ゲンゾー日記
2004年12月31日(金)  オオミソカ 

今日はオオミソカという日である。
今年は今日でおしまいなので、今年の反省をするように、
とボスに言われた。

今年のボクはガンバった。
日記を書き始めたのだから、かなりガンバった。
来年もガンバって日記を書き、毎日ビスケットをもらい
たいと思っている。

ボスもアキコもボクも、ついでに鶏のアイツも、みんな
元気で今年最後の日を迎えられたのはとてもめでたいこ
とである。
今日は冷たい雨が降っているが、雨にも風にも負けずに、
来年も元気で平和に過ごしたい。

来年もどうぞヨロシクお願いイタシマス。


2004年12月30日(木)  フユノハナワラビ 

今日、ボクはアキコと一緒に山へ行った。
アキコがお正月の飾りにウラジロという植物を使うので、それを
山へ採りに行ったのだ。

ウラジロというのは裏の白いシダのようなもので、お正月のお供
え餅の下に敷くのに使うのだそうだ。
ボクも探すようにと命じられたのだが、見つけられなかった。
「裏が白い、シダみたいな植物だよ」
と言われただけでは、とても見つけられない。

ボクはウラジロは見つけられなかったが、それに似たきれいな
葉っぱを見つけた。フユノハナワラビというものらしい。
きれいなミドリ色でギザギザがとてもステキである。

ボクだったらお正月のお供え餅の下には、このきれいな葉っぱを
飾りたい。


2004年12月29日(水)  ながぐつ 

今日は雨が降った。みぞれも降った。雪もちょっぴり降った。

ボクは地面が白い雪に覆われるのが好きなのだが、ボクが住ん
でいるところは雪が降らない。
ボクは生まれてから地面に雪が積もるのをまだ3回しか見たこ
とがないのだ。

今日は冷たい雨やみぞれで地面が水たまりだらけだったので、
散歩に行かなかったらどうしようかと思っていたが、ちゃんと
ボスが散歩に行ってくれた。

ボスはナガグツという新しいクツ履いていた。
ボクに新しいナガグツを自慢して見せた。
ピカピカ光って格好良かったが、ちょっぴり変なニオイがした。

ボスは新しいナガグツを気に入っているようなので、これから
雨が降っても雪が降っても、ナガグツを履くためにボクと散歩
に行ってくれるかもしれない。
ボスが新しいナガグツを履くのは、ボクもちょっぴり嬉しい。


2004年12月28日(火)  ゴハン 

今日、ボクはゴハンを食べた。
ボクはこのゴハンが大好きである。

ゴハンはとても熱いので、いつもアキコがフーフーと冷ましてくれる。
ボクは脇目もふらずに一気に食べる。
ゴハンを一気に食べるのはとても男らしいと考えている。

ボクがゴハンを食べた後、アキコはいつもボクを見て笑う。
どうして笑うのか、今日はじめてわかった。

ボクがゴハンを食べた後、いつも口のまわりにゴハンつぶがついてい
たのである。
ゴハンつぶを口のまわりにつけているのは、ちょっと男らしくないか
もしれない。


2004年12月27日(月)  月夜 

今夜の月はとても明るい。
まん丸で雲まで輝いている。

アキコが月にはウサギが住んでいると言っていたが、本当だろうか。
ボクの山に住んでいたウサギがあそこまで行ったのだろうか。

ボクは月をよく見てみたが、ウサギの姿は見えなかった。
ボクが山にいる時も、ウサギはなかなか姿を見せなかったから、月に
行っても上手に隠れているに違いない。

今夜は眠くなるまで月を見張っていよう。
もしかしたらウサギがピョンと跳ねるかもしれない。


2004年12月26日(日)  クルマが凍る 

今朝は、寒かった。毛布の間にもぐりこんで寝てみても、鼻の
先が凍るようだった。

いつものようにシンブンヤさんという男が、夜中の2時すぎに
バイクに乗ってやって来たが、ボクは追い払う気にならなかっ
たくらいだ。

ふと見てみると、ボスのクルマの表面が凍っていた。
クルマが凍るのは今年初めてだ。
クルマが凍るくらいだから、ボクの鼻先がムズムズするはずで
ある。

凍ったクルマの写真を撮っていたアキコを外で眺めていたら、
体が冷えてしまった。
ボクの鼻が凍ってしまってはいけないから、また暖かい毛布に
もぐって太陽が昇るまで寝ていることにしよう。


