プープーの罠
2006年05月22日(月)

働く人

出向出勤が始まって1週間。

D社に出向ということは
前から出向している元Cチームリーダー
古賀さんの下で再び働く
ということだ。

以前は連絡がとれなくイライラしていて
私はその度に噛みついていたので
お互いにしこりがあるのは確かだけれど
四六時中そばにいるならばまた違った感じだ。

まぁ仕事だから

と割り切ったような接し方は変わらずで、
話す必要がない時は話さない。
楽ではある。

それを除いても、
私は誰とも話さない。
案件の専属で出向しているので
上司以外と仕事で絡む機会もなく、
長くいるわけでもないので馴染ま
なくてもまぁいいかなと思ったりもする。

一方、私の隣の席にはちょうど
同時期から新人さんが配属になってきて
彼らは少なくとも数年はこの会社に、
いや、この会社なら骨を埋める
つもりで入社してきている人も少なからずいるだろう、
そんな若者がおり、
私とは対照的に、一刻も早く馴染もうと
空回りするほどに積極的に話しかけてくる。

その相手がこの私なので、いろいろ聞かれても
 多分あなたより何も知りません
 どの人が誰だか分かりません

状態、社内での何かの人脈になれるわけでもなし、
何だか不憫なことだ。

話題の広げ方を知らないのは
深く込るほど相手に興味がない
というのもあるけれど、
要点を最小限に止どめて一言で済ます
話し方に慣れてしまっていて、
詳しく話す方がむずかしい。

制作を外れてしまえば 私の取り柄 である
仕事のスピードなんてほとんど関係なく、
話術の乏しさだけが目に止まる。

そろそろ愛敬だけでは通用しない年齢
にもかかわらず、だ。

2006年05月16日(火)

mean

朝の出勤についてはきつく言い過ぎたと思う。

言い過ぎたとは思うけれど、
仕方がない理由が納得できるならまだしも
悪びれずにそれができてしまう感覚が理解できない。

 じゃあ俺が昼まで本屋とかで時間潰してから行くなら問題ない?

違う違う違う。
なぜ早く起きようという努力をしない?

昔から遅刻とドタキャンが許容できない。
瞬発的にヒステリーを起こしてしまう
くらいどうしてもダメで、
そういうルーズな人は信用できないし尊敬もできない。

床ちゃんと絶交したのも
八木君と別れた原因もそれだ。


彼は30歳だ。私も27だ。
結婚がゴール
とは思っていないけれど
この年齢で結婚を考えられない恋愛をする、
好きだから
というだけの理由でいつまでも一緒にいるだけ、
だらだらと4年も、5年も、
なんて時間はないと思う。

彼といることが急に無意味に思えてきて
悲しいことだと思った。

やはり派遣社員をしているような人は、
何かが欠落していると思う。
早稲田君含め、私含め。

2006年05月14日(日)

朝靄の

明日から仕事が始まる。
長い休みの最後の日曜日のこと。

彼:君の仕事が始まったら一緒に通勤ができるね。
  そしたら平日でも泊まりに来ていい?

私:ん?だめでしょう
彼:どうして?
私:私、時間通りに出勤するもの。
彼:だから?
私:君は昼からでしょ?
彼:俺が時間通りに行くのはだめなの?
  むしろ、いいことじゃないの?

私:私の家に泊まった翌日だけ定時に出勤するの?
彼:そうだね。
私:おかしいでしょ。
彼:何が?
私:たまにでも早く出勤できるなら、毎日早く行けるってことでしょ?
彼:何でそうなるの?
  それって一緒に住みたいってこと?


こっちこそ何でそうなるの?
と思うがそれはさておき。


つまりは早く行こうと思えば行けるのだ。

私の家から会社まで30分、
彼の実家から会社までは1時間半。
家が近くなって解決できる
なら実家を出てもっと近くに住めばいい。
通勤電車が日本一混む沿線だということに文句を言う
ならますます引っ越して沿線を変えるべきで、
電車そのものが嫌なら徒歩圏
とまではいかなくとも
自転車なりバイクなりで通勤できる
くらいまで近くに住めばいい。

でも派遣だったしずっと働くわけじゃなかったし
なんていいわけするにしてはもう3年目でしかも
契約社員 になるのだから
まだしばらくはやるのだろう。

それとも実家を出るのが嫌
なら家の近所で働けるところを探せばいい。

2時間かけて通勤している人でも定刻に出勤しているのだから
距離がいいわけにできないことは彼も分かっているのだろう。

直接本題で話せば彼は周到にいいわけをする
けれど日常会話でポロリと出て来る事実、
・目覚まし時計では起きられないから持っていない
・頼んでもないのに母親は毎日朝ご飯を作り
 その度にいちいち食べるのか聞きに来るから睡眠を妨害される
・母親が中途半端な起こし方のまま出かけるから
 気がつくと昼近くになっている。
・肉の食べ過ぎで健康診断で高血圧と言われた。


