができるように生まれて、
ボクはとても幸せな犬である。


2005年10月21日(金)  センニンソウと空 

今日も晴れて気持ちの良い日だった。
散歩道で空を見上げたら、なんと茂みの上の方に白いヒゲが
たくさんかたまって風になびいていた。

アキコに聞いたら、これは、前に花を見たセンニンソウの実
と綿毛だった。
ぼうぼうの白いヒゲと髪をした仙人がたくさん集まって相談
しているところだ、とアキコは言った。
ボクは仙人を知らないが、これを見たら仙人がどんなものな
のか少しわかったような気がする。

青い空と白い雲を見上げて、センニンソウの仙人たちは何を
相談していたのだろう。
オリコウのゲンゾーにビスケットをあげよう、という相談だ
といいな。


2005年10月20日(木)  黒いタカサブロウ殿 

今日、ボクとアキコが庭に生える草を見て遊んでいたら、アキコが
「あっ」と言って動きを止めた。

ボクの友「タカサブロウ殿」の緑のボンボンが黒くなっていたので
ある。
このボンボンは種だったらしいので、黒く熟れても問題はないのだ
が、じっと見ていると何だか気持ちの悪い形をしているのである。
ボクもアキコも何だかゾクゾクして顔を見合わせた。

正直に言うとボクは黒くなったタカサブロウ殿が気持ち悪かったの
だが、そんなことを言ってはタカサブロウ殿に悪い。
タカサブロウ殿は「どうしたのじゃ、ゲンゾー殿」という顔をして
こちらを見ている。

タカサブロウ殿に「気持ちが悪い」などと言っては失礼なので、ボ
クは黒く立派になられたタカサブロウ殿に近づきがたくなった、と
いうことにしておこう。


2005年10月19日(水)  アマガキ 

大きな渦巻き雲が来るというのでどうなることかと思ったが、
今日は久しぶりに青空が顔を出した。
ひなたぼっこをするほどではなかったが、久しぶりの青空は
嬉しいものである。

空を見上げたら、ボクの庭のアマガキの実が真っ赤に熟れて
いるのを見つけた。
今年はアマガキは不作で、数えるほどしか実っていない。

この頃なかなかアキコが庭に出てこないので、ボクがあの赤
いアマガキの実を採ってアキコに渡したいのだが、ボクは木
を登ることができないので渡すことはできないのである。

来年、アマガキがたくさんなったら、ボクも木に登ってアマ
ガキを採ってみたい。
ボクがアマガキを採れるようになったらアキコも喜ぶだろう。
ビスケット空中キャッチができるようになったので、今度は
木登りの練習をしてみたいとアキコに相談してみようと思う。


2005年10月18日(火)  マヌケなボク 

また大きな渦巻き雲がボクの庭に近づいているらしいが、怖いので
考えないことにする。

今日、アキコが昔のボクの写真をいろいろ整理したらしい。
とってもかわいかったボクの写真もいろいろあったのだが「今日の
日記に使おう」と言ってアキコが出してきた写真が下の写真である。

これはアキコが観察のために取ってきたコセンダングサにいたずら
したくて、ボクが必死にかじろうとしている写真である。

あの時は草をかじりたくて必死だったのだが、こうして見てみると
マヌケである。
せっかく昨日、ボクの「いい顔」を披露したところだったのに、こ
んな写真を出してくるとはひどいアキコである。


2005年10月17日(月)  いい顔 

今日は1日雨が降っていたし、アキコは仕事で忙しいと言って
全然遊んでくれなかったので、ボクはつまらなかった。

1日昼寝をしてみたが、昨日の夜も今日の昼寝でも夢をみなか
ったので、おとうさんと一緒にワガシを食べることはできなか
った。残念である。

今日は特に何もなかったので、ボクの「いい顔」の写真をアキ
コに撮ってもらった。
ウケクチのボクはガンバらないとすぐニヤっと笑った顔に写っ
てしまうので、「いい顔」をするのは大変難しいのである。

今日はなかなか「いい顔」に写ったので、ボクは大満足である。
ボクの知性がにじみ出た、よい写真である。

この写真を撮った直後、アキコの服に泥の足跡をつけたので、
アキコがいじわるをして変な顔のボクの写真を日記に使うので
はないかと心配したが、いい顔の写真を使ってくれて助かった。


