りえるの日記

2005年10月31日(月) 日蝕

「日蝕」平野啓一郎読了。
この作品は、平野氏が生きてきた中で、自分の好きな世界を
凝縮したような作品。
耽美、頽廃、三島、鏡花、乱歩、ボードレール。
全ての単語と人物、作品が線で結ばれる。
読了後は、様々な耽美派、悪魔的、退廃的な作品を読みたい欲望に
かられる。知識欲もそそられる。
谷崎ラビリンス読んだ後、平野作品を読みあさっていこうかな。
「葬送」「一月物語」と。

単語が難しいという感想を言っている人たちは、
おそらく、文学、芸術に深く慣れ親しんでいない人なんだと思った。
塩野七生との対談は、彼女の本に平野氏の「日蝕」の感想を書いたのが
きっかけらしい。
平野氏は厳しい塩野さんのおめがねにかかる知識の持ち主なんだろう。



2005年10月28日(金) 欲望

伊丹十三のエッセーを購入のついでに
フラフラと本を物色。
平野啓一郎「日蝕」「葬送」
少し読んでみると、どちらも私好みの文章。
さらに、葬送はボードレールの引用から始まる。
平野氏もボードレール好きらしい。

あと、内田百�里凌鑄�集を2冊。

レ・ミゼラブルを読み終わって早く読みたい。
谷崎の「潤一郎ラビリンス」も控えている

クロード・ルルーシュ「遠い日の家族」
1日でみられないから、途切れ途切れでみる。
ラフマニノフピアノ協奏曲2番をバックに家族の話が始まる
せつない映像に音楽。これだけでいい。

どうして本を読み、映画をみるか。
小池真理子が本を読むということは
「読まずにはいられない欲望」と言っていた。

読まずににはいられない。
動かないと死んじゃう動物のよう



2005年10月22日(土) 密やかな楽しみ

フランス映画で好きなシーン。
シンプルなセーターの下に美しい下着があらわれる。
なんとも艶やかで、女性唯一の特権だ。
見えない部分の一つ一つの手間が、日常の所作を
作り上げていくのだろう。
綺麗な下着が欲しいと、友達に話すと
「誰にみせるの?」と聞かれる。
誰かの為であるかもしれないが、自分を盛り上げる為でもある。
美しいベールに身を包んでいるだけで、
自然と姿勢も伸び、指先まで女を感じられる密やかな楽しみ。




2005年10月18日(火) 帰国後

帰国後、時差ボケもなく、いつもの生活に。
まだ仕事も休みをもらっているから、映画に。
旅行記は暇をみつけて更新していこう。

「ふたりの5つの別れ道」
フランソワ・オゾン監督

「まぼろし」「8人の女たち」に比べると劣る作品だ。
しかし、フランソワ・オゾンの表現する女性像はセクシーだ。
女優たちが彼に撮ってほしいというのも分かる。
マリオンのあどけない若い頃。結婚に疲れ果てた表情。
ドレスアップした姿。どれも魅力的だ。

「ヴェラ・ドレイク」
マイク・リー監督
主演のイメルダ・スタウントンは市原悦子風
演じあげる。
堕胎を禁じられている当時、人助けの為、無償で
堕胎をしていた女性。無垢さが痛々しい。
マイク・リー監督の作品特有の労働者階級の報われない切なさ。
彼の映画を見ていると、いつも、どんより心に雲が現れる。





2005年10月12日(水) リヨン

アビニヨンを早朝に出発

タクシーで駅まで。
今回はTGVではなく急行列車。
2000円を節約して急行列車に乗るが、乗り心地はTGVの方がいい

リヨン駅到着。
駅近くのホテルに荷物を置き、市内観光へ。

ソーヌ川とローヌ川にはさまれた町の中心
ベルクール広場へ。旧市街の中心にあるサンジャン教会。
ルイ9世が葬られている。
教会の中にはイタリアからの学生たちが見学をしていた。
皆デジカメを持ち、はしゃいで、おのおの写真をとる姿は
あまり好ましくない。何にも考えてない顔をしている。

ケーブルカー乗り場まで歩いていく。
ケーブルカーにはジブシー風の家族づれに会う。
子供達は異様にはしゃぎ、父親らしい男性の足をみると
かかとが乾燥しきてかさかさで割れている。
爪も伸び放題。子供のはしゃぎ様が貧しさの哀れみを増す。

