Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 「マツダイラ」最新作を公開
2006年07月31日(月)

●「MAZDAIRA」最新作を公開

 当サイトで連載中のF1小説『マツダイラ』最新第12話「Crasher Andy」を公開しました。前回からちょうど8ヶ月振りとかなり公開が遅れてしまいましたが、皆さん前回までの内容を覚えていますでしょうか?

 前回第11話は、神宮庄之助、ミハエル・カッズ・クーンらと共に初めてのF1合同テストに臨むため渡英する途中、松平健が別居中の妻・真衣と話をするために1人新幹線を降りるというところで終わっていますが、今回はその続きから始まります。
 今回はその松平と真衣のやりとりと、イギリス・シルバーストーンでのマツダイラF1初のF1合同テストの模様の2つの場面のみでお送りします。主な出演キャラクターは松平、真衣、神宮、ハイド・ボーン博士、マキシ、リヴェールと新キャラクター数名。今回慶喜くんはお休みです。

 まずは松平と真衣のやりとりですが、ここで新キャラである真衣の父親(松平の義父)が登場します。真衣は小田原の農家の生まれという設定なので、真衣の父親は生粋の小田原市民。図書館へ行って小田原弁を調べるのに苦労しました。しかしまあ小説なので文章ですから、イントネーションまで気にしなくても良いのが幸いですね。
 そしてマツダイラF1初のF1合同テストがイギリスのシルバーストーンサーキットでおこなわれたのですが、当然合同テストなので、実在する(していた)F1チームに混じって、架空チームのマツダイラが初めて肩を並べて新型マシンを走らせることになります。このシーンでは、当時の実在するテストドライバーも登場するのですが、いずれもグランプリデビューには至っておらず、非常にマニアックなドライバーだと言えるでしょう。当時のF1を知っている方なら、名前ぐらいは目にしたことがあるのではないでしょうか。

 また今回は非常に重要な役所で新キャラクターが初登場するのですが、この人がまた実在する結構クセのあるドライバーでして、もちろんこのドライバーが実際はどんな人物なのかというのは、連れではないので僕には知る由もないのですが、なるべくこのドライバーのイメージを損なわないようにしながら、僕なりの人物像を作り上げてフィクションとして登場させています。
 もちろんこのキャラクターに限らず、これまでに『マツダイラ』に登場したデーモン・ヒルやミハエル・シューマッハ、それにフランク・ウィリアムズやパトリック・ヘッドといった実在するF1名物のキャラクターたちも、僕が勝手に作り上げた架空のキャラクターでしかないわけで、そう言った意味では今回初登場する新キャラも変わりはないのですが、個人的に今回の新キャラクターはかなり気に入っているので、これからどんどん『マツダイラ』の中で活かしていきたいキャラですね。

 『マツダイラ』に関するご意見・ご感想などをお待ちしています。『マツダイラ』扉ページと各話の最下部にある『マツダイラ・フォーラム』にお寄せ下さい。また、『マツダイラ』本編中でわからない専門用語などがございましたら、サポートページ『マツダイラ・FAQ』までお寄せ下さい。このページに入るためのパスワードは「mazdaira」です。皆様のご協力をお願いいたします。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 F1第12戦ドイツグランプリ(決勝)
2006年07月30日(日)

 昨日のVoiceの最後に、今回から禁止されることになったマス・ダンパーのことに触れましたが、これまでマス・ダンパーの恩恵を受けていたルノーは、今日の決勝レースでもこれまでの安定した速さは見られず、結果ミハエル・シューマッハが優勝、2位にフェリペ・マッサが入りフェラーリがワンツーフィニッシュを決め、ポイント争いでトップに立っているルノーのフェルナンド・アロンソはキミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)とジェンソン・バトン(ホンダ)の後ろ5位でレースを終え、一気にシューマッハとのポイント差を6ポイントも縮められ、その差は11ポイントとなりました。また、もう1台のルノー、ジャン・カルロ・フィジケラも6位に終わり、ルノーとフェラーリのコンストラクターズポイントも10ポイント差まで縮まりました。

 マス・ダンパーを失ったルノーはそれでも5位6位と上位でフィニッシュはしましたが、レース内容を見れば前を走っていたマーク・ウェバー(ウィリアムズ・コスワース)が残り8周の時点でリタイヤしたことによる繰り上がりで、さらにレース終盤にはヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)の猛追を何とか振り切ってのフィニッシュ、やはりマス・ダンパーの影響は大きかったといえるでしょう。このままルノーが再浮上することができなければ、今後ミハエル・シューマッハが連勝を重ねれば、アロンソが逆転されてしまう可能性も大いに考えられます。タイトル争いとしては終盤に掛けて面白くなってきますが、昨日のVoiceの投票ボタンでも書いたように、最初からマス・ダンパーなどなければマクラーレンやホンダも加わった混沌としたシーズンだったわけで、ライバルチームとしては「今更禁止になってもフェラーリが有利になるだけ」といったところでしょうね。

 出る杭は打たれる、今シーズンもこうしてフェラーリが有利になる力が働くんですね。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 F1第12戦ドイツグランプリ(予選)
2006年07月29日(土)

 今回のドイツグランプリから、日本期待のスーパーアグリ新型マシンSA06と山本左近がグランプリデビューを果たします。山本左近はともかくとして、SA06が果たしてどれほどのポテンシャルアップを実現したのか、非常に興味深いところです。

 その注目の予選第1ピリオドでは、トロロッソのスコット・スピードが1コーナーでマシンバランスを崩し、スピンしながらイン側のウォールに激突するというアクシデントで、開始5分足らずで赤旗中断となってしまいましたが、それ以外は第1ピリオドでの波乱はなく、今回は下位の常連であるトロロッソ、ミッドランド、スーパーアグリの3チーム6台が揃って脱落しました。しかし、スーパーアグリの佐藤琢磨はミッドランドのティアゴ・モンテイロを初めて予選で上回り、同じくミッドランドのクリスチャン・アルバースとわずかコンマ092差の19番手につけ、早くもSA06の進化の一端を見せました。

 第2ピリオドでは、セッション終了間際にアタックしたフェラーリのミハエル・シューマッハとフェリペ・マッサが共にトップタイムを更新し、ワンツー体制を築きました。シューマッハがこの第2ピリオドでマークした1分13秒778というタイムは、自身が2004年にマークした予選レコードの1分13秒306に迫るものでした。当時のエンジンはV10−3.0リッターなのに対し、今年のエンジンはすべてV8−2.8リッターに統一されていますから、シューマッハが今回記録したタイムがどれだけ凄いかが分かりますね。
 ウィリアムズのマーク・ウェバーとニコ・ロズベルグ、レッドブルのクリスチャン・クリエン、トヨタのヤルノ・トゥルーリ、BMWザウバーのジャック・ビルヌーヴとニック・ハイドフェルドが第2ピリオドで脱落しました。

 上位10グリッドを決める最終ピリオドは、残り5分からヒートアップし、マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンとフェラーリの2台のポール争いとなりました。ライコネンが1分14秒070でトップに躍り出ると、フェラーリの2台もそれに続きますが、最後までライコネンのタイムを上回ることはできず、ライコネンが昨年トルコグランプリ以来となるポールポジションを獲得しました。
 2番手ミハエル・シューマッハ、3番手フェリペ・マッサ、以下ジェンソン・バトン(ホンダ)、ジャン・カルロ・フィジケラ(ルノー)、ルーベンス・バリチェロ(ホンダ)と続き、ミハエル・シューマッハとタイトル争いを演じているルノーのフェルナンド・アロンソは7番手からのスタートとなります。

 さて、気になるのはフェルナンド・アロンソの7番手という位置。タイトルを争うシューマッハが2番手フロントローであることを考えると、アロンソのこの位置はかなり不利であることは言うまでもないですね。今シーズン彼は前戦フランスグランプリまでで5回のポールポジションを獲得し、第2戦マレーシア、第4戦サンマリノ以外のグランプリで3番手以内のグリッドを獲得して予選での速さは安定していましたが、シーズンも折り返し地点を過ぎたこの時点での失速は、やはり今回のグランプリの直前に急遽FIAから禁止の通達を受けたマス・ダンパーの影響なのでしょうかね。

 マス・ダンパーとは、前後方向のマシンの揺れに対し、あらかじめ設置したウェイトでバランスを取ることにより姿勢を安定させるというもので、今シーズンライバルライバルチームを置き去りにしてタイトル争いを演じている、ルノーとフェラーリの2強が使用していました。FIAは今シーズンの開幕時点の段階ではこのマス・ダンパーを合法としており、ルノーもフェラーリもそれを確認した上で実戦投入していました。しかしここへ来て、「空力に影響を与えるものなので、可動するものは違法」として急遽禁止するという通達を出したのでした。
 主にマス・ダンパーの恩恵を受けているのはルノーの方で、今年のマシンR26の快進撃の立役者と言われていますね。一方のフェラーリもマス・ダンパーは使用していたものの、ルノーほどマス・ダンパーに頼り切っていたわけではなく、マス・ダンパーを外した状態でのテストも重ねているため、これが禁止されたところでルノーほどのダメージがあるわけではないようです。

 今回の予選結果だけでは何とも判断しにくいですが、もし明日の決勝でもルノーがこれまでの速さを発揮できなかったとしたら、このマス・ダンパーの影響は大きいと言うことになりますね。そうなるとルノーはアドバンテージをいきなり削られたことになり、フェラーリとミハエル・シューマッハの反撃を受けるのは必至でしょう。FIAも、シーズンも後半に入ったところでこのような措置に出るとは、なかなかニクいことをしますな。これでタイトル争いはアロンソの独走態勢からシューマッハの追い上げという理想の展開となり、シーズン終盤まで目が離せないというわけですね。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 【マツダイラ人物紹介】マキシ・レッドフォード
2006年07月28日(金)

(Text/久端眞理子)


■マキシ・レッドフォード(Maxi Redford)
不屈の精神でマツダイラを追う、仕事の鬼。


 アメリカ・ロサンゼルス生まれ。ニューヨークのマンハッタンに本社がある『ファー・イースト・リサーチ社』の社員で、同社が発行する自動車総合誌『モーターワールド』の敏腕編集者。年齢は不明だが、第1話で「30を過ぎてからの木登りは堪える」という記述があることから、少なくとも30歳を超えているのは間違いない。非喫煙者。なぜか日本語が非常に堪能で、後述の松平健との対談も日本語でおこなった。
 容姿は長身でスレンダーで甘いマスク、松平健によれば「ケビン・コスナー似」らしい。実際『マツダイラ』の扉ページのマキシとされるイメージ写真(携帯電話を持っている人物)を見ると、確かにケビン・コスナーに似てなくもない。おそらく松平の「ケビン・コスナー似」という発言は、このイメージ写真から派生したものであると考えられる。また、髪型は「短く切り揃えられた」という記述があるが、イメージ写真のモデルも短髪である。扉ページのイメージを信用するならば、髪の色はライトブラウンといったところか。
 
 映画通であるが、ケビン・コスナー主演の『ウォーターワールド』に関しては、理解しがたい映画らしい。(実際この映画は映画史上最大の損失を出した)マキシの映画通は、生まれ故郷がハリウッドのあるロサンゼルスであることが影響していると推測される。ただ、後述するが仕事が忙しいマキシがいつ映画を鑑賞しているのかは疑問である。
 現在確認されている映画以外の趣味はF1観戦(ライフワークに近い)とサイクリングで、マンハッタンでも主に自転車を交通手段として活用しているらしい。
 配偶者の有無や家族構成などは今のところ明らかにされていないが、日本に在住するイギリス人ジャーナリストのリヴェール・ウェスターという既婚女性とはかなり以前から親しい間柄のようだ。ただし、リヴェールが「あなたがゆっくり会いに来たことなんてあったかしら?」と言っていたことから、仕事以外でゆっくり過ごしたことはないらしく、恋愛感情はないものと思われる。
 
 マキシは非常に仕事熱心で、与えられた仕事を忠実に能率よく、そして完璧にこなす。そのため上司である編集長サムからの信頼も厚く、期待も大きい。その期待からマキシは『モーターワールド』でも特に重要な仕事を任されることも多く、彼はサムに対して愚痴をこぼしながらも、サムの期待以上の成果を挙げている。サムとは上司・部下という立場を超えて非常に親しい間柄であることが2人のやりとりからも伺える。
 マキシは元々『モーターワールド』編集部内でF1グランプリに帯同して取材するチームに所属していたが、F1を引退したアラン・プロストとの単独インタビューにこぎ着けてフランスから帰国した直後に、サムからマツダイラの取材を命じられてそのまま日本へと渡った。その後は仕事を抜きにしても大好きなF1グランプリを現地で観戦することができないまま、現在に至るまでマツダイラの取材を続けている。
 取材ではインタビューから張り込み、追跡、写真撮影、原稿の執筆に至るまで全て彼1人でこなしていてマルチな才能を発揮している。さらにF1マシンの形状の識別、ドライバーのヘルメットの識別、さらにはマシンの排気音の識別に優れ、まさにこの仕事が天職と思えるような能力を兼ね備えている。
 
 マキシの仕事っぷりには、特筆すべきものがある。その最たるものが、地道な努力と忍耐力、そしてずば抜けた考察力と瞬発的な行動力である。マキシは自分が持つ様々な資料から大胆な推測を立て、その推測を基に調査するという傾向にあるが、見事にその推測が的中する。また忍耐力に於いても、11月下旬の非常に寒い時期にイギリス・コッツウォルズの森の中で、早朝から深夜までテントを張って数日間監視を続けたこともあり、そのマキシをマークしていたICPOの刑事に「諜報機関顔負けの根気強さ」と評された。こうと決めたらトコトンやり通すという、不屈の精神力の持ち主である。仕事に於ける信条は「使えるものは惜しみなく使え」である。それが彼のいつものスタイルらしい。
 
 また、彼は仕事に於いて様々な幸運にも恵まれている。第1話ではマツダイラ・モータースの本社で取材中に思いがけずミハエル・カッズ・クーンの来訪に出くわし、第5話では静岡で探そうとしていたマーカス・ミッドフィールドを、まさに静岡に到着した直後に発見し、さらにコッツォルズのファクトリーでは、ハイド・ボーン博士のウンチク好きによって、思いがけず本来は企業秘密であるはずのファクトリー内部の見学を許された。このようにマキシは、運をも味方につけているのである。

 反面、仕事以外の部分ではがさつで大ざっぱな一面も見せている。編集長室のドアを勢いよく開けてそのまま上司の目の前でソファに乱暴に座ったり、初めて静岡に到着した際には、ホテルについてすぐにベルボーイがいる目の前でベッドにダイビングしたりするといった場面も見られた。またコッツウォルズのレストランでは、テーブルの上に資料を広げて情報整理に没頭して料理を運んできたウェイトレスを困らせ、その挙げ句急に心変わりしてテイクアウトを要求した。
 第1話の冒頭で、フランスから帰ってきた直後で疲れていたせいか、コーヒーを入れてくれないかと頼んだり、社内のマルチメディア部門ではオペレーターに次々と指示を出したりと、同僚に対しては多少人使いが荒いところもあるようだ。あるいはこれも彼の言う「使えるものは惜しみなく使え」の一環か。
 
 マキシは『マツダイラ』に於いて、一番最初に登場した人物である。2003年1月から連載がスタートした『マツダイラ』は、彼の登場シーンからスタートした。この作品は各エピソードごとにクローズアップされる人物が異なるため、名目上この作品には明確な“主人公”は設定していないとされるが、彼がこの人物紹介で一番先頭に位置づけられていることから、少なくとも第一部を通してのメインキャラクターに位置づけられているようだ。
 彼は第1話にしていきなりもう一人の主人公とも言える松平健との共演を果たしており、そのインタビューのシーンでは非常に緊張感のある至高の会話を演じ、『マツダイラ』という一見何の話なのかわからない小説に迷い込んだ読者の興味を鷲掴みにし、圧倒的な演出によって一気に読者を『マツダイラ』の世界に引き込むのに一役買っている。
 
