Title / Place of peacefulness(安らぎの場所)
◆Thanks◆
 music by Are you
picture by LOSTPIA



思い出の貝殻をお気に入りの小瓶に詰めたら・・・
耳に近づけてそっと・・振ってみてください
懐かしい音が聴こえて来ませんか!?



真実のベール 

 

photo by Pigion





淡き色薄いベール
白き花咲き 
命の灯火揺らす

優しき人
涙を拭いてそのベールとなり
見えぬ力を前に 
こころ刃に変え挑まむ

守られし者
優しきベールに包まれん

自由の船
今宵の宴に
祝杯をあげ

夜の闇の中
知らずに
静かな眠りにつく

勇者よ
心を闇に置いて
静寂を臨み
風に耳を澄ます

明朝(あした)
人々が目覚めし時
ベールは消え
旭日(きょくじつ)射す

刃と涙を隠して
穏やかな海が広がる

勇者の涙の訳を
朝の優しい光が
そっと人々に教える

優しき光みなぎる船
人々は真実を知り
勇者を讃え
聖なる詩(うた)詠わん



035



*******

Pigion氏の写真「時化の日」を拝見して

薄いベールのような波しぶきがあまりに美しく
タイトルの「時化の日」とはかけ離れた光景・・
これから来るであろう時化から舟を守るため
勇者が優しくベールを広げているイメージで・・



愛・・・小さき者よ

 

Title:「ゆるり」/ work by Harmonie





ちいさな肩をすくめ
前方だけをみつめて
かわいいあの子が
一生懸命
ペダルを踏むよ

右に揺れ 左に揺れ
小さな力を
いっぱいこめて
かわいいあの子が
ペダルを踏むよ

お外は木枯らし
冷たいけれど
優しいその目が見つめてる

だから父さんのところまで
ペダルを踏むよ

幼い心は
夢の続きを覗きます

父さんのお話
大好きなの
あの森のもみの木の
あのくまの坊やは
どうなったの

続きは今夜おやすみ前
いっぱい いっぱい
聞かせてね

お外が夕陽に
染まるころ
優しいその目が
見つめてる 

だから 
父さんのところまで
ペダルを踏むよ


034




********************

クリスマスプレゼントとして
お父様が幼い姉妹のために
手作りされた木のおもちゃ「ゆるり」。

幼子が自分を優しく見つめている父親
のところまでまだ乗り始めたばかりの
三輪車のペダルを一生懸命踏む姿をイメージ。


--製作者Harmonie氏弁--

「ゆるり」の坂道は
お父さんが子供にさしのべた腕です




今宵イブに雪が降る

 

今宵は
クリスマスイブ
夜は雪になるかしら
  
ずっとずっと昔のお話し 

初めて編んだセーターが
椅子の上に置かれてた
やっと午前中に
出来上がったのに
まだ渡せないまま
  
ほんとうは
早く謝りたかった
ごめんね
ただそれだけで
よかった
なのに
外は雪だから
今日は出かけないって
言ってしまった

こんなにも
心が痛い
どうしてなんだろう

自分を責めながら
ひとりぼっち
白い雪が降る
  
音だけが消えた
オペラのように

雪の舞台に
ひとり佇む
マドンナのように
寂しく雪が降る

イブは
聖誕祭へと
時を移し
涙だけが
重く心を覆う

あれから
いくつものイブが
訪れ
過ぎて行ったけど

イブに雪が降ると
きっと
私の心にも 
あの時の雪が
同じだけ積もる

今宵も雪が降るかしら


033


きらきら 

 

photo by Pigion





きらきら
kirakira
きらきら
kirakira
きらきら

光のファンタジー
空いっぱいの星

舞踏会がはじまる
優しいワルツ
空いっぱい
流れるように
大音量で夢を運ぶ

目を閉じて
おもいっきり深呼吸
カラダ中に 
kirakira着けて

見えるでしょ
澄んだ空に
優しい輝き

みんなで踊ろう
優しいワルツ
今夜はクリスマスイブ

kirakira
きらきら
kirakira
きらきら

サンタの踊りも見れる夜




032





***

Pigionさんの写真
「サンタとクリスマス」を目にして


君知る栞(しおり)

 


白く渇いた涙を
本の間にそっと挟む
思い出は 薄紫の栞
思い出は 白い頁(ページ)

あの本の最終章
開きたい心を
見せないように止め
一字ずつ
丹念に拾う

あの時 本の中
咽びそうな心
俯きがちな心
気づかれないように
あなたの言葉だけ
追いかける

下巻の210頁
薄く夕陽に染まる
3行目からの言葉たちが
いっせいに語り出し
堰を切ったようすで
心の中を濡らす

もういいよ
もう我慢しなくても
いっぱい泣いて
いいんだよ


031


 


涙いっぱい
袋に溜めて
高ぁい空から
撒きましょう

撒いた涙は
どうなるの

きらきら輝き
星ぼしの
間すり抜け
落ちるでしょう

姿映して
パノラマに
ひとつぶ
ひとつぶ
光って消える

涙いっぱい
袋に溜めて
高ぁい空から
撒きました

青き光魅せながら
涙が地上へ届くころ
あなたへの悲観(おもい)
静かに消えていくでしょう



030


君住む世界にて

 


photo by Pigion



手のひらに
幸(しあわせ)ひと文字書いてみる
そこは眩い金色(こんじき)の世界

君の幽玄探しつつ
一歩踏み出すところ
遠くの神を畏れ(おそれ)
近くの気配を窺う(うかがう)

不変のものなどないと
その色が教える

手のひらに
幸(しあわせ)ひと文字書いて見る
そこは静寂銀色の世界

君の静寂(しじま)探しつつ
深く踏み出すところ
畏敬は心を捉え
優美は心を包み込む

無になることだと
その色が諭す

フラッシュバックの
ふたつの光景が
目の前に現われては消え
手のひらのひと文字が
君の幸福を願い
祈りに変わる

君住む世界にて





*******

Pigion氏のふたつの鹿の写真
「銀杏の絨毯」と「初雪」
からイメージしました



029

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