2004年12月25日(土)  マテ 

ボクはオリコウな犬なので、大好きなビスケットを前に置かれ
ても、「マテ」と言われたら「ヨシ」まで食べずに我慢できる。
「マテ」はとても男らしいことなのだ。

「マテ」の間は、ビスケットのいいニオイでヨダレが出ない
ように、できるだけビスケットから鼻を遠ざけている。
男らしくしているのに、ヨダレが出ては格好悪いからである。

「マテ」をきちんとした後のビスケットはとてもおいしい。

「ヨシ」と言われた後、ボクがビスケットにがっついている
写真もあるが、これは見なかったことにしてほしい。


2004年12月24日(金)  フユイチゴ 

ボクの山には今、赤い宝石がたくさんできている。
フユイチゴというイチゴが実をつけているのである。

この植物はツルになっていて、春から秋までツタのような
フリをして日の当たらない地面に這いつくばっている。
そして、冬になると突然、赤いきれいな実をつけるのだ。

フユイチゴの実はヘビイチゴの実に似ているが、ヘビイチ
ゴよりずっと甘くておいしい。
今日、アキコがフユイチゴをたくさん採ったので、ボクも
少し食べさせてもらった。

甘くてとってもおいしかった。
ボクはクリスマスケーキを食べたことはないが、きっとク
リスマスケーキに乗っている大きいイチゴよりフユイチゴ
の方がおいしいだろうとボクは思う。


2004年12月23日(木)  ドングリ 

今日、ボクの山でドングリを見つけた。
ボクの散歩道にコロンコロンと二つ落ちていた。

ボクがドングリを見つけてニオイをかいでいると、アキコが
「わぁ、ドングリだ!」
と、嬉しそうに声をあげて、写真を撮った。

アキコが嬉しそうなので、ボクはドングリが食べられるもの
なのかと思ったのだが、そうではないようである。
アキコはドングリを拾わずにボクに言った。
「このドングリから芽が出て、大きい木になるといいね。」

ボクはこの散歩道が気に入っているので、散歩道の途中に大き
い木が生えるのは嬉しくない。
芽が出る前に、このドングリたちをボクの散歩道からどけてお
かなければならないな、と思った。


2004年12月22日(水)  ブロッコリー咲く 

スーパーというところで買ったブロッコリーはしばらく置いて
おくと茶色っぽくしなびてしまうのだが、地元で作られて道端
などで売っているブロッコリーは置いておくと花が咲くのだと
アキコが言っていた。

ボクは本当だろうかと疑っていたのだが、ボクが疑っているの
を知っていたのか、今日アキコが花の咲いたブロッコリーを見
せてくれた。

花なのかどうかボクにはわからなかったが、ブロッコリーは
黄色とミドリ色のきれいなマダラ模様になっていた。

今日は、ボクも茹でたブロッコリーをもらって食べた。
茹でたブロッコリーは甘くてとってもおいしかった。
茹でたキャベツもうまいが、これもうまい。
ボクの好物リストに入れておこうと思う。


2004年12月21日(火)  冬至 

今日はトウジだそうである。トウジというのは「冬至」と書く。
一年で一番夜が長い日のことだそうだ。

ボクには関係ないが、ボスとアキコは「冬至カボチャ」というものを
食べて、ユズ湯という風呂に入るのだそうだ。
これをしておくと、一年、健康に過ごせるのだそうだ。

ボクも健康に過ごすために「冬至カボチャ」というのを食べてみたか
ったのだが、「冬至カボチャ」は人間専用で、犬のボクが食べるとか
えって病気になるのだそうである。
アキコはいつもボクに「しょっぱいものは食べちゃダメ」と言ってい
る。しょっぱくない「冬至カボチャ」も作ってくれればいいのに。

ユズ湯も入ってみたかったのだが、ボクはお風呂に入りたくはない。
アキコがユズのニオイをかがせてくれたので、それだけで我慢するこ
とにしよう。


2004年12月20日(月)  草むらの色 

ボクは散歩の時には、必ずガサガサと草むらに入る。
ガサガサという音を立てて草むらを歩くのはとても男らしいと
自分なりに感じている。

暖かい頃はこの草むらはミドリ色をしていたのだが、だんだん
茶色い草が多くなったように思う。

ミドリの草むらは、ボクがガサガサ歩いたくらいではびくとも
しなくて、次の日には草がまたピンと上を向いていたものだが、
この頃、茶色くなった草むらは元気がない。
ボクが昨日倒した草が、そのまま地面に寝てしまっている。