 本来はキャラクター性や『マツダイラ』というタイトル名からして、松平健が主人公と考える方が自然であると思われるが、なぜか作者は松平ではなくこのマキシの方をより主人公に近い位置づけにしているのが興味深い。
 確かにマキシは非常に強烈な探求心と行動力を持っており、彼がアメリカ、日本、イギリスと世界を駆け巡って活躍しているおかげで、作品全体の世界観が大きく広がっているのは事実だ。その探求心旺盛なマキシが主人公で、松平のミステリアスな部分を徐々に解明していくという構図は、非常に合理的だと言える。
 ただし、あくまでこの作品で最初に登場したのはマキシだが、登場頻度で言えば松平の方が圧倒的に多く、松平がここまで全話に登場しているのに対し、マキシがまったく登場しない話が何本かある。さらに、ドラマや映画でも、主人公は少し遅れて初登場するものという定説を当てはめるなら、やはり松平の方が主人公という印象は強い。
 
 名前の由来は作者の友人であるMaxi氏。彼の愛車が赤いプジョーであることから、このサイト内の『S2000架空映画ポスター』では“マキシ・レッドプジョー”となっていたが、“レッドプジョー”という名前は実在しないと言うことで“レッドフォード”となった。彼もまた映画通で、F1マシンのダイキャストカーコレクターとしても知られ、マシン形状の識別には定評があると言われている。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 「マツダイラ」の人物紹介文をクハナさんに依頼
2006年07月27日(木)

 今月中に最新作の公開を予定しているF1小説『マツダイラ』ですが、さすがにエピソードも10話を突破し、登場人物も増え、何人かの読者の方々から「登場人物紹介を作って欲しい」というご要望をいただきました。これだけ登場人物が増えてしまうと、名前が出てきても「この人だれだっけ?」と一瞬混乱してしまうのは当然ですよね。

 昨年の12月に、まずは人物相関図を制作してとりあえずその場を凌いだのですが、僕自身も今年に入って多忙の日々が続いていまして、なかなか人物紹介までに手が回っていない状態なんです。とりあえず人物紹介用のキャラクターのビジュアル案なども描いたりしていたのですが、実はこちらの方も行き詰まっていまして、正直ほとんどのビジュアル案に納得できない状態です。

 そこで、とりあえずキャラクターのビジュアルは後回しにして、まずはテキストでの人物紹介だけでも用意しようと、『マツダイラ』の設定資料を見直したりしていたのですが、今年になって新しいレギュラーの仕事が増えたりして、結局テキストでの人物紹介すら書いている余裕がなくなってしまいました。このサイトを運営するで僕が現在優先している順序は、1,掲示板へのレス、2,Voiceの執筆、そして『マツダイラ』本編の執筆、3本柱なのですが、それすらままならない状態なので、時間的に僕が『マツダイラ』の人物紹介を書くのは不可能という結論に至りました。

 そんなわけで、『マツダイラ』の人物紹介は他の方にお願いすることにしました。『マツダイラ』の人物紹介を書いて下さるのは、Barや『マツダイラ』の感想板などでおなじみのクハナさんです。クハナさんはこれまでにもお仕事で様々な映画の配給や買い付けに携わって来られ、こういった物語に関するレビューのエキスパートです。さらにクハナさんはこれまですべての『マツダイラ』を読破して下さっているので、Barに来られている方々同様、『マツダイラ』を最もよく知る読者の一人です。ですから僕としても安心してこの仕事をお願いできるというわけですね。もちろんお仕事として依頼しているので、少ないですがギャランティを支払います。

 さて、クハナさんにこの仕事をお願いするにあたり、ご本人も『マツダイラ』の続きを楽しみにして下さっている読者の一人ですから、クハナさん自身にもネタバレにならない程度の登場人物に関する設定資料集をお送りし、その上で「本編の閲読意欲を与えるものであれば、何を書いてもいいです」とお願いしました。はっきり言って“丸投げ状態”ですな。
 で、この仕事をお願いしたのが約1ヶ月ほど前だったのですが、クハナさんもご多忙の中この仕事をこなして下さり、今日早速数人分の登場人物紹介文の草稿が届きました。



 ……ものすごいマニアックです。


 ……作者の僕ですら知らなかったことまで書かれています。


 ……しかも一人分の量が尋常じゃないです。



 はっきり言ってこれを読めば、その人物のすべてが分かります。もちろんクハナさんは『マツダイラ』の作者ではないので、登場人物の内面的なことまでは知る由もありませんが、そのあたりのこともクハナさん独自の推測によって、事細かに考察されています。さらにそれを裏付ける記述が本編から抜粋されていたりと、『マツダイラ』の人物紹介としては非の打ち所のない、完璧な仕上がりとなっていました。

 いや〜まさかここまで緻密なレビューをしていただけるとは思ってもいませんでした。予想を遙かに上回る出来映えで、作者冥利に尽きるとはまさにこのことです!僕自身読んでて非常に興味深いですし、今回送られて来た人物以外のレビューも早く読みたいです!

 クハナさん、お忙しい中素晴らしい仕事をこなして下さり、本当にありがとうございます!引き続き残りの人物のレビューもよろしくお願いしますね!急ぎませんので、時間のあるときにでも、片手間でいいのでお願いします!

 ところでこの『マツダイラ』人物紹介、公開はまだしばらく先になりますが、クハナさんから今回頂いた草稿の添え書きに「記述できるすべての内容を書きましたが、ご推敲頂いた上、不要な部分や適切でない部分はそちらで削除・訂正をお願いします」と書かれていたのですが、せっかくなのでほぼ全文を掲載しようと思っています。人物紹介としてはかなり文章量は多いですが、お読み頂ければ『マツダイラ』をより深く理解して頂けるでしょう。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 迷惑カキコとの熾烈な攻防戦
2006年07月26日(水)

 間もなく当サイトで連載中のF1小説「マツダイラ」の最新第12話「Andy(仮題)」を公開するんですが、それに先立って「マツダイラ」のトップページと各話の最下部にある専門用語質問板「MAZDAIRA FAQ」を久しぶりに覗いてみたら、何といつの間にか大量のアダルトサイトに勧誘する迷惑カキコがされていました。

 しかもそのカキコ、すべて英文で外国からの書き込みと思われ、さらに最新の書き込みは今日の日付でした。その数99スレッド!この掲示板はCGIを利用して最大99スレッドまで表示することができるのですが、その最大スレッド数がフルに埋まっており、以前書かれていた専門用語を質問しそれに回答していたスレッドが、すべて消え去っていたのです!

 幸いその消え去ってしまったちゃんとしたカキコ(いわゆる過去ログ)は、僕のパソコンのハードにバックアップを残していたので復旧し、迷惑カキコはいちいち99スレッドを1つ1つ削除していくのは面倒なので、過去ログを保管するフォルダから根こそぎ削除してすっきりと消し去ることができました。

 ところが!何とその後しばらくして覗いてみると、再び同じ投稿者と思われる迷惑カキコがされていたのでした!しかも短時間の間に2スレッドも立てられ、さらに依存の専門用語の質問者が立てたスレッドに対しても、レスという形で投稿がなされていたのでした。このことから、犯人は機械的な自動投稿ではなく、人間が手動で投稿していると推測できます。

 そこで、今度はそれらのカキコを手動で1つ1つ削除し、おそらくこの手の迷惑カキコはプロキシを介しての投稿だと思われるので、プロキシ投稿を禁止する設定にしてみました。

 しかし!それでも再び数分後には同じ内容が書き込まれてしまったのです!

 そこで今度は、おそらく犯人はこのページをブックマークに登録していると考え、htmlのファイル名を変更してみることにしました。今までは「faq.html」としていたのを、「bbs.html」に変更したのです。ただし「マツダイラ」のトップページと各話の最下部のリンクも変えたので、正規のリンクから飛んでくれば今まで同様普通にこの掲示板に辿り着くことができます。これならブックマークで飛んでこようとしても、掲示板自体のアドレスが変わってしまったので「Not Found」になってしまい来れなくなるはずです。

 ところが!それでもなおその数分後に、同じ書き込みがなされてしまったのです!

 まるで僕の対処をあざ笑うかのように……!

 何とこの迷惑カキコの犯人は、ブックマークからではなく、ちゃんと「マツダイラ」のトップページか各話の最下部のリンクという、正規のルートからやってきて投稿をしていたのです!そうでなければ掲示板自体のアドレスは変わってしまったので、変更された新しいファイル名がわからない限り、短時間で戻ってこられるはずがありません。驚くべき事ですが、おそらく犯人は「マツダイラ」のトップページか、あるいはこのサイト自体のトップページをブックマークに登録して、「MAZDAIRA FAQ」をターゲットとしていたようです。

 そこで、本当はやりたくなかったのですが、仕方がないので最終手段として、実際にご覧いただければおわかりのように、「MAZDAIRA FAQ」に行く前にパスワードによる認証ページを設けることにしました。
 しかし、元々この掲示板は「マツダイラ」を読んだ方が、劇中に登場するF1の専門用語でわからない言葉があったときに気軽に質問できるように設けたものですから、そういった読者に毎回パスワードを発行するのも煩わしいですし、質問しようとした読者も面倒ですよね。

 そこで、パスワードは「マツダイラ」の読者ならおそらく誰でもわかるようなパスワードにし、それを入力して「認証」ボタンを押してもらうように一文を添えました。

 パスワードは「この小説の題名(半角英小文字8文字)」つまり「mazdaira」です。

 間違えて「matsudaira」と入力しないようご注意下さい。

 3文字目のアルファベットは「z」ですよ!

 このパスワードによる認証ページを設けてから5時間以上が経過した現時点では、新たな書き込みはまだされていません。しかし、もし万が一この認証ページをも突破されてしまったら、もはや対処する方法はありません。IPアドレスも毎回違うのでIPアドレスによる制限もできません。最悪の場合、しばらくの間掲示板を停止するしかありません。

 しかし、もし仮に推測通り本当に「マツダイラ」のトップページから来ているのだとしたら、日本語が読める者ならすぐにパスワードが分かりそうなものですが、迷惑カキコが止まったことからして、犯人はやはり日本語が分からない外国人ということなのでしょうか。




 投稿ボタンを押すと、さらに衝撃の展開が!



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 渋谷「アクア」白井さん 〜2006・夏〜
2006年07月25日(火)

 昨年4月26日付と、同じく昨年6月22日付のVoiceで2度に渡ってご紹介した、東京・渋谷にある『アクア』というウェディング・ジュエリーを扱っているお店の「白井」という女性から勧誘電話が、ななななんと!今年もかかってきましたぞ!

 で、「白井」という名前は本名ではないと思われるのでともかく、僕の記憶が正しければ、明らかに過去2回と同一人物と思われる声でした。なんか浜崎あゆみのパチもんみたいな鼻が詰まったような喋り方でしたから。


 ……白井さん……まだこの仕事続けていたのか……?

 ……もし同一人物でないのだとしたら、『白井○号』とかいうロボットなのか!

 ……あるいは、社員教育で「しゃべり方はあゆ風に」と全員に教育しているのか!


 さて、過去2回のやりとりはいずれも、まず「現在20歳以上の、お仕事をしていらっしゃる独身男性の方を対象に、キャンペーンのご案内をさせていただいているんですが、間違いないですよね?」と勝手にどんどん話を進めていくので、僕がそれを遮って、「どうしてこの電話番号と僕の年齢や独身であることまで知ってるんですか?」と聞いたら、「あ、それはですね、調査会社に依頼して調べてもらったんです〜」と答えたので、「それってマズいんじゃないの?はっきり言ってプライバシーの侵害じゃん」と言ったらおもむろに向こうが電話を切った、というまったく同じ内容でした。(この段落ほぼ前回のコピペですし)

 そこで今回は、もっと早い段階でツッコミを入れて、短期決戦に持ち込みました。



「あ、もしもし〜!白井と申しますけど、マコトさんいらっしゃいますか?」
「どちらの白井さんですか?」
「あ、焼津の白井ですが、マコトさんはいらっしゃらないんですか?」


 ……やはり、「どちらの」と聞いたら地名で答えてきました。ただし、前回は「静岡に住む」だったのが、今回はなぜか隣の市である「焼津」でした。この意図は不明ですが、おそらく特に意味はないと思われます。


「僕がマコトですが?」
「あ!マコトさんですか?初めまして〜!突然のお電話ごめんなさいね!私東京・渋谷にある『アクア』っていうウェディング・ジュエリーを扱っているお店の白井ともうします〜!」


 やはり過去2回と同じ展開!しかも一字一句同じセリフであることを考えると、相当事細かな台本が用意されているか、本当にロボットであるかのどちらかでしょう。そこで僕はすかさずツッコミを入れました。


「……渋谷?……さっきは焼津って言いましたよね?」
「……あ、そうでしたっけ?……お店は渋谷にあるんですぅ〜!」


 露骨に慌てふためいて若干ろれつが回っていない白井さん。それでもすかさず返してくるところはさすがプロと言ったところでしょうか。この時点で白井=ロボット説は消え、一応生身の人間であることが判明。


「じゃあ、焼津っていうのはウソっていうことですね?ウソをついたんですね?」
「……いや、別にウソとかじゃなくて……」
「……なあ、何でウソついたん?言うてみ?」


 ここぞとばかりに関西弁で一気に核心に迫る僕。性格悪いです。


「……いや、ですからウソとかではなく……」
「白井さん、何でウソついたん?」


 ブツッ!…………ツーッ ツーッ ツーッ ツーッ…………













 こうして、僕と白井さんとの夏は終わりを告げた……。






 ……かに思われる。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 今更ながら植村直己記述のその後
2006年07月24日(月)

 えー皆さん、昨年8月16日付のVoiceでご紹介した、『植村直己に関する驚くべき記述』という記事を覚えていますでしょうか。この記事は、世界的に信頼性のある某サイトで、植村直己の来歴の中に「2004年2月8日、植村直己とされる遺体が発見された」という衝撃的な記述があったということを紹介した記事なのですが、当時のVoiceでも書いていますように、これが事実ならニュースでも大きく取り上げられるはずなのに、他のどこにもこの件に関連した記述がなく、唯一このサイトでのみ書かれていたというものでした。

 で、当時僕もこの記述に関しての詳細を求めてサイト管理者に問い合わせたりしたのですが、その後1週間以上経っても返答がなかったため、すっかり忘れていたんです。

 ところが、今日久しぶりにそのサイトを覗いてみたら、問題の記述が削除されていました。さらに僕が問い合わせた件に関しての回答もあり、それによると「2004年2月8日に、植村直己と思われる日本人男性の遺体が発見されたが、後にそれが植村直己ではないことが判明した」とのことでした。

 当時僕もあまりの驚きで思わずVoiceの記事にしてしまいましたが、その後始末ということで、今更ながら今回改めてご報告させていただきました。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 M-NESTオリジナルグッズ
2006年07月23日(日)

 突然ですが、M−NESTオリジナルグッズの販売を始めることにしました。販売は9月からで、記念すべき第一弾はオリジナルキャップです。材質はポリエステルニットとナイロンメッシュ、サイズはフリーサイズのみ、カラーはフロント部分が白のツートンと単色だけのもの合わせて全31色、価格は全色共通税込み1800円です。




M-NESTオリジナルキャップ(ブラック×ホワイト)


