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■ 「DEATH NOTE」……ってまたかよッ!
2006年07月20日(木)
昨日までの3日間で人気漫画「デスノート」について書いてきましたが、今回もしつこく「デスノート」ネタです。たぶん今日が最後になると思いますので、興味のある方はお付き合いください。
今日のお話は、もしも僕が“名前を書くだけで人を殺すことができる”というデスノートを手に入れたらどうするか、というお話。「デスノート」を読んだことのある方なら、「もし自分がデスノートを持っていたらどうするだろう」と一度は考えてみたことがあるのではないでしょうか。(え?ない?)
ではここで、デスノートのルールについて解説しておきましょう。ただしデスノートには、死神界で作られた実に様々なルールが存在しているので、今回は便宜上、その中から特に今回のテーマに直接関係するルールだけを抜粋しました。
【デスノートのルール(一部)】
●人間の顔を思い浮かべその名前を書くと、その人間は死ぬ。 同姓同名がいても、有効なのは名前を書くときに思い浮かべた対象だけ。
●名前以外何も書かない場合は40秒後に心臓麻痺での死亡となるが、 名前を書いてから40秒以内に死因を書けばそのとおりになる。
●ノートに名前を書かれた人物の死を取り消すことは出来ない。
●死因を書いた場合、記された死因での死亡となる。
●死因を書いてから6分40秒以内に死に至るまでの詳細を書くと、 その人間の死まで物理的に可能な範囲で操ることができる。 可能な範囲でない書き方をした場合すべて心臓麻痺で死ぬ。
●対象者が知りえない情報を使う、または行い得ないことをすることは不可能。
●日時を指定した上で操って殺せるのは23日以内。
●23日以上かかるような病気を死因に指定して死亡させる場合は例外。 ただし日にちの指定を行えば無効になる。無理が生じるならば心臓麻痺となる。
●死因の「自殺」は誰にでも有効であり、「考えもしないこと」の限りではない。
わかりやすくまとめると、とにかく本名を一字一句間違えずに書けば、ただ名前だけを書いた場合はその人間を40秒後に心臓麻痺で殺すことができるというわけです。さらに「事故」「殺される」などの死因を書けばその通りになります。そして23日以内であれば殺す人間の行動を操ることができますが、物理的に不可能なことを書けば無効となり、すべて心臓麻痺での死亡となります。その他にも、物理的に不可能な行動やその者がすることができない行動は全て無効となり、心臓麻痺となります。
とまあこんな具合で色々と死神界によって定められた決まり事があるわけですが、さあ、皆さんがもしこのデスノートを手にしたら、一体どうしますか?ちなみにデスノートのルールはすべて、デスノートの最初のページに「使い方」として書かれているものとします。(実際主人公が手にしたデスノートのも書かれていました)
僕だったら、まず主人公がしたように、このノートが本物であるかどうか確かめようとするでしょう。とはいえ、本物であるかをしるためには、実際にノートに名前を書き込んで人を殺す必要があるわけで、実際自分の中で、果たして殺したいと思う人間がいるかと言われれば、そんな人はいるわけないですから困ってしまいますよね。 もちろん僕は今まで31年間も生きてきたわけですから嫌いな人間もいますし、生きてきた中で一度たりとも殺意を覚えたことがないかと言われれば自信はありません。しかし、そうは言っても本気で殺したいと思った人などいませんし、むしろものすごく嫌いで顔も見たくない人がいたとしても、何も死ぬ必要はないと思う方が普通ですよね。
そこで僕は、このノートが本物であるかどうか確かめるために、こう書きます。
「松本智津夫 関わった犯罪の知りうる全ての情報を書き記し、呼吸困難で死亡」
