ゲンゾー日記
2004年11月30日(火)  菊 

この季節、ボクの散歩道には菊の花がたくさん咲く。
菊と言っても、お花屋さんで売っているような大きな菊ではない。

写真の花は、たぶんリュウノウギクという菊だ。
この野に咲く菊はたくさん種類があって、なかなか見分けられな
いのだとアキコが言っていた。
真ん中が黄色くて、花びらが白や薄むらさき色のものが多い。
同じような顔をしていても、香りが違うのがいろいろある。

ボクは犬なので、やはり見た目よりも香りが気になる。
人間が飾るために作った花は、派手な色や形をしているが、よい
香りの花はやっぱり野に咲く花なのだ。



2004年11月29日(月)  空 

今日の空はきれいだった。
散歩の時、木を見上げて気づいた。

アマガキは橙色、空は青色、雲は白色だった。

ボクはいつも空を見ているが、人間はあまり空を見ていない
ような気がする。
ボスやアキコはよく空を見ている。
今日のこの空を見上げた人間は何人くらいいるのだろう。

こんな空を見ないなんてもったいないことだとボクは思う。


2004年11月28日(日)  寝ぼけ顔 

今日はとても暖かい日だった。
小屋の中にいても、通気口からほどよく陽がさしてとても
気持ちがよかった。

ボクの小屋には毛布が敷いてあって、その上にバスタオル
が置いてある。
ボクはこのバスタオルを上手に丸めて枕にしている。
バスタオルの枕はなかなか気持ちが良くて、小屋の中で寝
ると、ドロドロに溶けるほど寝てしまう。

アキコがボクの寝ぼけ顔を写真に撮ったが、気にせず寝て
いることにした。



2004年11月27日(土)  影 

ボクはオリコウな犬なので、影の存在を知っている。
影はいつもボクについてくる、なつっこいヤツなのだ。

でも、ボクは時々、影につきまとわれるのがイヤになる。
たまにはボクから離れて自由に遊んでくればいいのに。

今日、ボクは影から離れたくていろいろガンバってみた。
いじめてやったらどこかへ逃げていくかと思ったのだが、
影のヤツはなかなかしつこい。

前足で踏んづけてやったのだが、ちっとも気にしていない
ようなのだ。
なかなか根性のあるヤツなので、今日のところはこのまま
にしておいてやろうと思う。


2004年11月26日(金)  木の穴 

今日、久しぶりに山の散歩をした。

散歩の時にアキコが木の穴を見つけて
「あ、何か住んでるかな」
と言った。
この木の穴は、ボクが前からずっと気になっていた穴だった。
何か住んでいるに違いないとずっと思っていたのだ。

アキコが木の穴をのぞき込んだ。
ボクはドキドキした。
だが、木の穴には何も住んでいなかった。
アキコが「何も住んでないや」と言った。

ボクは何だか少し寂しくなった。
知らないままの方が良いことも世の中には多くあるような気がする。



2004年11月25日(木)  歯並び 

ボクは歯並びがちょっと悪い。
奥歯はばっちりきれいに揃っているのだが、下の前歯の歯並びが
今ひとつなのである。

でも、ボクは小さい時から石ころを噛んで遊んだりしたので、
歯の力はすごいのである。
今でも時々、庭に落ちている石や木の枝を噛んで、歯のトレーニ
ングをしている。

でも残念ながら、まだトレーニングした歯が活躍する場は与えら
れていない。



2004年11月24日(水)  フワフワ 

今日、散歩道で見事なフワフワを見つけた。
「ダンドボロギク」という草のふわふわだとアキコが教えてくれた。

この草の花は花びらがほとんどなくて、咲いてるのか咲いてないのか
わからない。つぼみだな、と思ったらもう咲き終わってたりする。
きれいな花びらがないから「ボロ」という名前がついているのだろう。

花は地味かもしれないが、このフワフワは見事だ。
タンポポのフワフワを見つけた時は、ボクはすぐに吹き飛ばして遊ぶ
のだが、このフワフワは見事なのでこのまま残すことにした。
ボロじゃないところを見せるんだ、ボロギク!