 デザインはとりあえず第一弾ということで、シンプルに2003年から音楽名義の「M−NEST」で使用している“Mキューブ”に、当サイトのURLが入ったものです。元々はM−NESTで主催した音楽イベントなどで使っていたのですが、このMキューブが結構好評だったので今回商品化してみました。

 今後はTシャツやポロシャツ、ブルゾン、マウスパッド、マグカップなども考えています。デザインもいくつかバリエーションを考えています。まあ、あまりいないとは思いますが、「是非欲しい!」という奇特な方は、9月以降に詳細をお伝えしますので、その後メールにてお問い合わせ下さい。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 ここがヘンだよレディーファースト
2006年07月22日(土)

 僕の知っている女性で、非常に気が強く、失礼極まりない人がいます。この女性は僕より少し年下で、僕はあまり親しくはないのですが、一応仕事上一緒に活動したりすることがあるロックバンドのメンバーで、ボーカルを務めています。

 彼女は自分は平気で周りの人間に対して失礼極まりないことを言ったりするのに、自分が同じようなことを言われるとすぐに怒り、さらにことあるごとに男に対して“レディーファースト”を強要する、とてもわがままな人なのです。
 しかし、その反面容姿は非常に恵まれていて、さらにスタイルもいいことから男性にちやほやされていて、彼女のことをよく知っているバンドのメンバーを除く多くの男性は、喜んでレディーファーストと言って彼女に先を譲ったりしています。

 レディーファーストとは、皆さんもよくご存じの通り、ドアを通る時、椅子に座る時などに、女性を優先する欧米のマナーですが、僕的にこのマナーを解釈するならば、レディーと呼ぶにふさわしくない女性に対しては、例え相手が女性であっても優先する必要はないということです。つまり、自分が無礼者であることを棚に上げて男にレディーファーストを強要するのはちゃんちゃらおかしいということですね。だいたいレディーファーストは本来、男性が女性を気遣って行うものであり、女性が男性に対して要求すること自体間違いなんですよ。

 ちなみに、僕は日本男児として、この女に媚びるようなレディーファーストという欧米のマナーはとても嫌いです。ですからよほど好きな女性か好感が持てる女性でない限り、特に女性に限って先に譲ったりするということはありません。もちろん欧米に行ったときも、基本的には女性を特別扱いすると言うことはありません。
 こう書くと誤解を受けそうなので付け加えておきますと、単純に“譲り合い”“思いやり”の精神を言うのであれば、女性に限らず自分に余裕がある限りは老若男女譲ればいいことですし、僕のことをよく知っている方々ならご存じだと思いますが、心が広く精神的に余裕がある僕は、あらゆる場面で女性に限らず見ず知らずの人に道を譲っています。

 そもそもレディーファーストというのは先に述べたように欧米の文化で、日本でそれをするというのは本来間違いであり、「女性に優しい、礼儀正しく強い男」を演出しようと、日本でレディーファーストなどと言っている男性はちょっとどうかと思いますし、それをされて喜んでいる女性も何だかなあと思います。

 レディーファーストは、女性の立場を尊重しているというより、女性を“弱く自立できない人間”“庇護されるべき対象”とみなしているということなんですよね。様々な場所で「男女平等!」と叫んでいるくせに、ドアを通る時、椅子に座る時だけレディーファーストはないだろう……。

 レディーファーストのわかりやすい例として、1906年に起こったタイタニック号沈没の際に、イギリス人紳士たちが女性と子供を優先的に救命ボートに乗せ、多くの紳士がタイタニック号とともに沈んだという有名なエピソードがありますが、まさにこの当時の貴族の女性は“弱く自立できない人間”“庇護されるべき対象”だったのかもしれませんね。それでも、主人公のローラのように気高く思いやりがあり思慮深い女性ならいいですが、多くの貴婦人たちは強欲で浅ましく、人の不幸を笑っていられるようなマリー・アントワネットであっただろうことは想像に難くありません。そんなレディーたちのために命を落としていった紳士たちは、実に哀れですな。

 ちなみに、レディーファーストは元々、中世ヨーロッパで、騎士が自分の身を守るため、女性を盾として先行させたのが始まりであると言われています。つまり最初の意味合いでは、女性を犠牲にして男性が助かるという、まったく正反対の意味だったんですね。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 スーパーアグリ、新型車SA06シェイクダウン!
2006年07月21日(金)

 日本のF1ファンの間でも、スーパーアグリを応援するF1ファンとそうでないF1ファンとでは、その温度差は非常に大きいのですが、少なくともスーパーアグリファンにとっては、待ちに待ったビッグニュースと言えるでしょう。そう、佐藤琢磨を応援するものとしては、昨年の最大のF1ニュースが11月1日のスーパーアグリF1参戦発表であるならば、今年もっとも大きなF1ニュースが、いよいよシェイクダウンを果たした待望のスーパーアグリ新型マシン「SA06」のデビューでしょう!

 ……え?それのどこがビッグニュースなんだって?

 ……モントーヤの引退の方がよっぽどビッグニュースだろって?

 ……まあ、確かにモントーヤの突然の引退劇も衝撃的でしたが、やはりSA06のデビューはスーパーアグリフリークの僕にとっては待望でしたからねえ。やはりこのニュースにはどんなニュースも敵いませんよ。そりゃミハエル・シューマッハ引退だったらひっくり返りますけどね。それに昨年11月1日のスーパーアグリF1参戦発表だって、6台のみのアメリカグランプリの衝撃なんて吹き飛んでしまいましたからねえ。

 スーパーアグリは11月の参戦表明から、旧アロウズの4年落ちのマシンをベースに急場ごしらえでSA05を組み上げ、初めてのF1グランプリシーズンを戦ってきました。シーズンと同時進行で新型車SA06の開発も進められていましたので、SA05は特にこれと言って大した改良をすることもできず、グリッド最後尾の常連になりながらも決して腐ることなく一生懸命戦ってきました。その努力が、ついに報われるときが来ました!いよいよSA06が今週19日にシルバーストーンでシェイクダウンを果たし、30周を走破したのです!そして来週末におこなわれるF1第12戦ドイツグランプリで、いよいよレースデビューします!

 SA06の最大のポイントは新しいギヤボックスの採用で、エンジン位置も下がり、マシンの後部が非常に効率的に性能を出せるようになったそうです。マシンの後部が効率的になったというのは、ホンダのマシンが採用するものと同じ小型で高性能のギヤボックスを使用することで、リヤ部分の絞込みを強め、空気の流れを増進し、より安定したリヤの動きを手に入れたということです。F1マシンはもちろん全体の性能向上が速く走るための必須条件ですが、特にリヤの安定はキーポイントになります。

 実際にレースで走るのは来週末のドイツグランプリからですが、シミュレーションでは旧型車SA05より2秒近く速いラップタイムをマークしたそうですから、ドライバーやチームのみならず、ファンも期待してしまいますよね。スーパーアグリの目下のライバルはミッドランドの2台ですが、ドイツグランプリからはSA06で、ミッドランドを打ち負かしてもらいたいものですね。

 なお、今回シェイクダウンを果たしたSA06はまだ完全体ではなく、このあとフロント部分の開発を進め、第14戦トルコグランプリまでには完成されたSA06が見られるそうです。そうなればさらなる進化も期待できそうですね!

 思えば開幕当初は第4戦サンマリノグランプリまでには新型車が用意できるはずだったのが、それが第8戦イギリスグランプリに延び、さらにそれが延期されて第11戦フランスグランプリまでには何とかという話になり、最終的に1戦延びてドイツグランプリに確定。

 ……長かった。

 しかし、僕はこのSA06が期待外れな結果に終わったとしても、決してスーパーアグリを見放したりはしませんぞ!スーパーアグリには少しでも長い間F1の世界にとどまって、いずれは優勝争いができるまでのチームに成長して欲しいものですな。

 それにはまず、本家のホンダに頑張ってもらわないと困りますけどね……。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 「DEATH NOTE」……ってまたかよッ!
2006年07月20日(木)

 昨日までの3日間で人気漫画「デスノート」について書いてきましたが、今回もしつこく「デスノート」ネタです。たぶん今日が最後になると思いますので、興味のある方はお付き合いください。

 今日のお話は、もしも僕が“名前を書くだけで人を殺すことができる”というデスノートを手に入れたらどうするか、というお話。「デスノート」を読んだことのある方なら、「もし自分がデスノートを持っていたらどうするだろう」と一度は考えてみたことがあるのではないでしょうか。(え?ない?)

 ではここで、デスノートのルールについて解説しておきましょう。ただしデスノートには、死神界で作られた実に様々なルールが存在しているので、今回は便宜上、その中から特に今回のテーマに直接関係するルールだけを抜粋しました。


【デスノートのルール(一部)】

●人間の顔を思い浮かべその名前を書くと、その人間は死ぬ。
 同姓同名がいても、有効なのは名前を書くときに思い浮かべた対象だけ。

●名前以外何も書かない場合は40秒後に心臓麻痺での死亡となるが、
 名前を書いてから40秒以内に死因を書けばそのとおりになる。

●ノートに名前を書かれた人物の死を取り消すことは出来ない。

●死因を書いた場合、記された死因での死亡となる。

●死因を書いてから6分40秒以内に死に至るまでの詳細を書くと、
 その人間の死まで物理的に可能な範囲で操ることができる。
 可能な範囲でない書き方をした場合すべて心臓麻痺で死ぬ。

●対象者が知りえない情報を使う、または行い得ないことをすることは不可能。

●日時を指定した上で操って殺せるのは23日以内。

●23日以上かかるような病気を死因に指定して死亡させる場合は例外。
 ただし日にちの指定を行えば無効になる。無理が生じるならば心臓麻痺となる。

●死因の「自殺」は誰にでも有効であり、「考えもしないこと」の限りではない。


 わかりやすくまとめると、とにかく本名を一字一句間違えずに書けば、ただ名前だけを書いた場合はその人間を40秒後に心臓麻痺で殺すことができるというわけです。さらに「事故」「殺される」などの死因を書けばその通りになります。そして23日以内であれば殺す人間の行動を操ることができますが、物理的に不可能なことを書けば無効となり、すべて心臓麻痺での死亡となります。その他にも、物理的に不可能な行動やその者がすることができない行動は全て無効となり、心臓麻痺となります。

 とまあこんな具合で色々と死神界によって定められた決まり事があるわけですが、さあ、皆さんがもしこのデスノートを手にしたら、一体どうしますか?ちなみにデスノートのルールはすべて、デスノートの最初のページに「使い方」として書かれているものとします。(実際主人公が手にしたデスノートのも書かれていました)

 僕だったら、まず主人公がしたように、このノートが本物であるかどうか確かめようとするでしょう。とはいえ、本物であるかをしるためには、実際にノートに名前を書き込んで人を殺す必要があるわけで、実際自分の中で、果たして殺したいと思う人間がいるかと言われれば、そんな人はいるわけないですから困ってしまいますよね。
 もちろん僕は今まで31年間も生きてきたわけですから嫌いな人間もいますし、生きてきた中で一度たりとも殺意を覚えたことがないかと言われれば自信はありません。しかし、そうは言っても本気で殺したいと思った人などいませんし、むしろものすごく嫌いで顔も見たくない人がいたとしても、何も死ぬ必要はないと思う方が普通ですよね。

 そこで僕は、このノートが本物であるかどうか確かめるために、こう書きます。


 「松本智津夫 関わった犯罪の知りうる全ての情報を書き記し、呼吸困難で死亡」


 言うまでもなく、僕は“松本智津夫”という名前の人間を1人しか知りません。元々彼の死刑が確定するのは時間の問題ですし、その前に事件の全容を自ら解明してもらい、さらに最後は呼吸困難によって少しでも死の苦しみを味わってもらおうというわけです。
 彼が死ぬ場所はおそらく獄中ですから、操れる行動は限られているでしょう。本当はサリンで苦しんでもらいたいものですが、サリンを使えば回りにも影響を及ぼしますし、獄中にサリンを持ち込むのは不可能。それなら、どんな死因が苦しいだろうかと考え、呼吸困難が良いだろうと思ったわけです。これまで彼によって殺されてきた人々の苦しみに比べたら全然軽いですが、少なくとも心臓麻痺で一瞬で死ぬよりは、せめてしばらくの間、呼吸ができない苦しみを味わって欲しいですね。というか、獄中ではこれが限界でしょう。

 もしデスノートが本物だったら、ニュースは凄いことになりそうですね。松本容疑者本人が関わったすべての事件の詳細を書き記して、その後獄中死するんですから。ワイドショーは連日この話題で持ちきりとなるでしょう。そうすれば、僕にもデスノートが本物であるということは確実にわかるわけです。

 さて、ではデスノートが本物だとわかったら、次はどうするでしょうか。

 漫画「デスノート」の主人公・夜神月(=キラ)は、テレビや新聞などのメディアで報道された世界中の犯罪者を次々と殺し、その偏った正義感で犯罪のない理想的な世の中を創り出そうとしますが、少なくとも僕にはそんなことはできませんね。
 もちろんテレビや新聞などで様々な犯罪を目にして、その犯罪を引き起こした人間に憤りを感じることはありますが、言うまでもなく僕には犯罪者を裁く権利などありませんし、人の命を奪う権利もありません。ましてやある人間が犯罪者として報道され、裁判で有罪が確定したとしても、もしそれが冤罪だったとしたら……。実は巧妙に仕掛けられた罠によってその人間がはめられて、犯罪者に仕立て上げられて有罪が確定したとしても、もしそれが実際は無実の罪を着せられていたとしたら……罪のない人間を殺してしまうことになりかねませんよね。
 実際判決で一度は無期懲役や死刑判決まで受けた容疑者ですら、その後一転して無罪を勝ち取ることがあるわけですから、僕が主人公のキラのように、自分だけの判断で「この犯罪者は悪だ」と決めつけて処刑を下すというのは、あまりにも危険すぎます。

 世の中に犯罪者に関しては、僕でなくても、ちゃんと法の名の下に公正に判断してくれる裁判官がいるわけで、犯罪者にしても、死ぬことよりも生きて被害者に償っていくことで、被害者のせめてもの救いになる方がいいですし、死んで全てが解決するわけではないですからね。むしろ僕のような一般市民が犯罪者を独自の判断で裁き、篠制裁を与えていくことの方が非常に恐ろしいことであることは言うまでもありません。

 そう考えると、僕にはデスノートの使い道はありませんね。

 そうなると、このデスノートの所有を放棄して死神に返却すれば、デスノートやそれによって犯した殺人のことはすべて記憶から消え失せてしまいます。仮に本物かどうか確かめるために松本智津夫を殺害していたとしても、そのことによって良心の呵責に陥ることはないと言うわけです。人間を殺すことができるノート、しかも死神から与えられたノートにしては、それを使用してもそのことによる“見返り”がまったくないというのが凄いですが……。

 しかし、ただデスノートを死神に返却しただけでは、今後その死神が誰か別の人間にデスノートを与え、その人間がノートを使って殺人を犯す可能性もあります。どんな人間の手に渡ったとしても、1人の人間が人の死を自由に操るというのは、やはり人間の道徳に反しています。なので僕は、デスノートを焼却処分することを選びます。

 デスノートを焼却処分した場合、デスノートは文字通りなくなり、所有権を放棄したわけではないのでデスノートの記憶が消えることはありませんが、他の誰かの手に渡ると言うことはなくなります。
 ただし、漫画「デスノート」では、死神界にいるすべての死神はこのデスノートを所有しており、死神が自分のノートの他にもう1冊ノートを所有していれば、そのうちの1冊を人間に渡すこともできるため、僕が手に入れたノートを焼却したからと言って、その後絶対に他の人間がデスノートを手にすることはないとは言い切れないんですけどね。

