雑記目録
高良真常



 ビッグ・フィッシュ (映)

ビッグ・フィッシュ



   君が大きすぎるんじゃない。
   この町が小さすぎるんだ。



ホラ話のような自分の人生の話を、ずっと息子に語って聞かせる父親。
幼い頃は無邪気に信じていた息子も、大きくなるにつれ、そんな父が信用できなくなる。
父が嫌いなわけではない。ただ、嘘ではない、父の本当の人生を聞かせてほしかった。
何年も経ち、病に冒される父の元へ、久方ぶりに帰ってきた息子は、「作り話じゃない、本当の父さんの話を聞かせて欲しいんだ」と訴えるが、父は「これは本当の話だ」と、やっぱり出鱈目な話を語って聞かせる。
あまつさえ、「俺は自分の死に方を知っている。こんなことでは死なない。皆が驚くような死に方で、笑いながらこの世を去るんだ」と言う。
父に残された時間は少ない。息子は、自分から、父に語り聞かされた記憶を手がかりに、本当の『父』という欠片を拾い集めるが……。


ストーリーが二段構成になっていて、父のとんでもない『人生』と、現実の世界とが交差して進んでいく展開になっています。
きらびやかに、ファンタスティックに進む父の人生の映像と、ひたすら地味に進んでいく現実の映像。
そして、息のつまるような喜劇的で切ないラスト。
一人の男の人生と、彼の恋人と、彼の家族の物語。


初めてこれを見たのは、王の帰還を観た時の予告でした。
監督ティム・バートンということで、「おっ?」と思って注目したのですが、シザーハンズやナイトメア・ビフォア・クリスマスとは一風変わって、どちらかといえば幻想的な画面に、何だか珍しく思ったものです。
それで、映画は滅多に観ないのですが、これは観に行きました。
そして、鼻水が出るほど泣きました。
幸せで、切なくて、突き抜ける青空のように清々しい話でした。
すっごくオススメです。

最後に、とても印象に残ったこの文を。


――そして、幸せだけが残っていった。














2004年11月12日(金)



 ジュマンジ (映)

ジュマンジ




工事現場から、古いゲーム盤「ジュマンジ」を見つけたアラン。ガールフレンドとゲームを始めるが、アランは自分が出したサイコロの目の結果どおり、ゲーム盤のなかのジャングルへと吸い込まれてしまった…!
それから何年もの月日が流れ……。
今や売家となっていたアランの家に、二人の姉弟と姉弟の保護者である叔母が越して来た。
家の中を歩き回るうちに、姉弟はあるものを見つける。
それこそは、あの不思議なゲーム「ジュマンジ」で……!?



♪ジュマンジ〜 のテーマソングが頭から離れなくなる映画です(笑)。
勧めたコマに書かれていることが実際に起こってしまうという謎のゲーム、ジュマンジ。
ジュマンジを動かしてしまうと、もうそのゲームからは抜け出せない。抜け出すにはただひとつ、「上がる」ことで……。
途中で止めてしまった二人のゲームを、姉弟が再び動かすことで、止まっていた二人の時間も再び交差することになる。
とにかく画面の迫力、コマの文字の無茶苦茶を実際実行してしまう破天荒なアクション、それに、アランや姉弟を囲む家族の、ほろりとする絆の話もあり……。
一人で見ても、恋人と見ても、家族と見ても楽しめる、そんな一作です。














2004年11月10日(水)
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