りえるの日記

2005年02月28日(月) ラ・トゥール

フォーレノクターンをメトロノームを使って練習してみる。
なんと、自分がいい加減に弾いていたか分かる。
アンサンブルのお蔭で、逃げていたテンポ感に
目を向けることができた。
何でも、小さなきっかけで、気持ちが変化する。

芸術新潮3月号 購入。

ラ・トゥールの蝋燭の光に惹きつけられた。
マグダラのマリアが持つ骸骨も気になる。
盲目のヴィエル弾き。
表情がリアル。

蚤をとる女。
庶民の生活が垣間見られておもしろい。
16世紀後半から、「蚤の文学」が流行したらしい。
男が蚤に変身して女性の体を噛んだりする。

トランプをしている女性のギョロ目も怖い。

闇の中の小さなオレンジ色の光に映し出される
人間の肌が艶かしい。

アリアニコ種のワインを飲む
濃厚な味。
bioワインに似てるかな。
香りは少ないが、やはり好み。

VILLA MATILDE
FALERNO
DEL MASSAICO 2001

少し若いワインだから酸味を感じるかもしれないと
言われたが、あまり問題なかった。







2005年02月27日(日) リズム感のなさ

友達とフォーレチェロソナタ2番第2楽章、エレジーを初めてあわした。
1回目。全然チェロの音を聴かず、独りよがりなテンポ感。
リズムが違うと言われ、だんだん自信がなくなってくる。
ピアノはいつも一人で弾くから、勝手気ままで、マイペース。
性格をあらわすのか。
もう一度メトロノームを使って、リズムを刻む練習からだ。

ゲーテ「ウェルテルの悩み」読み始める。
岩波文庫は、時々挿絵があり、楽しい。
「ドンキホーテ」のドレの挿絵が一番のお気に入り。




2005年02月23日(水) I know who you are

収穫の日。

映画2本見る。
「マシニスト」

ただ眠られない男性の話かと思い、期待薄で行ったが、
パズルのように出来事が重なり、迷宮の中に入り込む。
なぜだなぜだと思っているうちに、見終わった。
「I know who you are」の意味が哀しみを増す。

「ブエノスアイレスの夜」
ガエル・ガルシア。可愛いな。
ちょっと足短いけど。
エロティックな読書シーン。激しい絡みの描写より、
純粋な恋愛を朗読する方が、甘美でエロティックだった。
効果音がベタな音が入っているのが気になる。
少し、ストーリーが唐突すぎるかな。

今日の、最大の収穫は、
モーパッサン。
あまりにも有名すぎて通り過ぎていた。
短編全編にわたる、悲しみと、切なさと。
1作品ごとに涙がじわりとわいてくる。

その作品の中でも今日のお気に入り。
「メヌエット」

「ある種の出会い、ふと垣間見られただけでそれと察しられた事柄
ひそやかな悲しみ、ある種の運命のいたずら、といったものは
ぼくらの胸のうちにつらい思いを果てしなくもなくかきたて、
心の痛みの神秘の扉を不意のぼくらの眼前にあけてみせるのだ。

こういう心の痛みは、魂のなかに悲哀の痕跡のようなもの、
苦い後味、幻滅の思いを残し、いつまでも忘れられないものなんだな。」

青年がリュクサンブル公園でお気に入りの小さな花壇で出会った老人。
老人は、誰もいない花壇で軽やかにバレエのステップをふんだ。
若い頃の栄華、愛が小さな花壇の前でくりひろげられる。
最後のダンスは、当時の花形バレエダンサーの老女と老人。
ささやかな舞台にみられるちりゆく桜の花のような悲哀。

モーパッサン。いくつもの切ない物語。





2005年02月19日(土) 日経記事抜粋

日経で面白い記事があった。

「宗教色を強める米国と弱める欧州。

ブッシュ大統領は、演説に「神」「創造主」
「選ばれた民」といった宗教色の強い言葉を使う。
全米では、キリスト教徒のうち52%週にに一度教会に通う。

欧州では、「宗教離れ」が加速する。
シラク大統領は演説を
「フランス万歳。共和国万歳」で締めくくる
ブレア首相もイラク開戦演説を「神の祝福を」と結ぼうとしたところ
側近にとめられ「サンキュー」で終えた。

