チェリスト溝口肇が京都の岩倉実相院で 演奏会をした映像がテレビで流れた。 随分と年をとっていて、 以前の色気がなかった。 ライトのせいかな。 映像だけみると、素人のおじさんが弾いているのかと思った。 現実は残酷。
最近使いたい大人言葉。
「実に」 「実に素晴らしい」とか。 この言葉を使ってしっくりくる人は知的な大人が多い。 私には使いこなせない。 重みがまだまだ伴わない。
あと、「断末魔の苦しみの末」 これもいつか使ってみたい
ボードレールの講義。 情熱のある講義ではないが、フランス詩に触れる時間を 過ごせたのは良かった。 今日痛感したのは、詩はやはり原詩で韻を感じながら 鑑賞するのが一番いいということ。 帰って自分で朗読してみると、日本語で読むよりも 体全体に音と言葉が染み込んでいく。
「バルコニー」という詩でドビュッシーも歌曲を作っているらしい。 ボードレールは夕暮れ、落日を描いた詩が多い。 太陽は西に没し、みそぎをし、海の中で浄化され 清らかな姿で再生し、朝日となる。 太陽の死、浄化、再生の観念はギリシア神話にも書いてある。
落日を描いた作家達。 ドストエフスキー「罪と罰」老母を殺害したのは夕暮れの時間 ゼラニウムの横様にかっとさす西日。
「悪霊」スタブローギンの告白。ゼラニウムの鉢植えに赤い虫が止まり 夕陽が横様にさす。
フロベール「ポヴァーリ夫人」夕陽を描いた印象的場面がたくさんでる。
この落日に着眼して小説を読むのもおもしろい。
「アンジェラ」」を見てきた。 パリの美しい風景と背の高い美女と イスラム系の不運続きの貧しい青年 モノクロの映像がパリへの旅情をかきたてる。 簡単なフランス語が多かったから、 聞き取りもかなりできたので良かった。 リュック・ベッソン監督。 最近は地味にあたりの映画が多い 「リバティーン」「ナイロビの蜂」「アンジェラ」等。
音大に通っている女の子と話してて 「バッハを弾いていると頭の体操になるね」と私。 「いったん暗譜すると、後は体が自然についてくる」と彼女。
ここなんだよね。素人と専門にしている人との違いは。 体が勝手に動く感じはまだ私は経験したことない。
でも、彼女は恋愛経験があまりないから、オペラを歌うときは すべて愛の歌は妄想で、今年の目標は色気をつけることらしい。
料理とセックスは想像力が必要とデュラスは言ったけど、 妄想と想像力は違うのだろうか。
私も常日頃、想像力は必要だと思っている
「ナイロビの蜂」見てきた。 シティ・オブ・ゴットを洗練させたような 社会派と愛情をまぜたいい映画だった。 アフリカの乾いた自然の美しさがストーリーにあって 涙をそそる。 この映画を見ていると、「美しき冒険旅行」を思い出した。 オーストラリアの砂漠地帯を黄泉の国のように 美しく撮った映画。
新聞に、谷崎記念館の館長の インタビューが掲載されていた。
谷崎記念館に行ったとき、以前と違って 俗っぽくなったなという印象だった。 展示物が以前は渡辺千萬子との往復書籍だったのが 改装後、細雪の紙芝居のような展示。
館長曰く、私は谷崎の作品をあまり読んでいません 陰翳礼讃には共感できると最後にとってつけたように 一言。
訪れたときの館長の印象は カルチャークラブのおば様代表って雰囲気だった。
でも、きっと奉仕の精神をもつ人格者なのだろうから あまり悪口をいうのはよそう。
仏検問題集(駿台)を買った。 三省堂より数倍、まとまり、使いやすい。 早く買えばよかった。 そして、6月に向けてのラストスパート。 これから目標3回同じ本を繰り返しする。 ガツガツと勉強すると、不思議と気分転換になり 体の調子がいい。このノルマに追われる感じは 受験生に戻ったよう。
機械的に受験英語だけをしていた高校生の時は、 自分に何も残らなかったが、 フランス語の場合、自分が好きで、映画、小説、芸術、音楽ともに どこかで結ばれ、確実にフランス語、文学が自分の肉体の一部に なってきている。