2004年11月23日(火)  あかんべ 

犬の舌は長いのをご存じだろうか。
ボクは犬なのでこれが普通だが、先日アキコがボクの舌を見て、
「うわ、長い舌!」と驚いていた。

舌が長いことを自慢にしても良いのだが、そのくらいで自慢げに
していると品位が問われるのでボクはそんなことはしない。

ボクはいつも長い舌をべぇ〜っと出していると、舌が長いことを
自慢しているように見えるかもしれないので、舌を出す時は上品
にちょこっとだけ出すことにしている。
散歩に行った時やおいしい牛乳をもらった時はついつい舌が長く
出てしまうが、いつもは出しすぎないように気をつけているのだ。

この写真はボクの「あかんべ」の写真だ。
「あかんべ」の時もボクは舌を出しすぎないように気をつけなけ
ればならないので大変だ。



2004年11月22日(月)  たそがれ 

この頃、昼間暖かくても朝晩はぐっと冷え込むようになった。
渡り鳥たちも暖かい土地を求めて南へ去って行った。
暖かい土のフトンをかぶって眠る時が来たのだろうか、散歩の時
いつも遊んでいた田んぼのカエルもいなくなった。
日に日に日暮れが早くなり、世の中が冬に向かって足早に過ぎて
行こうとする中、こうしてボクだけが自分の庭でじっと夕日を見
ているのだ。

今日の夕方、ボクはそんなことを考えてちょっと詩人の気分で
あった。


2004年11月21日(日)  チクチク研究 

ボクを毎日悩ませているチクチクの正体を暴こうと、アキコと
チクチク研究をした。

チクチクは本名を「コセンダングサ」という。
小さいセンダングサのことらしいが、大きいセンダングサはまだ
見たことがない。

ボクは花が好きだから、つぼみや花は見たことがあった。
でも、まさかこんな黄色いかわいい花があの憎きチクチクに変身
していたとは、ボクも気づかなかった。うかつであった。
チクチクは、この草のタネだったのである。
こいつはタネを遠くまで運ぶために、ボクやアキコにくっつけて
タネを運ばせていたのである。なかなか賢い草である。

研究をした結果、チクチクも一生懸命であることがわかった。
ちょっとくらい体についても多めにみてやっても良いかもしれない。
でも、ボクがチクチクを運んで来ると、来年ボクの庭にはチクチク
がたくさん生えるってことかな?



2004年11月20日(土)  ボケの花 

ボクの庭にはボケの木がある。
この木もなんだかかわいそうな名前がついた木だが、気にしていると
きりがないので気にしない。

このボケの木に花が咲いた。
白い花や桃色の花、白と桃色のまだらの花など、白と桃色が混ざり合
っていて、とてもきれいだ。
名前からは想像ができないような可憐な花である。

まだまだつぼみが多い。
これからしばらくボクはこの花を観賞しながら庭暮らしを楽しめそう
である。



2004年11月19日(金)  ゲッケイジュ 

ボクの庭にはゲッケイジュという木がある。
他の木はずっと前から勝手に生えていた木ばかりだが、この木は
珍しくボスとアキコが植えた木らしい。
この木の葉は、スープを煮る時に使うとスープがおいしくなるら
しいのだ。

アキコはたまにこの木の葉を摘んで干している。
この葉を干す時、アキコはちょうどボクが届かないぎりぎりの
場所にこれを干す。ボクは届きそうで届かない葉っぱのニオイを
かぎたくて、いつも苦労してしまう。

ボクは葉を干すところばかり見せられて、スープは一度も味わっ
たことがない。
今日もおいしそうなスープのニオイがしてきたが、ボクの口には
入らないのだろうな。



2004年11月18日(木)  ニワトリ 

ボスとアキコが毎日山に通うのは、ニワトリにエサと草をやるためらしい。
ボクもたまに山に連れていってもらうが、山に行った時はボスもアキコも
ボクよりもニワトリばかりかまっている。

アキコが摘んできた草をボクがふざけて噛もうとすると、アキコは
「こら、これはピョッツたちの草でしょ!」と言って怒る。
ピョッツというのはニワトリの名前なのだ。
ピョッツ、ツッチ、チッピ・・・と変な名前のニワトリばかりだ。

しりとりみたいな名前のニワトリばかりかまってないで、ボクとも
遊んでほしい。ボスもアキコもニワトリのことは放っておいて、
ボクと散歩に行こうよ!