フランスは昨年9月、公教育の場から宗教色を排除する法律を施行。
イスラム教徒の女性が巻くスカーフ。ユダヤ教徒の帽子キッパ等。
キリスト教の十字架も「公然と」禁じた。
フランスの政教分離は伝統的にカトリック教会の力をそそぐことに
狙いがある。
キリスト教と距離を置くことは、米国の単独行動主義に対抗し
「多極的世界」の構築をうたうシラク大統領の外交戦略にもかなう。

イラク戦争で表面化した米欧対立の底流には宗教に対する
ベクトルの違いがみえる。」

日本で宗教は、大部分の人にとって重要な存在ではないが
米欧州にとっては、全世界をゆるがす発言にもなりかねない
思想。
ブッシュを批判するために、キリスト教と距離を置くシラク。
政治の思惑が錯綜して面白い。

スカート衝動買い。
白の長めのスカート。風になびく姿を想像して。

(今日のメニュー)
ひらめとフルーツサラダ
揚げ肉のだんご
ミニカレーライス

初めて作るメニュー。
ボルドーのいいワインがあるのでそれを飲むために作る
フルーツサラダは、食感のハーモニが絶妙
様々な野菜の千切りに揚げたカシューナッツをかけ
その上にヒラメとマンゴー、キウイをのせ、
レモンを絞り、ゴマ油、サラダ油、しょうゆをかける。
マンゴーの甘さが絶品。
揚げ肉団子は豚肉のひき肉。とても簡単でおいしい。
たっぷりの白ねぎ、しょうがのみじん切りをまぜて
だんごにして、揚げるだけ。

最後に生チョコでワインをじっくり味わう。

CHATEAUX BALESTARD
BORDEAUX
1998

開けた瞬間甘いいい香りがする
飲んでみると、少し、渋みがきつい。
香りと味のギャップが少しある。
今日の肉団子が塩気があったので、
これくらいの渋みのあるワインが丁度よかった。









2005年02月18日(金) アリアニコ種

好きな音。
映画館を出て、日も暮れて
薄明かりの街灯にともされながら
傘にあたる雨の音。

ピアノのレッスン。
シューベルトソナタ。
右手のメロディーを聴かず、またもや
次回に持ち越し。
2楽章も、3拍のリズムをあせってしまい
いびつな音楽だといわれる。
テンポ感をしっかりつかむため、これも次回に持ち越し。

フォーレノクターンも右手のメロディーを
ぶつぎりにしないように。
その前に譜読みをもっときちんとしなければ。

チェロソナタ伴奏練習もできる日に夜11時から始め
1時間程。
ほんと、分刻み。
合間に本を読み、仕事に行き、フランス語を勉強し
時々、何に急いでこんなに頑張っているのだろうかと
思うこともある。

いつのまにか、動いていないと弱ってしまう動物になって
しまった。

レッスン後、ワインを買いに。
今日は、イタリアのアリアニコ種を探しに行く。
ご主人に聞くと、打てば響くように
アリアニコ種の説明が始まる。
イタリアワインは華やかで軽やかなイメージだったが
アリアニコを飲むと、どっしりと非常にバランスの
とれた上質のワインだった。

今日の収穫は貴腐ワインのような味わいの白ワイン。
ご主人のおすすめ。
ゆっくりとチョコを食べながら、夜にじっくり
飲んでほしいとのこと。

1時間ほど、購入したワイン、シャンパンの説明を
楽しく聞く。
先生と生徒の関係のようだ。

時には、高めのワインやシャンパンを買って
本物の味を試してみたい。
あるレベルのラインを超える、ワイン、シャンパンになると
個性が強く、フルーツぐらいで飲むのがおいしいらしい。
栓をあけて、どんどん味も変わるから、
2,3人でゆっくりその味のうつろいを楽しむ。

