Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2006年01月28日(土)  Oh I get by with a little help from my friends

深夜1時半にキレた。
最近気づいたが。私の場合ほとんどのパニックは結局は閉所恐怖になる。シャワー中にパニックが多いのも、水恐怖だけでなくそういうことだ。だからドアを開けておもてに出たくなる。
今回も庭に通じるガラス戸をあけ、うろうろと歩いて玄関を開けて数歩外に出る。寒さも全く感じない。
もういや。
こんなんではこの先生きているのは無理だ。いつかもっとひどくなるに違いない。いつかきっと本当の気狂いになるんだ。死んだ方がマシだ。でも自殺するのも「恐怖」の対象だから出来ない。いっそ「安楽死希望」とネット上でお願いしてみようか。お金を払ってラクに殺してもらおうか。
あ。もう駄目だ。
そう思った瞬間に携帯が鳴った。・・・yer-bluesさんだ。
「おう、ダチコー、元気か?」って。
突然の着信で、気がそれた。それで急にパニックが消えはしないが、なんとか立ち直る。
普通の声で、普通に答える。「うん、元気だよ」
いつもなら長話をしたがるyer-bluesさんだが、「そっか、そっか」と満足そうに答えて、すぐ切った。

笑った。涙が出そうになるまで笑った。はは、助かった。助けてもらった。
ありがとう。

しかし。これでは済まないのである。さすが酔払い。
2時20分にまたyer-bluesさんから電話。あまり遅い電話などは出ないこともあるが、何しろこの時点では「恩人」であるからして、勿論取った。いつも通り用事は一切なく、酔払いトークだ。
けれどこの時不思議だったのは、やたらと「おまえ大丈夫か?」と言われたことだ。声の調子は普通だったはずだ。現にさっきも何も気づかれなかった。本人も特に理由はないらしいのだが、何度も「大丈夫か?」と訊く。大丈夫だと返事したが、完全には納得していない気配。
酔っ払いのくせに。敏感なのかなあ。
で、一時間喋られた。犬にもかわられた。最後は「もう寝てください」とお願いして切ってもらった。「じゃ5分後にかけなおす」と言われ、まさかと思ったが本当に5分後に携帯が鳴った。取らずにいたらさらにもう一度。コーヒーいれつつ顔を洗ってる最中だったので、思いっきり無視w
でも、ありがとね。

Oh I get by with a little help from my friends (友だちに助けられて切り抜ける)  *With A Little Help From My Friends / The Beatles (1967) の歌詞。


2006年01月27日(金)  Wait a minute. I'm passing out

子供を産む気なんかないのに。何でこんなめにあうのよ。
痛い。久々にこんなにきつい生理痛。痛みが下腹に貼りついている。
10分遅刻してCROSS ROADについた。しばらく客が来なかったので、そのままうずくまっていた。痛みが、下から斜め上に刺しこんでくる。

医者が病気じゃないって言うから。だから女は皆耐えてるけど。
けど、これ、ちょっと、冗談じゃないわよ。生理痛だってわかってなかったら、救急車呼ぶところだよ。

不思議と。生理の記憶は男とからむ。当然か?
高校までは生理痛と無縁だった。19の頃からひどくなった。家出してイーノと暮らしてる頃は、生理になると煙草を吸っていた。普段はほとんど吸わなかったのだが、その時だけ苛々とふかしていた。

ごめんなさい、生理中なの。そう言ったら、「いいよ、いいよ」と繰り返していたのは誰だっけ。いいんだ、抱きたいんじゃない、抱きしめていたいんだ。そう言って、抱けないことでまるでほっとしたかのように、自分自身に何か言い聞かせるように、私の「不具合」をいたわるように、私を抱きしめていた。
私はその「彼」とつきあわなかったんだと思う。
誰だか思い出せないや。いや、待って、思い出した、確かギタリスト。
・・・ってか、痛たたたたたたたたたた。あ。駄目だ。も、死ぬ、誰か救急車呼ん

Wait a minute. I'm passing out (ちょっと待って。気絶する)  *Can't Stop(痛みが止まらない!) / Red Hot Chili Peppers (2002) の歌詞。