低血圧で起きられないわけではない。
満員電車に乗れないわけではない。
会社に悩みがあるわけでもない。
辞める予定もない。
定時に出勤する気もまるでない。

引っ越しという物理的なことだけで解決できる
なら早稲田君のパニック障害は質の悪いいいわけだ。
朝早く起きるのが嫌で混んでいるのが嫌なだけ。

誰が好きこのんで早起きして電車にすし詰めになっていると思う?
みんな嫌だけど嫌だからってやらないんじゃ社会に通用しない。

俺は通用してるじゃん。
してないでしょう。
終電で帰ったって残業1時間程度の労力なんだから、
繁忙期でも定時に上がってるのと大差ないじゃない。

だったらクビにすればいいじゃん。
働きアリみたいに自分を犠牲にしてまで働きたくないし。
別に頼んでるわけでもないのに契約社員にまでして、
それなら許している会社がバカなんじゃないの。

黙認しているのは会社の優しさじゃないの?
人事から何か言われても新星さんがフォローしてくれてるから
君が直接怒られないだけなんじゃないの?
時間通りに出勤するなんて当たり前のことなのに
何でそれすらできない人にバカ呼ばわりされるの。
本当にクビになったらどうするの?
それでやっていけるの?
次のところでもそうやって遅刻するの?
通用すると思うの?

別に、一人ならどうにでもなるし。

一人なら、ね。

湖畔に張った氷の上に小さなリスでも乗り上げて、
スゥと静かに亀裂が広がっていくような感覚。

一人で生きたことないくせに。
一緒に生きていきたいって言ったくせに。

2006年05月08日(月)

違和感

4月いっぱいで派遣は辞める
と、早稲田君は話していた

のだけれど、会社お得意の保留になり、
 とりあえず5月いっぱいまでは延長する
 けれどこの保留の間に有休を消化します
ということで早稲田君も半月の休みとなった。
辞めるといっても別の会社に移るわけではなく
6月からは契約社員となる。

この話は実はずっとずっと前からあったらしく、
それは彼が派遣されてきてから半年ほどの頃、
つまりは数年前。
別に彼がその話を拒んだわけではなく、
ちょっと考えておきます
と言ったきり、人事から返事を催促されなかったから
返事をする機会がなかったそうだ。
今頃 急に話が動き出したのは、
世話焼き城さんが気を回して人事に掛け合ったから、である。
全体的に他力本願である。


画して世のゴールデンウィーク
どころではない連休を二人揃って手に入れた
わけですが、特に旅行に行くわけでもないので
私は法事がてら実家にしばらく帰ることにした。

早稲田君は実家暮らしである。
なので自然と私の家に来ることになる。
することは、食う、寝る、食う、寝る、食う、寝る…。

2006年05月01日(月)

イマジン

ゴールデンウィークの時期にはまだ苦い思い出と後悔が過る。
八木君と別れてからちょうど2年が過ぎた。
年を取ったなと思う。


熱病のごとく
ぼっ
とニライさん新星さん城さん早稲田さん
視界に入る人々にいちいち
もしこの人と付き合ったら
と考えていた少し前。

私はきっと
彼氏が欲しかった
んだ。
この人と付き合ったら
私は忘れるのだろう、と。
何を?彼を。

八木君を。

結局は生粋のめんどくさがりが
いない方がマシ
という結論を出していたに過ぎず、
そこにたまたま相手から声がかかってしまった
に過ぎない。

今日も早稲田君が泊まりに来る。

そろそろ仕事が終わるくらいかなぁ
と思っていたところにメール着信。
サブディスプレイにチラと見えた名前は
八木君。
最後に会ったのはあれだ、
ライブハウスで逃げ帰った去年の冬。

またライブでもやるのだろうかと予想、
反して内容は
『仕事をお願いしたい』
とのこと。

君、私の仕事の力量を
まったく
信用して
なかった
じゃない?

『お元気です?僕は何一つ変わっていないです』
と彼は言う。

 私は変わったよ
 新しい彼氏もできたんだ

そんなことは決して言わないけれど。

無難な言葉を返信し、駅まで早稲田君を迎えに行った。
迎えに来るなんて初めてだね、と彼は破顔し、
手をつないで一緒に帰る。


多分、仕事は頼まれないだろう。
ただまだこの番号がいきているのか、
確認したかったのではないか
そうする以外他にもう話題なんてないのだし。


携帯の契約を2年先までした。
ソフトバンクは会社として嫌いである
でも私はボーダフォンをやめない。
それは早稲田君とラブ定額だから
では、きっとない。

索引
「プープーの罠」 written by 浅田

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