まるで草むらの中にボク専用の道ができたみたいである。


2004年12月19日(日)  トベラの実 

ボクの山には、トベラという木がある。
この木の実にはとても強い毒があるのだとアキコが言っていた。

この木の葉にも毒があるのだが、実はこの木の葉は、寄生性の
皮膚病の薬に使えるのだそうだ。
毒のある植物は、その毒を生かした使い道もあるのだと知って、
ボクはちょっと感心した。

だが、ボクは寄生性の皮膚病というのが何なのかはわからない。
毒の葉を使って治さなければいけないような病気にはかかりた
くないものである。


2004年12月18日(土)  丸木橋 

ボクの散歩道は川沿いにあるので、橋もいくつかあるが、
いくつかある橋の中で、ボクはこの丸木橋が一番好きである。

木でできているから、冬でも橋を渡る時に足が冷たくならないし、
晴れた日には、木がお日さまに照らされたいいニオイがする。

この橋の難点は、丸木の隙間から下の水が見えるところである。
橋を歩いている途中、うっかり隙間から下を見てしまうと、
ちょっと怖いので、隙間を見ないように一気に渡るのがポイント
なのである。


2004年12月17日(金)  ねじれ枝 

今日、山を散歩したら、すごい木の枝を見つけた。
ものすごくグルグルねじれている。

いつか、ボスとアキコと一緒に大山不動尊というところに
行ったが、その時にフドウソンの屋根の下に垂れ下がって
いたシメナワという藁の束に似ている。

ボクが庭でグルグル走り回った時にも、鎖がこんな風にな
ることがある。
この枝は伸びる時にグルグル走り回ったのかもしれない。
今度、枝が走り回るかどうか、見張っていようと思う。


2004年12月16日(木)  影は田んぼの中 

今日、散歩に行ってびっくりした。
ボクは田んぼのあぜ道の上にいたのだが、影のヤツが田んぼの
中にいたのだ。

影のヤツは、ボクが田んぼに入れないのを知っているのか、
ボクが止まると止まり、ボクが歩くと一緒に歩いて、ボクを
羨ましがらせた。

ボクも田んぼに入って影と遊びたかったのだが、ボクが田んぼ
をのぞき込むと、ボスがヒモを引っ張るので、ボクは田んぼの
際までしか行くことができなかった。

ボクも影と一緒に田んぼの中で遊びたいよ。


2004年12月15日(水)  右だ 

ボスはたまにビスケットをくれることがある。
ボスがビスケットをくれる時は、いつも両手を握って、どちらの
手にビスケットが入っているかをボクにあてさせる。

ボクの鼻はすごいので、たいていどちらに手にビスケットが入っ
ているのかわかるのだ。

今日のビスケットは・・・・・・

「右だ!」

ボクはズバリ当てたのだが、ボスはビスケットを握り変えて何度
も何度もあてさせた。
実はボクがあっさりあててしまうと、ボスはつまらないらしい。
こんなことなら何度か間違ってみせればよかった。


2004年12月14日(火)  キノコ 

ボクが住んでいた山には、よくキノコが生えてくる。
朝、顔を出したキノコは、みるみるうちに大きくなって、
夕方にはカサを開いている。

このキノコは何というキノコなのか、ボクは知らない。
アキコも知らないらしい。

アキコが知らないということは、きっと食べられないキノコ
なんだろうと思う。食べられるキノコだったら、アキコはす
ぐに採って食べるにちがいないからだ。

残念ながら今までボクの山に食べられるキノコが生えたこと
は一度もない。
食べられるキノコが生えてきたら、アキコと一緒にキノコ採
りをして、山の中をガサガサ歩くことができるのに、残念な
ことである。