2006年01月26日(木)  さよならさよなら

えみさんからレッグ・ウォーマーをもらったので、早速ジーンズの下に装着してみる。いつもいつも食物の差入れ(手作りのジャムまで!)を頂いているが、今日は冷え切った私の為にちょっと違った贈りもの。

今日の出勤前に、久々にメールのアドレス帳を整理していたら。BLACK AND BLUEのメール・アドレスを見つけた。
ふと。そのアドレスを宛先にしてメールを書き始める。マスター、私ね、仕事で行き詰ってるの。ちょっと相談にのってくれないかな。同じ仕事してた先輩としてさ。どうしたらいいかおしえて?
今このメールを送信したらどうなるんだろう。おそらく宛先不明のエラーで戻ってくるんだろうけど。
私は超常現象もあの世も信じない。でも、これを送信したら。ひょっとしたら返事が返ってきそうな、そんな気がした。
メールを消し、アドレスそのものも消そうとしたが、「削除しますか?」の確認が出た時にためらってしまった。
────「さよなら」と言ってYesをクリックして、泣いた。

さよならさよなら  *また会おね / 矢野顕子 (1980) の歌詞。


2006年01月22日(日)  何もきかないで

昨日、イジー・ストラドリンの新譜を販売しているデザイン会社にメールして、イジーが新譜に関するメッセージを発表するのに適当と思われる日本のサイトを推薦した。この件の為に、あちこちのサイトをチェックしたり、担当者にメールしたり、色々な人の意見を訊いたりした。
ようやくこれで終わりでほっとしている。メールにもはっきりと「後は任せますので」と書いた。

ところでCROSS ROADでは少し前から店外のウィンドウにLPジャケットを飾っている。ロック・バーだということが外から見て全くわからないとオーナーに言ったところ、じゃあ何かロックのLPを飾ろうと言ってくれたのだ。
今日初めてそれにひかれた一見さんがご来店。「あれ、ジョニー・ウィンターですよね。若い頃ですね」
「・・・え、ええ、そうっすね・・・・・w」と私。
お願い、それ以上訊かないで。私、実はジョニー・ウィンターのことなんか何も知らないのよ。音は普通にかっこいいと思うけど、全く興味がわかないんだ。最初出勤してきてあのジャケットを発見した時、一瞬「これ誰だ?」と思ったくらいで。
早くジャケット変わんないかな。これ以上何か訊かれると困るわw
(1/31up)

何もきかないで  *荒井由実の曲。(1975)


2006年01月21日(土)  Somebody get me out of here

昨夜から雪。朝帰る時にはすでに積もっていた。
今夜はライヴを観る予定もあったが。結局とりやめてうちにいる。

昨日の朝、水道屋さんの言葉に感動し、おかげでパニックが出なくなりました、というのはおとぎ話もしくはTVドラマ或いは新興宗教の広告であって、現実の世界はそうはいかない。
実際は、昨日の夕方久々にぶち切れた。最近ではもうパニックを起こすたびに全部日記に書いているわけではない。一瞬の些細なものまで含めるとかなりの回数になってきているからだ。けれど夕べのはこたえた。
一ヶ月ぶりに髪を染めたのだ。染料を流して、シャンプーし、ヘアダイ用のトリートメントをして、リンスをする。いつもよりかなり長時間頭にお湯をかけ続けることになるわけで、コレに対して水への恐怖症が出た。
結果を書くといつも通りで、無理矢理抑えつけて出勤した。こう書くと簡単だが、その最中は髪の毛を全部そり落としてしまいたい衝動にすら駆られる。そうすればもうシャンプーなんかせずに済むから。

でも私は、パニックが原因で仕事を休むことはあり得ない。何故なら、パニックは独りでいるのが一番まずいからだ。人前にさえいれば私は自分を律することが出来る。「ゆっくり休む」「落ち着いて深呼吸する」「お香を焚いて瞑想する」──全部逆効果だ。大事なのは気をそらすこと、気をそらすこと、とにかく気をそらすこと。

だから私は誰かと暮らしたい。
その人は基本的には誰でもいい。だけど大きな条件がひとつある。
私を救ってくれること。
ひとことで言っているが、これが、相当に過大な要求らしい。
(1/30up)

