2006年02月27日(月) |
You just gotta call on me |
ありがたいお客様が来て、3人(最初は5人)で22時から7時まで飲んでくださった。別にもう一人呼びつけ、こちらも朝までいた。私にも豪勢におごってくださったので、3人連れの支払い額は、普段のCROSS ROADの一日の売上げより多かった。
「もう一人」のほうも、私におごったりしたので払いがまあまあいったのだが。何と後から聞いたら、その金額が月収の1/10だって。しかし周りは、「Bunny様がお前みたいな奴の相手してくれるんだから、有り金置いていけ! どうせお前に口きいてくれる女なんて、コンビニの店員とオカンだけだろう!!」とたきつける。
この可哀想な子は、周りの圧力で、いつでも私が電話一本すれば、私の自宅までコーヒーなどの差入れをすることを約束させられていた。・・・そのうち試そうかなw
そしてその「圧力をかけた側」が、以前私に言ったこと。いつでも私が「困ってるの」って電話一本すれば、理由は聞かず20分以内に300万円用意してみせるって。貸すんじゃなく、くれるんだってさ。(彼の連れは3時間で50万円ならって言ってた)
いざとなったら3時間20分で350万円か〜。
・・・困ってみようかな?w
You just gotta call on me (電話一本すればいい) *All I've Got to Do / The Beatles (1963) の歌詞。
2006年02月25日(土) |
サイケデリックなコーディネーション |
ニルヴァーナUKのCD「All Of Us」が届く。1967年デビューのイギリスのサイケポップのバンド。カート・コバーンのニルヴァーナが有名になり過ぎたので、ニルヴァーナ「UK」という俗称に落ち着いたらしい。3日前にネットでたまたま存在を知り、2日前にネット注文し、今日届いた。試聴すらしていない、完全な衝動買いだ。
で、届いてみたら、これを聴く体力がないときたもんだ。
しかしかつてない音ではある。と同時にイギリス的だ。何ともイギリスだ。ボーカルの節回しがくっきりとキンクスを思わせたりする。
上にあっさりと「サイケポップ」と書いたが。そんなジャンルを私がわかっているわけもなく。私の貴重な音楽雑食博識マニアックなお友だちの一人であるまるちゃんが教えてくれたのである。で、ほほうサイケポップね?と聴いてみたら。
最近の私は疲れている。何しろこの私が最近は週に一度はベッドで寝ているのだ。今日もぐったりで。
そこに聴くこのニルヴァーナ。明るく可愛いポップスなのに、芯のところで神経に障る。今の体力がこれを受けつけない、そんな何かがある。そこらへんが「サイケデリック」ってことか?
・・・このドラムとキーボードが前へ出るコーディネーションは、ナッズを思わせるなあ。ドラムは時たまフーみたいでもある。キース・ムーンなら、そりゃ疲れた神経を逆撫でもするわ。
で、気づいたらネットで、R.E.M.のたいして欲しくもなかった筈のPV集のDVDを衝動買いしていた。大丈夫か私?
(3/8up)
サイケデリックなコーディネーション *モニター / 近田春夫 (1980) の歌詞。
明け方に一人で入ってきた金髪の若い男性。英語が聞き取りづらいなと思ったら、観光旅行中のフィンランド人だった。ハノイ・ロックスが好きで、フィンランディア(フィンランドのウォッカ)は好きじゃないらしい。
東京中あちこち回ったが、高円寺が最高だと言う。・・・変わってるねえw
フィンランドについて何を知ってる?と訊かれたので、「ハノイ・ロックス、ムーミン、オーロラ、白夜、サンタクロース、ヘルシンキ」と答える。実際これで知識は殆ど全部だ。
思えばハノイのメンバー以外のフィンランド人と会話するのは初めて。音楽に関しても相当感覚が違うのかな。
音楽何が好き?と訊いたら、「フー・ファイターズ」という答え。ああ、フーファイ好きなの?!