 皆さんもデスノートを手に入れた際には、用法を守って正しく使いましょう。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 「DEATH NOTE」のような心理戦を書くことは可能か
2006年07月19日(水)

 結論、可能。


 一昨日のVoiceでもご紹介しましたが、最近まで「週刊少年ジャンプ」で連載されていた話題作「デスノート」は、死神が落とした殺人ノートを使って理想の新世界の神になろうとする“キラ”と、全世界の警察を掌握できる唯一の存在で、キラの一連の事件を捜査する“L”による心理戦が見物のサイコサスペンス漫画です。
 その主役2人の、お互いの正体を暴くための常識外れな知略戦は、裏の裏のそのまた裏を読み合うという非常に緻密に計算されたもので、お互いが一歩も譲ることなく互角の駆け引きを続け、それが見事にストーリーの核となって読む者を惹き付けています。

 では本題。この「デスノート」のような、緻密に計算され尽くされた2人の主役の駆け引き、果たして僕にも描くことができるのだろうかと、ふと考えてしまったわけです。いえ、僕は漫画は書けないので文章で、ですが。「デスノート」は昨日書いた通り小畑健という漫画家が描いている漫画ですが、大場つぐみという原作者がいて、その原作がものすごく緻密に描かれているんだと思います。

 僕は一応物書きですから、小説や漫画でものすごい作品に出くわすと、果たしてこんな作品が自分でも書けるのだろうかというライバル心が芽生えてしまうわけです。もちろんそのほとんどが「不可能」という結論なのですけどね。だいぶ前に、まだ映画化とかドラマ化とか全く言われていなかった頃に、鈴木光司の「リング」と「らせん」の原作小説を読んで衝撃を受けたことを覚えています。あれを読んだときには、この人は天才だと思いましたね。(断っておきますが、映画やドラマの「リング」「らせん」は、原作の凄さの10分の1も表現できていません)しかし、「デスノート」のような主役2人の駆け引きのような心理戦を書くことは、自分でも可能かなと思います。

 いえ、こう書くと語弊がありますが、「デスノート」のような設定やアイディアとかそういうことではなく、あくまでも「デスノート」に出てくる2人の主人公キラとLという二大秀才が、お互いの心理の裏の裏の裏を読んで推理しあい、そして欺き合うということですよ。

 キラとLはともに東大(漫画では東応大学)の入試で全問正解してしまうほどの秀才という設定ですが、それを書いている原作者の大場つぐみは、もちろんあれだけのものが書けるのですから頭はいいでしょうけど、さすがに作品中の2人ほどの秀才ではないでしょう。
 しかし、作品中の2人の秀才は、お互い見事な推理力を発揮してお互いの言動や行動から考えていることを探り出し、まさに東大全問正解合格も頷けるほどのすさまじい頭脳を披露しています。

 つまり、書いている自分(作者)が秀才ではなくても、秀才のキャラクターの描写を書くことはできるというわけです。だってLなんて、全世界の警察機関を動かせる唯一の存在で、世界最高の探偵といわれているぐらいですから、少なくとも推理に関しては、世界最高の頭脳を持っているということになるわけですからね。まったく惜しい人を亡くしたものです。

 以前にも書いたことがありますが、“物語を書くことの魅力”とは、自分が神となって、自分が創造した世界の中で登場人物をあやつり、自由にその世界を動かすことができると言うことです。そして「デスノート」に登場する2人の秀才は、どちらも“神”である原作者の大場つぐみが創造したものであり、当然その思考や行動は、2人の人格設定に基づいて大場つぐみ自身が構築しているものです。
 つまり何を言いたいのかというと、キラもLも大場つぐみという一人の人間が描いている人物であり、当然どちらの心理も把握していて(というか作り出して)いるわけですから、その一方の考えていることをもう一方に推測させ的中させ、それを読む読者に「何て鋭い推理なんだ!」と思わせることは容易であるということなのです。

 しかし、それでも大場つぐみの書く「デスノート」は、あたかもお互いが本当に様々な根拠を元にして推測を構築しているというプロセスの組み方が、非常に上手いと言えます。
 この作品における多くの推理は、キラが殺人を犯し、その状況をLが推測してキラの正体を探るというものですが、キラは絶対に疑われないようにするため念密な計画立てて殺人を犯しますが、逆にLは「自分がキラならこうするだろう」という発想でものを考え、それがキラと同じ発想であるためにキラと同じ心理に入り込むことができ、キラが練った計画の“絶対”を崩していくことができるわけです。
 ところが、キラはキラで「Lはきっとこんな風に自分を疑っていて、それを確かめるためにこんなことを尋ねてくるんだ」ということを分かっていて、その上でその先の行動をしているので、Lは疑いは持っても確信することができないでいるわけです。しかしそれでもLさらにその先を読んで、「彼がキラならこんなことを言うはずはない。だが、私にそう思わせるためにあえてこう言っているのか?」などと更なる疑いを持ち、結局考え出したらきりがないという状態なんですよね……。

 こんな2人の堂々巡りの心理戦を書いているときの大場つぐみは、きっと楽しくてしょうがないでしょうねえ。僕だってこんなすごいアイディアが思いつけば、嬉しくてものすごい速さで執筆が進むでしょう。

 そんなわけで、最初に書いた通り、あくまでも秀才同士の見事な推理合戦だけなら、推理力には全く無縁で勉強もからっきしの僕にでも、書くことは可能だと思います。

 ただ、やっぱり「デスノート」は、まず“死神が落としたノートに名前を書くと書かれた者は死ぬ”というアイディアが凄いですし、現実問題として本来ならそんな非科学的なもので起こされた殺人なんて解明できるわけがないわけで、それでもLは緻密な推理力を駆使して容疑者を一人に絞ることができたという持っていきかたは実に見事で、こんな物語を書けてしまう大場つぐみはすごい作家だと思います。

 今回はあえて“すでに世に出ているもの”に対して、あとから“それに似たことができるか”という話の流れで書きましたが、そもそもこんなすごいアイディアを思いつくかと言われれば、僕には無理ですね。




 結局は、不可能ってことじゃん……。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 「DEATH NOTE」の小畑健を“L”風に考察してみる
2006年07月18日(火)

……「デスノート」……今まで読んだこともないような漫画だ……。

絵の上手さは言うまでもないが、ストーリーがずば抜けている……。

こんな漫画が世の中に、それもこの日本に存在していたとは……。





……描いているのは……小畑健……37歳。

新鋭漫画家だと思ったら、漫画家歴17年のベテランじゃないか……。





私のプロファイリングでは、

この繊細で緻密な画風からして、鋭い感性と独特の想像力を持った

現代的な若者だと分析したのだが……間違っていたのか……。






「デスノート」の前の「ヒカルの碁」から一気に名を挙げたようだが……

こんなすごい作品を描く漫画家が、なぜ今まで注目されなかったのだろうか……。





……いや……





この場合、なぜこの小畑健が、

いきなりこれほどまでの作品が描けるようになったのか……

その観点から考えるべきだろう……。





「ヒカルの碁」は1998年から2003年まで5年間も連載され、

単行本も全23巻まで出版された出世作だ。

世界唯一の囲碁漫画として脚光を浴び、囲碁ブームまで巻き起こした作品……。





……たまたま……なのか……?





たまたま今まで誰も描いたことがなかった囲碁漫画を描いたら、

それが思いがけずヒットしたとでもいうのか……?






そしてその後の「デスノート」までも……?





……いや、そうじゃない……





いくら長く漫画を描いていたとは言え、

それまで名の知れていなかった漫画家が、

いきなり立て続けに2本の大作をたまたま生み出すなど、

そう簡単にできることではない……。





「ヒカルの碁」にも「デスノート」にも、原作者がいる!





出世作の「ヒカルの碁」にはほったゆみ、

そして「デスノート」には大場つぐみ……

二つの作品の至高のストーリー性は、

むしろこの2人の原作者を評価するべきだろう……。






……なるほど……






小畑健は画力はずば抜けていたがストーリーテリングに欠け、

そこに類い希なるストーリーテリングの才能を持つ原作者が現れ、

その恩恵を受けていたということか……。






そう考えるとすべてのつじつまが合う……。

思い返してみれば、彼のその他の代表作である

若貴兄弟を描いた「力人伝説〜鬼を継ぐもの〜」にも宮崎まさる、

アニメ化された「人形草紙あやつり左近」にも写楽麿という原作者がいた……。





逆に1989年に連載開始されたデビュー作「サイボーグじいちゃんG」は

完全な小畑健のオリジナルだったからか、わずか31話で連載が終了している……。

そして「力人伝説〜鬼を継ぐもの〜」と「人形草紙あやつり左近」は、

原作者がいたにもかかわらず連載期間は極めて短い……。





画力は当時からずば抜けていたというのに……だ。





「力人伝説〜鬼を継ぐもの〜」は、

当時ブームだった現役力士の若貴兄弟を題材としているゆえ、

そう長くは続かないということは、おそらく本人も認識していただろう。

そして「人形草紙あやつり左近」も、

あやつり人形と推理モノという、少年漫画としてはかなり地味な内容ゆえに、

読者が付いてこられなかったというのも容易に想像できる……。





……つまり小畑健は、「ヒカルの碁」と「デスノート」、

立て続けに素晴らしい原作に出会うという幸運に恵まれ、

そのチャンスを活かしてヒット作を生み出すことができたというわけか……。





……小畑健の画力が申し分ないのは言うまでもない。






だが、いくら絵がどれだけ上手かろうとも、

ストーリーが面白くなければ読者は付いてこない……。

それが漫画家の悲しい宿命でもある……。





小畑健ほどの画力をもってしても、

読者はストーリーの面白さにしか目を向けないものだ。

そしてそれが、小畑健が「ヒカルの碁」まで大成しなかった

最大の理由……。





しかし……だ……。





それならば、逆の発想はどうだ……。





絵が下手でも、ストーリーが面白ければ……

いや、少なくとも読者さえ付いてくれば……

その漫画は長生きする……。





えんどコイチの「ついでにとんちんかん」がそのいい例だ。

あの画力で、しかもあの内容で単行本18巻も出したんだ……。

怖ろしい話だが、あれは漫画界の特殊なケースと言えるだろう。





つまり、画力は優れているが

ストーリーテリングに欠ける漫画家が成功するには、

小畑健のように、優れた原作者と組む以外ないと言うことか……。





……似ている……





……武論尊と原哲夫……





……あるいはゆでたまご!!!





小畑健が今後も生きながらえようと思ったら、

今後も才能のある原作者と組み続けていかなければならない……。





……絵の才能は非常に恵まれているというのに……。





……天は彼に……二物を与えなかったと言うことか……。








↑エンピツ投票ボタン
My追加




 「DEATH NOTE」コンプリート!
2006年07月17日(月)

 最近まで「週刊少年ジャンプ」で連載していて、映画化もされた話題の漫画「デスノート」の単行本全12巻を、ついに買い揃えましたぞ!

 ストーリーを簡単に説明しましょう。死神リュークが落とした、名前を書くとその者が死ぬというデスノートを手に入れた、日本の高校生・夜神月(やがみライト)。自分の行為を正義と信じる月は、犯罪者のいない理想の新世界の神になることを誓う。月は、世界中の犯罪者の名を次々とノートに書き込んでいき、やがてその存在に気付いた大衆は、殺し屋の意味から「キラ」と呼び始めるようになる。
 一方、キラの存在を察したICPOは、手がけた事件は必ず解決に導くとされる「L(エル)」と呼ばれる謎の探偵にキラ事件の調査を依頼。Lは全世界の警察を掌握できる唯一の存在であり、その本名はおろか、居場所も顔も一切謎に包まれている。
 キラを「悪」と考えるLは、緻密な方法で「キラが日本の関東にいること」を証明し、日本に捜査本部を設けキラに挑む。こうして二人は、お互いの正体を暴く為に、それぞれの正義を掲げて対立することになる。

 この漫画は、他の少年漫画作品と一線を画しています。その最大の特徴は、多くの週刊少年ジャンプ作品の中で、最大のテーマとして頻繁に使われる「ジャンプ三原則」の「友情・努力・勝利」という三大儀を、とてつもなく歪んだ形で表現していることです。
 そしてこの漫画の最大の見所は、「死神が落としたデスノートに名前を書くと、書かれた者は死ぬ」という設定もさることながら、そのノートを手に入れて世界を変えようとする天才高校生・夜神月=キラと、その正体を暴くため追いかけ続ける世界最高の探偵・Lとの熾烈な心理戦ですね。キラとLの裏の裏の裏を読むといった常識外れな知略戦は、「週刊少年ジャンプ」に連載されていた漫画とは思えないほどの至高の面白さを演出しています。

 さて、この「デスノート」、原作は新人作家とされる大場つぐみで、漫画は小畑健が描いており、ストーリーの面白さももちろんですが、その絵の上手さも絶大な人気の理由の1つに挙げられるでしょう。
 で、「デスノート」は以前にもお話ししました通り、たまたま2巻をコンビニで見かけてから5巻あたりまでを立ち読みしていたのですが、この小畑健という漫画家、絵は上手いけど今風の画風だし、これまでこんなものすごい作風の漫画など見たこともなかったので若手の漫画家だと思っていたら、1989年に「サイボーグじいちゃんG」というギャグマンガでデビューした、あの漫画家だったんですねえ!そう言えばどこかで見たことある絵だと思っていました。「サイボーグじいちゃんG」も中学時代に読んでいたのですが、内容はギャグマンガなのにやたらと絵が上手いなあと当時も思っていたんですよね〜。しかも今思えば、「デスノート」のキャラクターに似て、みんななぜかやたらと美男美女だったような気がします。

 さらにこの小畑健、1992年には当時人気絶頂だった若貴兄弟を描いた「力人伝説〜鬼を継ぐもの〜」、95年にはあやつり人形を絡めた推理モノ「人形草紙あやつり左近」なども描いていたというのを最近になって知りました。そして僕は全然読んでいませんでしたが、囲碁ブームの火付け役となった、世界唯一の囲碁漫画「ヒカルの碁」もこの人だったんですね。そう言われてみれば絵が一緒だわ……。

 僕は昔から相撲が好きでしたから、若貴兄弟を描いた「力人伝説〜鬼を継ぐもの〜」は読んでいましたが、若貴兄弟の母親(花田憲子=藤田憲子)がものすごい美人に描かれていて、その当時は藤田憲子は知らなかったのですが、後に実物を見てガッカリした記憶があります。今思えばあの漫画に出てきた藤田憲子は、「デスノート」に出てくる美人キャラの顔でしたわ。

 元々絵は上手いですが、この人「ヒカルの碁」と「デスノート」で一躍名を挙げましたねえ。しかもそのヒット作はすべて原作者付き!良い原作に巡り会えたんですねえ。絵が上手いとストーリーが苦手でも、こういった良い原作者と組んで、出世していくんですねえ。

 では、明日のVoiceでは、この小畑健という漫画家について、「デスノート」に登場する世界最高の探偵L風に考察してみようと思います。


 ……「デスノート」を知らない人にはわからないネタかと……。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 F1第11戦フランスグランプリ(決勝)
2006年07月16日(日)

 F1第11戦フランスグランプリ決勝、予想通り、やはり優勝はポールポジションからスタートしたフェラーリのミハエル・シューマッハでしたね。

 3番手スタートだったルノーのフェルナンド・アロンソは、最終的に2番手からスタートしたフェラーリのフェリペ・マッサを交わして2位でフィニッシュし、失点を最小限に抑えることができましたが、アロンソの2位という結果が優勝したシューマッハに対しての敗北とするならば、スタートでマッサの前に出られなかったのがその敗因といえるでしょう。