Somebody get me out of here (誰か、ここから救いだして)  *Medication / Garbage (1998) の歌詞。


2006年01月20日(金)  You said go slow

昨日出勤前に洗面台の配水管のジョイント部分が外れてしまったので、マンションの管理会社に電話して今日朝9時に水道屋に来てもらった。50代くらいの男性で、一目見て「パッキンが外れている。どこかにありませんか?」と訊く。「・・・さあ」と答える私。記憶にはないが、もし洗面台の下にえたいの知れないゴムの部品が落ちていたのなら、この異常な片付け魔の私のこと、アライグマが食物と見た瞬間に無心に洗ってしまうように、いらないモノと見るや引っつかんで捨ててしまったに違いない。
男性はすぐに手持ちのパッキンを出して、ものの数十秒で修理を済ませたのだが。
修理しながら、低い声でこう言っていた。「こんなことはね、たいしたことじゃないんですよ。水漏れしたからって、どうってことはない。だからね、慌てないでください。呼んでくださればこうやってすぐ来て直すだけです。だから、慌てないでください」
何度も何度も、少し哀しげな響きすらする説得力のある声で、「慌てないでください」と繰り返すのだ。まるでお芝居でも見ているようだった。しまいには呪文を聞いているような気分になった。

どうしてそうまで「慌てないで」と言われたのかはわからない。管理会社が慌てて連絡したのか、或いは私が慌てているとでも言ったのか。
とにかくその時の男性の口調は、「いや、私別に慌てちゃいませんけど?」などと軽く言い返すことなど出来ようもないほどに、感動的なまでの説得力に満ちていた。何だか椎名誠のエッセイでも読んでいるような気分になった。
自分のやるべきことがわかっている職人さんというのは、ただ仕事ぶりを見ているだけでも気持ち良いものだけど。この時の水道屋さんは、それ以上のなんとも言いがたい印象を残した。

私は精神力が弱いうえに、加えて無能力者だ。だから例えば、蛇口をひねればお湯が出るということには毎日感謝している。シャワーを浴びるたびにそう感じている。これは当たり前のことではなくて、ただたまたま物事が全てうまくいっているとうことに過ぎない。
だから、どこかにふと「故障」が生じた時には恐怖を感じる。
昨日排水溝から水が漏れた時、排水溝は洗面台の下の物入れの中を通っているので、物入れの中の物を全部非難させなければならなかった。どうやっても自分で直すのは無理と見きわめ、管理会社に電話した。おかげで英語の授業も少し遅れてしまった。時間がなかったので、電話では早口だったから「慌てている」と思われたのかもしれないが。

水道屋さんがどういうつもりで言ったのかはわからないが。
「こんなことはたいしたことじゃないんです。慌てないでください」というセリフの響きは、ずっと頭の中に残った。
そうかあ。
私はずっと誰かにそういって欲しかったんだな。慌てないで。大丈夫だから。こんなことはたいしたことじゃないんだ。大丈夫だよ。
呼べばすぐ来て直すだけですよ、か。

If you're lost you can look and you will find me (君が自分を見失った時は、見わたせばそこに僕がいるはずだ)
あの日、この水道屋さんを呼べたら良かったな。はは。おかしいけど。
おかしいけど、涙出てくるわ。変なの。
(1/28up)

You said go slow (あなたは、慌てないでって言った)  *Time After Time / Cyndi Lauper (1983) の歌詞。


2006年01月15日(日)  I gotta handle you just right

金曜は風邪のピーク。ラリりつつ勤務を終えて土曜朝5時半に帰宅し、ゴハンその他して、珍しくちゃんとベッドで19時まで寝た。今日はようやく快方に向かい始めた気がする。

常連さんの一人が、ついさっき足を折ったと言って来店した。見れば適当に足先に氷入りのビニール袋を巻きつけている。・・・酒飲んでていいのか。さっさと家に帰ったほうが・・・・・。
私は肉体的な苦痛や不快にはものすごく弱いので、こういう人を見ていると信じられない。病院に行くかどうかは寝て起きたら考えるという常連さん。私がかつて一度だけ足の指を折った時は、とても眠るどころじゃなかった。人間は肉体も精神も多少鈍感なほうがいい。精神のほうはおかげさまでこの三年で大分いい加減になれたが。肉体は鍛錬出来ていないし、あまりしたくもないなあ。

