ユミコのメモ箱
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仕事の帰り、生まれてはじめて『能』を観に行く。 仕事の先輩の御主人さまが本日出演されるということもあって、以前から一度は観てみたいなー、というかなり軽いノリで、誘われて観に行く。
『生田敦盛』『殺生石』という2つの演目の間に、狂言『因幡堂』が入って、本日の夜能は2時間ほどだった。
これはこれは、とてもよい経験だった。
それぞれのおはなしのあらすじは前もって軽く読んで予習しておいたけれど、演者の謡う日本語はほぼ聞き取り不可能。まったく何をいっているのか、わからない・・・
でも、ストーリーがわからなくても、なにかいい。 大小の鼓、笛、『殺生石』では太鼓も。そして地謡、シテ、ワキ、『生田敦盛』では子方も。それらの音色、声色、リズム、重なり、やりとり、間・・・なんともいえない自分の中への響きがあった。
「やっぱり日本人のDNAに染み付いているのよねえ、きっと」と、なるほど仕事の先輩はおっしゃった。
そうか、私もそういうふうにできているのかー、と一寸思った。
『江戸東京たてもの園』に行く。 『千と千尋の神隠し』で、千尋の両親がブタになってしまうシーンの背景のモデルになったという『看板建築』などが移築・再現されていることで知られている『たてもの園』だが、心踊ったのは大正〜昭和にかけて建てられた住宅。明らかにお金持ちが建てた、贅沢な造りの、品のいいお家の中を見学するのが、物件・間取り図マニアとしてはたまらなかった。 見学に居合わせた小学低学年の姉妹が「こういうおうちにすみた〜い!」と言いながら部屋から部屋へ走り回っているのが面白かった。「私も〜〜!」と言いたかった。『常盤台写真場』という昭和12年に郊外住宅地に建てられた写真館の、2階写場(スタジオ)は天井が高く突き出し、北側には大きなくもりガラスになっていて、まさにアトリエにはうってつけ。ああ、ここに憧れのロッキング・チェアを置いて、壁一面天井までとどく本棚を配して・・と夢ははてしなく膨らむ。読書がすすみそうなアトリエ(あれ?制作は・・・)。
8月のOの個展で名刺交換した、府中の『ギャラリ−&カフェ ドードー』まで足をのばす。 ちょうど月に1度の10日間の個展期間中(それ以外は常設展だそう)だったので、いいタイミング!とだけ思って行ったのだが、フタを開けてみたらタブローかと思っていた作品は石版画、しかもこのSさんという作家さん、8月のOの個展で知り合っていろいろとお話をした、本作りもされるというあの作家さんだったからびっくり。ご本人は不在だったのだが、オーナーさんから話を聞いて、名前とお姿の印象とあの時お話しした内容と、目の前の作品が繋がったのだ。
カフェで絵本をめくりながら、こだわりの美味しいコーヒーとケーキをいただいて、う〜ん、至福の休日。
仕事の帰り、日本橋のギャラリーで2つの展覧会を見る。 ひとつは作家さんからDMを頂いた、でも面識はない方の版画&ドローイング作品。版画、といっても、ステンシルなども織り交ぜていて、エディションはなさそう。好きなカンジ。展示の仕方も、とてもかっこよかった。 もうひとつは偶然通りかかった、こちらも版画作品。版をパーツで作って、あちこちの絵に刷って再度登場させている、言ってみれば使い回し(おっと、失礼)をしている(と思う)ところは面白いと思った。
日本橋から京橋まで歩き、学生の時お世話になったキハチ先生の個展に行く。キハチ先生、在廊。 作品の解説を伺いつつ、またまた最近私の脳みそに響くキーワードに出くわす。ああ、いよいよホントに来る時が来たのだな、と思う。 先生曰く「美術教育を受ける前までの、自分の根っこを膨らませなさい」。 他にも、いろいろお話を伺う。 閉廊後、画廊近くの『松しま』というおみせで、先生と画廊のオーナーと3人で「軽く食事と軽くお酒」(byキハチ)をしながら、いろいろいろ・・・・とお話を聞く。先生、ごちそうさまでした。勉強になりやした。
TBS『ニッポン?民俗学−霊魂と死についてまじめに考えるスペシャル』が面白かった。
昨日、丸ビル対談の後、池袋TOBUの画廊にて、Aさんのグル−プ展を観に行った。大学の日本画のあこがれの先輩だ。
出産後はじめて見る絵は、また一段と気持ちよかった。清々しさと同時に、神秘的な深さが増しているように思えた。ああ、いいな。この、何かが宿っているカンジ。岩絵の具の絵肌も、いいな。
ああ、私もはやく絵が描きたい・・しばらく山にでも隠って(は無理だから、しかたなくアトリエに隠って)どっぷり制作に明け暮れたい気分。などと考えながら帰った。
