（運転しながら）

　「ぽーりぽーり。」

「どっかかゆいの？えっ？後ろに警察の車？」

　（先に寝ていた夫が突然）

　「もーも い ーろ。・・・ムニャムニャ・・・」

「ええーっ？」

　（音楽を聴きながら、何やらヘンなかっこうでノってるので）

　「その、お茶碗持ったような左手と、卵を握ったような右手は何なの？」

「ギターを弾いているんだ。」

　「Ｙｏｕは『鳥頭（トリアタマ）』だな。」

「そうか？そんな髪型か？」

　（冷凍庫にしまっておくようにお願いしていたものを、

　間違えてないか確認したところ・・・）

　「えっとー、鶏肉でしょ、豚肉でしょ、鮭でしょ、それとブリ。」

「のおおお！あれほど何回も復唱させたのにっ

ブリは違うでしょ、ブリは。」

　（家で仕事をやるとパソコンに向かっていた夫。
　しばらくして背後から覗いてみると…）

　「何仕事しないで『わんちゃん相談室』なんて見てんの！」

「いや、これ見たら始めるんだよ。」

　「Ｙｏｕのメガネ姿の写真を見た子が『かっこいいマスオさん』って言ってたよ。」

「それは喜んでいいのか？」

　（夜１１：００近くに電話で。）

　「やっちまったよ。今、大宮なんだけど、宇都宮から大宮まで来て（高崎方面に）新幹線を乗り換えるはずだったのに、間違えてまた宇都宮まで行って来ちゃったよ！！」

「今日中に帰って来られそうで良かったね。」

　「バレンタインに会社でもらったチョコを食べようと包みを開けたら２個なくなってて、最初これはわざと食べかけのを送られたのかと疑ったけど、妻のしわざだったって話をしたら大爆笑されたよ。」

「知らない、知らない。」

　（飲食店を出た後）

　「今『いらっしゃいませ！！』って言ってなかった？」

「まさか私達がまだいたとは、思わなかったんだね。」

　「Ｙｏｕは『結婚』に思い描く事ってあったの？」

「うん。キレイな人を奥さんにもらうこと。」

　「ロード・リングスを観に行くか。」

「・・・しかも、『指輪』は複数形かよ。」

　「何もしないで何してるの？」

「ん？ひなたぼっこ。」

　（二人で歩いている時に。）

　「てくてく。」

「自分の動きを言葉で表さなーい！」

　「どうして今回の朝ドラ（ＮＨＫ『てるてる家族』）は欠かさず見てるの？」

「女の子がいっぱい出てくるからさ。」

　（遅い帰宅の食事中、背後をハッと振り返り）

　「うおっ、かわいがられる！！」

「いいから、かわいがらせろ。」

　「課長が会社に置き忘れてった携帯が鳴っててさー、見たら『奥』って名前だったから、ウチの支店の’奥’さんだと思って電話に出て『課長は携帯忘れて、もう帰ったよ。』って言ったら、ホントの’奥さん’でまいったよ。」

「まず勝手に人の携帯に出ないこと！」

　（私の質問に返して）

　「ソウダナー。」

「コラ。今、考えてるフリして何も考えてなかっただろ。」

　（会社ではなるべく’内股’で歩くと言うので）

　「何で？気持ちワルイよ。」

「Ｏ脚を治そうと思ってさ。」

　「『しし座流星群を見る』と言った私に『電話で起こしてやる』と約束したＹｏｕに裏切られて以来、Ｙｏｕを信じるのをやめました。」

「たまたま目覚ましが鳴らなかったんだよ。」

　「今日も会社でどうにも我慢できなくなって、隣の人がいないすきにスカしたらさ、そーゆー時に限って人が来ようとするからさ、『何ですか？』とか言って自分から席を立って近づいていったらさ、焦って異常に近づきすぎたよ。」

「それは完全にバレたと見た。」

　（晩御飯の献立の相談をしていて）

　「それは嫌いだから、いらなーい。」

「おおっ！結婚して初めての自己主張！

ま、黙ってるとヘンなもの食わされるからな。」