一見さんの女の子が来店。まだ26歳だが、ハードコアパンクのベーシストだったのが、脊髄の奇病に罹って重いものが持てなくなり、バンド活動も断念したという。普段は大半が家で寝たきりで、正直余命もどれだけあるかわからないそうだ。
今はあらゆることに感謝して毎日を送っているという彼女。色々と身の上など語ったあと、私の手を握りしめて「Bunnyさんに会えてよかった」と涙ぐんだ。

私は、身体障害者を含めた殆どのひとを特別扱いしない。人間は皆それぞれ大変だからだ。私だって、不幸自慢をしようと思えばいくらだって出来る。でもそんなのはものの言いようでしかない。
とはいえ。やはり肉体の苦痛や不便は、それが治せない場合は辛いものだ。三流の歌の文句に「体の傷は癒せても心の傷は癒せない」的なものがあったりするが、ふざけろと言いたい。苦痛は、それが純粋に精神的なものならば、どこまでいこうとそれは「気のせい」だ。人間はどんなに辛いことがあっても、一杯のコーヒーを飲んでほっとする一瞬が持てるうちは大丈夫だ。
けれど肉体の苦痛や障害は、どうしようもない物体のようにそこにあったりする。或いは見てわかる特徴としてあらわれる。

「健康が一番」という年寄り臭いセリフは、実際本当に本当にそうなんだよなあ。
(1/22up)

I gotta handle you just right (あなたを普通に扱うわ)  *Phisical(肉体的な) / Olivia Newton John (1981) の歌詞。


2006年01月13日(金)  I fake it so real I am beyond fake

火曜日からの風邪が悪化の一途。火曜の段階で既に勤務中に意識が薄れかけた。水曜の休みは一日家で寝て、木曜はとうとう休む決心をしたが土壇場で思い直して出勤。今日はもう、明日は休みだというのでムリヤリ出勤している。

熱があるのでちっとも寒くないが。一応防寒具がわりのロックを聴きながら出勤する。音楽はからだを何よりあたためる。今日は当然ブラーの「Blur」だ。

この小細工に満ちた知的なロック、恥や謙虚さをどうしてもぬぐえないロックを聴いていると、ふと気づいた。
────ああ、そうか。恋って、全部、ひとつ残らず、作り話なんだなあ。

何だ。そうか。
「Beetlebum」における「彼女」は、この地上のどこにもいない。あれはつくりものだ。恋は全部つくりごとで、要はそのことをその状況において気づいているかどうかだ。気づかなければ馬鹿だけど幸福だ。気づくなら賢明だが残念だ。
ブラーには、その悲哀がある。
フェイクの快感、妄想の甘美さはよくわかっていたものの、「全ての」恋がつくりものだとは思っていなかった。
でも多分、いや間違いなく、そうなんだろうな。

「愛」は持続させるのに努力が要る。そこの認識が出来ていない馬鹿が、「結婚と恋愛は違う」などと解ったようなことを口走るのだ。
そしてその愛を長く保たせる支えになるのが、恋なんだ。恋はきっかけであり、手入れ次第ではいつまでも色褪せない写真だ。

極上の恋(つくり話)をするのも実は簡単ではない。だから、一旦それを手に入れたら大事にしたほうがいい。大事にその恋を愛していったほうがいい。

I fake it so real I am beyond fake (私は上手につくりあげる。でも私はつくりものなんかじゃない)  *Doll Parts / Hole (1994) の歌詞。


2006年01月12日(木)  Cause you're so great and I love you

今頃かよ。と自分でも思う。いくら時流に乗らないマイペースなたちだからって。このバンドを知ったのは12年前だよ。なのに今頃。
でもまあ。きっと今じゃなきゃいけなかったんだろうな。実は12年前の時点で、このバンドは無視できないだろうとは感じていた。とは言えこんなに好きになる時が来るとは思っていなかったが。
ブラーの「Blur」───'97年に出た5thアルバム。これ、最高だわ。