2004年11月17日(水)  スイセン 

今日、散歩していたら、いつも歩く道の反対側からすごくいい香りが
してきた。
行ってみるとスイセンの花が咲いていた。

ボクの庭の横に生えているスイセンはまだ葉っぱがニョキニョキ出て
きたばかりなのに、もう花が咲いているとは驚いた。

スイセンの花は香りが強くて、鼻を近づけすぎるとくしゃみが出る。
いい香りすぎてくしゃみが出るのだ。
ボクはスイセンの香りをかいでくしゃみをするのは好きである。

今日は、今年最初に見つけたスイセンだったから、3回ほどくしゃみ
をしておいた。
ああ、鼻がかゆくて、しあわせ気分だ。



2004年11月16日(火)  お昼寝 

今朝はとても冷えたが、昼間はお日様がぽかぽかしてとても気持ちの
いい日だった。

ボクの庭には、ボクのお昼寝用の板が置いてある。ボク専用のベッド
というわけだ。
暑い夏の日は冷たい草の上が一番気持ちがいいけど、こんな小春日和
には、このベッドの上が一番気持ちいい。

一日の日課である散歩も終え、お日様に当たってウトウト寝ていると
時間の経つのも忘れてしまう。
そろそろ日記を書く時間なのか、アキコが写真を撮るために出てきた。
でも今日はもう少しボクの幸せなお昼寝を邪魔しないでほしいな。


2004年11月15日(月)  ツバキのつぼみ 

今日は寒い雨だった。
散歩の時も雨がチラチラ降っていた。
ボクはのんびり散歩を楽しみたい気分だったのだが、ボスはちょっと
早足で、散歩を早く切りあげようという気配を漂わせていた。

散歩の途中、ツバキという木を見たら、小さなつぼみがついていた。
葉もつぼみも雨に濡れていた。
ああ、きれいだな、と考えていたら、ボスにヒモを引っ張られてしま
った。雨の日はツバキの鑑賞もゆっくりできない。
今度、晴れたらアキコとゆっくりツバキのつぼみを鑑賞しよう。



2004年11月14日(日)  ヒナン訓練

今日、ボスがヒナン訓練というものに出かけた。
近くの農協に集合して、そこから合図とともに近くの小学校へみんなで
ぞろぞろ歩くのだと言う。
「これじゃ訓練にならないんじゃないかな」
そんなことを言いながらボスは出かけて行った。

ボクは訓練を受けたことはないが、ボスは訓練を受けに行くのだと知っ
て、さすがボスだと感心した。

お昼になってボスが「カンパン」と書いた缶を持って帰って来た。
「賞味期限が3ヶ月しか残ってないカンパンをもらったぞ」
そう言いながら帰って来た。

カンパンというのはヒナンする時に持って行くために家に置いておくも
のらしいが、ボスとアキコはその缶をすぐに開けた。
そして、缶の中からカンパンというものを出して1つくれた。
ガリガリしていて、すごくおいしかった。

ボスが訓練に行くとおいしいものがもらえるようだ。
次の訓練はいつだろう。



2004年11月13日(土)  子供たち 

今日、ボクが散歩をしていたら、向こうから変な子供たちが3人やって
来た。ゴロゴロ音がする乗り物に小さな子供を2人乗せて、一番大きい
子供がそれを押して来た。

3人はキャーキャー笑いながらやって来た。
ボスは「楽しそうだね、こんにちは」と言ってあいさつをしていたが、
ボクは恐ろしいのですぐに逃げ出したかった。ボクは平気な顔をして通
り過ぎたが、子供たちは「犬だ、犬だ」と言ってこっちを見ていた。

ボスがスピードをゆるめないで通り過ぎてくれたから、ボクもそのまま
歩きすぎることができたが、ボスが立ち止まったらどうしようかとヒヤ
ヒヤした。

3人の子供たちは、そのままゴロゴロとどこかへ行ってしまったが、彼ら
の笑い声は、いつまでも聞こえていた。


2004年11月12日(金)  オギ 

ボクの散歩道は川沿いにある。
河原には、いっぱい草が生えている。

今、たくさんのフワフワをてっぺんにつけて風にそよいでいるこの草は
ススキではなくオギというのだそうだ。
フワフワがやせているのがススキで、フワフワがすごくついているのが
オギなのだそうであるが、ボクにはどうも区別がつかない。

もっと近くで見せてくれれば区別がつくと思うのだが、ボクが河原に近
づこうとすると、ボスが怖い顔をするのである。
前に、アキコと散歩に来た時に、河原に降りたことがあったが、その時
ボクが嬉しくて川をバチャバチャ歩いたので、その後アキコもボクを川
に連れてきてくれなくなった。