 レースを振り返ってみましょう。スタート後の1コーナーで、先頭に立ったミハエル・シューマッハの後方で、3番グリッドのフェルナンド・アロンソ(ルノー)が2番手のフェリペ・マッサ(フェラーリ)に仕掛けたものの、マッサはそのポジションを守りきりました。上位3台はそのまま順位を変えず、徐々に後続を引き離していきます。2位マッサが3位アロンソを抑え込む中、トップのシューマッハはファステストラップを次々と更新して引き離しにかかります。ここまでマッサは非常にいい仕事をしていたというわけです。17周目にマッサからピットインし、翌周にはアロンソも入りますが、この時点で順位に変動はありませんでした。

 その後30周を過ぎ、フェラーリ2台が相次いで2回目のピットストップを行ないますが、ルノー勢は第2スティントを延ばし、アロンソが次にピットに戻ったのは42周目。この時点でルノーの2ストップ作戦が明らかになりました。先頭を走るシューマッハはファステストを叩き出して独走態勢を築きますが、2位マッサのペースが上がらず、3位アロンソとのタイム差を10秒以上広げることができないまま3度目のピットストップ。この隙にアロンソが2位に浮上します。
 十分なマージンを築いていたシューマッハは、残り15周で最後のピットストップを行ない、余裕を持ってトップでコースに復帰し、そのままルノーとミシュランタイヤの本拠地で見事ポール・トゥ・ウィンを飾りました。

 もし仮にアロンソがスタートでマッサを交わして2位に浮上していれば、その後の展開はかなり面白いものになったでしょう。おそらくシューマッハとアロンソのスピードはほぼ互角だったと思われ、コース上でオーバーテイクするのは非常に困難なサーキットではありますが、ピット戦略でアロンソがシューマッハを出し抜いて逆転優勝した可能性もありましたからね。そう言う意味ではマッサは最終的にルノーの変則ピット作戦で終盤アロンソに交わされたものの、スタートで2位のポジションを守りきり、前をゆくシューマッハを先行させたことは非常に良い仕事っぷりだったと思います。

 リザルト全体を見渡してみると、やはりコース幅が狭く、コース上でのオーバーテイクが困難なここマニクールでは、トラブルによってスローダウンするかピット作業でもたついたマシンを除けば、予選順位と比べてもそれほど大きな順位変動はなかったですね。一言で言えば退屈なレース展開でした。

 さて、旧型車SA05での最後のレースとなったスーパーアグリは、クラッチトラブルでフォーメーションラップからスムーズなスタートが切れずにいた佐藤琢磨が、1周目に早々にリタイヤしてしまいましたね。しかし、トラブルを抱えていたにもかかわらず、スタートでは前をゆくティアゴ・モンテイロ(ミッドランド)を交わして、持ち前の素晴らしいスタートダッシュを見せてくれました。次戦ドイツグランプリからは、いよいよ新型車SA06が投入されますから、今まで何かとコース外でもうるさかったミッドランド(特にモンテイロ)を置き去りにして欲しいものですな。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 F1第11戦フランスグランプリ(予選)
2006年07月15日(土)

 F1第11戦フランスグランプリ予選、今回から予選ルールが若干変更され、これまで15分の制限時間で、チェッカーが振られた時点ですべてのタイムアタックが終了していた第1ピリオドと第2ピリオドは、最終ピリオド同様チェッカーが振られた時点でコントロールラインを通過していれば、その周回のタイムアタックが認められることになりました。また最終ピリオドは、これまでの20分間から第1ピリオド、第2ピリオド同様15分間に短縮されました。

 第1ピリオドでは、BMWザウバーのジャック・ビルヌーヴと、ホンダのジェンソン・バトンが思うようにタイムが伸びず、この2台に加え、スーパーアグリのフランク・モンターニュと佐藤琢磨、ミッドランドのティアゴ・モンテイロ、トロロッソのビタントニオ・リウッツィが脱落しました。
 第2ピリオドではミッドランドのクリスチャン・アルバース、トロロッソのスコット・スピード、ホンダのルーベンス・バリチェロ、レッドブルのクリスチャン・クリエン、BMWザウバーのニック・ハイドフェルド、そしてウィリアムズのマーク・ウェバーが脱落し、第2ピリオドまでにホンダの2台、BMWザウバーの2台、そしてウィリアムズの1台が姿を消すという波乱となりました。

 注目の最終ピリオドでは、タイトルを争うルノーのフェルナンド・アロンソとフェラーリのミハエルシューマッハによる熱いバトルが展開されました。両者はセッションが開始するやいなや、トップの座を巡ってサイド・バイ・サイドでコースに飛び出し、まずはアロンソが先頭に立ちましたが、アデレード・ヘアピンでシューマッハがアロンソをオーバーテイクし、集団をリードします。その後残り時間10分を切り、アロンソがコース上でシューマッハを交わして再びトップを奪うなど、決勝レースさながらの場面が見られました。両者はタイム争いでも激しいつば迫り合いを見せ、1回目のアタックではシューマッハがトップ、チームメイトのフェリペ・マッサが2番手に入り、フェラーリがワンツー体制になります。3番手に甘んじたアロンソはニュータイヤを装着し、再度タイムアタックを試みますが、シューマッハには及ばず2番手。さらに最後の最後でマッサがタイムを更新して2番手に返り咲き、フェラーリのフロントローが確定しました。

 前戦アメリカグランプリに続き、フェラーリがワンツーで公式予選を制し、3番手ルノーのアロンソに、ヤルノ・トゥルーリが4番手、ラルフ・シューマッハが5番手とトヨタの2台が続きました。以降キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)、ジャン・カルロ・フィジケラ(ルノー)と続き、ファン・パブロ・モントーヤの突然の引退劇によって急遽レギュラードライバーに抜擢されたペドロ・デ・ラ・ロサ(マクラーレン・メルセデス)が8番手につけました。

 フェラーリの快進撃は前戦のアメリカグランプリのみで、ここフランスではルノーが巻き返してくると踏んでいたのですが、結果は今回もフェラーリがフロントローを独占、僕の読みは外れてしまいました。

 今シーズンここまでシューマッハが勝っているのは、サンマリノ、ヨーロッパ(ニュルブルクリンク)、そして前戦アメリカ。サンマリノはフェラーリの本拠地であり、ニュルブルクリンクはシューマッハの母国グランプリ、シューマッハはそういったここぞというレースでは、なぜか神懸かり的な強さを見せてこれまでにも何度か勝っていますので、今シーズンもその大事な2戦できっちり勝っているのはうなずけます。さらにアメリカグランプリは一部オーバルセクションを利用した高速サーキットで、過去のアメリカグランプリはほとんどフェラーリが勝っていること、さらにマッサも2位でフィニッシュしていることからも、フェラーリとしてはもっとも相性のいいサーキットであることは間違いないでしょう。

 ところが、今回のフランスグランプリはルノーの本拠地であるとともに、ルノーが装着するミシュランタイヤの本拠地でもあります。さらにコースレイアウトもどちらかというとルノーに有利な中速テクニカルサーキットであり、シューマッハとフェラーリが本拠地と母国であるサンマリノ、ヨーロッパを制したならば、アロンソが母国スペインを制してシューマッハの連勝を止めたように、ルノーとミシュランの本拠地であるここフランスでもアロンソが強さを発揮するものと考えていたのですが、さすがにそう単純には行かなかったようですね。

 よくよく考えてみれば、フランスグランプリはシューマッハにとっても過去7回も優勝している得意中の得意グランプリ、さらに今日の予選でマッサも2番手につけたことを考えると、相当フェラーリの仕上がりは良いと言うことなのでしょう。昨年とは違い、今年のフェラーリはすでにルノーと互角の状態まで実力を取り戻してきていることは間違いないですね。フェラーリとしては、ルノーとミシュランの本拠地である、完全アウェーのグランプリで勝利を手にして、ルノーに精神的なダメージを与えたいところでしょう。

 さらに前戦アメリカでフェラーリがワンツーフィニッシュを達成し、アロンソは5位に終わったため、ポイント差は一気に19ポイント差まで縮まりました。今回もフェラーリの2台がフロントローからスタートしますから、またワンツーフィニッシュを達成した場合、アロンソが3位に入ったとしても、アロンソとシューマッハのポイント差はさらに4ポイント縮まることになりますから、タイトル争いはシーズン後半に向けて混沌としてきそうですな。

 明日の決勝で果たして、アロンソがこの抜けないマニクールサーキットで、前をゆくフェラーリ2台の牙城を崩せるかが見物です。アロンソにとって幸いなのは、3番手の奇数グリッドなので、偶数グリッドよりグリップがよいのでスタートダッシュが決められるということぐらいでしょうか。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 M-NESTトロフィー第3戦(予選)
2006年07月14日(金)

 なかなか選手たちのスケジュールが合わず、先月30日のフリー走行からだいぶ日にちが経ってしまいましたが、今日の正午過ぎより、M−NESTトロフィー第3戦ラグナ・セカの予選がおこなわれました。
 今回の舞台となるラグナ・セカ・レースウェイは、ほとんどのセクションでサンドバリアがコース両側を挟んでおり、非常にダーティでスリッピーなサーキットです。そのためタイヤの摩耗も他のサーキットと比べて厳しく、ハードタイヤでノーピット作戦で行くか、ソフトタイヤで少しでもグリップを確保するか、タイヤのチョイスが悩むところですね。

 では、早速予選結果をご覧いただきましょう。





 6月30日におこなわれたフリー走行のタイムと比べてみると、全体的にタイムが下がっているのがわかります。フリー走行からタイムを縮めてきたのは5番手の佐々木選手(フェアレディZ)と大木選手(RX−8)のみで、あとの僕を含む4選手はいずれもコンマ5秒から1秒以上タイムが落ちています。もちろん1時間の中でベストタイムを競うフリー走行と違い、予選セッションは1周のアウトラップの後、次の1ラップのみのタイムアタックとなるので、一発勝負の厳しさはありますが、先に述べたタイヤ戦略が関係している可能性も考えられますね。

 結果は僕(S2000)が2戦連続のポールポジション、続いて池上選手(スカイラインGT−R)が自己最高位の2番手を獲得し、フリー走行で唯一1分39秒台を叩き出した山本選手(NSX)は、その自己ベストタイムから3秒以上タイムを下げて3番手となり、3戦目にして初めてフロントローを逃しました。

 ……このNSXの遅さが何だか不気味ですな……。

 今回のコースはこれまでの2戦と比べて直線距離が短く、グリップ力とコーナリング時の挙動が重要となるテクニカルサーキットなので、今までよりはS2000に有利といえるでしょう。ただし、先に述べたように非常にスリッピーなので、少しでも挙動を乱したりブレーキングポイントを誤ると、すぐにコースアウトしてしまうので油断できません。そう考えると、今回2番手に付けたスカイラインGT−Rは、唯一の4WDなので有利かもしれませんね。

 ちなみに、現在僕が非常に忙しいため、決勝の日時は今のところ未定です。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 ジダンとマテラッツィ
2006年07月13日(木)

 FIFAが今日、ドイツW杯決勝でフランス代表主将のジダンがイタリアDFのマテラッツィの挑発に対して頭突きを食らわせて退場となった問題で、20日に開かれる規律委員会にジダンとマテラッツィを呼んで聴取すると発表しました。

 これに先駆けて、ジダンは12日にフランスのテレビ番組に出演し、事件後初めて口を開きました。マテラッツィの言動が母と姉に対する耐え難い侮辱で、許せなかったという気持ちを打ち明け、衆人環視の中での暴力や世界中のサッカーファンの子供たちに対して謝罪しましたが、あのような行為に及んだことに対しては「後悔はしていない。後悔するということは、相手がした挑発(が報復されるべきものではないこと)を認めることになる」と語りました。
 しかし、肝心のマテラッツィが挑発したという言動については「何度も何度も『お前の母親、姉は…』と言われた。許し難い言葉、私の心の非常に奥深いところに触れる言葉、激しい言葉だった。」と語るに留まり、核心については触れようとしませんでした。

 ジダンは、マテラッツィが発した言葉を告発することを望んだわけではありませんでした。それよりも力を込めて話したのは、自分の行為は特に子どもへの影響が大きく謝罪したいということ。しかしそれについて後悔はしていないという内容でした。

 一方、マテラッツィはこのジダンの発言に対し「僕は彼に人種差別的な言葉や、宗教とか政治に関することを言った覚えはない。彼の母親についても何も言っていない。僕は15歳で母を亡くしていて、今でもそのことを口にするのがつらいほどなんだ。」とジダンの主張を否定しました。また「ジダンは僕にとって伝説のヒーローだ。とても尊敬している」と述べ、さらにジダンの最優秀選手賞が取消になる可能性について「賛成できない。ジダンは賞に値するプレーをした。」とも語っていました。




 さて、僕はこれまでF1を初めとした多くの事柄に関する私論は、なるべく明らかな根拠を元に、自分が事実だと思うことを書いてきましたが、これから書くことはあくまでも僕の推測に過ぎません。個人的感情や先入観も踏まえた上で書きますので、予めご了承下さい。

 マテラッツィがジダンの主張する差別発言や侮辱発言をしていないと否定している以上、核心について触れなかったジダンがそのすべてを打ち明けない限り、この問題は進展することなく終わってしまうでしょう。しかしジダンは、テレビやメディアという公の場ではその核心への言及を避けましたが、「もちろん報復行為は罰せられるべきだが、挑発がなければ報復もない。本当に責められるべき人間を罰する必要がある」として、マテラッツィに対しても相応の処分を加えるよう訴えているため、FIFAの聴取会の席では、真実を明らかにする可能性があります。
 ただし、例えジダンがその真相を明らかにしたとしても、マテラッツィが否定している以上双方の主張は食い違うことになり、問題は平行線で、真相究明には相当の時間を要することが予想されます。

 果たしてどちらの言い分が正しくて、どちらが嘘をついているのか……。

 あまり先入観や過去の事例だけでこういったことに対して結論づけるのは良くないと思うのですが、あえて結論づけるとすれば、僕はジダンの主張するように、マテラッツィがジダンに対して差別的、あるいは侮辱的発言をして挑発したと考えます。つまり、マテラッツィが嘘をついていると……。

 確かにジダンは、試合中に自分を見失ってしまうほど頭に血が登ってしまうことがあり、過去にも相手選手に対して頭突きを食らわせたりしたことが何度かありました。
 しかし、一方のマテラッツィはそれにも増して気性が荒く、暴力的な守備で知られており、空中戦で膝を立てたり、危険なタックルを後ろから仕掛けるなど、セリエAでも彼の気性の荒さは有名です。

 2004年2月のインテル対シエナ戦では、シエナDFブルーノ・チリッロに対してベンチから再三に渡って侮辱発言を繰り返し、挙げ句の果てにはそれを抗議するため試合後マテラッツィの元へ出向いたチリッロを殴りつけ、チリッロは血まみれの姿をテレビの前にさらすこととなったのです。
 マテラッツィは他にもこのような暴力行為や侮辱的発言を試合中に何度もおこなっており、そのたびに謝罪をしていますが、結局何も変わらないのが彼の特徴なのです。

 今回のジダンとの一件に関しても、ジダンの主張が、マテラッツィが否定するように本当に事実でないのならば、彼の気性の荒さや性格からして、もっと怒り狂ってもおかしくないでしょう。身に覚えのないことを言われているのですから、マテラッツィが怒って当然です。
 しかしマテラッツィは、その普段の気性の荒さが影を潜めたように、ただ「そんなことは言った覚えがない」と否定するに留まり、なおかつ試合中に頭突きを食らわせて自分を批判しているジダンに対して、憤りどころか逆に敬意の念しか持っていないという白々しいというか何というか、まるでジダンの行為に未だ困惑しているとでも言いたげな、らしからぬ発言……。