なんと贅沢なひと時なのだろう。






2005年02月16日(水) 赤いアモーレ

今日は、飲み会だったのに延期になり
急遽、「赤いアモーレ」を見に行く。
エリート外科医が、貧しい女性に恋をする話。
恋といえば、聞こえはいいが、最初はレイプまがいの
欲望から始まる
人間の抑えきれない欲望、無防備で残酷で
そんな男性の狡さが伝わる。
ざらざらとしたいい映画。

今年は、念願のフランス旅行に行くことになった。
以前、一緒に旅した友達と。
彼女は、フランス語を話せないので、
フルに私のフランス語を試せる。楽しみ。
10月あたりに行こうと思っているので
まだまだ先だが、それまでにフランス語も上達しているかな。
以前行った、街角のレストランの気さくなご主人に
もう一度会いたい。
片言のフランス語で料理の種類が分からないと言ったら
厨房まで案内してくれたり、隣のテーブルの人の料理を
味見させてくれたりと、とても親切だった。
これから、ゆっくり計画を練っていこう。



2005年02月15日(火)

ちょっとした空き時間にカフェにいると
色々な人間模様を観察できる。
本を取り出すと、前に座っていた
学問やっています風の女性。
隣の20代前半の男性に、話かけていた。
二人の共通点は医者と医学生。
放射線がどうとか、そういう話をしていた。
彼女の声が、いかつい。
もしも、彼女の声が柔らかなトーンだったら
医学生との恋も芽生えるかもしれない。
声は大切なのだ。
もう一つは、穏やかな空気の流れ。
何も話をしなくても漂う色気。
この空気を二人でかもし出せたら、素敵だ。

「ボン・ボヤージュ」
 イザベル・アジャーニ主演
 ストレートな分かりやすい話だった。 
 時には、こういう何も考えない映画もいいな。
 アジャーニの体は意外にがっしりしている。

「ビフォア・サンセット」
 巴里を舞台にした映画。
 9年前であった男女が、巴里の街を歩きながら
 話し続ける。
 ジュリー・デルビーが語りすぎた。
 9年のブランクで高揚する気持ちは分かる。
 イーサン・ホークはえらい!
 あんな一方的な話を絶妙な相槌でかえしていた。
 辛抱強く、人の話を聞いてくれる人は少ない。
 貴重な存在。

明日の飲み会が中止になったので、
ワインを買って帰る。
近くのスーパーで、ニュージランドのピノ・ノワール種を。
ライトボディ風で水のように飲める。
あっという間に半分あけてしまう。危ない、危ない。


 
   




2005年02月13日(日) 本まとめ買い

読む本が少なくなってきたので、本をまとめ買い。

長編をじっくり読みたいと思う。
手にとってみたのは、
ディケンズ「ディヴィット・コパフィ−ルド」
数ページ読むと、面白そう。

「ディケンズ短編集」
「モーパッサン短編選」
「ゴリオ爺さん」バルザック
「若きウェルテルの悩み」ゲーテ
「押絵と旅する男」第5巻 江戸川乱歩

早く読みすすめたい。楽しみだ。

昨日は、久しぶりにゆっくり寝たので、爽快。
ピアノをたっぷり練習しよう。
ポーも読了できればいいな。





2005年02月12日(土) あれっ?

もしかして、認めたくないけど、お酒弱くなった?