で、次から次へとフー・ファイターズをかけ、すっかり意気投合。最後は大好きだというEverlongを聴いて、満足して引き上げた。
さよなら。縁があったらまたどこかでね。名刺渡したから、このサイトも見るかもね。読めないだろうけど。
See You (またね) *Foo Fighters の曲。(1997)
2006年02月23日(木) |
Sayin' we all should be shining |
ケンタくんご来店。19歳。初来店なのに、わけあって山のような食べ物の差し入れ。
'80年代以降はあまり聴かないというケンタくん。ちょっと好みを探った後で、ある音源を聴かせてみた。すると「こういうの好きです」と言う。
「好きでしょう? で、これいつ頃の音だと思う?」
「'70年代ですか?」
「・・・このバンド、'90年デビューよ。そしてこれは2005年の演奏」
昨年4月のニューオーリンズ・ジャズ&ヘリテージ・フェスティヴァルに出た時の、ブラック・クロウズの演奏だ。
驚いてメモをとるケンタくん。狙い通りの反応にほくそえむ私。
「〜は聴かない」というお客様が来ると、私は大抵こんな風に黙って何かの音源をかける。彼らのかたくなな気持ちをとかす筈の何かを。
「ビートルズはオーディエンスに媚びているから嫌い」というメタル好きのお客に、黙って「Helter Skelter」を聴かせたり。また別の時は、「フーやキンクスなどのUKロックは嫌い。シンプルで泥臭いアメリカン・ロックが好き」という方に、黙ってキンクスの「Strangers」を。いずれも、「これ誰ですか? かっこいいですね!」という反応だった。
別に、ひとの好みを変えてやろうとは思わない。皆好きなものを聴けばいい。
でも、アタマから何かの条件をつけないほうがいい。音楽には素晴らしいものがたくさんあって、みんな「カテゴリー」なんかに入れてしまうことの出来ない個性をきらめかせている。
「一人暮らしでレッチリ好きで、体脂肪ひとケタのバンドマン」以外にも愛せるひとはいるかもしれない。うん、わかってはいるのよ、一応は。一応ね。
ジェフ・ベックは聴かないの?と訊いたら、'80年代のPVを見て嫌いになったとのこと。「ボーカルいた?」と訊いたらそうだと言う。・・・ああやっぱジミー・ホールがやっちゃったか。
ベック、ボガート&アピスを聴かせたら一発ではまった。(翌日CDを買ったらしいw)
(3/6up)
Sayin' we all should be shining (みんなきらめくだろう) *Cosmic Friend / Black Crowes (2001) の歌詞。
2006年02月19日(日) |
若さと馬鹿さ空転りするさ |
「ねぇ、レッチリってフジにくるの!?」
マチちゃんから携帯にメールが来る。「どっから聞いた?」と返信。案の定、夕べの某レッチリ関係サイトの書込みを読んでいた。しかもタイトルだけ。
何せタイトルが「(レッチリ)フジロック出演決定!」なのだ。そして内容を見てみると、「という情報が友達からきたんですけど、本当ですかね?」
このタイトルはまずいだろう、消すべきじゃないかといったレスが続々書き込まれている。私も「スポーツ新聞じゃないんだから」と書いた。
しかし、次々と書き込まれる苦言に、書込みをした男性は相当青くなっているだろうと思い、ちょっと気の毒になっていたら。とうとう本人から再度書込み。「確認したところ出演は決定です。公式発表は3/1」・・・おい、それはそれでまずいだろう。それって堂々とした情報漏洩じゃないか。それに、万一違ったらどうしてくれるんだ。即座にそのことを責めるレスがあらわれ始める。
しかし書込みが増えてくると、やはり中には「素直に喜べばいいのでは」「漏洩とか難しいことはわかりません」という人間も現れる。こういう意見を言うのはもう例外なくかなりの若者で、こうなると反論をする気にもなれない。ちなみにそもそもの書込みをした男性も20代前半。若いから、まずいことをした時には謝っちゃうのが一番ラクだということを知らない。何とか取繕おうとしてまたまずいことを重ねる。
オスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」は若さをテーマにした小説で、そのラスト近くに「若さにかなうものは何もない」という科白もある。これを読んだ時の私はかなり若かったが、自分が先々年老いていくことを思って暗澹とした気分になったのを覚えいている。
けれど今の私は全くそうは思わない。若い頃の私は、上の例にあるような軽率な言動を繰り返して恥をかいてばかりいた。いや、今でもそれがないとは言わないが、相当減った筈だ。
若いというのは──本人が気づいていようがいまいが──恥ずかしい状態なのだ。とにかく何よりあの恥多き時代から抜け出せてよかったと思う。中島らもも、いくら積まれてもあの(恥ずかしい)頃に戻るのはごめんだ、といったようなことをどこかに書いていた。
これは前にもこの日記に書いたが、ここまでの人生で、年齢を重ねることは私にプラスの影響しか与えていない。
実は私は、自分の外見ですら、10代20代の頃より今のほうが好きなのだ。そしてそう思えることを、有難いと感じている。
(2/27up)
* 2/26の21時、ラジオで、レッチリのフジ・ロック出演決定が発表されました。なので安心してこの文章を書いています。
若さと馬鹿さ空転りするさ *塀の上で / はちみつぱい (1973) の歌詞。
2006年02月15日(水) |
I can't remember your name |
自分のサイトに手いっぱいで、よそのサイトを覗く暇がほとんどないが。
今日はBBさん(♀)のサイトを見てみた。そしたら、ドストエフスキーの「罪と罰」を読んだ感想が書いてあって嬉しくなった。
BBさんは私が「罪と罰」のことを書いた文章を読んで、今まで敬遠していたこの古典を読む気になってくれたのだ。以前には「敷居が高い」と言っていたが、読後の感想は「ジャンル分けするのであれば、犯罪心理サスペンス」「実にスリリングで、どんどこ先を知りたくなる」といった風で、「本で真の興奮が得られるのは数年に一度ぐらいしかないけど、これは間違いなくその一冊」と結んでいる。先日うちのbbsにも、「文句なしで殿堂入り」と書いてくださったばかりだ。
嬉しい。喜びに胸がわくわくして、落ち着かなくなる。そう、ドストエフスキーは大衆文学なんだってば! 純文学の古典的名作と持ち上げられ、かびていっていいような代物じゃないんだ。ドストエフスキーは純粋に面白いんだから。難しいと思われがちなのは、単に彼の名前の印象じゃないか??
名前。そう、ロシアの名前は難しい。BBさんも、「罪と罰」の登場人物の名前の長さには閉口したと書いていた。
ロシア人の名前は、「個人名+父称+姓」で出来ている。父称というのは要するに「父の名前+ヴィッチ(女性ならブナ)」で、〜さんの息子(娘)という意味。つまり「フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー」のミハイロヴィッチとは「ミハイロさんの息子」という意味なのだ。
・・・名前が長くなるわけだわ。
おまけにロシアでは苗字すら男女で異なる。男ならドストエフスキーだけど、女ならドストエフスカヤなのだ。
さらには愛称がある。ロシアでは親しい間柄ならたいてい愛称で呼ぶし、その愛称がまたころころ変わる。母が呼ぶのと、友達が呼ぶのと、恋人が呼ぶのでは愛称が変わったりするのだ。「ナターシャ、ナターシェンカ、ナータ、ナターシェチカ」・・・これは全部、ナターリヤという名前の愛称である。
ロシアの名前の恐ろしさはまだまだあるのだけど、今日はこれくらいにしといたるわw
ロシア文学が「敷居が高い」と敬遠されている理由の大半は、実にこの名前の複雑さだと思う。
翻訳ものの出版関係者は、アメリカのミステリーに登場人物一覧をつけている暇があったら、ロシア文学の作品にこそ登場人物一覧(愛称つき)をつけるべきではないか。
(2/25up)
I can't remember your name (名前が覚えられないよ) *Hammering In My Head / Garbage (1998) の歌詞。
2006年02月09日(木) |
Beware Of Darkness |
髪を染めた。簡単に書くが、前回染めた時は、洗髪の際に水恐怖症が出てブチ切れたのだ。