 どう考えてもマテラッツィが嘘をついているとしか思えないでしょう。

 ちなみに、マテラッツィが相手の名誉を傷つける発言を行ったことが確認された場合、規律法の条文では最低2試合の出場停止および罰金3300ユーロ(約48万円)が規定されています。さらに人種差別的な発言だった場合は最低で5試合の出場停止と6600ユーロ(約96万円)の罰金となります。

 ジダンが払った代償に比べたら、ずいぶん軽い処罰ですな……。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 F1ニュースフラッシュ!
2006年07月12日(水)

 F1界ではこのところ興味深いニュースが続いていますが、Voiceでも「SA06はドイツデビュー」「鈴鹿来季開催絶望的」「モントーヤ引退」などといった僕的に大きなニュースを取り上げましたが、今日はその他の気になるニュースをいくつか取り上げてみましょう。



■スーパーアグリ、ドイツから山本左近を起用
 スーパーアグリが第12戦ドイツグランプリから、セカンドドライバーを現在のフランク・モンターニュから山本左近に交代させることを正式に発表しました。逆を言えばモンターニュは今週末におこなわれる第11戦フランスグランプリが最後のレースとなり、以後は再びサードドライバーとしてチームのサポートに廻ることになります。
 フランク・モンターニュは、当初前戦アメリカグランプリまでの契約だったそうですが、彼がフランス出身ということで、「ぜひとも地元フランス人ドライバーを」というバーニー・エクレストンの要請をチーム代表の鈴木亜久里が受けたもの。

 かつてはアラン・プロストらを輩出しF1ドライバー王国を誇ったフランスですが、2004年の日本グランプリのオリビエ・パニス以来、フランス人F1ドライバーは不在でした。また、新興チームであるスーパーアグリがF1という政治色の強い世界で上手くやっていくためにも、鈴木亜久里のこの判断は、非常に良い判断だと思いますし、評価できます。
 ただし、僕的にはこれまでにも何度か言っていますが、“日本人ドライバーコンビ”“オールジャパン体制”ということにこだわっているようですが、山本左近のレギュラードライバー起用は時期尚早だと思わずにはいられません。今シーズンはチーム自体が“勉強の年”でもあるわけですから、今シーズンはこのままフランク・モンターニュを最終戦まで起用し、山本左近にはその間十分な経験を積ませて、晴れて来年から万全の体制でデビューさせた方が良かったのではないかと思います。

 この僕の不安が取り越し苦労になればいいんですがね……。



■BMWザウバー、奇抜な新ウィングを実戦投入
 先週のヘレス合同テストで、BMWザウバーがコクピットの前部分に迫り立つ2枚の新ウィングを持ち込み、関係者の目を丸くさせました。こちらがその新ウィングなんですが、何なんでしょうねこれは!何だかATMの両側にある衝立のようです!

 この新ウィングを装着したマシンをテストしたテストドライバーのロバート・クビカは、「全然意味がわからないよ。走っても何が違うのか、まったく感じられないし……。もちろんこんなものレースでは使わないだろう」とコメントしていましたが、何とBMWザウバーはこの奇抜なウィングを本気で実戦に投入する構えのようです!チーム側はこのウィングがレギュレーションに合致するかどうかをFIAのテクニカル・オフィサーに確認したとのことですが、これが認められれば、早ければドイツグランプリにも実戦で使用される見通しです。

 いや〜しかし、BMWザウバーはこのウィングにどのような効果を期待しているのでしょうか。あれだけ細いものが進行方向に対して垂直に迫り立っているわけですから、直線では空気の流れにはほとんど影響しないと思われるので意味がないし、逆に緩やかな高速コーナーでのコーナリング時には、横からの空気抵抗が増して、返ってマシンの挙動に支障をきたすような気がします。そもそもドライバーにしてみたら、自分の視線の先にあんなものがあったら邪魔でしょうがないと思うのですが……。

 これが本当に実戦で投入されたら、間違いなくビルヌーヴが酷評するでしょうな。



■金曜日のサードドライバー制廃止へ
 現在のレギュレーションでは、前年のコンストラクターズ・ランキング5位以下のチームは金曜日に行われる2回のフリー走行で、2人のレギュラードライバー以外にサードドライバーも走らせることができることになっていますが、これに関して「該当するチームが不当にアドバンテージを得ている」という上位チームからの不満があったようです。FIAはこれを受けて、ここでも“コスト削減”という名目で、このルールを今シーズン限りで廃止することを提案し、今月6日の世界モータースポーツ評議会で正式決定されました。

 このルールによって、2004年2位のBAR・ホンダ(前年5位)、2005年2位のマクラーレン(前年5位)、4位のトヨタ(前年8位)が恩恵を受けたとされますが、別に元々下位チームに対する救済措置というかハンディキャップでこのルールを新設したわけで、それによって前年下位に沈んだチームが躍進してもいいと思うんですけどねえ。それがおかしいというのなら、何のためのルールなんだと言いたいです。

 しかし、このルールが廃止されるとなると、スーパーアグリにとっては非常に厳しいですね。スーパーアグリとしては来季もレギュラードライバーの他にサードドライバーを走らせて、より多くのデータを収集したいでしょうし、何と言っても合同テストと違い、実際にレースで走るサーキットでテストできるわけですから、若いドライバーを育成する格好の機会でもあったわけです。スーパーアグリに限らず、今のF1では若手ドライバーの育成が急務となっていますから、F1にとってもこのルールの廃止は、あまり良いことではないような気がします。



■ホンダ、新風洞施設完成
 ホンダがこのほど、拠点であるイギリス・ノーザンプトン州ブラックリーの敷地内に、新しい風洞施設を建設し、その完成セレモニーをおこないました。
 今回新しく完成した新風洞は、フルスケールのマシンで実験ができ、マシン開発を進めるために、マシンに16枚の回転翼と27枚の固定翼から成る直径5mにも及ぶ巨大ファンで起こした秒速80mの風を当て、マシンの空力性能や特性を測定し、同時にマシン下の秒速80mで動くローリングロードを動かすことで、走行中の状態を模擬できるそうです。

 こちらがその新風洞施設なんですが、凄い!過ごすぎる!何だかメン・イン・ブラックの秘密基地のようです!!今のこの写真の状態でファンを回してみてええええ!

 この新風洞施設の完成によって、来シーズンのマシン開発能力は大きく飛躍すると思われます。この施設で良いシャシーを作れば、あとはエンジンさえ壊れなければ、ついでにピット作業でもたつかなければ、来シーズンは悲願のホンダ初優勝が期待できそうですね!今年はおそらく無理だと思うので、来年こそ、ポディウムで「君が代」を響かせて欲しいものです!



■クルサード、レッドブルとの契約を更新
 個人的には非常に嬉しいニュースです。ベテランドライバーのデビッド・クルサードが、レッドブルとの契約を更新しました。レッドブルのスポーティング・ディレクター、クリスチャン・ホーナーは、「クルサードは明らかに卓越した優秀なドライバーだ。彼が真にその能力を発揮した時には間違いなく世界トップクラスの一人だよ。みんなは彼の歳のことを言うが、マンセルやヒルがタイトルを獲った時にはもっと歳がいっていたよ。」とクルサードを高く買っているようです。

 デビッド・クルサードは現在35歳のイギリス人ドライバーで、1994年サンマリノグランプリでのアイルトン・セナの事故死を受け、その代役としてウィリアムズからF1デビューを果たしました。96年からはマクラーレンに移籍し、2004年まで在籍しました。翌2005年からは新チームレッドブルに移籍し、今に至ります。

 彼はウィリアムズ時代とマクラーレン時代に通算13勝を挙げており、ウィリアムズ時代はデーモン・ヒル、マクラーレン時代はミカ・ハッキネンとキミ・ライコネンの活躍の陰に隠れてしまう形となりましたが、昨年新チームレッドブルに移籍して念願のエースドライバーの座を射止めてからは生き返り、ベテランらしいまろやかな走りで堅実に入賞を重ね、今年のモナコグランプリでは見事に3位表彰台に登り、チームの牽引役として大活躍しています。

 クルサードは一発の速さはそれほどないですが、その堅実で安定した走りはもはや職人の域に達しており、F1ではレースを最後まで走りきることで結果がついてくると言うことを証明してくれています。もちろんバトルするところでは積極に仕掛けていきますし、レッドブルに移籍してからのクルサードは、トップチームに在籍していた頃のプレッシャーから解き放たれたかのように、見違えるような走りを見せてくれます。

 彼には今後も頑張って欲しいですね、モントーヤの分まで……。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 モントーヤ急転直下の引退!代役はデ・ラ・ロサ!
2006年07月11日(火)

 昨日お伝えしたF1マクラーレンチームのコロンビア人ドライバー、ファン・パブロ・モントーヤの来季NASCAR転向のニュースですが、今日は一転して、モントーヤがF1から即時引退することが明らかになりました!マクラーレンは今週末におこなわれるF1第11戦フランスグランプリから、モントーヤに代わってサードドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサをセカンドドライバーに起用することを発表しており、事実上モントーヤは前戦アメリカグランプリがF1での最後のレースとなるようです。

 マクラーレンのロン・デニス代表は「モントーヤは間違いなくエキサイティングなドライバーで、とてもナイスな人間。彼がNASCARでも成功を収めることは間違いないものと確信している。今彼の周囲には様々なことが起こっており、彼自身のために、将来に向けて準備する時間を持ったほうがいいとの結論に達した」と、モントーヤの即時引退は“解雇”という形ではなく、両者の合意であることを強調しました。

 このロン・デニスのコメントによれば、あくまでモントーヤがNASCARという新天地でチャレンジするということで、その準備期間があった方がよいだろうと言うことで、モントーヤとのドライバー契約を解除してモントーヤを解放したという好意的な見方ができますが、さすがはプロフェッショナルで完璧主義のロン・デニスらしいなと思ってしまいました。

 ロン・デニスとしてみれば、モントーヤはチームに何の相談もなく自ら突然NASCARへの転向を決断したわけですから、F1の世界に見切りを付けて新しい挑戦に胸を膨らませているモントーヤがF1今シーズンの残りのレースに走っても、それはすでにタイトル争いとは無縁のモントーヤにとって消化レースでしかなく、モチベーションも下がりいい結果を出すことなどできないと考えるでしょう。そう言う意味で、もはやF1に何の未練もないモントーヤから、年齢はだいぶ上でも、レギュラーシート獲得のチャンスを狙っていてやる気十分のデ・ラ・ロサに即時交代させたことは、賢明だったかもしれませんね。

 またモントーヤとしても、この一見契約違反による更迭にも見える今回の引退劇が、計算の内だったのではないかという見方もできますね。モントーヤもすでにF1よりもNASCARに魅力を感じているわけですから、早くアメリカに渡ってNASCARの新チームに合流したい思いでしょう。だからこのシーズン真っ只中という時期に突然NASCAR行きを発表し、それによってマクラーレンから更迭されることになるのは、むしろ望むところだったのではないでしょうか。

 いずれにせよ、ロン・デニスとしては今シーズンなかなか結果を残せずやる気が感じられなかったモントーヤを下ろし、代わりにやる気十分のデ・ラ・ロサをセカンドドライバーに起用したかったでしょうし、モントーヤとしてもできることなら今すぐにでもNASCARに乗りたいでしょうから、双方の利害が一致したということになりますね。
 また、マクラーレンにエンジンを供給しているメルセデスも、実はモントーヤの乗る予定のダッジがクライスラー製で姻戚関係にあり、親会社であるダイムラー・クライスラーの計らいで、モントーヤにいち早くNASCAR搭乗へのチャンスを与えたいという思惑もあるようです。

 う〜ん、実によくできた話ですな!

 さて、次戦フランスから急遽モントーヤに代わってセカンドドライバーとしてレースに出場することになったペドロ・デ・ラ・ロサですが、彼はフォーミュラ・ニッポン王者という肩書きを持って99年にアロウズからF1デビューを果たし、非力なアロウズでのデビュー戦でいきなりの入賞するなどの活躍を見せ、01年にはワークスチームのジャガー移籍を果たしました。しかしジャガーで2年の在籍後シートを失い、現在はマクラーレンのテストドライバーを務めています。
 昨年のバーレーングランプリでは、負傷したモントーヤの代役としてレースに出場し、予選8番手、決勝5位、ファステストラップも記録する活躍を見せました。
 デ・ラ・ロサは現在35歳のスペイン人で、2003年からずっとマクラーレンのテストドライバーを務め、もっともMP−4/21で走り込んでいるので、誰よりもMP−4/21を知り尽くしていると言っても過言ではないでしょう。その点ではデ・ラ・ロサはモントーヤの代役としては打ってつけだと言えるでしょうね。

 ただし、来シーズンはルノーからフェルナンド・アロンソが移籍してくることがすでに決まっており、さらにそのチームメイトには現在GP2に参戦している21歳のメルセデスの育成ドライバー、ルイス・ハミルトンが起用されることが予想され、デ・ラ・ロサのマクラーレンでのレギュラーシートは今シーズン限りだと言えるでしょう。
 デ・ラ・ロサとしては、来シーズンのレギュラーシートを得るために、フランスグランプリでの復帰戦で、何とか好成績を挙げてチームにアピールしたいところですね。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 F1、モントーヤ何と来季はNASCARに転向!
2006年07月10日(月)

 F1で非常に驚くべきニュースが入ってきました。何と現在マクラーレン・メルセデスに所属しているコロンビア人ドライバー、ファン・パブロ・モントーヤが、来シーズンからアメリカのNASCARに転向することが明らかとなったのです!
 NASCARとは、四輪市販車をベースに改造を施した車両(ストックカー)のレースであり、主に北米大陸で行われる独自のレースカテゴリーで、ロードコースではなく楕円(オーバル)型をしたオーバルコースを走る点で、日本やヨーロッパのレースとは大きく異なっています。
 エンジン供給はアメリカのビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)ですが、2004年からトヨタがこれに加わっています。

 モントーヤはウィリアムズの契約下で99年からアメリカのCARTシリーズに参戦し、初年度でチャンピオンを獲得するなど才能を発揮しました。また2000年にはインディ500も制覇し、翌2001年にウィリアムズからF1デビューを果たしました。そのCART時代に在籍していたチームがチップ・ガナッシで、来季から参戦するNASCARも、同じチップ・ガナッシからのデビューとなり、モントーヤは古巣に戻る形となります。

 F1のストーブリーグは、現在モントーヤが在籍しているマクラーレンは、来季ルノーのフェルナンド・アロンソが移籍することがすでに決まっており、現在モントーヤのチームメイトであるキミ・ライコネンは来季別のチームへ移籍することが確定的とされています。しかしマクラーレンは来季モントーヤをチームに残留させることを視野に入れていないため、モントーヤもまた他のチームへ移籍するものと思われていました。
 ところが、モントーヤは今回、来シーズンも別のチームでF1の世界に留まることよりも、NASCARという新天地への転向を決断したのです。

 モントーヤは2001年から2004年までウィリアムズに在籍し5勝を挙げ、昨シーズンからマクラーレンに加わり2勝を挙げました。シリーズランキングはデビューシーズンが6位、その後2002年3位、2003年3位、2004年3位と常にトップ争いを演じてきた実力者で、デビューシーズンからしばしば王者ミハエル・シューマッハを脅かす走りを見せていました。
 マクラーレンに移籍後は2勝を挙げるものの、チームメイトであるキミ・ライコネンの後塵を拝すことが多く、血気盛んな性格が規律を重んじるマクラーレンの空気に合わなかったとも言われ、結局最後までマシンにもチームにもなじむことができないままチームを去ることになりそうです。