先月大阪でkenjiくんにもらったんだ。で、CROSS ROADでちらちらっと聴いてたんだけど。火曜に本格的に聴いてみたら、一発ではまった。

昔ブラーを知った時に、どうして反感を持ったかというと、「あざとい」からだった。で、今現在「Blur」を聴いてどう思うかというと。
あざといw

1曲目の「Beetlebum」──イントロが始まった時、「何だそりゃ」と思った。何だそのギターのリフ。ぶんぶんぶん・ぶーん×4。何がしたいんだ。虫(beetle)の羽音の表現? だるく切なげなボーカルが入り、意外とエレガントなベースがからみついたと思うと、裏からすとんとドラムが入る。で、しばらくだらだら進行したと思うと。急にバックで甲高いギターが鳴る。あ、まさかと思った途端。楽器が全部ぴたっと止まって、
And when she lets me slip away
の、wayで楽器が全部戻ってくるんだけど。もうその時世界は一変している。
待てコラ。という余裕もあらばこそ。抵抗の隙も与えず。
She turns me on all my violence is gone
という一行の甘いこと。バターを電子レンジで溶かす時みたいに、一瞬で救いようもなくとろける。で、こちらがすっかり溺れていたら。
また何事もなかったかのように、突如として最初のギターのリフに戻るのだ。

2曲目の「Song 2」がもう最高なんだけど。これも一筋縄じゃいかない。(大体何だそのタイトル)
イントロはドラムだけで4小節。次にギターが入って、普通ならもう8小節だが、これが4小節で"Woo Hoo!"とボーカルが飛び込んできて爆発する。タイミングが予期するより早いのだ。要するにこれは、音楽に慣れた人間こそふいをつかれる。メロディまわしは馴染のものなのに、その扱い方が、仕上げ方が全く異質なのだ。
しかもこの曲、ナタで断ち切ったように2分で終わる。これだけの凄い曲をつくっておいて、たったの2分で終わらせれる精神力は、もう潔いというより恐ろしい。

ちなみにこの曲は、デーモンの発音が快感だ。"It wasn't easy"は殆ど「エイズィ」だし、"It's not my problem"は「プラ・ブラム」と巻き舌が入る。これでもかと言わんばかりのイギリス英語。

・・・ああとにかく。何て小賢しいんだw

ところで実は私は2003年のサマーソニックでブラーを観ている。その時このバンドに、妙な悲哀のようなものを感じた。当時はあまり深く考えなかったのだけど。
今このアルバムを聴いていて、その正体が見えた気がした。それは「知性」だ。
このバンドは、ロックをやるにしちゃ頭が良すぎるよ。

実は私はかなり早い時期に、自分がバンドで有名になることを諦めた。ロックで成功する奴は皆、「自分が成功する」と思い込めるくらいアホだと思ったからだ。私のような小物にはそれは出来ない。オアシスを見ていると、感動的なほどしみじみとそれを感じる。リアムは「世界一になろうと思った」とこともなげに言うのだ!

'95年のブラーとオアシスのシングル同時発売の売上競争でオアシスが負けた時、ノエルは「デーモンなんかエイズで死ねばいい」と言ったんだそうだ。
・・・幼稚園児かw
そして結局、オアシスはブラーを叩きのめす。今では知名度も相当に開きがあるだろう。
コドモにゃ勝てないよねえ?
(1/19up)

Cause you're so great and I love you (おまえらは大物だ。スゴイよ)  *You're So Great / Blur (1997) の歌詞。


2006年01月10日(火)  Ahead, ahead, ahead

雪がひらひら舞う中、早朝に仕事を終えて帰ってみたら、PCにイジー・ストラドリンの新譜「Like A Dog」を販売している会社からメールが来ていた。
私が7日にメールしたのだ。主な用件はCDが無事届いたことの報告だが、ついでに、イジーの新譜がレコード会社でなくデザイン会社から販売されていることに対して強い不審の念を抱く日本のファンがいるという現状も伝えた。最後は「じゃ、イジーによろしく」てな感じで、特に返信を求める内容ではなかったが、即座に反応が来たわけだ。
内容はくだけた感じで、私からの情報に感謝していて、私のメールをイジーに転送したということだ。