2004年12月13日(月)  けむし 

この草はキツネノマゴという草である。
薄紫のとてもかわいい花が咲く。

こんな季節にまだ花をつけているキツネノマゴを見つけたので
ボクは嬉しくて、花に顔を近づけて驚いた。
花には、もう先客がいたのである。

この毛虫は、秋から冬にかけてたくさんいる毛虫だ。
大きくなったら何になるのかは知らない。
成長しても毛虫のままなのかもしれない。

毛虫といえども、ボクよりも先に花を見つけて場所取りしたの
だから、無理にどかすことはできない。
ボクは先客のいないキツネノマゴを探すことにする。


2004年12月12日(日)  雑種 

ボスとアキコの畑に変な作物が実った。
中味はトマトやピーマンの果肉の中にナスの種が入ったような格好を
している。
今まで見たことがないような野菜である。

アキコは「わぁ、こわい。新種ができた」と言って収穫した。
「こわい」と言っているのに、顔が嬉しそうだった。
この作物は、鶏たちのエサになった。

これは、おそらくナスとトマトのハーフである。
もしかしたらピーマンも混ざっているかもしれない。

アキコが「ゲンゾーも雑種だから、この野菜と同じようなもんだよ」
と言っていた。
ボクの血にもトマトやピーマンが混ざっているのだろうか。


2004年12月11日(土)  冬の棚田 

今日は暖かい日だった。
山に散歩に行ったら、水仙が驚くほどたくさん咲いていた。

この写真はボクが昔住んでいた山の、隣の棚田である。
8月に刈り取った稲の残党からまた茎が立派に伸びて、穂が
金色に実っているのだが、もう稲刈りはしないらしい。

このあたりには野鳥がたくさん住んでいるから、実っている
稲の実は、野鳥の冬の食事用にとっておいてあるのかもしれ
ないと思う。


2004年12月10日(金)  草むら 

これは、ボクが大好きな草むらである。
ボクの散歩道には、こんな草むらがたくさんある。
田んぼのあぜ道なんて、ほとんどこの草むらでできている。

草むらは、ただミドリ色に見えるが、実はたくさんの草でできている。
ヨモギ、オオバコ、メヒシバ、カワムシ、ハコベ、カラスノエンドウ、
ギシギシ、タンポポ・・・・あげていったらきりがない。

ボクはこの草むらをニオイをかぎながら歩く。
そうすると、次々にいろんな草のニオイが鼻に飛び込んでくるのだ。

もうすぐ霜が降りて、この草むらの草たちも茶色になってしまう。
来年の春まで青々とした草のいい香りを忘れないように、ボクは今の
うちにたくさんニオイをかいでおくのだ。


2004年12月09日(木)  ワダチ 

散歩道の地面には土のところと固いところがある。
固いところは「アスファルト」というものでできているらしい。
アスファルトでできた地面は足が痛くなるからボクは嫌いである。

しあわせなことに、ボクの庭は地面が土でできている。
土でできている地面はやわらかくて歩いていて気持ちがいい。

ボクは、ボクの庭にボスの車を置かせてやっている。
本当は車なんて置きたくないのだが、置いてやらないとボスが困る
から仕方がない。

ボクの庭の、車が通ったところにはボコボコの模様ができる。
これはワダチというものらしい。
ボクはこのボコボコ模様が面白いので、ワダチは大好きである。
このワダチを見ると「車を置いてやっても悪くないな」と思う。


2004年12月08日(水)  みかん 

ボクの住んでいるところには、みかんの木がたくさんある。
この時期になると、あちこちでみかんがたくさん実って、道にボタボタ
落ちている。

道ばたでみかんを売っているところもある。
みかん売場は、道ばたに机が置いてあって、みかんと缶が置いてある。
今日、アキコはボクと散歩に行ったついでに道ばたのみかんを買った。

アキコは「こんなに入って300円とは安いぞ」と言ってたいそう喜び、
帰るとすぐにボスにみかんを買ったことを報告していた。
その後、家の中からボスとアキコが「甘くてすっぱい!うまい!」と言
う声が聞こえてきたが、ボクはみかんをもらえなかった。

アキコが買ったみかんのニオイをかいだ時、そんなにおいしそうな
ニオイがしなかったので、もらえなくてもそんなに残念ではないが、
そんなにうまいのなら、ちょっと食べてみたい気もする。


2004年12月07日(火)  空の顔 

今日の空は見事に青かった。
そして、いろんな形の雲がたくさんあった。

風に吹かれて雲の動きが早かった。
時間ごとに空はたくさんの顔を見せた。

今日、ボクは1日中、空を見て過ごした。
たまにはこうして空ばかり見て過ごすのも悪くない。



2004年12月06日(月)  ポケットごと

今日、アキコがカメラを持って庭に出て来たので、ボクはすぐにポケット
のニオイを嗅いでみた。
やはりポケットからはおいしそうなビスケットのニオイがしていた。

ボクはすぐにオスワリをしたのだが、今日のアキコはなかなかビスケット
をくれなかった。カメラをいじっているばかりで、写真も撮らないし、
ビスケットもくれない。
ボクはじりじりしてしまった。