2005年10月16日(日)  おとうさんとワガシ 

今日、ボスとアキコはボスの親の家に行ってボスのおかあさんと
カヨチャンに会ってきたらしい。
カヨチャンというのはボスのお姉ちゃんのことらしい。

ボスのおとうさんは6月に死んでしまったので今日は会えなかっ
たらしい。
たが、ボクは時々夢の中でおとうさんからビスケットをもらって
いるからいいのである。

ボスの家から帰ってきたアキコは、ボクにワガシというものを見
せてくれた。
薄緑色だったり、黒の中に栗色だったり、とてもきれいな形をし
たもので、ふんわり甘い匂いがした。
ボクはそれが食べられるものだとは知らなかったので、見るだけ
にしたのだが、ボクに見せた後、アキコはそれを見せびらかしな
がらボクの前で食べたのである。

あんなにきれいなものが食べられるなんて、ボクはびっくりした。
食べられると知っていたら、ボクもちょっと舐めてみたかったの
に、残念なことである。
でも、今夜、夢におとうさんが出てきて、ボクと一緒にワガシを
食べてくれるのではないかとボクは期待している。


2005年10月15日(土)  コスモス 

今、どこを歩いてもこのコスモスの花に行き当たる。
ボクが歩くところには必ずこの花が咲いているのである。

・・・・・・・・・・・・・・・。
今日はアキコがこれから出かけるというので、この日記の
続きは明日書く予定である。
2日に分けて日記を書いたら、その分ビスケットがもらえ
るのだろうか。




アキコが帰って来て、日記の続きを書く分のビスケットを
くれた。ビスケットはとてもおいしかった。
もうビスケットももらって満足したことだし、この日記は
「コスモスが咲いていた」ということで終わることにする。
これから今日の日記を書いて、またビスケットをもらうの
である。
ビスケットはいくつもらっても嬉しいのである。

2005年10月14日(金)  チクチクの花 

写真の草はコセンダングサという草の花である。
この草の実は、秋から冬にかけてボクの体にたくさんくっついて
ボクをかゆくさせた、あの憎きチクチクである。

ボクの庭にとうとうあのチクチクの花が咲いたのである。
ボスとアキコはチクチクの花を見つけるたびに抜いているのだが、
抜いても抜いてもチクチクは生えてきて花を咲かせる。

どうしてボクの庭にこんなにたくさんのチクチクが生えてくるの
かと言うと、それは去年ボクがお散歩に行くたびにチクチクを体
につけて帰ってきたからなのである。

チクチクがたくさん生えてくるのでボスもアキコも困っているよ
うだが、ボクはちょっぴり嬉しい。
なぜなら、このチクチクの花はボクが種をまいた草だからである。
チクチクと言えども、ボクがまいた種が芽を出して立派に育ち、
花を咲かせるというのはなんとなく嬉しいものなのである。


2005年10月13日(木)  紛らわしい言葉 

ボクはオリコウな犬なのでいろいろな言葉を聞き取ることができる。

特にボクがよく知っている言葉は「オサンポ」「ギュウニュウ」
「ビスケット」「オリコウ」「ゴハン」などである。
「イイコ」「エライ」「カワイイ」なども知っている。
しかし、時々アキコは紛らわしい言葉を言ってボクを惑わせること
がある。

今日はアキコが庭に出てきたから喜んで走ったら「オサンポだね」
とアキコが言ったので喜んだら、アキコが言ったのは
「オサンポだね」ではなく「アバレンボサンだね」だったのである。
「ンボ」と「サン」でボクはてっきりお散歩と思ってしまったのだ
が、お散歩でなくてひどくがっかりである。

ボクが散歩と間違って喜んだことがアキコにばれてちょっぴり恥ず
かしかったので、ボクはあかんべをしてごまかしておいた。
日本語ははっきり発音するように、ボクを惑わす紛らわしい言葉を
言わないように、アキコには十分に気を付けてほしいのである。


2005年10月12日(水)  ミゾソバ 

今日はとても良い天気だった。
久しぶりにカラッと晴れてとても気持ちが良かった。

ボクが庭でひなたぼっこをしていると、アキコが出てきて
「秋の写真を撮りに行こう」とボクを散歩に誘った。
アキコと散歩に行くと、好きなところへどんどん歩いていける
ので楽しいのであるが、アキコが写真を撮るとなると話は別で
ある。
アキコが興味を持った草花を見つけるとカメラを構えてしゃが
み込むので、写真を撮っている間中、ボクは横でオスワリをし
て待たなければいけないのである。

散歩を始めて30歩も歩かないうちに裏の田んぼの際でアキコ
はしゃがみ込んだ。
写真のミゾソバを見つけたのである。
仕方がないのでボクもオスワリをしてミゾソバの観察をした。
薄桃色で透き通るほど薄い花びらをしたかわいい花である。
カメラを持ったアキコと一緒に散歩に出ると、ボクもたくさん
草花を見ることになる。
ボクは近所の犬の中で一番草花に詳しいオリコウな犬であるこ
とは間違いないのである。