フルヴィエール丘に立つフルヴィエール寺院。
光がふりそそぐ美しいステンドグラス。

丘の上を散策し、近くの駅に乗ろうとすると、工事で閉まっていた。
仕方なく、丘からてくてくと旧市街まで歩く。
お腹もすき、持参のりんごをかじる。
甘酸っぱさが少し疲れをとってくれる。

お目当てのレストランに行く。
Les ENFANTS TERRIBLES
ランチを過ぎた時間なので、人もまばら
何とか間に合った。
コースで頼むと、多いとおもい、アラカルトで注文する
アンチョビソースのグラタン、牛肉のタルタルステーキ
この牛肉はCRUという調理方法を選ぶと日本のユッケのような代物が
でてきた。量もかなり多い。Cruは生という意味。ほんとに生。
隣の人のメニューをみるとコースで頼んでいるようだ。
結局、おいしいそうなコース料理の魅力に負け、1人前のコースを
頼み、二人でシェアする旨伝える。

料理のおいしさもさることながら、私は隣の席に座っている
カップルが気になる
昼下がりの3時に、かるく前菜を頼み
グラスワインを片手に見つめあい、ゆっくりと食べる。
ほとんど、言葉を発していないのに、
目と目で艶かしく会話をしている。

やはり、フランスはAMOURの国。
男と女 un homme et une famme






2005年10月11日(火) 強行軍(アルル、レ・ボー)

レ・ボー、ポン・デュー・ガールのオプショナルツアー。
午前中だけのコンパクトなコース。50ユーロ

ホテル前にガイドの車到着。
若いフランス人女性だ。3人で出発。
彼女はフランス語しか話せないらしい。
簡単なフランス語で時々ガイドをしてくれる。
彼女に日本をよく知っているかと聞くと、
「全然」「東京と神戸ぐらいなら名前は分かる」と。
日本の知名度もそんなものなのか。

車窓の景色を眺める。
背の低いぶどう畑が広がる。
ポン・デュ・ガールはニームとアビニヨンの中間にあたり
緑深い谷を流れるガルドン川に巨大な石の橋がかかっている。
以前は一番上の細い道も歩けたらしいが、10数年前から禁止されている。
橋の脇の森の小道を歩く。木々の隙間に小鳥たちがさえずる。
小さな木の実を食べ、可愛らしい鳴き声。
橋よりも、この小鳥の愛らしさに心を奪われる。
景色の瞬間の映像。

30分程散策し、車に帰る。
彼女は小説を読みながら待っていた。

さあ、次はレ・ボーだ。

アルルとサン・レミ・プロヴァンスの間、そびえ立つ白い岩山の難攻不落の 城塞。
ごつごつとした白い広大な岩山。
ダンテ「地獄門」のモチーフにもなっている。
石畳を一歩、一歩踏みしめながら、街を歩く。
吹き付ける冷たい風とどんよりと曇った天気がもの哀しい尊厳さを
彩る。
ギロチン、石を投げつける大砲が殺風景な草むらに飾ってある。
ふと下を見ると、小さな小学校がある。
無邪気な子供たちが校庭で遊んでいる。
上の世界では時間が止まり、すぐ近くの下界ではいつもの日常が
規則的に行われている。

廃墟の街をあとに、アビニヨンに戻る。

午後からはアルル。
列車の時間まで1時間程あるので、長距離バスを探す。
バスの運転手さんに乗り場を聞くと、道路の向かいにすぐあった。
入り口にENTREEとかいてある。
一歩足を踏み入れると悪の洞窟のように真っ暗だ。
これは怖い。ベニス行き等、色々なバスが止まっているが
この乗り場に足を踏み入れる勇気はないので、列車にする。

アルル駅に到着する。田舎の駅周辺はだいだいガラが悪い。
チンピラ風の男性に大声でからかわれながら、アルル中心街に進む。
これも街への道の洗礼か。

闘技場近くのホテルレストランで
フランス料理のビュフェ。
安くて、おいしい。牛肉の赤ワイン煮、キッシュ、チーズ
様々な惣菜。ホテルのウェイトレスが妙に愛想がいい。
レストランの壁には、闘牛士の写真が飾られてある。
闘牛(コリーダ)。本物の闘牛風景を一度見たい。

サン・トロフィーム教会
ロマネスクの教会。回廊の美しさ。
回廊に迎え入れてもらいたいがために、立ち寄る。
石の冷たさに立ち込める静謐さ。かつての修道士達が瞑想の時間を過ごした道を私も一緒に踏みしめる。柱の彫刻も素晴らしい。