オリコウなボクは滅多にやらないのだが、今日はアキコのポケットから、
ビスケットを強奪することにした。
ボクはアキコのポケットめがけて立ち上がり、ポケットを掘ってみた。
地面に穴を掘る容量でガリガリやってみたのだが、ポケットはなかなか
掘れなかった。いつもアキコは簡単に手を入れてビスケットを出すのに。

最後の手段としてボクは、ポケットごとビスケットを食べてしまうこと
にした。



2004年12月05日(日)  バッタ 

昨日の夜、ものすごい風が吹いた。
雨も降ったが、とにかく風がすごかった。
ゴーゴー音を立てて、いろんなものを吹き飛ばした。

今日は雨が止んだが、まだ風は強かった。
でも、夏のように暑いくらいの1日だった。

散歩に出かけたら、田んぼの横にバッタを見つけた。
寒くなってから動きのにぶいバッタばかりだったが、今日の
バッタはなかなか元気なバッタだった。
今日はカエルもいた。姿が見えなくて、一緒に遊ぶことは
できなかったが、ケロケロと妙に元気に鳴いていた。

このところ、おかしな天気ばかりだ。
12月なのに、バッタやカエルが元気だなんて、ちょっぴり
気持ちが悪い。


2004年12月04日(土)  橋の上 

ボクはときどき橋の上から川を覗く。
小さな橋の手すりの隙間から、頭を出して下を見る。
川がずっと下の方にあって怖いのだが、それを我慢して頭をぐっと前に
出すと男らしい。

橋の上から川を見下ろすと、ときどき魚が泳いでいるのが見える。
小さな川にお似合いの小さい魚が泳いでいる。
ボクは橋の上から魚を見るのが大好きだ。

今日は川の水が少なくて、魚が泳いでいるのは見えなかった。
この川は水カサが多かったり少なかったり、いつも違う顔をしている。
今日の水カサだったら、ボクも川を歩いて遊ぶことができそうだと思っ
たのだが、アキコはボクを河原に連れていってはくれなかった。
ボクが川を覗くのは川で遊びたいサインなのだが・・・。



2004年12月03日(金)  ヨモギ 

ボクの散歩道には冬でもこの草が青々と茂っている。
この草の名前はヨモギと言う。
鼻を近づけると独特のニオイがする草だ。

ボスとアキコは山でヨモギを採る。
たくさん採って、オリーブオイルに漬けるのだそうだ。
石ケンに使うのだと言っていたが、この前は風呂上がりの
ボスとアキコがこのニオイをさせていたので、お風呂に
入れることもあるらしいことがわかった。
ヨモギ湯というのだそうである。

ボクの散歩道にもヨモギはいっぱい生えているのだが、
アキコは散歩道のヨモギを採らない。
どうしてなのかは、ボクもわかる。
ボクがおしっこをかけるからだ。



2004年12月02日(木)  赤いモミジ 

今日、ボクは初めて赤いモミジを見た。
ボクの庭のモミジが赤くならないことは前にも書いたが、
今日はアキコがボクをモミジガリに連れていってくれたのだ。

モミジガリというのはモミジを鑑賞することらしい。
ボクとアキコは車というのに乗って、10分くらい山道を
ぐるぐる走った。
あんまりぐるぐる曲がるので、ボクは目が回ってしまった。
しかし、目の前に現れたモミジは赤くてとてもきれいだった。

モミジはもうダメらしい。
アキコが「あぁ、モミジももう終わりだね。」と言っていた。
かわいそうなモミジである。
でも、モミジが元気な時に来ると、人間が多すぎてダメなのだ
そうだ。ボクも人混みを歩くのはイヤである。
モミジはもう終わりらしいが、ボクとアキコだけで独占した
赤いモミジは最高だった。
来年も終わりのモミジを見に来よう。


2004年12月01日(水)  セイタカアワダチソウ 

ボクの前に立ちはだかっているのは、セイタカアワダチソウという草だ。
すごく背が高くて、少し前まで黄色い花を咲かせていた。
今は花が終わって、ヘンテコな帽子をかぶっている。

この草は、根っこから他の植物の成長を邪魔する物質を出す、怖ろしい
ヤツなのだそうだ。
確かに、この草のまわりには他の草があまり生えていない。
この草はアメリカから来たらしい。
怖ろしいことである。

ボクはこの草に近づくとボクの成長が邪魔されてしまうかもしれないと
思って怖かったのだが、アキコに聞いたら犬の成長は邪魔しないそうな
ので、もう怖くなくなった。
オリコウになると、一つずつ怖いものがなくなっていくのである。



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