ピアノレッスン
バッハ フランス組曲1番 アルマンド フランス組曲5番 ジーグ フォーレ 即興曲 3番
バッハの2、3声を聞きながら、演奏するのは 集中力がいる。 フォーレは譜読みの段階。
仏検3級を馬鹿にしていた。 本腰をいれて問題をとくと、前置詞、時制きっちりと 文法をしていないと解けない問題ばかり。 ここ1ヶ月は、読み物は我慢して、試験対策勉強に変更。
ひき続きヴァージニア・ウルフ「灯台へ」。 なぜ彼女の作品を読むか。 映画「マドモアゼル」「灯台守の恋」で灯台の 話がでていて、とても興味深かった。 (どちらもフィリップ・リオレ監督 彼はパリ空港の人々も撮っている。これもいい作品) 暗い海に光るオレンジ色の光を放つ灯台。 閉鎖された世界で働く男達。
それで手にとったのが、ウルフ。
コーンビーフをいれ、キャべツパスタを作る。 オリーブオイルを熱し、ゆっくりにんにくを炒めると 隠れた下味がつきおいしい。 もちもちとした生地の薄焼きのピザと 大根、きゅうり、パセリ、かにサラダ ミディアムボディの赤ワイン(ピノ・ノワール) ニュージランドのワイン。 どこか機械的な味がした。こういうワインはよく 冷やして飲むとおいしいのかもしれない。
とはいいつつ、このメニューだとワインはすすむ。
「ブロークン・フラワーズ」 ジム・ジャームッシュ監督作品 相変わらず力がぬけた感がうまいな。 年老いて、19歳の息子がいるというピンクの手紙が届き 過去の女達に会いに行く。 それぞれ女性たちがあまり綺麗に年をとってなく 現実味がある。 テンションの高いエチオピア人の友人がセレクトしてくれた 怪しげな音楽がビル・マーレイの気がのらない顔に マッチしている。
伊語、仏語と連続でレッスンのある日。 伊語はラジオも覚えることが増えるし、レッスンも 少人数だから確実に覚えていかなければならない。 色々な道を究めるのは、地道な努力が必要だ。 仏語も同じクラスのおじ様と話していて、動詞の活用が苦手だと いったら、トイレの中にまで持っていって 集中して覚えた方がいいと言われた。 ヒアリングは得意だけど、文法になると弱い私。 そのおじ様も最初はもう少し、レベルをおとした方がいいのではと 心の中で思っていたけど、彼は、地道な努力を怠らないので 最近、レベルアップしてきている。 私も負けないようにしないと。 といっても、私のレベルは3級、準2級レベルなので 道のりは長い。。。(6月受験予定)
やっと「ゲルマントの方に」を読了。
いよいよ「ソドムとゴモラ」折り返し地点。
注文している間に「灯台へ」ヴァージニア・ウルフを読もう。
休日は地味に過ごす。 レストランに行ったり、ゆっくり飲んだり。 フランス語、イタリア語の勉強もでき満足。 特にフランス語は「星の王子さま」を じっくり読めて、これからの購読本計画の夢が膨らむ。 今度はモーパッサン短編等、恋愛物を読んでみよう。 よくフランス語参考書で抄訳本がでているけど 本当の作品の良さを知るには、長くても 原作を読まないといけないと思う。 これは、プルースト抄訳本を読んで感じたこと。
読書はプルーストはゲルマントのままで、 あまり進まなかった。
コーヒーのお供にチョコレート菓子ばかり食べていると 爽やかな果物を食べたくなる。
そんな時はマチェドニア。
りんご、キウイ、イチゴを切り、砂糖を適量いれて 後は家にあるリキュールを大さじ2程かけて、 レモンのしぼり汁をいれて混ぜるだけ。 リキュールはブランデーでもウイスキーでも何でもいい。 果汁とリキュールが混ざり おいしい蜜ができるので、30分程おくのがベター。
台所いっぱいにレモンの香りが広がる。
ワインを飲んだ後、この果物達を食べると、 酔い心地がいい。
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