近くのエス・パス・ゴッホとカフェにも行く。

暗くならないうちにアルル駅に戻る。
列車は1時間後だ。切符を買って、待合所で切符を買う人々を眺める。
アルル駅の駅員さんは親切だ。表情豊かに話をする。
残念な顔、喜んだ顔、最後は握手で終わる場合もある。
見ていてあきない。

夕食は近くのスーパーでチーズ、クラッカー等を買う。

ホテルで明日のタクシーを予約をし、ひと安心。

ハードな旅路なので、9時頃には寝てしまう。








2005年10月10日(月) アヴィニヨン

フランス旅行 3日目

ニースからアヴィニヨンまでTGV
列車の故障の為、50分遅れる。
列車の中では、ユゴーの「レ・ミゼラブル」を読む。
TGVの座席は広く心地いい。
心地よすぎるのか隣のおばさんは、いびきをかいて寝ている。
車窓からは、遠くにマルセイユの街。
丘の上にあるノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂が見える。
このマルセイユのバジリカ聖堂を見ると、いつも
「マルセルの夏」を思い出す。
乾燥した土地の土埃と、ギラギラ光る眩しい太陽。
一緒に歩く若くて美しい母とマルセル。
その太陽を見上げると、幼い頃のノスタルジーに逆戻りする。

2時頃、大幅に遅れ、アビニヨンに到着。
暑い。
バスでHOTEL de l’HORLOGE 
2泊する。
フロントのおじさんは、スペイン系。
フランス語の発音が独特で聞き取りにくい。
ホテルは改装され、アロマの香りが広がり
洗面、お風呂も新しい。コンパクトで綺麗なホテル。

法王庁宮殿に徒歩で行く。大きい。
アビニヨンは2回目だが、印象は同じ。
茶色でかつての栄華の残骸とでもいうのだろうか。
鄙びた田舎街だ。

法王庁の後、ローヌ川まで歩き、サン・ベネゼ橋。

その後、明日行く、レ・ボーとポン・デ。ギャールの行き方を
インフォーメーションに聞きに行く。
窓口のお兄さんは、人の良さそうな方で、ゆっくりとした
フランス語で話してくれる。
午前中50ユーロの2コース回るコースを予約する。

歩き疲れ、夕食のレストランを探しに行く。
ホテルの隣のレストランに決める。
11ユーロのコースで前菜、メイン、デザート。
前菜はテリーヌ。メインは白身魚のクリーム煮。
ワインはコテ・ド・ローヌのフルボトルを注文。
量が多くて、ワインを少し残してしまう。
近くにアメリカ人団体客がいた。
彼らは、ほとんどが太り、顔を紅潮させ、話に夢中だ。

ワインのせいか、ホテルのベットでうたた寝してしまう。
明日からはワインを控えよう。







2005年10月08日(土) フランス旅行(ニース)

3年ぶりのフランス旅行

今回の目的は、ロダン美術館と中世美術館
そして、フランス語試しの旅。

ルフトハンザ航空にて。
ルフトハンザは飛行機が新しく、快適だった。
トイレも地下にまとめて6つ程あり、後ろを気にせず
ゆっくりと使用できる。食事も素朴でいい。

時差ボケはほとんどなく、ニースに到着

ALBERT PREMIER HOTEL 泊

ニースに到着後、バスでホテル近くのバス停で降りる。
海沿いのホテルで可愛らしいホテルなのだろうと期待は膨らむ。
ホテルの紹介文では、クラシックな内装と書いてあった。
まず、足を踏み入れると、「こんにちは」の声。
民宿風ホテル。
ボーダーTシャツ姿のフロントのアジア系のおばさんは、
日本のオバチャン風。
着くと、フランス語で容赦なく説明をうける。
頭をフランス語に置き換えるのに、数分かかる。
無事、部屋に入ると、少し汚い。クラッシクとは便利な言葉だ。
部屋の多少の汚さもすぐ慣れて、ぐっすり眠れた。