2005年10月11日(火)  セイタカアワダチソウ 

写真の花はセイタカアワダチソウという花である。
セイタカアキノキリンソウともいって、非常に丈夫な花らしい。
きれいな黄色をした、こんなにかわいい花なのに、この辺りの
人々に嫌われている花なのだそうである。

それはこの花がアメリカから来た花で、根っこから他の植物の
成長を邪魔するブッシツを出すからということらしい。
昔からこの辺りに生えていた日本の草花がコイツのブッシツに
やられて成長しなくなり、コイツばかりが土手や道ばたにはび
こるという怖ろしいことが起こっているらしいのである。

そういえば、この頃ボクの散歩道にはこの花ばかりが元気に花
を咲かせている。
とてもきれいなのだが、コイツのせいで日本の草花が生えなく
なってしまうというのは哀しい話である。

でも、コイツのブッシツは犬の成長は邪魔しないらしいので、
ボクは安心である。


2005年10月10日(月)  イヌタデ 

今日も雨が降っていた。
「10月10日はだいたい晴れるのに珍しい」とボスが言って
いたが、どうしてボスは10月10日がだいたい晴れるとわか
るのか、ボクには不思議である。

そんなことよりもボクの庭に今年もイヌタデが桃色の花を咲か
せたのである。
この草はイヌという名前がついているので、ボクは好きである。
別名をアカマンマというらしい。
マンマというのは、ボクが大好きなあのゴハンのことらしい。
イヌやマンマが名前につくなんて、なかなかよろしい。

ところが、ボクの庭の鶏たちはこのイヌタデの葉っぱを喜んで
食べる。
この頃庭にたくさん生えてきたので、ボスはこれをどんどん採
って、たっぷり鶏に与えている。
イヌが名前につく葉っぱを鶏に食べられるというのは、ボクと
しては少し悔しい。
ボクも鶏が名前につくものを食べてやりたいのだが、そんな
食べ物はなかなかないのである。


2005年10月09日(日)  オルスバン 

今日は1日雨降りだった。
ボスとアキコはポーランドに行っていたオンシが日本に帰って
来るというので、ナリタクウコウというところまでクルマでお
迎えに行ってしまった。

ボクは雨の1日を一人で過ごした。
ふと庭の向こう側を見てみると、崖の上の方から長いツルが伸び
てきていた。
ステキな形の葉っぱが雨に濡れて光っていた。
ツルには丸くて小さい実もついていた。

こんなにステキな葉っぱをアキコと一緒に見ることができないの
は残念である。
ボクがこんなに淋しい思いをしているのに、ボスとアキコはどこ
かでおいしいものでも食べているに違いない。
ボスとアキコが帰ってきたら、アキコと一緒に濡れた葉っぱを見
ながらビスケットを食べよう。


2005年10月08日(土)  秋の棚田 

今日、ボクはボスとアキコと一緒に近所の棚田に行って来た。
秋の棚田は何とも言えず気持ちがいいのである。
こんもりした山も少しずつ秋の色になってきた。

今日のビスケットはいつも通り1個だったが、こんな気持ちのいい
秋の棚田を見ていられるのなら、ビスケット1個でも我慢できる。
なぜなら、ボクは田舎に住むオリコウな犬だからである。


2005年10月07日(金)  イッシュウネン記念 

今日、なんとボクはビスケット3個とギュウニュウをもらった。
いつもはビスケット1個だけなのに、今日は大サービスである。

ボクは忘れていたのだが10月でボクの日記は「イッシュウネン」
なのだそうである。
そして、正確にはわからないらしいのだがボクの誕生日も10月
らしいのである。(ボクはもらわれてきたので、正確な誕生日は
わからないらしいのだ。)

今日は、日記のイッシュウネン記念と、ボクの誕生記念を一緒に
祝うためにアキコがごちそうをしてくれたらしいのである。

日記を書き始めたのは10月1日だし、ボクの誕生日も正確には
わからないのに、どうして今日、急にお祝いなのかはわからない
のだが、とにかくメデタイ感じである。
アキコとボスが「オメデトウ」と言ってくれたので、ボクはとて
も嬉しい1日を過ごした。
この調子で毎日何かがオメデトウだとボクはもっと嬉しい。


2005年10月06日(木)  2階建て 

今日ボクの庭で、いつか散歩道で見たトウバナを見つけた。
前に散歩道で見つけたトウバナは背の高い花だったのに、
今日庭で見つけたトウバナはとても背が低かった。

確か、トウバナは塔(背の高い建物)の花だったのだが、
今日見つけたトウバナは塔ではなかった。

秋になって涼しくなったので、花たちも少しずつ控えめな花
になってきたのである。
春先から見られる花たちも、秋になるとぐっと小さく地面に
近いところに花をつけるようになるのだ。