もう一度河原に連れてきてくれたら、きっとススキとオギを見分けられ
るようになるのに。


2004年11月11日(木)  大雨 

ボクは濡れるのは嫌いじゃないけど、アキコは濡れるのはイヤだと言う。

雨の日、一緒に散歩に行く時、アキコは傘という恐ろしい棒を広げて持つ。
広げる時に「ボン!」という恐ろしい音がする。
ボクはあの「傘」という棒が大嫌いだ。開いてキノコみたいになってしまえ
ば平気だけど、棒を開く時のあの音が嫌いだ。

ボスは雨が降っていても傘を持たない。男らしい。
ボスと一緒に雨に濡れながら散歩するのは気持ちがいい。
アキコと行く方が散歩自体は楽しめるけど、雨の日はボスと散歩に行く方が
好きだ。

今日は大雨。
ボスが散歩に行くのか、アキコが散歩にいくのか、気になる。
ボスはこんな大雨でも「傘」を持たずに散歩にいくだろうか。


2004年11月10日(水)  クローバー 

ボクの庭には、クローバーが生えている。
朝起きるとこのクローバーにつゆがついている。
ボクはこのつゆが大好きだ。
クローバーに顔を近づけて「フン!」と鼻息をかけた時に飛び散る
つゆを見るのも楽しいし、このつゆは舐めてもおいしいのだ。
ボクの飲み水はぜひクローバーのつゆを集めたものにしてほしい。


2004年11月09日(火)  アカマンマ 

ボクの庭には、いろんな草が生えている。
ボスやアキコは草の種を庭に撒いたりはしないが、勝手にいろんな草が
生えてくる。

今日、ボクはピンク色のヘンテコリンな草をじっくり観察してみた。
アキコがこの草は「アカマンマ」と言うが、本当の名前は「イヌタデ」
というのだと教えてくれたからだ。

名前に「犬」がつくのだから、立派な草なのだろうと思ったのだが、
どう見ても、立派には見えない。かわいい桃色をしているところ以外、
何の役にも立ちそうにない。

アキコは言いづらそうだったが、植物につく「イヌ」という言葉は
「何の役にも立たない」という意味なのだそうである。
なんて失礼なやつだ!


2004年11月08日(月)  アマガキ 

ボクの庭にはたくさん木が生えているが、オレンジ色の丸い実をつける木が
3本ある。2本は「シブガキ」で、1本が「アマガキ」だということだ。

今日、散歩に行く時に頭の上からこの「アマガキ」がすごい勢いで落ちてき
た。間一髪だった。ボクの素早い反射神経なしでは、この「アマガキ」の攻
撃を避けきれなかったことだろう。

この危険な「アマガキ」だが、つぶれてヘンテコリンな形になってはいたが、
実はとてもおいしそうな匂いがした。
ボクは「舐めてみたい!」という衝動にかられたのだが、ふとボスの方を見
てみると、ボスは「食べたら怒るぞ、コラ」という顔をしていた。
ボクはボスの言うことはきくことにしているので、非常に残念だが、「アマ
ガキ」を舐めるのは我慢した。

今でもあの強烈な匂いが鼻に残っている。チャンスがあったら、一度くらい
舐めてみたい。
ボクの小屋をあの「アマガキ」の木の下に移動してくれないかな。


2004年11月07日(日)  わるい草 

また散歩の話で申し訳ないが、ボクの一番の楽しみなのだから
仕方がない。今日も散歩の話を書くことにする。

今日、散歩の時、ちっちゃい花を見つけた。
どうもナスビの花に似ている。
アキコに見せたら「わるい草だから噛んじゃだめだよ」と言われ
た。毒があると言うのだ。
とにかく、この花は「わるい草」の花らしい。

わるい草なら、ボクがやっつけてやるんだけど、「噛んじゃだめ」
と言われているので、おとなしくしていることにする。
わるい草とはいつか勝負をつけてやろうと思っているのだが、
どう見てもボクの方が強そうだ。
本当にこいつはわるい草なんだろうか。


2004年11月06日(土)  チクチク 

最近、ボクには敵がある。
それはチクチクである。
散歩に行って、大好きな草むらを歩き回ると、必ずボクにくっついて
くるのだ。

チクチクがくっつくと、とてもかゆい。
ボクがかゆくなっていると、アキコが時々チクチクを取ってくれる。
取ってもらうのは気持がいいけど、必ず2個くらい取り損ねがあって、
いつまでもボクをチクチクする。

