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■ F1現行予選方式の長所と短所
2004年06月30日(水)
(昨日の続き)
現行の1発勝負の予選方式は昨シーズンから採用されましたが、当然採用されただけあって長所もあるわけです。僕なりに長所を挙げるとすれば、まず全車が1台ずつ順番にアタックするわけですから、2002年までの予選と違い、全てのドライバーが他車のいない完全なクリアトラフィックの中でアタックができます。2002年までは各車が自由にそれぞれのタイミングでコースインしてアタックをしていましたから、遅いマシンに邪魔されてタイムをロスしてしまったりということもありましたが、現行の予選ではそれがありません。
また1発勝負という点では、どんなに速いマシンやドライバーでもちょっとしたミスでタイムをロスすることもあり、それによって波乱が生まれることもあります。また2回目の予選での出走順は決まっているため、例えば下位のマシンがアタックしているときには晴れていたのに、上位陣がアタックするセッション終盤になって突然雨が降り出したりしたら、当然雨の中でのアタックを強いられる上位陣はまともなタイムを出せなくなりますから、決勝グリッドは予想外のものとなるでしょう。燃料の搭載量も予選タイムに影響するので、現状の予選では極端な話、決勝でのピット戦略を無視して空タンクでアタックすれば、少なくとも今までポールポジションには縁のなかったチームがポールポジションを獲得する可能性すらあります。そういう意外性があるという意味では、長所といえば長所と言えなくもないですね。
さらに昨日も少し書きましたが、1台ずつの予選では各マシンが均等にテレビに映りますので、普段ほとんどテレビ画面に映ることがない下位チームのマシンもテレビに映る機会が増え、下位チームをサポートしているスポンサー的には大きな利点となるでしょう。そしてテレビ放映に関連したことでは、1台ずつの予選では、セッション中常にマシンが走っているため、予選を放送するにも間延びすることがないのが長所と言えます。
では、短所はどこか。それはいうまでもなく、1回目の予選、つまり2回目の予選での出走順を決めるためだけの予選が、はっきり言ってまったく不要ですね。当然どのチームも2回目の予選を見据えた最終的な「調整」という意味合いにしか捉えていませんから、1回目の予選ではほとんどのマシンが本気で走らないでしょう。1回目の予選で無理して走ってうっかりマシンを壊してしまい、2回目の予選で走れなくなってしまったら大変ですからね。そして決勝で走る分の燃料を搭載してのアタック、この点に関しても、先程述べたように「意外性」を求めるならば長所とも言えますが、僕的にはやはり予選は「最速決定戦」として決勝とはまた違った醍醐味を楽しんでいましたので、速いマシンが燃料を多く積んでタイムが落ちる、つまり「速いマシンが速くない」という今の方式は反対です。
(さらにつづく)
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