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■ M-NESTトロフィー第2戦(決勝)
2006年06月15日(木)
山本NSX、安定した走りで開幕2連勝! 前戦最下位の池上GT−Rが躍進の2位!
M−NESTトロフィー第2戦ミッドフィールドが日本時間の今日昼過ぎにおこなわれ、開幕戦ツインリンクもてぎで優勝した山本(NSX)が第2戦も制し、見事な2連勝を飾った。またその開幕戦で痛恨のスピンを喫して最下位に終わった池上(GT−R)は起死回生の2位フィニッシュ。ポールポジションからスタートした中野(S2000)は3位に終わった。
スタートでは、3位スタートの池上が前2台のスリップストリームをうまく利用して、エントリー中唯一の4WDという利点を活かし、一気に加速して2番手山本、ポールポジションの中野をかわしてトップで1コーナーに飛び込んだ。その後2位に後退した中野がインフィールドセクションで池上を何度か捉えるものの、池上は巧妙にラインを塞いで最終コーナーまで何とか中野の猛攻をしのぎ、その後のホームストレートで一気に中野との差を広げていく。 逆に中野はそのオープニングラップの最終ストレートで、山本のNSXにスリップストリームに入られ、1コーナーの手前で一気にかわされて3位に後退してしまう。馬力の差と高速スピードの差が如実に現れたシーンだ。
その後はトップの池上、2位山本、3位中野の3台で激しいトップ争いが繰り広げられる。中野はインフィールドセクションでは前をゆく2台よりもペースが速く、何度か2台に並びかけてオーバーテイクのチャンスをうかがう。しかし、中野は数周に渡って最終コーナーまでには2台をかわしてトップに立つも、その先の長いストレートで再びかわされてしまい、そのうち池上と山本から遅れ始める。 6周目の最終ストレートで山本が池上のスリップストリームに入り1コーナーでオーバーテイク。これで山本がトップ、2位池上、3位中野のオーダーに変わる。 後方では鈴木(スープラ)、佐々木(フェアレディZ)、大木(RX−8)が僅差で続くが、特に佐々木と大木の最後尾争いが接近しており、そのやや先に鈴木が走行しているという状況だった。
今回は誰もピットストップをおこなわないままファイナルラップに突入。トップの山本は2位池上に6秒以上のマージンを保ち、危なげなく走りきりチェッカーを受け、開幕戦に続いて2連勝を飾った。前戦で最下位に終わった池上も後方の中野に対しギャップを築いたまま、今回は見事2位でフィニッシュ。中野は高速スピードで差を広げられ、結局トップと11秒差の3位に終わった。
その2秒遅れで鈴木が4位フィニッシュ。そしてその後方では、6位大木が最終コーナーでうまく前をゆく佐々木の背後にぴたりと付き、そのままストレートでスリップストリームに入り最後のチャンスに賭ける。2台はサイド・バイ・サイドで並んだままフィニッシュラインを通過。タイムは1000分の1秒まで2台同タイムという珍しいハプニングが起こった。
このため最終リザルトが一時暫定扱いとなったが、ドライバーとレーススチュワードによる審議の結果、「追い上げ側有利」という判断が下され、最後尾から前をゆく佐々木に並んだ大木が5位、並ばれた佐々木が6位という順位でリザルトが確定された。
この結果、ポイント争いは佐々木と大木が共に4ポイント、鈴木と池上が共に7ポイントで並ぶ中、上位2人は2連勝の山本が20ポイントとなり、10ポイントの2位中野に対して早くも10ポイント差をつけ、非常に優位な状況となった。
■1位……山本(ホンダNSX) 「今回もストレートが長いから勝てるとは思っていたけど、本当に勝てて良かった。また、タイトル争いを演じている中野が3位に終わってくれたのもラッキーだった。スタートでは思いがけず池上にかわされたけど、2周目の1コーナーで中野をかわしてからはずっと池上の後ろに張り付いてチャンスを伺っていた。6周目の最終コーナーで上手く池上の真後ろに付くことができた。トップに立ってからは、比較的余裕を持って周回を重ねることができた。この調子で次も勝って、タイトルを確実なものにしたい。」
■2位……池上(日産スカイラインGT−R) 「前回がビリだったから、今回の結果には満足している。スタートでは上手く加速することができて、3番手から山本と中野の2台をかわしてトップに立つことができた。今回初めてレースリーダーになったけど、追う立場よりも追われる立場の方がプレッシャーがあった。結局7周目の1コーナーで山本にかわされてしまったので、その後は2位のポジションをキープすることに専念した。後ろを走っていた中野にはインフィールドでかなり接近されて、トンネル手前で何度か並びかけられたが、その後のストレートで引き離すことができた。」
■3位……中野(ホンダS2000) 「やはりストレートでのスピードの伸びが前の2台と比べて圧倒的に足りなかった。何とかインフィールドで追いついて抜き返したが、結局ストレートでまた抜かれ、差を広げられてしまった。やはりS2000ではロングストレートのあるサーキットは辛い。次戦のラグナ・セカは比較的テクニカルなサーキットでスリッピーだから、S2000に向いていると思う。ラグナ・セカでは何とか勝ちたい。」
■4位……鈴木(トヨタスープラ) 「前をゆくS2000に追いつけるんじゃないかと思っていたが、ストレートで追いついてもその先のインフィールドセクションで引き離されてしまい、真後ろに付くまでには至らなかった。次のラグナ・セカは自分としては苦手なコースなので、これから猛練習をするよ。」
■5位……大木(マツダRX−8) 「2戦続けて最下位を免れてホッとしている。正直他の5人と比べて自分の実力は遙かに劣っていると思うけど、今回は自力で順位を上げられたのが嬉しかった。次はたぶん最下位だと思うけど、参加することに意義があるのでマイペースで頑張る。チャンスがあれば上を狙っていくよ。」
■6位……佐々木(日産フェアレディZ) 「審議の結果には納得している。ただ、あとたった1000分の1秒前だったら5位だったと思うとやっぱり悔しい。大木とは最初から最後まで激しい接近戦を演じていたけど、とてもエキサイティングで面白かった。最後尾に終わったけど充実したレースだった。」
次戦M−NESTトロフィー第3戦は、メキシコに実在するCARTシリーズでおなじみのラグナ・セカ・レースウェイでおこなわれる。ここまでの2戦と違い、ラグナ・セカは高低差が激しく、路面は非常にダーティでスリッピーだ。名物コーナーの「コークスクリュー」などもあり、一瞬の気の緩みが大きなタイムロスに繋がるため、波乱が予想される。
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