前回より手早く、考えず、暗い道を通って帰る子供みたいに、びくびくしながらも素早く駆け抜けた。
オーガスト・ダーレスの「淋しい場所」というプロトタイプ的な短編がある。子供が道端の暗闇を恐れ、その恐怖が具現化してしまい、ついには独り立ちしてしまう話だ。「全ては気のせい」を逆からとらえた作品と言えよう。そう、人間の精神は周りの場に恐ろしい作用力を持ちうるのだ。
・・・そんなことを考えながら、普段より時間のかかる洗髪を乗り切った。
CROSS ROADに出勤したら、飛込みのロック雑誌の取材が入った。ライターとカメラマン。おそらくこの11年間で一番明るく照らされる店内。逃げ帰る客あり。がちがちに緊張して、化粧直しにトイレに駆け込む女性客あり。
私はこの手には動じないので、いつも通りお酒など飲み、煙草など吸い、CDをかえて、さあこの自然な私をどこからでも撮れば?くらいの気持ちでいたら。
何とカメラマンが、「煙草を置いてもらえますか」と言う。は? 「煙草を置いて。CDプレーヤーの前に立って。CDケースをかまえてこっちを向いてにっこり笑ってください」
・・・マジで? 思わず笑顔がひくっと引きつる。そこにシャッター。まさかそのショットを使う気じゃあるまいな。
(2/18up)
Beware Of Darkness (暗闇に気をつけろ) *Leon Russell(1971) / George Harrison(1970) の曲。
2006年02月08日(水) |
全てを失ってしまうことに気づいても |
今日は本当はCAKEくんと会う予定だったのだが。何しろ帰宅が朝9時だし。お酒と葉っぱのせいで少々気持ち悪い。
・・・いや、正直に言うと、帰宅してからつい普段にない量を食べてしまったのだ。(葉っぱで食欲が出るっていうのが今まではよくわからなかったけど、そういうこと?) おかげで胃がむかむかしちゃったっていうのが情けない。
数年前から知っている人に、「初めて会った時から好きだった」と言われた。それはまあいいんだけど、その後のセリフがよくない。「でも、Bunnyとつきあったら不幸になるから」
・・・待てこら。しかも「ね?」って同意を求められても。私が「そうそう、私ってそうなのよねー」って言うとでも?!
似たようなセリフをAKIHI(vo,g)にも言われたことがある。(あっ、懐かしい名前だなあw) 私とつきあうなら全部捨てなきゃいけないって。
実はKS(これも懐かしいなあ。私が入れるコーヒーに30万円払った男ねw)にも、「死ぬ気でつきあわなきゃいけない」って。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やかましい。全部捨ててきやがれっ。
女一人に人生捨てられなくて、何がロックだっ!!!(ムチャクチャだなあw)
私は好きな男ならあるがままに全部受け入れる。男は弱いから、自分を認めてほしくてしょうがないので、私とつきあうことは男にとって非常に心地よい状態だ。だから男自身がしっかりしていないと、満足してしまってどんどんダメになる。
ただね、あなたの人生の中で、これほど愛される経験は二度とない筈よ? これほどの体験は、そう簡単には忘れられないよ。
でしょ? 言ってやれ、今でも私マニアの元ダンナ!
(もっとも彼が一番人生踏み外しちまいましたが。只今アル中がたたって自宅療養中。少しは歩けるようになったかしら)
(2/16up)
全てを失ってしまうことに気づいても *幻惑 / 大貫妙子 (1983) の歌詞。
2006年02月07日(火) |
And yes I'm all lit up again |
英語の授業の為に19時にCRに行ったら、店の外でTDに会った。前回相当冷たくしたせいかずっと来ていなかったのだが。にっこり笑って声をかけたら、30分後に電話が来た。「一杯だけ飲みたいから、開けてくれない?」
・・・甘い顔すると、すーぐこうやって図に乗る。勿論お断り。
結局は後で友人二人(うち一人が一見さん)を連れてきた。TDと一見さんが妙に騒ぐ。常連の吉田さんが後で曰く、私が吉田さん(うちの店でトップ3に入るいい男w)と話をするたびに、二人が声を張り上げて騒いでいたとか。
・・・ほほー、もててんのか、私?