暑い夏にはチクチクのヤツはいなかったはずなのに、いつから草むらを
縄張りにしたのだろう。
とにかく、最近の一番の敵はチクチクである。
どうしたらチクチクを散歩ルートから追い出すことができるか、少し
考えてみようと思う。


2004年11月05日(金)  昔のボク 

今日、アキコがボクの写真を撮った。
昔の写真と比べると言って、こんな写真を作った。

左が2年前のボクで、右が今日のボク。
我ながら男らしくなったと思う。
シッポもちゃんと巻けるようになったし、耳だってピンと立ってる。

今日も番犬としてガンバって「ユウビンヤさん」と呼ばれるブーブー
いう乗り物でやってくる男と「サガワさん」と呼ばれるシマシマの男
から縄張りを守ったのだ。
今日はガンバったから、ゆっくり昼寝をすることにしようと思う。


2004年11月04日(木)  ジッカの猫 

ボクの親は近くの材木屋に住んでいるらしいが、アキコの親はクルマ
というやつに乗って15分くらいで着くところに住んでいる。
ジッカと呼ばれている場所だ。

ボクはクルマは嫌いだが、ときどき無理矢理クルマに乗せられてその
ジッカへ遊びに行く。遊びに行くと言っても、別に何をして遊ぶわけ
でもない。
ボクは最初、追いかけっこでもして遊んでくれるのかと期待して行っ
たのだが、庭で牛乳をもらっただけで、特に遊んでくれなかった。
でも、ここの「パパ」と呼ばれている男はボクをとてもかわいがって
くれるので、「パパ」という男は好きである。

実は、このジッカには猫が住んでいる。それも家の中にである。
ボクの庭をうろうろしている野良猫とは比べものにならないくらい、
大きくて太っている。生意気にもボクより5才も年上らしい。
年上のくせに、アキコに甘えたりしている。アキコも大きなその猫を
なでたりしている。

ジッカに遊びに行った後、ボクはとても不機嫌だ。



2004年11月03日(水)  ブンカノヒ 

今日は「ブンカノヒ」ということらしい。
ボスがボクに「ゲンゾーもブンカについて考えろ」と言った。
ボスの命令なので考えてみようと思った。
でも、「ブンカ」というものが何なのかよくわからない。

「ブンカ」というのは、野良猫と関係があるだろうか。おいしい
牛乳と関係がある方が嬉しい。散歩と関係があったらもっといい。
そんなことを考えていると、アキコがカメラを持って来た。
ボクが「ブンカ」について考えているところを写真に撮ろうとい
うのであろう。

ボクは草むらに顔をうずめて精一杯ブンカについて考えているよう
に見えるポーズをとった。いや、ポーズだけじゃなくて、ボクなり
「ブンカ」を考えてはいたのだ。


2004年11月02日(火)  モミジ 

ボクの庭にはモミジという木がある。
人間の手のような形をした葉をたくさんつけている。
聞くところによると、このモミジという木、秋になるときれいな赤い
色になるそうだ。

ところがボクの庭のモミジは、ヘンテコリンな色になるだけでいつも
葉を落としてしまう。赤くなったのを見たことがない。
どうしてなのか、今日、アキコが教えてくれた。
ボクの庭は冬でも暖かいから、モミジが赤くならないのだそうだ。

アキコは教えてくれたけど、どういうことなのか、ボクにはさっぱり
わからない。


2004年11月01日(月)  朝焼け 

ボクの庭は東を向いている。
だから朝の空がよく見える。

朝焼けの出た日は天気が悪くなると言うが、ボクは雨も嫌いじゃ
ないので、きれいな朝焼けは大好きだ。

今日の空は朝焼けだった。とてもきれいな雲がもくもくあった。
あんまりきれいな朝焼けだから、ちょっと大きな声でワンワンと
アキコを呼んでみた。

最初にボスが出てきて「うるさい!」としかられてしまったけれ
ど、その後にアキコが出てきて、朝焼けの写真を撮った。
やっぱりアキコはボクの言うことがわかるのである。
朝焼けを教えてやったので、ボクの大好きな牛乳をくれた。
やっぱりアキコはもののわかった女である。


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