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■ 「エンド・オブ・ザ・ワールド」を観る
2004年11月21日(日)
以前「デイ・アフター・トゥモロー」を観たときにも少し触れましたが、よくビデオレンタル屋に行くといつも目に留まって気になっていた映画、「エンド・オブ・ザ・ワールド」(シュワちゃん主演の「エンド・オブ・デイズ」ではない)をついに観ました!パッケージには「デイ・アフター・トゥモロー」と同じ自由の女神が、しかしそれは砂でも雪でもなく、深い森の木々に覆われてしまっているものです。ネヴィル・シュート『渚にて』が原作です。この映画はオーストラリアで制作されたもので、何とビデオは2本組と、非常に長い映画です。
ビデオのパッケージに書かれているあらすじを見ると……台湾をめぐって米国と中国が核戦争を起こして北半球は死滅してしまい、オーストラリアへも徐々に放射能雲が南下してきている。そこに生き残った米原子力潜水艦がやってきて、オーストラリア海軍の指揮下に入る。科学者から放射能は南半球には至らないという説と、北半球の北部はもう安全だという説が出る。そこにアンカレッジから毎日、決まった時刻にメールが送られてくる。文字化けで文面は読めない。そこで艦長にアンカレッジまで行って調査するよう命令が下るというちょっとミステリアスな部分も含んでいる内容です。
キャストはオーストラリアの映画だけあって、みんな知らない俳優さんばかりでしたが、アメリカが核戦争の引き金役として描かれており、しかもアメリカを含む北半球の生物は、生き残って南下してきた米潜水艦の乗組員以外、全て死滅してしまっているというものすごい設定です。アメリカが正義であるということを象徴したがるハリウッドでは、絶対にできない内容ですね。
さらに、ビデオのパッケージに書かれた内容がとても興味深いものであるのに、なぜこの映画がそれほど知られていなかったのかということが、実際に内容を観て初めてわかりました。間違いなくアメリカでは公開できないような内容でした。ハリウッドの「デイ・アフター・トゥモロー」ほどの派手さはありませんでしたが、内容は「デイ・アフター・トゥモロー」よりもはるかに衝撃的で、とてつもなく重い内容です。終末を迎える人々の人間模様が痛烈に描かれており、非常に悲しく、切ない映画でした。 この映画は核戦争の真の恐ろしさを見事に描いています。この映画が世界的に公開されていれば、各国の首脳たちも、核兵器を所有することの愚かさと無意味さを痛烈に知ることができると思います。この映画を観ても何も感じない人は、それこそ愚か者以外の何者でもないと思います。 今後この映画を観てみようと思っている方のために、この映画のオチは以下に白文字で記すことにします。この映画を観る気がない方のみ、下の文章を反転してお読みください。この映画を観てみようとお考えの方は、絶対に下の文章を読まないでください。
この映画、実は希望もへったくれもありません。なぜなら、この映画は最後、地球上の全ての生物が死滅してしまうからです。核爆発自体はアメリカで起こりましたが、まず北半球が完全に死滅し、その放射能が徐々に南半球まで流れてきて、最後は地球全体を放射能が覆ってしまうのです。 死滅したはずの北半球から定期的にメールが送られてきて、北半球の北部はすでに安全で、生存者がいるという説を元に、潜水艦が調査に向かうのですが、実際北半球は死滅しており、メールは無人のパソコンから自動で送られたものでした。物語のメインとなるこの「希望への旅」は、見事に裏切られ、絶望へと変わってしまうのです。さらに、南半球までは放射能は流れてこないという説も外れ、実際は徐々に放射能が南半球まで下ってきて、最終的に地球全体が放射能に包まれてしまいます。 北半球の人々は、徐々に放射能が迫り来る中、皆苦しまずに死ねる薬の配給を受け、それを使って家族でベッドに横たわり、手をつないだり抱き合ったまま一家心中をします。そうして街は無人となり、後には全く破壊されずに佇む建物やビルディングだけが残ります。 つまり、アメリカが発射した核ミサイルによって、地球は完全に死滅し、生物が全く住まない死の星と化してしまうのです。誰も生き残ることはありません。まさに世界は、終末を迎えてしまうのです。これがこの映画の、最も衝撃的で、あまりにも悲しすぎる結末なのです。 この映画は、核兵器を所有する全ての国の代表に、ぜひ観てもらいたいものです。この映画は、アメリカが地球を滅亡させてしまうという、とても恐ろしい映画です。
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