 ただ、上記のようにモントーヤが実力者であることに変わりはなく、年齢も30歳ともっとも脂が乗っている時期であり、彼が今後もF1で成功することは十分可能であることは言うまでもありません。また、古巣ウィリアムズから来季のオファーがあったとも噂されており、成長著しいレッドブルも興味を示していたことを考えても、モントーヤのNASCAR移籍という決断は、“来季のシートがなくなったから”と考えるにはあまりにも早すぎる決断だと思います。

 従ってモントーヤは、自らの興味関心でF1に見切りを付け、NASCAR行きを決断したのではないかという憶測がもっとも現実的であると言えるでしょうね。モントーヤはCART時代からベテランドライバーに臆することのない態度を表に出しており、回りの雑音などどこ吹く風といった感じで常にマイペースを貫いてきましたから、F1でもミハエル・シューマッハ、ジャック・ビルヌーヴ、ラルフ・シューマッハ、キミ・ライコネンなどとしばしばいざこざを起こしたりもしました。「コロンビアの暴れん坊」にとって、現代F1の“上品な”世界は性に合わなかったのかもしれませんね。
 
 特にミカ・ハッキネンやジャン・アレジがいなくなってからのF1は、非常に生ぬるくて反吐が出るほどお上品な走行会と化してしまっていますからねえ……。

 僕としてはモントーヤのF1離脱は非常に残念でなりませんが、まあモントーヤはやはり、荒々しいアメリカンモータースポーツ、それも白熱したバトルが繰り返されるオーバルレースが似合っていると思いますね。モントーヤにはNASCARで、その本来持っているアグレッシヴな走りを遺憾なく発揮してもらいたいものです。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 ドイツW杯決勝、イタリアがフランス破り優勝
2006年07月09日(日)

 サッカードイツW杯の決勝が日本時間の10日午前2時から始まり、イタリアがPK戦の末にフランスを破り、通算4度目のW杯優勝を手にしました。これは最多の5回優勝のブラジルに次ぐ快挙です。

 フランスは前半、ジダンのPKで先制しましたが、すぐにマテラッツィのゴールで同点に持ち込まれました。両国は1−1のまま後半に折り返しますが、決着が着かず延長戦へ。その延長戦でも両国とも勝ち越し点が挙げられない中、延長戦後半にマテラッツィに刺激されたジダンが何と頭突きでマテラッティを倒すという反則を犯し、現役として最後の試合をレッドカードの一発退場という最悪の形で終えることになってしまいました。
 試合は延長戦を含めた120分間を戦っても決着は付かず、PK戦に突入。イタリアはピルロ、マテラッツィ、デ・ロッシ、デルピエロ、グロッソの5人が全員決めましたが、フランスは2人目のトレゼゲがシュートをクロスバーにはじかれ、これが勝敗を決しました。

 イタリアは優勝にふさわしい戦いぶりを見せたと思います。キーパーのブッフォンを初めとした鉄壁の守りが今大会を通じて光っており、決勝戦では前半にPKによる失点を喫しましたが、その後もあきらめずに反撃し、ボールを支配して、フランスのマークをことごとくかわしていきました。この勢いでイタリアは前半19分、ピルロの蹴ったコーナーキックに、マテラッツィが頭で合わせてボールをたたき込み、同点に持ち込みました。

 このイタリアの同点弾によってフランスに火がつき、その後フランスは見事なパスワークを見せて果敢にゴールを狙い、後半はフランスの一方的な攻撃に終始しましたが、ブッフォンがスーパーセーブを見せてフランスのゴールを阻みました。そして延長戦、フランスの優位は変わらなかったのですが、両国とも得点を挙げられず迎えた延長戦後半5分、フランスの主将ジダンは、マテラッツィに侮辱されて張り詰めていた緊張の糸が切れたのか、突然相手の胸に頭突きを与えて倒してしまいました。これでジダンは一発退場、ビエイラも負傷で交代していたフランスは、キーパーソンのジダンを欠き、後のPK戦に欠かせないキッカーを失ってしまったことになります。

 結局これが大きく勝敗を左右し、フランスはPK戦の末にイタリアに破れ、目の前にあった優勝を逃してしまうこととなりました。一方のイタリアは、1994年のW杯決勝でブラジルにPKで敗れ、ユーロ2000でもフランスにPKで敗れた無念をここで晴らしたことになります。イタリアの優勝は1934年、1938年、1982年に続いて4度目となります。

 何という大波乱の決勝戦でしょうか。まさかこのW杯を最後に現役を引退するジダンが、その最後の花道を退場という後味の悪い結果で終えてしまうとは……。しかし、ある意味こういった幕切れも、ジダンの波乱の選手人生を凝縮していたような気がします。
 一度はフランス代表から退いたジダンですが、チームのために代表に復帰し、フランスの再生に貢献し、今大会でも決勝戦までチームを牽引してきた立て役者でした。そのプレーは、まるでボールが足に吸い付いているかのような美しいプレイで、今大会でも何度となく観客を魅了してきました。誰もがそのジダンの芸術的プレイを最後まで見ていたかったに違いない最終戦で、思いも寄らぬ退場劇。ジダンの反則行為には誰もが目を疑ったことでしょうね。ほんの一瞬の出来事でしたから、僕自身も何が起こったのかまったくわかりませんでした。

 ジダンは背後からマテラッツィに何かを言われ、それに反応して振り返り、そのままマテラッティに歩み寄り、突然彼の胸に頭突きを食らわして彼を倒してしまいました。ジダンはこの事に関して終始無言を貫き、一体何があったのかということは想像の域を出ません。マテラッツィが差別的、あるいは屈辱的な暴言をジダンに対して吐いたという憶測も広がっていますが、今のところその真相は闇の中ですね。

 もちろん試合中に相手選手に対して暴力行為を働くなんて事は、スポーツとして決して許されるものではなく、そう言う意味ではジダンの行為は冷静さを欠いた大きな過ちだったといえるでしょう。しかし、そんなことはジダン自身も百も承知のことで、しかも自らの現役最後の引退試合、それもW杯決勝戦の延長戦後半という超大舞台でジダンがこのような行為に及んでしまったということは、それだけジダンにとって許し難い“何か”があの瞬間、マテラッツィとの間であったということなのでしょう。ジダンが入退場口の中央に置かれた優勝トロフィーの横をすり抜けてピッチを後にした時に見せた涙が、それを物語っていましたね。

 ジダン自身がこの件に関して何も語らないとすれば、当然もう1人の当事者へ目は行きます。W杯を勝ち取り、決勝戦でイタリア唯一のゴールを挙げたにも関わらず、マテラッツィのもとには真相を求めるジャーナリストが殺到しました。しかし彼はその回答を拒絶して「バイバイ、じゃあね」と叫んで去って行ったそうです。今大会を持って現役を引退するジダンが今回の反則で何試合の出場停止になるかなどということは、もはやどうでもいいことです。この真相をいつ明かすのか、誰が明らかにするのか。ジダン、カンピオーネ(偉大な選手)のキャリア最後の汚点をいつか晴らしてもらいたいものですね。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 優雅な洗車タイム
2006年07月08日(土)

 今日は、明日雨が降ることはわかっていたのですが、洗車してきました。このところ忙しかったこともあり、なかなか洗車する時間が持てなかったので、いくら梅雨時だからと言ってこれ以上洗車せずに放置しておくと、ボディにこびりついた汚れが取れなくなってしまい、取り返しの付かないことになってしまうと思ったからです。

 このところ全然自分で洗車する時間もなく、気に入っていた海岸沿いの洗車場が数年前になくなってしまってからは、ほとんど洗車はガソリンスタンドに任せっきりになってしまっていますね。たまにはちょっと遠くなってしまいましたが、洗車場に行って自分で丁寧に洗車したいです。

 さて、今日は最近発見した新しいシェルのガソリンスタンドで、お金を惜しまず最高のコースで念入りに洗車してもらいました。もちろん手洗い、フッ素加工、車内清掃、さらには最後のワックス仕上げまでやってもらっちゃいました。
 なぜこんなに念入りにやってもらったのかというと、この最近発見したガソリンスタンドが、素晴らしく素敵なお店だからです!

 何が素敵なのかというと、洗車の丁寧さや店員さんの接客態度はもちろんのこと、何と言ってもその店内!この店の店長がもの凄い金持ちで、趣味でガソリンスタンドを経営しているのではないかと思ってしまうほど、お店の建物が超近代的でとてもカッコイイんです!
 まずお店の建物はすべてガラス張り、しかも床下には水が流れていて、足下のガラスの部分から下の水が見えるようになっているのです!さらに店内は小じゃれたショットバーのような雰囲気で、色々なソファーが置かれていて、その座り心地を順番に試したりすることができます!さらに屋外にもラウンジが用意されているので、天気のよい日は外でくつろぐこともできます!照明は落ち着いた明るさで、店内に流れるBGM代わりのFMラジオも必要最小限のボリュームに抑えられているので、洗車やオイル交換、あるいは車検やタイヤ交換とといった作業を待つ間、極上の時間を過ごすことができるというわけです。

 百聞は一見に如かずと言うことで、皆さんにも写真をお見せしましょう。




外観はコンクリートの打ちっ放し



ショットバーのような店内



別の角度から



色々なイスやソファがあるのも魅力



2階部分はカフェ風



2階から見下ろしたフィールド



 どうですか?とてもガソリンスタンドには思えないような建物だと思いませんか?このお店、場所が結構奥まったところなのでそれほど混むこともなく、洗車もすぐにしてもらえる上に店の中にはほとんど人がいることもないので、こんな贅沢な空間を独りで独占しちゃうこともできるんです!
 だからこの店に来た時は、長い時間ゆっくりしたいので、洗車をフルコースでやってもらって長時間居座っていたというわけなんですね!

 この次この店に行く時は、iBook持っていこっと!


↑エンピツ投票ボタン
My追加




 F1、鈴鹿2007年開催絶望か?
2006年07月07日(金)

 これまで20年間に渡って「F1日本グランプリ」の座を守り続けてきた鈴鹿サーキットですが、今年でその契約が満了となり、来シーズンが新しく生まれ変わった富士スピードウェイが日本グランプリを引き継ぐことがすでに決定しています。
 鈴鹿サーキットも来シーズン以降、引き続き「パシフィックグランプリ」などとグランプリ名を変更して日本での2グランプリ開催を目指していましたが、どうやら来シーズンの鈴鹿サーキットでのF1グランプリ開催は絶望的になりそうな雲行きです。というのも、6日に行われたFIAのF1委員会で、鈴鹿の件が議題に上がらなかったからで、時期的なものから考えて2007年の開催は絶望的という見方が強いようです。

 ここ数年のF1はこれまでのヨーロッパ中心からその他の地域に拡大させていく方向で進んでおり、、現にここ数年で99年のマレーシアを皮切りに、中国、バーレーン、トルコが新たにF1カレンダーに加わりました。そうしたことから、現在1国で2グランプリ開催されているドイツとイタリアでも、それぞれどちらかのグランプリが削減される方向にあり、今新たに日本で2つ目のグランプリを開催するという雰囲気にはないのが現実だそうです。

 しかし、鈴鹿サーキットはかつて「ベスト・オーガナイズ賞」を受けるなどその運営には定評があり、昨年も推定32万人もの観客を集めるなど他のグランプリからも垂涎の的にある鈴鹿サーキットが消滅してしまうのは、非常に不可解ですね。

 僕としては、鈴鹿と富士で交互開催すればいいのではないかと思っているのですが。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 ジーコ監督で今夜のおかず
2006年07月06日(木)

…………テンプーラ…………




…………タマーゴ…………




…………ワカーメ…………




…………ヌードール…………




…………トーフ…………




…………キューリ…………




…………レタース…………




…………トマート…………

























……………………マキ。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 ドイツW杯、決勝はフランス×イタリア
2006年07月05日(水)

 サッカードイツW杯で9日にベルリンで行われる決勝は、W杯で通算5度目となるイタリアとフランスの対戦となりましたね。両国が決勝で対戦するのは初めてのことです。

 イタリアとフランスの過去のW杯での対戦を紐解いてみると、まず1938年大会では準々決勝で当たり、3−1でイタリアの勝利に終わりました。イタリアは最終的にこの大会で優勝を果たしました。78年のアルゼンチン大会では1次リーグで対戦。2−1でイタリアが勝利を収めました。3度目の対戦は86年メキシコ大会の決勝トーナメント1回戦。2−0でフランスに軍配が上がりました。そして最後の対戦は98年のフランス大会の準々決勝。試合は両チームノーゴールのまま延長戦を終了し、PK戦の末に4−3でフランスが勝利を収め、ジダン率いるフランスはその後優勝に輝いたのはまだ記憶に新しいですね。

 W杯以外も含めると両国はこれまでに32回対戦しており、通算17勝8分け7敗でイタリアがリードしています。W杯での4試合のほかは、親善試合が25試合、オリンピックが2試合、欧州選手権での対戦が1試合。その1試合が前回の対戦です。ベルギーとオランダの共催で行われた2000年欧州選手権決勝での激突は、延長戦でのダビド・トレゼゲのゴールデンゴールにより、2−1でフランスの勝利という結果でした。イタリアはデルベッキオ、フランスは後半ロスタイムにビルトールがゴールを記録しています。通算成績では上回っているイタリアですが、最後にW杯でフランスに勝ったのは1978年大会(2−1)で、それ以降は白星を上げることができていません。

 僕としては、今回のW杯で引退を表明している鉄人ジダンの最後の大舞台ですから、この2国だったらやはりフランスに優勝して欲しいです。当初の予想ではブラジルが優勝すると踏んでいたのですが、その予想に反して早々に敗退してしまいましたからね。決勝はフランスを応援しますぞ。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 スーパーアグリ新型車デビューはドイツに決定!
2006年07月04日(火)

 少し古い話題ですが、現在4年落ちの旧アロウズA23をベースに急造されたマシン「SA05」での参戦を続けながら、オリジナル新型車「SA06」の開発を続けているスーパーアグリ。完成の遅れが伝えられていたSA06ですが、その投入が来月末のドイツグランプリからになることが、チームから正式発表されましたね。

 SA06は当初フランスグランプリで投入される予定で、開発を急ぐためチーフテクニカルオフィサーのマーク・プレストンは先々週末のカナダグランプリと先週末のアメリカグランプリを欠席しました。SA06はすでにFIAのクラッシュテストに合格しており、フランスグランプリまでにデザインと製作を完了させるという予定でした。
 しかし、SA06に使用するホンダから供給されるギヤボックスのスペックを決定するのにかなりの時間を要したため、スケジュールに大きな影響が出てしまったようです。さらに先月、風洞施設でトラブルが発生したため、すべてのモデルテストを数日間停止しなくてはならないという状況に見舞われました。

 カナダ、アメリカの2連戦を乗り切れば、次のテクニカルサーキットであるフランスグランプリで新型車がデビューするとあって、僕も非常に楽しみにしていたのですが、最終的には1戦遅れでドイツグランプリからで決定ということで、まあ楽しみが1戦延びたという感じですね。

 スーパーアグリはここまで旧型車で苦戦を強いられていますが、現実問題として新型車SA06がデビューしても、入賞圏内に食い込むのはほぼ不可能でしょう。ですから、今シーズンはチームもデビューシーズンですし、学習の年ですから、あまり無理をして早急に新型車をデビューさせなくても、完璧にマシンを仕上げてから新型車をデビューさせればいいと思います。とりあえず無事にF1に参戦できているんですから、じっくりと行きましょう。