歩いて数分の近くのイタリアンに食事に
海の幸のソテー
白身魚のフリッター
様々なパン。オリーブの実
舌ビラメの牡蠣のバターソース煮

だんだん、酔いがまわってくる
スプマンテ、シチリアの赤ワインと
量としてはいつもとかわらないが、舌がまわらなくなってくる

デザートのりんごのソテーとアイスクリームおいしかった。

3連休は楽しいな。
明日も明後日もある

いつもの化粧品で、アイシャドーと口紅を買う
春らしいピンクで少し、華やぐ。
頬紅をコーラルピンクか桜色のピンクにするか迷う。
コーラルオレンジを持っているから
気分転換にピンクを買ってみようかな。
ブラシの一筆で顔の雰囲気が変わるから楽しい



2005年02月09日(水) 巴里の恋愛協奏曲

今日は、お休み。
午前中に家の用事をすます。
ピアノの練習も1時間程。

お昼に友達に会い、その後映画に。
「巴里の恋愛協奏曲」
きらびやかな衣装とミュージカル仕立てに酔いしれようと思い
楽しみにしていた映画。
ところが、これが退屈で、退屈で。
展開が生ぬるい。
ストレートなミュージカルは嫌いじゃないのに。
2時間、長かった。
待ち時間の間、ゆっくり読書できたことが収穫か。

映画ははずれも多々あるが、
週1本は劇場で見ないと、どうも体の調子が悪い。
これも依存症の一つなのだろうか。



2005年02月08日(火) 恍惚

仕事帰り映画へ。
その前にラテを飲む。
カフェの男の子、感じがよかった。
笑顔がいい。

「恍惚」
この題名だけでも、何かありそう。
ファニー・アルダン、エマニュエル・ベアール出演。
大人の色香を味わえる予感。
期待が多きすぎて、イマイチだった。
アルダンは、相変わらず、ギリシャ彫刻のような美しさ。

映画のタイトルは、重要だと思った。
「恋の落ちる確率」「恍惚」の二つのタイトルを
みてどちらを選ぶかといえば、私は「恍惚」
イマジネーションがそそられる。

ポー全集4巻
「黄金虫」読み始める。



2005年02月06日(日) 恋に落ちる確率

フランス語。
少し重い気持ちで教室に入ったが、
クラスメイトの大学生の明るいテンションに
心が少し軽くなる。
テストで徹夜明けとは思えないほどの喋りだ。

夜、レイトショーを見る。

「恋におちる確率」

予告から映像が気になる映画。
美しい女性に会い、アレックスの世界が迷宮の中に迷い込む。
アイメ役の女性マリア・ボネヴィーが美しい。
黒のロングコートに細長い白のスカーフ
白のロングブーツ。黒のコートのアクセントとなる。
透けるような白い肌、金髪の髪、長い睫、深い赤の唇。
彼女をみているだけで心地いい。

好きなセリフもたくさんあった。(少しうろ覚え)

「彼は岐路にたち、赤い糸を見失う」

「彼女を疑い、背を向け、振り向くと彼女はいない」

「愛していたということを覚えておいて」

映像の美の吐息をもう一度映画館で味わいたい映画

乱歩「吸血鬼」

読了。
ストレートな意味での吸血鬼ではない。
最後の最後まで執拗に復讐する
情欲の怨念。













2005年02月05日(土)

愛と自分の必要性を感じられない1日



2005年02月02日(水) ギャロ

乱歩「魔術師」読了
美しい婦人。湖畔での明智との会話。
美しい人は、絵になる。
美しさの裏側に潜む悪魔。
どくろを巻く蛇。血みどろの世界。
ここでもポーの作品を参考にしたとのこと。
乱歩はおもしろいが、硬質さはポーが上手。

明日は、「吸血鬼」

このワインはおいしかった。
CHATEAU CAMENSAC
1999 HAUT MEDOC Grand VIN DE BORDUAUX

いつもの酒屋さんでのお勧めワイン。
いいワインは香りが上品。
コルクを開けた瞬間、香りに酔う。
酔いも、ほんのり、じわじわと心地いい。

今週、ピアノ練習会でシューベルトソナタを練習するが、
弾くと退屈。
多分、心はフォーレにあるからだろう。

ヴィンセント・ギャロ「ブラウンバニー」のサントラを
朝、聴きたくなる。

He came from the sunset 
He came from the sea
He came from sorrow

真っ白な砂漠を直線状に走るギャロが目に浮かぶ




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