言うまでもなく、僕は“松本智津夫”という名前の人間を1人しか知りません。元々彼の死刑が確定するのは時間の問題ですし、その前に事件の全容を自ら解明してもらい、さらに最後は呼吸困難によって少しでも死の苦しみを味わってもらおうというわけです。 彼が死ぬ場所はおそらく獄中ですから、操れる行動は限られているでしょう。本当はサリンで苦しんでもらいたいものですが、サリンを使えば回りにも影響を及ぼしますし、獄中にサリンを持ち込むのは不可能。それなら、どんな死因が苦しいだろうかと考え、呼吸困難が良いだろうと思ったわけです。これまで彼によって殺されてきた人々の苦しみに比べたら全然軽いですが、少なくとも心臓麻痺で一瞬で死ぬよりは、せめてしばらくの間、呼吸ができない苦しみを味わって欲しいですね。というか、獄中ではこれが限界でしょう。
もしデスノートが本物だったら、ニュースは凄いことになりそうですね。松本容疑者本人が関わったすべての事件の詳細を書き記して、その後獄中死するんですから。ワイドショーは連日この話題で持ちきりとなるでしょう。そうすれば、僕にもデスノートが本物であるということは確実にわかるわけです。
さて、ではデスノートが本物だとわかったら、次はどうするでしょうか。
漫画「デスノート」の主人公・夜神月(=キラ)は、テレビや新聞などのメディアで報道された世界中の犯罪者を次々と殺し、その偏った正義感で犯罪のない理想的な世の中を創り出そうとしますが、少なくとも僕にはそんなことはできませんね。 もちろんテレビや新聞などで様々な犯罪を目にして、その犯罪を引き起こした人間に憤りを感じることはありますが、言うまでもなく僕には犯罪者を裁く権利などありませんし、人の命を奪う権利もありません。ましてやある人間が犯罪者として報道され、裁判で有罪が確定したとしても、もしそれが冤罪だったとしたら……。実は巧妙に仕掛けられた罠によってその人間がはめられて、犯罪者に仕立て上げられて有罪が確定したとしても、もしそれが実際は無実の罪を着せられていたとしたら……罪のない人間を殺してしまうことになりかねませんよね。 実際判決で一度は無期懲役や死刑判決まで受けた容疑者ですら、その後一転して無罪を勝ち取ることがあるわけですから、僕が主人公のキラのように、自分だけの判断で「この犯罪者は悪だ」と決めつけて処刑を下すというのは、あまりにも危険すぎます。
世の中に犯罪者に関しては、僕でなくても、ちゃんと法の名の下に公正に判断してくれる裁判官がいるわけで、犯罪者にしても、死ぬことよりも生きて被害者に償っていくことで、被害者のせめてもの救いになる方がいいですし、死んで全てが解決するわけではないですからね。むしろ僕のような一般市民が犯罪者を独自の判断で裁き、篠制裁を与えていくことの方が非常に恐ろしいことであることは言うまでもありません。
そう考えると、僕にはデスノートの使い道はありませんね。
そうなると、このデスノートの所有を放棄して死神に返却すれば、デスノートやそれによって犯した殺人のことはすべて記憶から消え失せてしまいます。仮に本物かどうか確かめるために松本智津夫を殺害していたとしても、そのことによって良心の呵責に陥ることはないと言うわけです。人間を殺すことができるノート、しかも死神から与えられたノートにしては、それを使用してもそのことによる“見返り”がまったくないというのが凄いですが……。
しかし、ただデスノートを死神に返却しただけでは、今後その死神が誰か別の人間にデスノートを与え、その人間がノートを使って殺人を犯す可能性もあります。どんな人間の手に渡ったとしても、1人の人間が人の死を自由に操るというのは、やはり人間の道徳に反しています。なので僕は、デスノートを焼却処分することを選びます。
デスノートを焼却処分した場合、デスノートは文字通りなくなり、所有権を放棄したわけではないのでデスノートの記憶が消えることはありませんが、他の誰かの手に渡ると言うことはなくなります。 ただし、漫画「デスノート」では、死神界にいるすべての死神はこのデスノートを所有しており、死神が自分のノートの他にもう1冊ノートを所有していれば、そのうちの1冊を人間に渡すこともできるため、僕が手に入れたノートを焼却したからと言って、その後絶対に他の人間がデスノートを手にすることはないとは言い切れないんですけどね。
皆さんもデスノートを手に入れた際には、用法を守って正しく使いましょう。
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