今回の一連の出来事───イジーがまずは2003年に新譜を録り(私も2003年5月にイジー自身から「今日新譜を録り終えた。あとはジャケットのデザインなどを残すのみ」というメールをもらっている)、なのにそれからまる2年間全くリリースの気配がなく、今年10月にファン・サイトから販売するということになったものの突然そのサイトが消滅、その後にデザイン会社からネット販売のみというかたちで発売になった───という一連の流れは普通ではない。しかし、販売元の会社はPayPalというメジャーな支払いシステムを利用しており、私の見た限り怪しげなところは全くない。
私は今回の出来事をクリスマスの日にたまたま知り、即座にCDをオーダーした。それが1/5に届いたのだ。なので、「年末の繁忙期のオーダーだったにも関わらず、日本まで12日で届いた。どうも有難う」というメールを送ったのだ。
私は最初から、このScootersというデザイン会社は、イジーの友人か何かではないかと思っていたが、メールの文面から見る限りやはりそんな雰囲気だ。
勿論疑いだしたらキリがないが、特に何を疑う理由もない。CDは(ジャケットも何も一切ついていないが)実際私の手元に届いている。

そしてCDの内容だが。
皮肉なことに、会心作ともいうべき出来なのだ。何というか、迷いがない。全ての曲が同じベクトル、同じ勢いで自然に前へ飛び出てくる感じで、無駄な気負いもない。今までのアルバムは、私の好みからいえば正直泥臭い部分が強すぎたが、それも取れていて、逆に以前より若い印象になっている。
今までで一番好きかもしれないな。
普通のレコード会社から出したくない理由があったのだろうが。やはりもったいないではあるよなあ。
(1/18up)

Ahead, ahead, ahead (前へ、前へ、前へ)  *Bomb / Izzy Stradlin (2003) の歌詞。 *(アルバムLike A Dogより)


2006年01月07日(土)  I'm a little divided

フー・ファイターズのDVDが届いた。1/5にはイジー・ストラドリンの新譜も届いているので、これで3日連続音楽ソフトが届いている。日記に書かない購入CDもあるし、本をはじめとする買い物は殆どネットだし、加えて親からの小包などもあるから、うちには毎週しょっちゅう宅配便が届いている。
・・・なことはどうでもいいんだけど。

愛するフーファイのDVD。2004年のロック・イン・リオ。この野外フェスのトリをつとめるはずだったガンズ&ローゼズがドタキャンした為、急遽代わりに出演が決定したというライヴ。
これがもう。いいのよくないのって。
さ。
・・・最悪w

デイヴ・グロールがかっこ良くないことくらいわかってる。声だってCDだとあんなに甘いのに、ライヴだと粗野で品がないし。だけどいいのよ、曲が素晴らしいし、勢いがあるし、エナジーが・・・。
なんてことを吹っ飛ばすくらいに、かっこ悪かったのだ、デイヴ・グロール。
まず髪の毛。もみあげだけ長く伸ばしてほぼ角刈り。そのせいか太って見える。・・・いや、違うな、明らかに太ったんだ。角刈りで丸い髭ヅラ、肩も丸く盛り上がり、腕はぶっとく・・・木こりかお前は。

動きは以前にもまして重心決まらずもっさりとして、むさ苦しいわおっさん臭いわ。
やたらと野太い声で「おーいえー!」「ひあうぃごぉー!!!」と雄叫びを上げまくるのもウザイわ暑苦しいわ。
ギターは雑。チューニングも狂ってる。歌もちゃんと歌えてない。すぐに高音をシャウトで誤魔化す。

「次の曲はガンズに捧げる」と言ってSweet Child O' Mineのフレーズをど素人並のメチャクチャさで弾きかけ、「弾けねえ」とやめ、そこでマイクに向かったまま力いっぱい音をたてて痰を吐き、「ガンズがキャンセルしたおかげでここに来れて感謝してるよ」とふてぶてしくも言い放ち。
・・・くっそ、もう我慢ならねえと思った瞬間に弾きだしたのがStacked Actors。
ああこれはどういうアメとムチなんだ。