 チーム監督の鈴木亜久里は、このSA06で1周につき2〜3秒のタイムアップを期待しているようですが、それはちょっと希望的観測という気がします。しかし、ここまでは全戦最下位でしたから、SA06によってミッドランドやトロロッソあたりとは互角に戦える状況になってくれると嬉しいですね!今の状態ではライバルと戦うどころか完走するだけで精一杯の状態ですからねえ。それでも琢磨は毎戦スタートで2〜3台は交わして前に出て、レースでもマシンの戦闘力不足をものともせずに果敢にバトルを挑んでいますから、SA06の投入によって、琢磨の努力はきっと報われるでしょう。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 中田英寿、現役引退!
2006年07月03日(月)

 改めて説明する必要はないと思いますが、日本サッカー会のエース、中田英寿が今日、突然引退を発表して衝撃を与えました。しかも日本代表を、ではなく現役を……。まだ29歳という若さで引退を決意した中田、今後の日本サッカー界に大きな影響を与えるのは間違いありません。

 中田は今日午後9時に自身のHP上で突然引退を発表しました。その全文は様々なニュースサイトで閲覧できると思うのでここではご紹介しませんが、中田の言葉を借りれば、彼は20年もの間「サッカー」という旅を続けてきたが、これからは別の新たな旅に出たいとつづられていました。
 他にも日本のエースとしてチームを変えようと努力し、苦労を重ねてきましたが、その責任感と重圧が凄まじいものであったことが伺える内容が書かれていました。

 彼は、半年前から引退を考えていたようですね。半年前と言えば、所属のイングランド・プレミアリーグのボルトンで出場機会に恵まれなかった時期と重なります。自身が「半年ほど前からこのドイツワールドカップを最後に約10年間過ごしたプロサッカー界から引退しようと決めていた」と語っていましたが、引退を決意して臨んだ最後のワールドカップは、残念ながら1次リーグ敗退という結果に終わってしまいました。おそらく彼は、ブラジル戦で燃え尽きてしまったのでしょう。

 中田の突然の引退発表は、日本国内だけでなく海外でも大きな衝撃を与えました。イタリア・セリエAを舞台にして対戦した選手も多く、MFのピルロは「えっ、引退? 29歳? 若すぎるよ。でも、彼が決めたからには正しい判断なんだろう」と残念そうに話していたそうです。
 かつて中田にゴールを決められたことがあるGKブッフォンは「彼は道を大きく切り開いた。最高のプレーヤーだよ。若すぎる。でも、他のことをするのならばよい決断になるかもしれない」とコメント。ASローマ時代にともに優勝を経験、中田にとってポジションを争うライバルだったトッティは質問には答えず、無言だったそうです。
 中田が公式HPに引退を発表して約1時間後には、イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙やコリエレ・デラ・セラ紙のネット上で最新ニュースとして続々と掲載され、中田の存在感の大きさを示しました。

 サッカー日本代表は、ジーコ監督に代わってオシム監督の起用が決定したばかりですが、オシム・ジャパンではいきなりエースがいなくなり、チームの建て直しは非常に難しくなりそうですね。今の日本の選手で、中田と同レベルの選手はいないでしょう。また、オシム監督も言っていましたが、中田のような選手が今後再び誕生するには長い時間がかかると思います。残された選手たちの成長に期待したいですね。

 さて、中田は引退後どうするかについてはまだ何も語っていませんが、彼は数々のCMに出演しており、サッカーに関係なくその知的な印象がCMの好感度に繋がっており、引退してもその魅力が薄れることはないと思われます。また彼は、現在公開中のジダン、ベッカム、ラウルらスター選手が特別出演して話題を集めている米英合作のサッカー映画「GOAL!」に本人役で出演しており、そのシリーズ第3弾(来春公開)に出演することも決まっています。もしかしたら中田は今後俳優として第2の人生を歩んでいく可能性もありますね。

 僕としては、中田のそのずば抜けた頭脳と洞察力、そして自身の技術を活かし、選手を育てていくという意味も込めて、是非ともチーム監督になってもらいたいですな。まずはJリーグのどこかの監督になって(たぶん無理でしょうができればエスパルス)、いずれは日本代表の監督になって欲しいです。中田のサッカーに対する哲学なら、きっと日本サッカーの未来は明るいと思うんですけどね。



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 F1第10戦アメリカグランプリ(決勝)
2006年07月02日(日)

 F1第10戦アメリカグランプリ決勝、いや〜大波乱の展開でしたね。

 スタート時、上位勢では、2番グリッドからスタートしたフェラーリのフェリペ・マッサがポールポジションのミハエル・シューマッハを交わして先頭につけ、さらに5番グリッドのフェルナンド・アロンソ(ルノー)は3位まで浮上します。しかし、1コーナーから2コーナーにかけて、中盤以降に大きな混乱が発生してしまいました。マクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤが、前をゆくチームメイトのキミ・ライコネンに追突し、それがきっかけで多重クラッシュが発生。BMWザウバーのニック・ハイドフェルドは回転しながら宙を舞い、地元グランプリに臨んだトロロッソのスコット・スピードも接触、さらにウィリアムズ・コスワースのマーク・ウェバー、レッドブルのクリスチャン・クリエン、スーパーアグリのフランク・モンターニュ、さらにはホンダのジェンソン・バトンの8台がオープニングラップでいきなりリタイヤしてしまいました。

 わずか2周の間に3分の1のマシンが消えたレースは、セーフティーカーが導入され、7周目に再スタートが切られました。ところが、今度はミッドランドのティアゴ・モンテイロとスーパーアグリの佐藤琢磨が接触し、早くも10台のマシンが姿を消してしまいました。

 後方の混乱を後目に、フェラーリの2台は快調に周回を重ね、ルノーのジャン・カルロ・フィジケラは、15周目に前を行くチームメイトのアロンソを交わして3位に浮上します。しかしフィジケラはペースを上げてフェラーリを追いますが、その差は縮まるどころか少しずつ離されていきました。
 今回まったくペースが上がらないアロンソは、1回目のピットインでピットスタートのヤルノ・トゥルーリに交わされ、さらに背後からはラルフ・シューマッハに迫られ、トヨタ勢に挟まれる形となります。
 
 その後アロンソは2回目のピットストップで手間取り、この隙にラルフ・シューマッハに交わされて6位に順位を落としてしまいます。しかし残り10周というところでラルフがリタイヤし、アロンソは再び5位に浮上。レースはそのままフィニッシュを迎え、終盤クルージング状態だったフェラーリは、シューマッハがポール・トゥ・ウィン、マッサも自身最高の2位に入りワンツーフィニッシュを飾りました。3位はフィジケラ、4位にはピットスタートから見事な追い上げを見せたトゥルーリが入り、ポイントリーダーのF.アロンソは5位に終わっりました。この結果、シューマッハとの差は19に縮まり、タイトル争いが再び面白くなってきました。

 今回はフェラーリが強いだろうと予想していたので、フェラーリのワンツーフィニッシュは予想通りの結果だったといえるでしょう。ただ、それでもこれまでは毎戦アロンソが食い下がってきていたので、何とかアロンソも3位表彰台はいけるだろうと思っていたのですが、今回はいつものスピードがまったく観られませんでしたね。同じルノーのフィジケラがかろうじて3位に入ったのを考えると、アロンソはマシンのセッティングに失敗したんでしょうか。

 それから、マクラーレンの2台がオープニングラップで消えてしまったのが非常に惜しかったですね!マクラーレンはインディアナポリスのような高速サーキットでは速いですからねえ〜!フェラーリの2台には追いつけなかったと思いますが、トヨタのトゥルーリがピットスタートからアロンソの前4位でフィニッシュしていることを考えると、マクラーレンの2台もアロンソの前に食い込んできた可能性は非常に高かったでしょう。タラレバの話ですが、もしそうなっていたらアロンソは7位に終わっていたことになり、アロンソとシューマッハのポイント差はさらに縮まっていました。

 さて、今回もう一つ残念だったのが、何と言っても佐藤琢磨のリタイヤ。今回は普段よりも前のグリッドからのスタートで、ミッドランドかトロロッソの前でフィニッシュできるのではと期待していたのですが、先に書いたように7周目の再スタート直後にミッドランドのモンテイロと接触してしまい、無念のリタイヤとなってしまいました。

 琢磨に肩を持つわけではありませんが、あれはモンテイロがスペースを開けるべきでしょう!ストレートエンドですでに琢磨はモンテイロのインに入っていましたからね。ところがモンテイロは横にいる琢磨に気付いていなかったのか、平然と自分のラインで1コーナーに進入してきたので、琢磨はそれを避けるために縁石に乗り上げ、そのままモンテイロのサイドにヒットしてしまったわけです。モンテイロはミラー見ているのか?
 しかもモンテイロはレース後「サトウがまともとは思えない動きで僕の前でコーナーに進入してきて、ホイールをロックさせながら僕に激しくぶつかったんだ。」とコメントし、琢磨を非難していました。

 おめ〜がワリ〜んだろうがッ!

 ……何でこうF1ドライバーって、自分の非を認めないで相手に責任を押しつけようとするんでしょうかねえ。何だかこんなことを書くと琢磨を贔屓していると言われそうですが、映像見れば一目瞭然でしょう。モンテイロはその後「まだレースは70周以上もあるのに、なぜそんなに焦って前に出ようとするのか」とも言っていましたが、じゃあお前は何のためにF1で走っているんだと声を大にして言いたいですね。モンテイロは昨年18戦中16戦で完走を果たしていますが、とりあえず完走すればいいと思っているドライバーには、それこそ同一周回でも道を譲って頂きたいものですな。

 レースでバトルしないで何をするんだっつーの!

 モンテイロが調子に乗って自分の非を認めないのは、温厚な琢磨がモンテイロに対して怒りを露わにしないからというのもあるでしょう。あれは怒っていいでしょう!チームに怒鳴り込んでいってもいいぐらいです!琢磨にそれができないのであれば、チーム代表である鈴木亜久里が抗議に出向くべきです!「どちらが悪かったのかはわからない」などと甘いことを言っている場合ではありませんよ!はっきりとした映像があるんですから!僕が琢磨と同じ立場だったら、マシンを降りた時点でモンテイロの胸ぐらを掴むでしょうね。

 もう琢磨には「もっと慎重になれ」とは言いません。今後も今回同様、相手が後ろを見ていないでインを塞いでこようとも、それによって接触しリタイヤする結果になろうとも、いけると思ったところではどんどんバトルを仕掛けて欲しいです。誰に何と言われようとも、レーサーであることを忘れず、アグレッシブさを失わないで欲しいです。
 そしてすべてのドライバーとチーム関係者に、「佐藤琢磨はチャンスがあればどこでも仕掛けてくる」と言うことを、佐藤琢磨が後ろから迫ってきたら、ミラーから目を離さないように気を付けるよう知らしめるべきです。

 ぬるいぞ今のF1ッ!特に下位の雑魚どもッ!



↑エンピツ投票ボタン
My追加




 F1第10戦アメリカグランプリ(予選)
2006年07月01日(土)

 今日はアメリカのインディアナポリス・モータースピードウェイで、F1第10戦アメリカグランプリの予選がおこなわれました。今回はフリー走行からの勢いそのままに、フェラーリの速さが目立つ予選となりました。
 
 第1ピリオドでは、トヨタのヤルノ・トゥルーリがマシン下部のスキッドブロックが引きずられたため、ピットに戻り脱落が確定するという波乱がありました。一方でフリー走行から好調だったミッドランド勢がティアゴ・モンテイロは11番手、クリスチャン・アルバースも12番手と2台揃って第2ピリオドに進出する快挙を達成しました。アメリカ人ドライバーとして母国グランプリに臨むトロロッソのスコット・スピードも16番手で第2ピリオドに進出。
 スーパーアグリのチームのフランク・モンターニュと佐藤琢磨、トロロッソのビタントニオ・リウッツィ、トヨタのトゥルーリ、ウィリアムズ・コスワースのニコ・ロズベルグ、レッドブルのデビッド・クルサードの6台が第1ピリオドで脱落しました。
 
 第2ピリオドでは、終盤マクラーレン・メルセデスの2台が当落ラインを賭け、チームメイト同士で争い、10番手キミ・ライコネンのタイムを11番手のファン・パブロ・モントーヤが目指して最後のタイムアタックに出ましたが、ゴールライン目前に時間切れとなり、マクラーレンの一角が姿を消してしまいました。
 その他レッドブルのクリスチャン・クリエン、ミッドランドの2台、トロロッソのスピード、ウィリアムズのマーク・ウェバーが最終ピリオド進出を果たせませんでした。
 
 上位10台のスターティンググリッドを決める最終ピリオドでは、残り時間12分のところでニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)のマシンがテクニカルトラブルに見舞われスローダウンし、タイムアタックを行なえずにマシンを降りました。
 セッション終了まで8分を切り、各車タイヤ交換を済ませてフレッシュタイヤで再アタックに出ると、ルノーの2台がまず暫定トップに立ちます。しかしフェラーリが速さを見せつけ、ミハエル・シューマッハとフェリペ・マッサがタイムを更新しフェラーリのワンツー。一方、思うようにタイムの伸びないルノーのフェルナンド・アロンソは、再度ニュータイヤを装着し最後のアタックを試みますが、自己ベストを更新できず、3番手に入ったチームメイトのジャン・カルロ・フィジケラ、さらには4番手に飛び込んだルーベンス・バリチェロ(ホンダ)にも遅れをとり、5番手に終わりました。
 フェラーリはシューマッハがポールポジションを獲得、マッサもフロントローに並び明日の決勝ではフェラーリの2台がフロントローからスタートします。

 さすがにインディアナポリスではフェラーリは強いですね。インディアナポリスは2000年からF1カレンダーに復活しましたが、昨年までの6年間では、2001年に当時マクラーレン・メルセデスだったミカ・ハッキネンが優勝した以外はすべてフェラーリが優勝しており、しかも2001年のハッキネン、2002年のバリチェロ(当時フェラーリ)以外はすべてシューマッハがインディアナポリスを制しています。

 一方の現在ポイントリーダーのアロンソは、今回は5番手スタート。やはり高速バンクのあるこのサーキットでは、ちょっと苦戦しているようですね。今回のレースウィークを見ている限り、ここまでフェラーリが安定して速さを見せているので、決勝でも死角は存在しないように思われます。アロンソとしては、何とか表彰台に食い込んでポイントを稼ぎたいところでしょう。彼は昨年の第14戦トルコグランプリから前戦カナダグランプリまで、実に15戦連続で表彰台に登り続けていますので、何とかその記録を継続して欲しいですね。

 シューマッハとしては、今回は2番手に同僚のマッサもいますので、アロンソとのポイント差を縮める絶好のチャンスになりそうですね。これでアロンソが表彰台を逃せば、シューマッハは最低でも5ポイント縮められることになるわけですから、是が非でもフェラーリによるワンツーフィニッシュを決めたいところです。

 さて、今回もう一つ注目したいのが、佐藤琢磨!彼は今シーズンはスーパーアグリの4年落ちマシンでの戦いを強いられており、ここまでは全戦でチームメイトにこそ勝っているものの、予選順位はほぼ最後列。ところが今回は何と18番グリッドですよ!しかも今回はマシントラブルによって後方に沈んだトヨタのトゥルーリを除く、ロズベルグ、リウッツィ、モンターニュを堂々抑えての順位です。あいにくライバルチームのミッドランドは今回好調で中盤にいますが、何と言ってもここインディアナポリスは2003年に3位表彰台に上がっているサーキット。決勝も期待できそうですね!



↑エンピツ投票ボタン
My追加


≪過去 未来≫ 初日 最新 目次 MAIL HOME


My追加