前に見たトウバナは15階建てくらいだったのに、今日の花
は2階建てくらいである。
この花はもはやトウバナではなく「ニカイダテバナ」と呼ん
だ方がよいかもしれない。


2005年10月05日(水)  雨のしずく 

今日は雨降りだった。
前にも書いたことがあるが、ボクは雨降りは嫌いではない。
雨の日は晴れた日とは違うボクの庭を楽しむことができる
のである。

今日、ボクが庭で見つけたのはサトイモの葉っぱに降った
雨のしずくである。
サトイモの葉っぱは真ん中が低くなっているので、この葉
っぱに降った雨は少しずつ真ん中に集まってくる。
少しずつ集まってきたしずくは、真ん中でだんだん大きな
しずくになっていく。
みるみるうちにサトイモの葉っぱの上に大きくてきれいな
しずくができあがった。

しずくがあんまりきれいなので、ボクはアキコにこれをプ
レゼントしてあげたいと思った。
でも、アキコはしずくよりもこのサトイモの根っこについ
たイモの方をずっと喜ぶかもしれない。
このきれいなしずくは、ボクの心の中にしまっておくこと
にしよう。


2005年10月04日(火)  隠し撮り不可能 

今日、ボクはとても眠かった。
眠い時にガラス戸のそばで寝ていると、アキコがガラス戸の
中からこっそりボクを観察していたりするので、今日ボクは
ガラス戸からできるだけ遠い場所で昼寝をすることにした。

鎖がギリギリ届く、ガラス戸から一番遠いところは、ボクの
ベッドの端っこである。
ここで寝ていれば、アキコが眠っているボクの姿をこっそり
撮影することはできないのである。

今日もアキコはこっそりボクを写真に撮ろうとしたのである
が、ガラス戸を開けて体を乗り出さないと写真が撮れないの
で、ボクは写真を撮ろうとするアキコに必ず気がついた。

アキコは「ゲンゾーが気づいちゃうからつまらない」と言っ
ていた。気がついたボクはつまらない、というのはとても気
になるところではあるが、これはボクの勝利である。
これで、寝相の悪さも気にせずゆっくり眠れるというもので
ある。


2005年10月03日(月)  ゴキゲンなボク 

昨日に引き続き、今日もボクはゴキゲンである。

何故ならば、アキコがボクに新しい芸をしこもうと試みている
からである。
ボクにはいろいろな芸があるのだが、今度の芸は非常に良い。
今度の芸は「ビスケット空中キャッチ」なのである。

ボクは今までボスやアキコの手から直接ビスケットをもらって
いたのだが、投げたビスケットを空中でキャッチできると更に
格好いい犬になれるので、今、それを練習しているのである。

この芸の何が良いかと言うと、もちろん、練習中にたくさんの
ビスケットを食べられることである。

この調子で「ゴハン空中キャッチ」や「ギュウニュウ空中キャ
ッチ」、「茹でキャベツ空中キャッチ」などの芸もぜひ練習し
てみたい。


2005年10月02日(日)  雲の流れ 

今日は、アキコにほかほかのゴハンをもらったので、ボクは
とてもゴキゲンである。
もうグレるのもやめて、オリコウな犬に戻ったのである。

ところで、今日は久しぶりに暑かった。
でも風が強くてとても気持ちがよかった。

もらったゴハンを一気に食べ終わった後、空を見上げたら、
とても青くてきれいな空だった。
てっぺん杉の上に白い雲が浮かんでいて、風にのって流れて
いった。

空を見るとすっかり秋の青い空である。
ボクの散歩道にあるアマガキの実もそろそろ赤くなっている
頃だろう。
明日あたり、アキコと一緒にアマガキの実を見に行ってみよう。


2005年10月01日(土)  グレたボク 

昨日、アキコはボクにいつもの2倍のビスケットをくれた。
しかし、昨日のビスケットはいつものビスケットを半分に
割ったものだったということがわかった。

ボクは2倍もらって大喜びしていたのに、本当はいつもと
同じ量のビスケットだったと知って、ボクは悔しい。
ボクをだますとはひどいアキコである。

今日、真実を知ったボクはアキコがちゃんと写真を撮れな
いように暴れてやったのである。
暴れたので、せっかく美男子のボクの顔が台無しである。
が、しかし、ボクはグレたのである。

グレたボクはビスケット2個とギュウニュウとゴハンをア
キコに要求するのである。


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