一番神経にこたえたのが、'Times Like These'の7拍子のイントロを弾いている時だ。
デイヴがカメラに向かって真正面から思いっきり唾を吐きかけた。ガムを始終噛んでいるせいか、妙に黄色っぽく泡立った唾液がスクリーンいっぱいに広がっていった様を想像してみろ・・・どれだけぞっとしたか。
ショックと気持ち悪さで軽く気が遠くなりかけたその時。
彼が歌った。
I
I'm a one way motorway

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちっくしょう。
こんな太った下品な男が、しかも怖気のたつような汚らしい唾を吐いた直後に歌う、たったワンフレーズで。
なんで私は涙が出るんだ。
毎回毎回、何回見ても。この時の歌いだしは。涙で前が見えなくなる。

I'm a little divided (私の心は軽く引き裂かれる)  *Times Like These / Foo Fighters (2002) の歌詞。


2006年01月06日(金)  I'm gonna run and find a place where I can hide. Somewhere that no one knows

ジーザス&メリー・チェインのCD「Psychocandy」が届く。元日に「The Old Grey Whistle Test」のDVDで見て気に入ったバンドだ。
ライヴの印象では硬く尖ったノイズ・パンクだったが、CDは結構感じが違う。1曲目の出だしなんて、B.C.R.の"Be My Baby"みたい。またはシーナ&ザ・ロケッツのYou May Dreamにも雰囲気が似ている。全体にタルくてへろへろで、オンリー・ワンズをしゃかしゃかうるさくしたようでもある。リズムがどれもこれも一本調子なのが、逆に特徴になっている。ついでにいえば歌詞もどれもこれも同じだ。

パンクって、きっと一般世間的には男っぽいイメージがあると思うんだけど。実際のパンク・ロックに関して言えば、ヘタレでなよなよなのがかなり多い。(除くハードコアw) JAMCも、ボーカルや歌詞なんかもう、根暗でひ弱で今にも死にそうだ。現場仕事とか出来そうにもない。
では世間の思い込みはどこから来るかというと、多分全ては「革ジャン」なんじゃないかな。しかしそのイメージは「ロックン・ロール」の人たちにあげて下さいと言いたい。
もっとも。真に「男らしい」人種は、きっとロックそのものをやらないけどね。何なら音楽自体をね。
(1/12up)

* ちょっと驚いたこと。JAMCを聴きながらこの日記を書いた後で、ふとオンリー・ワンズを聴いてみたら、いきなりほっ、とした。・・・そうか、思った以上にノイズ・パンクってのは神経を逆撫でする効果があるんだなあ。・・・てか、オンリー・ワンズが相当に気がゆるむ音楽なのかw

I'm gonna run and find a place where I can hide. Somewhere that no one knows (走って逃げて、誰も知らないところに隠れちゃいたい)  *My Little Underground / Jesus & Mary Chain (1985) の歌詞。


2006年01月04日(水)  Have It All

昨日marikoさんからいただいた手作りのミートソースを食べる。3人前はあるとのことだったが、「いっぺんで」食べてしまった。半分はパスタで、半分はマカロニで。さすが手作りの力はすごい。
私はずっと自炊をしていないので、今うちには味噌も醤油もない。そう聞いたmarikoさんが、パスタもにんにく入りのオイルも鷹の爪も全部持ってきてくれた。

でも実は。オリーブオイルだけはあったりするんだな。あとスパイス類はどっさり。岩塩も。カットトマトの缶詰や、ココナッツミルク缶も。
太るのが嫌だからつくらないだけで、料理自体は嫌いじゃない。だからオリーブオイルは何となく切らしたくない。観念的に、コーヒーとオリーブオイルのある家に暮らしたい。

そして食べさせたい。痩せフェチの私だが、実は食の細い男は嫌いなんだ。
(1/11up)

Have It All (全部食べてね)  *Foo Fighters の曲。(2002)


2006年01月02日(月)  There will never be another one who can do the things you do

4日までお休みにしたので、今日もどこにも行かず、ネットをし、本を読み、DVDを見る。そういえばRくんが店に持ってきたDVDの中にDoors of the 21st Centuryなんてのがあったな。見てみるか。2003年の「L.A.Woman Live」