ホテルのアメリカンブレックファーストを食べ、
エズに。
ニースの長距離バスターミナルからエズに。
バス停が分かりにくく、婦人警官に聞き、バス停発見。
ニースの街は聖人のお祭りらしく、賑わっていた。
ここで大失敗。時間を1時間間違えていた。
サマータイムで1時間早いのだ。うっかり、バスに乗り過ごすところだった。
BEAU SOLEIL 行きに乗る。美しい太陽。いい名称だ。
バスで20分ほどで到着。
穏やかな海と街並み。エズの庭園はサボテンが可愛らしい。
天気がよければ、コルシカ島もみえるらしい。
エズ散策は、午前中で終わり、
ニース山側のマチス美術館に。
ニースの街はバスの行き先さえ分かれば1日で充分ゆっくり楽しめる。
マチス美術館は思ったより、こじんまりとした美術館。
美術館前に広がる公園でゆっくり散策している人たちを眺める。

お腹もすいてきたので、ニースの街に戻る。
日曜なので、残念ながら行きたいレストランは休みだ。
カフェに座り、グラスワイン、ニース風サラダとサンドイッチを食べる
サンドイッチはポテト、チーズ、サワークリーム、ハム。
ハムはフランス語でjambom これは以前、フランス旅行で分からなかった
単語だから覚えている。

ニースのプロムナードサングレは老人が多い。
穏やかな海は老人を惹きつけるのだろうか。
海を見ながらベンチに座っていると、浮浪者の人に絡まれる。
ジェラードを食べていると、彼は前に立ち、何だか分からない言葉で
話続け、最後に「ポルノグラフィー!」と捨てゼリフを言って立ち去った。
卑猥なことを言っていたのだろうか。笑える。

砂浜には変な動きをして一人佇む、数名のおじさんが面白い。
一人は海にずっと立ち続けているおじさん。
もう一人は、釣りをしつつ、プンプンしてるおじさん。
手をバタバタさせながら、駄々をこねる子供のように体全体で怒っていた。

翌朝、早起きしてニースの市場に。
ガラクタが丁寧に並べてある。
シャンデリア。いったい誰が買うのだろう。

バスでニースの駅に何とか到着。
何人もバスの運転手に行き先を聞く。

明日はアビニヨンだ。














2005年10月07日(金) 夜

「夜が壁のように厚みをましていく」

ボードレール「バルコニー」より抜粋

いい表現。思わずカーテンを開けて
幾重にも重なる漆黒の夜空を見上げたくなる。

ボードレール「悪の華」の解説を読んでいると、

「エピローグ」の草稿の最後の一行は、
パリという近代の大都会に呼びかけて

 おまえは私に泥をくれたが、私はそれを黄金にした

と叫んでいる。
近代の泥沼に伸び上がって咲いた黄金の花々の一つ一つが
どれほどのかげりと、どれほどの美しさを宿していたかそれを
読み取り、語り伝えるのは、今度は私たちの番である」

「悪の華」の訳はフランス文学者安藤元雄氏の作品も
素晴らしいと聞いたので、購入。
噂どおり、心根に響いてくる。



2005年10月05日(水) ヤンセン

ホルスト・ヤンソン展行ってきた。
図録も購入。でも、これは平凡社からでいてる画集。
扱われてる本が少ないのだろう。
エロティシズムの世界がいい。
「フュリス」全篇にわたる一人の若い娘の解剖図。
この画集が欲しい。またもや絶版。
葛飾北斎の浮世絵、春画に魅せられたらしい。
日本画は、未開拓分野なので、これを機に
浮世絵や春画にも手を伸ばしてみよう。
泉鏡花、谷崎が好きだったら、日本画の湿気のある艶やかな
エロスも堪能したくなるね。
いつかは、通り過ぎる道なんだと思った。



2005年10月02日(日) 引き続き

「ルパン」を見た。
中途半端な映画。
大人のウィットにとんだ華麗なる盗みとセリフを見られるかと
思ったら、イマイチ。
少し上等なマジシャン止まり。

「シンデレラマン」を見た方が良かったかな。

「レ・ミゼラブル」引き続き、おもしろい。
ストーリーよりもユゴーの語りがいい。
狂信的な修道院話、乞食の少年、
フランス社会、風俗等。

「文学的パリガイド」鹿島氏によると
「ユゴーは奔放な父から絶倫の性欲を受け継ぐ一方で
厳しい母親に育てられた為、結婚するまで激しい欲望を抑えとおした。
結婚後、激しい性欲に妻には疎んじられる。
そして、自分の性欲、金銭欲、名声欲の大きさに悩み
自分は途方もない怪物なのではないかと悩んでいた。」

狂おしい欲のエネルギーを小説の語りにこめられているのかと思うと
また興味がそそられる。

「ノートルダム・ド・パリ」この作品も読みたくなった。




 < 過去  INDEX  未来 >


りえる [MAIL]

My追加