最近、見たり聞いたり考えたりすることすべてが、ある1点に繋がっているのを感じる。それはきっと、私自身がそういう事をキャッチしやすい体質になっているんだろうと思うけど。
新!読書生活「こころところば」 読書ナビゲーター 川上弘美さん(作家) ゲスト 糸井重里さん(コピーライター) 丸ビルホール 主催/活字文化推進会議
・・・を、聴講してきた。 「ああ、憧れの川上さんに会える!」と、かなり舞い上がっていた自分であるが、結局早起きが出来ず(昨日の今日、ではキツかった・・『ひまわりさん観察日記』参照)最前列席ゲットならず、でも前から6列目は目線が丁度舞台上の川上さんたちと同じ高さでしかもド真ん中席に座れたので、まずまずだった。
ある知り合いから「大柄な女だ」なんて聞いていたのだけれど、その言葉は全くもって失礼極まりない。写真で知っていたお顔よりもずっと華奢な感じで、笑顔の素敵な、そして落ち着いた声の、それでいてよく笑う女性であった。小説やエッセイから受けるよりも可愛らしい感じの人だと思った。
フリートークが苦手、という川上さん。のっけからのソレでは、前置きをしてから『読書の楽しみ』についての原稿を朗読。ものの5分で終わってしまったが、後の対談で糸井さん曰く「籍が入ってる」トークを聴けて、ファンとしてはそれはそれで貴重な時間だった。
その後、簡単な舞台セッティング替えの後、再び川上さん、そして糸井さんも登場。ここからは川上さんも水を得た魚のように、糸井さんの巧妙なトークに引っ張られるように、脱線に次ぐ脱線の楽しいお話が溢れ出た。
・・・アッと言う間の、2時間だった!
内容は、川上さんの『ナウシカの腐海について2時間授業した』話(川上さんは昔、生物の教師をしていた)や、糸井さんの『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』体験話など興味深い話からスタートし、用意されたお二人がそれぞれお薦めする本についてのトークを中心に進んだ。また読みたい本が増えてしまった。
川上さんの話で共感したこと3つ。 1. 小説は誰かのために書いていない、自分のためでも無い、ただ書きたいから書く。何かを言いたいのでもない。ストーリーはなんでもいい。結局は、「生きるって何だろう」ということを追いかけている。そして未だに何だかわからない。 2. 書く時も読む時も、そこに『手に触れられるもの』を描くことを大事にしているし、そういうのが好き。 3. 例えばストーリーを『建築物』として、言葉で表現するのは『建築物』の中のほんの一部分の『壁』だけである。その『一部分の壁』だけで、『建築物』という全体像を想像させる文章でなければいけない。それは、『壁』を描くか『柱』にするか『窓』がいいか。どの部分を選ぶかでも、その全体像は変わってくる。
・・・ああ、絵もおなじだ、と思って、ずっと置き換えて聞いていた。
糸井さんの「おお〜〜っ」と思った言葉。 『良い児童文学は、子どもだからといって容赦しない』
・・・納得。
他にも心にピンとくるお話が満載だった。自分にとって、とてもいいタイミングで聴講できて、ラッキーだった。
ただひとつ心残りは、ある戦略が果たせなかったこと・・・ でもいい。今日は大満足だった。 戦略は、また次の機会を狙うとしよう。 次は『サイン会』とかがいいな。
神保町の文房堂ギャラリーでグル−プ展を見た。 知り合いの油絵作家Tさんが参加していたので。 Tさん以外は、いまいちだった。 というか、Tさん、ちょっともったいなかったなー。
私は、彼女の小さい絵を持ってます。油じゃないけど。 自分で選んで買った、はじめての絵です。 絵を買うって、こういうことかー、とはじめて思い知ったのが約2年前のこと。
次は、タブローを描きたいと今ふつふつと気持ちを盛り上げているところ。 盛り上げておいて、逆に自然なところに静めているところ。 版画(リト)の絵の作り方がなんとなく自分に合わないような気がしているところ。
本日より庄和町と春日部市が合併し、新『春日部市』となりました。
自宅の住所表記が変わります。 従来の『北葛飾郡庄和町』の部分を『春日部市』に入れ替えるだけ!あら、簡単! それ以下の住所、郵便番号は変わりません。 アトリエの住所は変更無しです。
個展終わりのだる〜い風邪が、ようやく鼻風邪に移行してきた。 ローションティッシュが手放せません。
個展、個展にかまけてたツケで、今は仕事、仕事の日々です。 まあそれ(かまけてた方)も仕方ないか。
どっぷり(個展=自分に)浸かり、今、さまざまなタイプの『未練』から脱出しよう、というところ。 風邪と一緒に膿をだして、方向転換を志す。
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