と、言うか、実はあからさまに口説かれていた。ま、TDには前からずっとだけど。
お客の切れた午前3時、Walterから電話。「ただ声が聞きたかったんだ」と言う。何て甘い声を出すんだろう。
「まあ、そうおっしゃるなんて、とてもスイートですね」と、英語の決まり文句で答える私。我ながらまるっきり気持ちがこもっていない。何を話せばいいかわからずに沈黙していると、また「声が聞きたかっただけなんだ」と言われる。
何で私はこの綺麗な子にときめかないんだろう。
わけのわからない憂鬱にとらわれる。
20分後にSS(b)から電話。某所で飲んでいるので、タクシー代も飲み代も出すから来ないかという。「うわ、うっれしー!」とこれは気持ちのこもったお返事。いきなり先ほどまでの憂鬱が吹っ飛ぶ。素早く店じまいをしてタクシーに飛び乗り、4時過ぎに到着。
チンザノ・ハーフ、ロックでください。チンザノ・ドライ、ロックで。チンザノ・ロッソのロックを。チンザノの、えっロゼってのがあるの、じゃそれをロックで。「ペースが速い!」と言われる。たしかに。3本並んだチンザノが、えらい勢いで減っていくわw
何だ?今日、いくらでも飲めるぞ。
葉っぱのいいのが回ってきた。コレはものがいいな。深々と肺まで吸い込むと、気持ちよくすかっと効く。今日の私は、体も心も受け入れ態勢が出来ている感じで、効きがダイレクトだ。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのDVDがかかる。するとその場にいた男性3人が口々に、「By The Wayのアルバムは最高だよな」と言い出す。・・・何ていい人たちだろうw
By The Wayは私のバイブルですから。
知り合って数年になるSSに、「初めて会った時から好きだった」と言われたので、かなり驚いたよw
SSにタクシーで送ってもらって9時帰宅。楽しかったなあ。
(2/15up)
And yes I'm all lit up again (アレのおかげで憂鬱が吹っ飛んだわ) *Lit Up / Buckcherry (1999) の歌詞。
2006年02月01日(水) |
So You Want To Be (A Rock'N'Roll Star) |
雨なのでえみさんと吉祥寺に行く予定をキャンセルしたが、彼女が荻窪まで来てくれたので、南口のナタラジ(ベジタリアン・インド料理店)で昼食。カレー・バイキングで、ナブラタンなどが美味しいが、コーヒーが信じ難いほど薄い(カップの底まで見えていた)ので、あらためて荻窪珈琲店という店に、コーヒーを飲みに行く。初めて入ったが、マンデリンは美味しかったものの、店主が非常に無礼。無言でメニューを放り投げていく。こういう男が一番嫌い。たかが喫茶店が何を偉そうにと言いたくなる。
うちに帰って、Rくんが持ってきてくれた'The Old Grey Whistle Test Volume 2'を見る。今回のお楽しみはパティ・スミス・グループ。
ああ、このバンドの映像を見てみたかった。何故なら。CDの写真で見たバック・バンドの4人の男性が、あまりにも私の好みなんだもの。一人一人だとそれほどでもないかもしれないが、こうまで似たようなタイプを揃えてくれるとため息が出る。全員若くて、見紛うかたなきナルシスト。顔つきも似通っていて、髪も殆ど同じ栗色の巻き毛。体は勿論棒のように痩せていて、ヘタレそのものの雰囲気で、車のタイヤ交換なんかとても出来そうにない。
とにかくCDを見た時から確信していた。これは絶対、パティ・スミスの趣味で、好みの男を選んだんだ。いいなあ。そんなことが出来るんなら、私もプロになりたかったわ。
今回DVDを見てそれを確認した。4人の男性は全員、長袖の開襟シャツにベスト、黒のスリム・ジーンズという服装で、おそらく合せたんだろう。似たようなタイプのいい男が4人で、真ん中で異彩を放つ、お世辞にも美人とは言えないパティ・スミスを見事に引き立てている。
ピアノ教師のようなピアニスト、まさしく「小手先で」弾くギタリスト、すったかすったかなドラマー。ちなみに4人全員コーラスがどヘタw
ベーシストが一番素敵だった。ああ、こういう男の襟首を軽くつかみあげて、顔をこっちに引き寄せてキスしたい。*実はこれがギタリストのレニーだと後から判明。この時たまたまベースを弾いていただけ。
で、最後に取ってつけたように言うけど。演奏した曲は'Because The Night'で、退屈の一歩手前でパティ・スミスの独特な声──前歯にはばまれてこもった、粗野と耽美の絶妙なブレンド──に救われてロマンティックを保っている名曲だ。結局彼女のこの曲だからこそバックの無個性なヤサオトコ達が何ともセクシーに思えるわけで。逆に言えばこの男たちの一人一人がパティ・スミス・グループというパフォーマンスの小道具なのだ。
すごい女だなあ。あらためて見直したわ。
(2/10up)
So You Want To Be (A Rock'N'Roll Star) (だったらロック・スターになりたい) *Patti Smith の曲。(1979)
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