・・・うっわあ。ひっでえ、コレ。
ここまでクズみたいな演奏、初めて見たわ。

カルトのイアン・アストベリーが再結成ドアーズのボーカルに選ばれて、ライヴでジムのそっくりさんに徹してみせたと聞いた時は、頭いいなと思ったものだ。自分が何を求められているかをよくわかってるじゃん、って。
そもそもドアーズ再結成時に、ドアーズ世代が一様に見せた反応が、「イアン・アストベリー? 誰だそれ?!」で、もう明らかに「どこの馬の骨だ」扱いだった。だから私は数ヶ所の音楽bbsなどにこう書き込んだ。「カルトといえば'80年代パンク・シーンを知る世代にとっては一種のカリスマ。そのボーカルがそっくりさんをやらされることは、カルトのファンにこそ苦々しい事態の筈だ」
あるカルトのファン・サイトに、「イアンは今、ドアーズのコピー・バンドをやっている」と書いてあって、うまい言い方だなと思った。まさにそれが正解なんじゃないかって。

そして。今回実際にライヴ映像を見てみたら。
ひどい。ひど過ぎる。だって、イアン、マジじゃんか。
レイとロビーの本気で満足そうなこと。これはただの同窓会だ。ライヴ8におけるピンク・フロイドも同窓会ノリではあったが、あれははたで見ていてしみじみ「良かったねえ・・・」と涙ぐんでしまうような説得力のある同窓会だった。だが再結成ドアーズは、ただのオヤジの宴会の余興だ。
途中に挟まるインタビューで、レイが「ジムも自分の詩がイアンの口から再現されることで喜んでいるはず」と真剣に言っていたので唖然。

ジム・モリスンカート・コバーンは、二人とも技量的には全然たいしたことない。かたやプラス、かたやマイナスの違いはあるものの、二人とも「個」の発散だけで周囲を打ち倒す。
だからこの二人は再現しようと思っちゃ駄目だ。本当はコピーすら駄目なのよ。出来るわけないでしょう?
そんなこと、あんたたちが一番よくわかってるはずじゃない。ジムの周りにいたレイとロビー。ジムを崇拝していたイアン。

あまりに驚き呆れたので、これを書かないわけにはいかないだろうと思い、本当にその為に、12/21で止まっていた日記を再開させた。
(1/7up)

There will never be another one who can do the things you do (誰もあなたのようには出来ない)  *Shaman's Blues / Doors (1969) の歌詞。


2006年01月01日(日)  And now the two years're over

昨夜は土曜だけど私が出勤したので、年越しはCROSS ROADで迎えた。思えば年越しは職場でというのは、かつては普通のことだったんだ。年越し夜勤はたいてい希望した。ペイがいい場合も多いし、ヒマだし、他部署から差し入れがあったりと何かイベントっぽいし。(センチュ○ー・ハイ○ットにいた頃、深夜にベルボーイ数人が酒を持ち込んで飲み会を始めたこともあったっけ)
何より夜勤明けで帰るときの気分が好きだった。何故か元旦は天気のいいことが多く、街がのんびりとゆるんでいて、通りは閑散としているが、意外と開いている店もあって結構ひとが入っている。そんな中を適度に疲れたからだで家に帰る。待っているひとがいる家に帰る。

離婚してもう2年余りになるのか。
最後に彼の待つ家に戻った元日からは、既に4年だ。

今年は朝8時に閉店して、とっとと一人の家に帰り、夕べRくんが持ってきたDVD4本中、「The Old Grey Whistle Test 3」を見た。以前に見た「The Old Grey Whistle Test」は相当に良い内容だったが、今回はミュージシャンのセレクションもスタッフのコメントも何だかぱっとしない。
けれどその中で唯一、ジーザス&メリー・チェインというバンドが目についた。これだけ何度も繰り返して見た。いかにも'80年代という感じのパンク。ドラマーが直立して、スネアとタム1個だけを交互にぶっ叩いている。何とこのドラマーが、プライマル・スクリームのボビー・ギレスピー。ドラムやってたなんて全然知らなかったなあ。

今年は例年以上にお正月らしいことを何もしていないが。
よりによって元旦からノイズ・パンクにはまるとはねw
(1/6up)

And now the two years're over (あれから2年たった)  *Something's Wrong / Jesus And Mary Chain (1985) の歌詞。


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