2005年11月25日(金)
キリトリ線にそって折る
須貝さんも11月末で契約終了らしい。 本人の口ぶりからすると、自分から延長を断わった わけではないようなので、やっとクビなのだろう。 私のクライアントへの挨拶は結局メールのみとなり、 須貝さんは退職のご挨拶とやらに連れていかれた。
バカみたい。
ヒマだったので、 いつもは事務がやっている、 リーダーの出向先へのおつかいに行く。 書類を持っていって届けるだけ。 会社でじっとしているよりはずっとマシだ。
リーダーに書類を渡して、別の書類を受け取る。 これで任務は完了。あとは散歩でもして戻る。
「そういえば派遣更新しないんですってね。」 「えぇまぁ。」 「続けてくださいよ。」 「須貝さんも辞められるようですし、 私もあと1ヵ月なので、次の引継も早めに決めてください。」
そこで電話が鳴り、リーダーは応対、 私は用も済んだのでそのまま退散 しようとしたが、リーダーはストップのジェスチャーで 「ちょうど今、話してるところなのでまた後で。」 と電話を切った。
電話の相手は部長だったらしい。 「浅田さんの件、どうなったかだって。」 「何がですか。」 「派遣を続けるように説得してくれ、と言われてるのです。」
この人はまるで私に興味がない。 むしろ嫌いな部類なのだろう。
「お断わりします。」 「来週あたり、副社長が動き出すらしいですよ。」 「何にですか。」 「浅田さんの説得に、です。」
2005年11月24日(木)
オシゴトマーダー
派遣契約更新の時期。
私は、事あるごとに派遣会社の担当に 「ヒマすぎる」と苦情を入れ、その度に 「来月からは 今度こそ 本当に忙しくなる そうなのでもう少しガマンしてください」 となだめられていた
ので、担当は更新を勧める ことよりも、この年末までの契約を やり遂げさせる方に力を注いでいたし、 私もまったくその気がなかった。 師走を目前にしても私の仕事の予定はまるでなく、
何かやることありますか
と、足手纏いになるくらいさんざん聞いて むりやり絞り出された仕事は 上司がもらった名刺を住所録に入力する。
私は事務か?
できると評価されたうえで 猿でもできる仕事を与えられる。 屈 辱。 人手が足りないから切らない と言われた方がまだマシだ。 実際、私は人材としてあまっている状態だ。
定時きっかりに会社を出て、 私はフラストレーションを発散するかのごとく 個人の仕事をこなし始めるようになった。 もうどうでも良かった。
月末にまた数名辞めるらしい。 規制はあるけど指導はしない。 やりやすいように自由にやると制限をつけて出る杭は叩く のに引っ込んだ杭をひっばり上げて高さを揃えるわけでもなく ただ引っこ抜いてなかったことにする。 育てもせずただ殺していく 歯抜けでいびつに平均化された窮屈な会社。
2005年11月05日(土)
その場しのぎ
11月がきた時、 私は相当参っていた。
うんざりするほど仕事がヒマなのだ。
正社員一人分の仕事をまるまる引き継いだはずだった。 けれど、フタを開けてみれば 月に一度、定期的なルーチン作業が発生するだけの案件で テストアップや修正を含めても5日もかからない。 残りの15日はすることがない。
あの社員は毎日残業をしていた。 何をしていたら残業になるんだ?
くわえて、10月アタマにするはずだった クライアントへの挨拶 は、Cチームリーダーの「来週には」 という言葉で毎週先延ばしにされ今に至り、 つまりは引き継げていない ということで、須貝さんは派遣延長、
10月末に派遣社員が9人までに削減された。
そこに、須貝さんが残り、 私が制作をやり、須貝さんがクライアントと連絡をとる。 逆だ。 いづれ私一人でやることになるにしても 今ディレクションをすべきは私の方なのだ。
「電話で来た連絡はそのまますべて私に伝えてください」 と言っても須貝さんはいちいち「整理する時間をください」と 要点を掴まぬままあさっての方向に噛み砕きまるで伝言ゲーム、 80%も伝われば良い方で、残りの溢れた20%はミスとなり、 リーダーはその度にクライアントに謝り、そして私に言う。
「どうなってるんです?ちゃんと取り仕切ってくれないと。」 「だから早く引き継ぎしたいのです。 クライアントに挨拶しない限り、いつまで経っても 彼の元にしか連絡が行かないんですよ。」
「じゃあ来週にでも。」
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